2014年10月9日(木)、福島県知事選が告示された。立候補した熊坂義裕氏(62・無所属)は医師であり、また岩手県宮古市長を3期12年つとめた経験を持つ。熊坂候補は「市町村長行政と県政はまったくイコール。県政を、即、動かすことができる」と支持を呼びかけた。
熊坂候補は、共産党と新党改革の支援を受ける。第一声の場には、荒井広幸参議院議員(新党改革・無所属の会)や、山本正徳氏(岩手県宮古市長)らが応援演説に訪れた。
演説の中で熊坂候補は「医療、福祉、介護をしっかりやっていきたい」と述べ、「子育て環境の支援、教育環境の充実」にも取り組む考えを示した。福島県で実施されている「18歳以下の医療費無料」の継続や、医師不足にも対策を打つとの意欲を語った。
- 日時 2014年10月9日(木) 8:45~
- 場所 選挙事務所(福島県福島市)
「県内の原発の廃炉は当たり前。県外の原発にも反対をする」
熊坂候補は、自身の県政を実現する上で、避けて通ることのできない問題として「原発被害対策の総見直し」をあげ、これについては「一からすべての情報公開」をする方針だと述べた。
さらに熊坂候補は、「県内の原発の廃炉は当たり前」と発言。県内ばかりでなく、「県外の原発についても、明確に反対をする」との立場を示した。柏崎刈羽原発、東海原発、女川原発といった隣接県に立地する原発についても、「福島県の問題」として受け止めるべきだと呼びかけた。
「福島県を、すべてクリーンエネルギーでやっていきたい」。熊坂候補は、このように原発に頼らない社会を目指す立場を示し、「(原発の)輸出もノー」だとの考えを述べた。
「福島県人として」の決断
熊坂候補は福島県の出身で、県内には独り暮らしの父親が住んでいるという。また、自身が設立した24時間の無料電話相談室「寄り添いホットライン」に寄せられる「福島からのさまざまな悩み事」や、福島に住む同級生や親戚たちの声を聞きながら、「なんで福島は復興がこんなに進まないのか、こんなにつらい状況に置かれているのか」と自問してきたという。
「私は、福島県人であります。福島県人として、これまでの経歴をもとに、自分がやらなければならない。自分が決意して福島県知事として、この閉塞した状況を打開しなければならない」。熊坂候補は、立候補の動機をこのように語った。