森友問題で、8億2000万円もの値引きの根拠となった2万トンもの量とされる3m以下の地中ゴミについて、国土交通省大阪航空局による算出方法に重大な問題があることが指摘されている。
- 【森友】国交省も公文書改竄か…地中ごみ撤去前の混入率を、払い下げ根拠として提示(ビジネスジャーナル、2018年4月18日)
2017年11月22日、会計検査院が森友学園に対する国有地の売却等に関する検査結果を参議院に提出した。会計検査院は、値引きの根拠となったゴミの推計量について、「十分な根拠が確認できない」とした。
同じ日の夜、国土交通省は野党ヒアリングの場で、ある資料を提出していた。このとき提出された「地下埋設物調査における解析結果」には、敷地の各地点で「3mより深い部分」でのゴミの混入率が示されていた。
ところが、この数値は、実は2010年1月すでに報告されていた「3mより浅い部分」のゴミの混入率と酷似したものだった。
この土地は、もとは池や水田だったところに土砂などを入れて整備したもの。この盛り土層は3mほどの深さまでで、ここにはビニールなどのゴミが含まれる。しかし、その下の堆積層からは化石は出ても人間の生活ゴミが出ることはない。「3mより深い部分」において、「3mより浅い部分」と同様に、生活ゴミがびっしり詰まっているなどということがありうるのだろうか。
言いかえると、「3mより浅い部分」のゴミ混入率を、「3m以下の部分」に当てはめるのは妥当なのだろうか?
記者クラブメディアがこの件をまったく追及しない中、IWJは定例記者会見で、石井啓一国交相に質した。
「取材・文:松本聰」地道に活躍されていたのですね。ご冥福をお祈りします。