9月30日に投開票が迫る沖縄県知事選で、自民、公明、維新が推薦する佐喜真淳候補を応援するため、東京都の小池百合子知事が、自民党幹部の要請を受けて沖縄入りした。
- 小池都知事、沖縄知事選で自公推薦候補を応援へ(日本経済新聞、2018年9月21日)
8月に急逝した翁長雄志知事の遺志を引き継いで、オール沖縄側から立った玉城デニー候補は、これまでも、基地や貧困など沖縄の抱える問題と正面から向き合ってきた。選挙公約では明確に、「辺野古新基地の建設阻止の貫徹」を掲げている。
それに対して、佐喜真淳候補は、辺野古問題を争点から外し続けている。辺野古の「へ」の字も口にせず、争点隠しを続けている佐喜真陣営に対しては、市民から「自治の放棄」だという厳しい指摘もあがっている。
今回、佐喜真候補を応援するために沖縄入りした小池氏は、自民党衆院議員時代には沖縄担当相や防衛相を歴任しており、辺野古基地建設を推進してきた立役者の一人である。また2017年10月の衆院選の公約発表会見の場でも、普天間基地の辺野古への移設計画を「着実に進める立場だ」と強調している。
その小池氏を招いて応援演説してもらうのだから、佐喜真陣営の本音が辺野古推進であることは疑いようもない。それでもなお、まだこの先、佐喜真候補自身は辺野古の「へ」の字も言わないとしたら、辺野古隠し戦術を貫くつもりなのだろうか。「頭隠して尻隠さず」とは、まさにこのことではないか。
- ※小池百合子氏、防衛相時代に辺野古推進 「沖縄マスコミは反米」「闘う相手」(沖縄タイムス、2017年9月29日)
- 辺野古「着実に進める」 希望・小池代表が公約発表会見で明言 防衛相時の姿勢を堅持(琉球新報、2017年10月6日)
小池氏はまた、人権感覚や歴史認識においても非常に大きな問題を抱えている。「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」において、歴代東京都知事が、あの石原慎太郎氏さえもがおこなっていた、追悼文送付を、2017年8月に取りやめたのである。
「虐殺の事実の否定につながるのではないか」という批判に対して、小池氏は「『虐殺』は、様々な歴史認識の一つ」と答え、虐殺という史実を否定する、歴史修正主義者としての本性をあらわにしている。