民主党・岡田克也代表が一転して緊急事態条項の「中身」を批判!「自民党案は問題が山積」「憲法の定める基本的人権が必要以上に制約される」 2016.1.5

記事公開日:2016.1.5取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材・文:青木浩文、記事構成:佐々木隼也)

 「緊急事態条項そのものについて、自民党案は基本的人権の制約(など)、非常に問題が山積しています。『緊急事態にこのままでいいのか』ということだけで、中味を見ないで議論に入ってゆくと、とんでもないことになる」

 民主党・岡田克也代表は、2016年1月5日に民主党本部で行った年頭記者会見で、自民党・安倍政権が掲げる緊急事態条項の新設について、厳しく批判した。

▲民主党・岡田克也代表

 安倍総理は前日1月4日の年頭会見で、夏の参院選の争点として、憲法改正を据える意向をあらためて示した。その憲法改正の出発点として安倍総理が位置づけているのは、9条の改正ではなく、「緊急事態条項」の創設だ。

 岡田代表は、昨年12月25日に岩上安身がインタビューし、緊急事態条項に賛成か反対かを聞いた際には、「いや、総理は9条改正こそが本命であり、緊急事態条項は国民の支持が得やすいという『誤解』のもとに言っているに過ぎない。3分の2を取ったら総理は必ず9条をやる」「緊急事態条項も問題はあります。しかし私は憲法9条が問題の本質だと思っています」と、あくまで「9条改正が本丸」との認識を示し続けた。

 さらには、「それ(緊急事態条項)はこれからの議論です」「自民党案を前提に議論する必要はないです」などとも発言。視聴者からは、「危機意識がなさ過ぎる」「緊急事態条項こそが本丸ではないのか」などと、批判が相次いでいた。

 そこで今回IWJはあらためて、緊急事態条項の中身の是非について質問をした。岡田代表は「自民党案は問題が山積」として、初めてその中身に言及し、断じた。

 すると産経新聞の松本記者が、「自民党案の是非はともかく、緊急事態条項を(改憲で)加えることについての是非はどうか」を質問した。

 2014年11月の衆院憲法審査会では、共産党を除く自民、公明、日本維新の会(当時)などの他に民主党など7党が緊急事態条項に一定の理解を示し、本格的に議論することで合意していた。緊急事態条項が、野党の賛同も得やすい「お試し改憲」と言われるゆえんだ。

 産経新聞の質問に対し岡田代表は、「緊急事態条項という抽象的なものがあるわけではありません。個々の具体的な中味です。その中味をきちんと議論していかなければいけない」と強調した。

■ハイライト

  • 会見者 岡田克也代表
  • 日時 2016年1月5日(火) 13:00~
  • 場所 民主党本部(東京都千代田区)

「緊急事態条項」に関する岡田代表の発言――全文起こし

IWJ「安倍総理は昨日の年頭会見で、夏の参院選の争点として、憲法改正を据える意向を改めて示しました。その憲法改正の出発点として安倍総理が位置づけでいるのは、9条の改正ではなく、緊急事態条項の創設です。この緊急事態条項について、岡田代表はどのような認識をお持ちでしょうか? 万が一の大災害に備えて、必要だとお考えでしょうか? ご見解をお聞かせください」

岡田代表「これは年末にも私の考え方はお話をした通りであります。緊急事態条項そのものについて、自民党案は基本的人権の制約、非常に問題が山積しています。緊急事態にこのままでいいのかという、そういったことだけで、中身を見ないで議論に入ってゆくととんでもないことになると思います。

 憲法の定める基本的人権が必要以上に制約されるということに繋がりかねない内容を含んでいますので、そこはしっかりとした議論が必要だというふうに思います。

 安倍政権、そういった考え方の安倍政権の下で、どこまできちんとした議論ができるかということについて、問題もあると考えております。

 それから、安倍総理は昨日参議院選挙で、『憲法改正についてしっかり訴えていく』と言われました。本当にそうであってもらいたいというふうに思います。というのは、今まで、例えば2011年の総選挙、そこで全く何も言わないまま、選挙が終わったら特定秘密保護法が出てまいりました。

 そして、2013年の総選挙、ここでも安全保障法制については、小さくマニュフェストの片すみに書いていただけ。にもかかわらず、これがメインテーマになりました。そういった不正直なやり方ではなくて、しっかりと国民に訴えてもらいたいと思います。

 訴える際に、安倍さんが本来目指している9条の改正についても、自分はやるんだと。集団的自衛権の行使は、制限なく認める改正をするんだということを、堂々と言ってもらいたいと思います」

(他社の記者からの他の件に関する質問の後)――

産経新聞の松本記者「先ほどのご回答に戻って恐縮なんですが、緊急事態条項なんですが、自民党案には問題が山積という認識ということですが、自民党案の是非はともかく、緊急事態条項を加えることについての是非については、代表、どのようにお考えでしょうか」

岡田代表「緊急事態条項という抽象的なものがあるわけではありません。個々の具体的な中味です。ですから、その中味をきちんと議論していかなければいけないということを言っているわけです」

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

「民主党・岡田克也代表が一転して緊急事態条項の「中身」を批判!「自民党案は問題が山積」「憲法の定める基本的人権が必要以上に制約される」」への2件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    民主党・岡田克也代表が一転して緊急事態条項の「中身」を批判!「自民党案は問題が山積」「憲法の定める基本的人権が必要以上に制約される」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281187 … @iwakamiyasumi
    岡田氏、どうやら自民党改憲草案を読んだ模様。気付いてくれてよかった。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/684495163582853120

  2. 清沢満之 より:

    2016.01.04 【米オレゴン州、武装市民150人が自治体の建物を占拠!】
    米国オレゴン州にあるマルヒュア国立自然保護区の本部が武装した150人近い市民に占拠された。武装した市民は「連邦政権の圧政」に抗議を表明し、これから先も他の自治政府の建物を占拠し、市民らに対して抗議に加わるよう呼びかけると宣言している。
    http://jp.sputniknews.com/us/20160104/1403036.html#ixzz3wHAAj1vZ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です