山中恒・山中典子著『あたらしい戦争ってなんだろう?』第七章「『自衛のための戦争』とは何か?」(IWJウィークリー36号より) 2015.2.21

記事公開日:2015.2.21 テキスト

第6回の続き。
第6回はこちらからどうぞ→

◆第七章 「自衛のための戦争」とは何か?◆

 前章で見たとおり、不戦条約は「国家政策の手段としての戦争」を禁じる条約です。この条約の締結国が「国家政策の手段としての戦争」を始めたら、その戦争は「侵略戦争」とみなされます。国際社会は侵略国を非難し、侵略国は国際世論の批判を受けることになります。

 しかしながら、国際社会、国際世論が、認める戦争というものがあります。

 それは「自衛のための戦争」です。

 ケンカにおいても、相手になぐられたら、自らを守るためになぐり返すことがあります。これはしかたのない行動だと考える人が多いでしょう。国と国のあいだでも同じような考え方があります。不法な武力攻撃をしかけられたら、それに対して武力によって応戦することは認められるという考え方です。


「なぜジャーナリストは戦場へ向かうのか」――後藤健二氏に対する自己責任論にジャーナリストらが反論「火は燃えているのに、消防士に行くなと言っているようなもの」 2015.2.17

記事公開日:2015.2.21取材地: テキスト動画

特集 中東
※2月21日テキスト追加しました!

 「ジャーナリストが何人殺されようと、残った誰かが記録して、必ず世界に伝える。全てのジャーナリストの口を塞ぐことはできない。どんな強大な力を持った存在であっても、きっと誰かが立ち向かっていくだろう」

 後藤健二氏がイスラム国の人質となり、殺害された事件を受けて、戦場を取材してきたフリーのジャーナリストらが2月17日、後藤氏の行為に対して持ち上がった自己責任論によって、ジャーナリズムが萎縮していることに危機感を示し、情報の重要性を改めて考えるシンポジウムを開催。戦場取材の経験や意義を語った。


「僕がテロリストだったら、原発を狙う」――東京外大・伊勢崎賢治教授らが日本での「原発テロ」に警鐘 ~米国の海外最大の軍事拠点“日本”を狙えば米軍の弱体化に有効であることを示唆 2015.2.14

記事公開日:2015.2.21取材地: テキスト動画

※2月21日テキスト追加しました!

 「日本政府が今後も、『イスラム国』は悪、日本が参加する有志連合は善、という二元論的なメッセージを発信し続けたら、世界中で日本人が狙われる。中でもパキスタンにいる日本人は、かなり危なくなるだろう」──。元内閣官房副長官補の柳澤協二氏は、こう警鐘を鳴らす。

 2015年2月14日、東京都千代田区の日比谷図書文化館で行われた、自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会(略称=自衛隊を活かす会)の「第5回シンポジウム」は、過激派組織「イスラム国」による邦人2人の拉致殺害事件が起きて間もないこともあり、当初のテーマ「現代によみがえる『専守防衛』はあるか」に、急遽「テロと人質」問題が議題に加えられた。


山中恒・山中典子著『あたらしい戦争ってなんだろう?』第六章「イラク戦争は侵略戦争か?」(IWJウィークリー35号より) 2015.2.20

記事公開日:2015.2.20 テキスト

◆第六章 イラク戦争は侵略戦争か?◆

 前章までに述べてきた、
 「兵器」の開発競争
 「石油」の争奪戦

 この二つの争いは、20世紀の戦争を考えるうえでの大切なキーポイントです。もちろん、すべての戦争が「石油」だけに起因しているわけではありません。戦争の原因は、国と国のさまざまな利害の対立にあります。中でも経済的な利害関係のうえで、「石油」は国家間の大きな問題だといえるでしょう。

 20世紀が終わりに近づくにつれ、この二つの争いの頂点に立つ国は、だれの目にもはっきりしてきました。それはアメリカです。アメリカは、圧倒的な軍事力と、圧倒的な経済力を持つ、世界で唯一の超大国になったのです。

 そして、21世紀の初めに起こった、同時多発テロが、この超大国アメリカを「あたらしい戦争」へと目覚めさせました。


司法修習制度の今後について議論、現行の貸与制ではなく従来の給費制に戻すことを弁護士らが主張 2015.2.8

記事公開日:2015.2.20取材地: テキスト動画

※2月20日テキスト追加しました!

 司法修習に関する意見交換会が2月18日(水)、衆議院第一議員会館で行なわれた。出席者は主催者発表で292名。出席者の中には国会議員が35名、代理出席の議員秘書は101名が出席し、関心の高さがうかがえた。

 日弁連会長の村越進氏は冒頭の挨拶で、「日弁連はみなさんと共に力を合わせて司法修習生に対する給費の実現、修習手当の創設をはじめとする経済的支援の為に全力で取り組んでまいります」意気込みを語った。


慰安婦関連の記事「事実誤認はあったが捏造ではない」と結論付けられたが、バッシングは増えていた――元朝日新聞記者・植村隆氏が必死の訴え 2015.2.17

記事公開日:2015.2.20取材地: テキスト動画

特集 戦争の代償と歴史認識
※2月20日テキスト追加しました!

