日刊IWJガイド・非会員版「検察が『袴田事件』の特別抗告を断念! 事件発生から57年、袴田巌さんにやっと『再審、無罪』への扉が開かれる!!」2023.3.21号~No.3841号


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■はじめに~検察が「袴田事件」の特別抗告を断念! 事件発生から57年、捜査機関によって捏造された証拠で冤罪に陥れられていた袴田巌さんにやっと「再審、無罪」への扉が開かれる!!

■IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 3月20日までの20日間でいただいた3月のご寄付は、108万4402円と月間目標の28%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし、3月の月間目標までには残り10日で残り72%、281万円以上が必要です! 毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円となりました! 3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

■【中継番組表】

■中国の習近平主席のロシア訪問を前に、習氏が『ロシア新聞』に、ロシアのプーチン大統領が『人民日報』に寄稿! 習氏は対話と協議によるウクライナ紛争の解決を訴え、二国間貿易の拡大を強調! プーチン大統領は「ウクライナ危機は西側の挑発」と主張、バランスの取れた中国の外交姿勢に感謝を表明!

■エヴァン・ライフ氏の驚愕の記事「ナチスのプロパガンディストのネットワークがウクライナ戦争の土台を築いた方法」その3/ウクライナ西部のガリシア人だけが、古代バイキングの血を引く真のウクライナ人であるという倒錯した妄想に取りつかれている! このイデオロギーはガリシアのファシストにとって、何千人ものウクライナ人を殺すことを簡単に正当化できる!

■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その43)>第三部 権力のはらわた「第八章 塗りかえられたレーニンの肖像 ―一九九一年九月、九三年二月―」(part2)
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■はじめに~検察が「袴田事件」の特別抗告を断念! 事件発生から57年、捜査機関によって捏造された証拠で冤罪に陥れられていた袴田巌さんにやっと「再審、無罪」への扉が開かれる!!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日20日、検察庁は「袴田事件」の特別抗告を行わないことを決定しました。

 13日に東京高裁が再審を認める決定を出したことに対して、検察が最高裁に特別抗告する期限が20日でした。

※東京高裁が袴田事件の再審開始を決定!! 歓喜の中、弁護団は、検察の「特別抗告」についての警戒を解かず、「特別抗告をするな」と検察庁へ申し入れ!! ~3.13「袴田事件」東京高裁前での決定報告 ―登壇:袴田ひで子さん、袴田事件弁護団 2023.3.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514701

※検察の即時抗告を棄却した高裁決定は、捜査機関による証拠捏造の可能性が極めて高いと断定! 検察は特別抗告断念を!!~3.14 今度こそ! 誤った裁判のやり直しを「袴田事件」高裁決定報告集会 2023.3.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514722

 20日、弁護士会館前、東京高等検察庁前では袴田巌さんの支援者らが、検察庁に特別抗告を行わないよう求めて、正午から座り込みやアピール行動を行なっていました。IWJはこの支援者らの活動を録画で収録しています。

 取材動画は、YouTubeのIWJチャンネルで公開しています。この後、IWJのサイトにもアップいたします。

※230320_「袴田事件」の再審開始に対して検察庁が特別抗告をしないように求めるアピール行動(Movie IWJアカウント)
https://youtu.be/DAJwfg-x1ck

 検察が特別抗告を断念したという知らせは、午後4時過ぎに、弁護団と支援者らのもとにもたらされました。弁護団は午後4時半から東京の司法記者クラブで記者会見を行いました。IWJはこの記者会見も、録画で取材しています。

 取材動画は、YouTubeのIWJチャンネルで公開しています。この後、IWJのサイトにもアップいたします。

※2023.3.20 袴田事件弁護団記者会見(Movie IWJアカウント)
https://youtu.be/PO2qZ_GEZgM

 現場で取材していたIWJの浜本信貴記者によると、記者会見で弁護団が会見室に入室する際、記者たちから祝福の言葉が浴びせられたとのことです。また、会見冒頭、弁護団の西嶋勝彦弁護団長が感極まって無言で机に伏せてしまい、浜本記者は胸を打たれたと報告しています。

 岩上安身は、2014年に西嶋団長にインタビューを行っています。

※「袴田事件のような捜査機関による証拠捏造は珍しいことではない」~岩上安身によるインタビュー 第415回 ゲスト 袴田事件弁護団長・西嶋勝彦弁護士 2014.4.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/133093

 検察が特別抗告を断念したことで、袴田巌さんの再審公判が、1966年の事件発生から57年、1980年の死刑判決確定から42年の時を経て開かれることになりました。

 13日の東京高裁による再審開始決定では、確定判決の証拠となった5点の衣類について、捜査機関による証拠捏造の可能性が極めて高いと断定されていることからも、袴田さんに無罪が言い渡される公算は極めて大きいとみられています。

 なぜ捜査機関が、証拠を捏造してまで犯人をでっち上げたのか、なぜ、検察はそのような冤罪事件に頑なにこだわり、袴田さんを苦しめ続けてきたのか、このような冤罪事件を生み出す日本の司法制度の構造的欠陥について、真剣な検証が必要です。

 IWJが追求してきた袴田事件と冤罪事件についての特集を、この機会にぜひ御覧ください!