 「私の慰安婦記事とは関係のない娘が、どうしてこんなことを書かれなければならないのか」

 元朝日新聞記者の植村隆氏による講演会が、2月17日、日本ジャーナリスト会議主催により東京都文京区民センターで開催された。

 講演会では植村氏の他、モンタナ州立大学准教授で文化人類学者の山口智美氏の講演も行われ、北海道新聞編集委員の往住嘉文(とこすみよしふみ)氏、日本新聞労働組合連合委員長の新崎盛吾氏も、この問題についての見解を述べた。


自衛隊基地建設に揺れる与那国島 与那国町民・牧野トヨ子氏インタビュー 2015.2.20

記事公開日:2015.2.20取材地: テキスト動画独自

 自衛隊配備の賛否を問う住民投票を22日に控えた沖縄県与那国島で、2月20日(金)10時より、ジャーナリストの渡瀬夏彦氏が島民の牧野トヨ子氏(92)に話を聞いた。


福島第一原発2号機海水配管トレンチの立坑Aの水位が上昇、滞留水をタービン建屋に移送~東電定例会見 2015.2.19

記事公開日:2015.2.19取材地: テキスト動画

 2015年2月19日(木)17時30分から、東京電力定例記者会見が開かれた。福島第一原発2号機海水配管トレンチの立坑Aの水位が上昇し、管理基準OP+3.0mを超えたため、立坑滞留水をタービン建屋に移送した。


政府が掲げた農協改革による「農業所得倍増」はTPP交渉反対の口封じか――万歳章JA会長、ICA(国際協同組合同盟)会長らが会見 2015.2.12

記事公開日:2015.2.19取材地: テキスト動画

特集 TPP問題
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※2月19日テキストを追加しました!

 「農協改革が農業所得の増加にどうしてつながっていくのか、説明が足りていない状況です」

 5月に予定されている、日米首脳会談前に政府が狙う環太平洋連携協定(TPP)の合意。TPPへの反対を主張する全国農業協同組合中央会(JA全中)の影響力を削ぐ農協改革が進んでいる。2月9日には、安倍政権が提示した体制を見直す改革案を受け入れたJA全中は、各都道府県にある中央会を存続させるなどの妥協点を残すことには成功したものの、事実上の組織解体が始まったことになる。


山中恒・山中典子著『あたらしい戦争ってなんだろう?』第五章「第一次世界大戦と石油」(IWJウィークリー34号より) 2015.2.19

記事公開日:2015.2.19 テキスト

第4回の続き。第4回はこちらからどうぞ→山中恒・山中典子著『あたらしい戦争ってなんだろう?』第四章「イラクの石油問題の始まり」(IWJウィークリー33号より) 2015.2.17

◆第五章 第一次世界大戦と石油◆

 中東で発見された油田をめぐって、イギリスとドイツが激しく争っている、まさにそのころ始まったのが、第一次世界大戦でした。


【岩上安身のツイ録+重要なお知らせ】北海道取材敢行中!注目のインタビュー、シンポジウムを中継予定! 2015.2.19

記事公開日:2015.2.19取材地: テキスト

※2月20日の植村隆氏インタビュー第二弾は録画となりました。後日、録画を配信しますので、今しばらくお待ちください。

 先週お休みしたモーニングバード! に本日(2月17日)はなんとか出演できました。関係者の皆様にはご迷惑をおかけしました。皆様には、ご心配おかけしましたこと、あらためて、お詫びいたします。とはいえ、腰痛は治ったとは到底言い難い状態です。

 しかし、明日から北海道へ出張に行かなくてはならない。札幌、そして帯広へ。21日には、帯広で、石川知裕元衆議院議員の裁判報告会が開かれます。ここで、主任弁護士をつとめられた安田弁護士が講演し、石川知裕氏とともにディスカッションを行うのですが、その司会役を仰せつかっています。


【特別寄稿】邦人人質事件と安倍首相の「人道支援」発言の裏にひそむもの ~情報・諜報収集が目的か?(米川正子 元UNHCR職員・立教大学特任准教授) 2015.2.18

記事公開日:2015.2.18 テキスト

★本寄稿は2月15日時点での情勢を反映しています。

ダーイッシュ(ISIS)による邦人人質事件以降、安倍首相が何度も「人道支援(の拡充)」発言を繰り返していることに気付いた人も多くいることでしょう。

1月20日に人質の動画がインターネットで公開されたきっかけは、エジプトにおける安倍首相の演説だったと言われます。その演説には、「難民・避難民支援…地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度の支援」という文言が含まれ、「人道支援」は、実は明言されていませんでした。


生活・小沢、山本両代表が街頭で市民からの質問に答える記者会見開催へ 2015.2.17

記事公開日:2015.2.18取材地: テキスト動画

特集 小沢一郎/陸山会事件|特集 山本太郎

※2月18日テキストを追加しました。

 生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎、山本太郎両代表は、2月17日、定例会見を行ない、議員会館内での定例会見に加えて、今後、街頭で市民も交えた形の記者会見を行なう方針を明らかにした。


京都、滋賀などの自治体が高浜原発3、4号機の審査に関する地元説明を希望していることに規制庁「まだ説明会の要望は届いていない」と説明~田中俊一規制委員長定例会見 2015.2.18

記事公開日:2015.2.18取材地: テキスト動画

 2015年2月18日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。関西電力高浜原発3、4号炉の設置変更許可に関連して、京都府、滋賀県が地元としての説明を求めているが、規制委・規制庁へはいまだ要望が届いていないという。田中委員長は、要望があれば、審査結果の説明を行う方針を示している。


【告知】「法律家の卵」に重くのしかかる経済的負担の解消を――2月18日(水)18時30分より、司法修習生への給費実現を目指す日弁連主催の院内集会を中継 2015.2.18

記事公開日:2015.2.18取材地: テキスト

昨日、18時30分より、IWJでは「司法修習への給費の実現と充実した司法修習に関する院内意見交換会」を配信いたしました。ご視聴ありがとうございました。

こちらから集会の模様の動画をご覧いただけます。 →

 「法律家の卵」、つまり、弁護士や検事、裁判官を目指す若者といえば、経済的に恵まれた環境にあると思われがちである。しかし、実情は決してそうではない。


【岩上安身のニュースのトリセツ】安倍総理の「ブレーン」曽野綾子氏が産経新聞のコラムでアパルトヘイトを肯定 世界中から批判の声 〜移民ではない、「現代の奴隷制」を推し進める安倍政権 2015.2.17

記事公開日:2015.2.17 テキスト

 「日本では、労働力の補充のためにも、労働移民を認めねばならないという立場に追い込まれている」「南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった」「人間は事業も研究も運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にした方がいい」—。

 安倍総理のブレーンを務めた作家・曽野綾子氏が「アパルトヘイト」を肯定し、世界中で批判の的となっている。


早朝5時、辺野古工事停止指示の翌日にコソコソと資材搬入「悪ガキの悪あがき」 2015.2.17

記事公開日:2015.2.17取材地: テキスト動画

※テキスト追加しました!

 沖縄県民の民意を無視し、またしても辺野古で強行搬入が行われた。

 2月17日、早朝5時40分過ぎ、トレーラー数台が市民の目を盗むように、キャンプ・シュワブ内の旧ゲートから重機や資材を搬入した。


歴史修正主義に親和性を感じている有力な層は「現在の仕組みで利益を得て、その利益を失いたくない人」 ~従来の国家主義とは異なる日本の「J国家主義」とは?

記事公開日:2015.2.17取材地: テキスト動画

※2月17日テキスト追加しました!

 「憲法と『建国記念の日』を考える2・11集会-安倍政権の暴走とナショナリズム-」が2月11日(水)、「フォーラム平和・人権・環境」の主催で東京都千代田区の日本教育会館にて開催された。

 横浜市立大学名誉教授の中西新太郎氏が「若者とナショナリズム」と題して講演し、「子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会」の相可文代氏は、「『教育委員会アンケート』を実施して」と題して講演を行った。


山中恒・山中典子著『あたらしい戦争ってなんだろう?』第四章「イラクの石油問題の始まり」(IWJウィークリー33号より) 2015.2.17

記事公開日:2015.2.17 テキスト

第3回の続き。
第3回はこちらからどうぞ →

第三章 兵器が戦争を変える

◆第四章 イラクの石油問題の始まり◆


「イスラム国は悪なのか? アメリカやヨルダンが行う空爆は正義なのか? どうしたら負の連鎖を止められるのか」――有識者・ジャーナリストらが提言~第39回 ロックの会 2015.2.9

記事公開日:2015.2.16取材地: テキスト動画独自

特集 中東

※2月16日テキストUPしました!

 「『イスラム国』のやっていることは、悪の社会的包摂だ」──。香山リカ氏はこのように指摘し、世界各地の若者が「イスラム国」に引き寄せられることについて、「疎外された若者が抱えるネガティブな感情の『居場所と出番』が『イスラム国』にはある、という幻想を見ている。だから、『イスラム国』を壊滅させても問題は解決しない。社会に適応できない若者の受け皿についても、並行して考えなければいけない」と語った。