※「袴田事件」に関するIWJコンテンツ
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e8%a2%b4%e7%94%b0%e4%ba%8b%e4%bb%b6

※「冤罪事件」に関するIWJコンテンツ
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%86%a4%e7%bd%aa%e4%ba%8b%e4%bb%b6

■IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 3月20日までの20日間でいただいた3月のご寄付は、108万4402円と月間目標の28%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし、3月の月間目標までには残り10日で残り72%、281万円以上が必要です! 毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円となりました! 3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 IWJの第13期も半期の折り返しを過ぎ、この3月で8ヶ月目に入りました。

 3月の1日から20日までの20日間でいただいたご寄付は、74件、108万4402円となっています。これは月間目標額390万円の28%にあたります。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございます。

 しかし、3月の月間目標額達成まで、あと72%、281万5598円が必要です! 毎月のように月間目標額を割り込む月が続き、3月の時点では、月間目標額を含め、第13期の累積不足額は1615万4500円となっております! ぜひ、皆さま、今月こそは、まずは月間目標額を達成できますよう、あと281万5598円のご寄付を、どうぞ緊急のご支援をお願いいたします!

 その上でさらに、累積の不足額を少しでも削れるように、引き続き、どうぞご支援をお願いします!

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、500万円かつ2回にわたってIWJにつなぎ融資しました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けてまだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費(最近の流行語ではサブスク)とご寄付・カンパ(最近の用語でいえばドネーション)の両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 2023年、「新たな戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために全力で頑張ってゆきたいと思います。

 先月、2月における、最も特筆すべきエポックメイキングな出来事は、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出したことでしょう。日本の新聞・テレビなどのメインストリームメディアは、一切このスクープを報じませんでした。

 IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1~4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5

 私は、ロシア軍がウクライナに侵攻して1年となる2月24日の岸田総理会見で、ハーシュ氏のスクープについて岸田総理に直接、質問しました。

 私が「日本政府は、このノルドストリーム爆破疑惑について、独自に検証や調査を行なっているのでしょうか?」と質問したのに対し、岸田総理は、「米政府は完全なるフィクションであるという評価をしております」「ノルウェー外務省もナンセンスと言っています」「多くの国においてこうした記事に関しては、否定的な評価がされている」とはぐらかし、日本政府・日本国総理としての判断を示しませんでした。

※【IWJ代表:岩上安身質問】ノルドストリーム爆破疑惑について、日本は独自に検証や調査を行なっているのか?岸田内閣総理大臣記者会見ー令和5年2月24日(Movie IWJ)
https://www.youtube.com/watch?v=9uUrTxr_Mss

※はじめに~岩上安身が岸田総理に対して会見で質問!~(日刊IWJガイド、2023年2月25日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51926#idx-1

 このウクライナ紛争は、米国主導の戦争です。

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、同盟国のドイツも多額の出資をしたノルドストリーム・パイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、欧州に天然ガスと石油を高値で売りつけて市場を奪い取ったということになります。

 IWJでは、独自のIWJ検証レポートで、ノルドストリームの建設の経緯から、完成したもののウクライナ紛争の勃発と制裁によって使用できなくなり、さらに爆破に至るまで、断続的に連載してお伝えしています。この経緯を知ると、ウクライナ紛争以前から、米国はノルドストリームの完成と開通を何としても阻みたいと思っていたという事実が明らかになります。

 岸田文雄総理は、1月早々に昨年末閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて岸田総理は鼻高々でした。

 しかし国会での議論と承認がなされなくても、閣議決定し、米国からの承認があれば軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が代わりに犠牲となり、日本は米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。

 上記の24日の岸田総理会見で、私は、「米国は誠実な同盟国なのかどうか、疑いの出ている中、日本の安全保障を米国に丸ごと委ねていていいのか」、「有事の際の自衛隊の指揮権まで米国に渡してしまっていいのか」と問いました。

 岸田総理は「自衛隊及び米軍は、各々独自の独立した指揮系統に従って行動をする、これはいうまでもないこと」などと、自衛隊の指揮権は独立して存在しているかのように述べました。

 しかし、この総理の発言は、事実と異なります。従来の幕僚長を事実上廃止し、新たに米軍との「統合司令部」を設置する「安保3文書」の改定は、自衛隊を米軍の司令下におく「2軍」にしてしまうものです。

 自衛隊が米軍と司令部を統合してしまい、自身で状況判断するための目と耳(情報衛星他)をもたず、独自に判断する頭(内閣に直結し、米国から独立した司令部)をもたない、そんな日本が、安全保障において、米軍から独立した主権をもつ、といくら岸田総理が口先だけで言っても、自衛隊のおかれたリアルな現実を国民に説明していることにはなりません。

 2月28日、衆議院本会議は与党の賛成多数で、「安保3文書」の改定を踏まえ、防衛費を大幅増額した2023年度予算案を可決しました。過去最大の114兆3812億円に上る2023年予算案は、参議院が仮に可決せずとも、3月中に自動成立してしまいます。

 日本は、このまま米国追従を続け、米国の単独一極覇権を支えるために、日本自らは世界最悪の財政危機に直面しているというのに、米国の要請に従って、軍拡という重い財政支出を重ねてゆくのはあまりに愚かではないでしょうか!?

 そもそも日本が依存している米国は、誠実な、信頼に値する同盟国といえるのでしょうか!?

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として、そもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

 皆さまにはぜひ、マスメディアが真実を伝えない、こうした問題について、IWJが追及を続けてゆくために、どうか、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

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城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

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 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身


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◆中継番組表◆

**2023.3.21 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch4】13:00~「岸田政権の新たな原発推進政策反対!フクシマを忘れない!再稼働を許さない!3.21さようなら原発全国集会」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 「『さようなら原発』一千万署名 市民の会」主催の集会を中継します。これまでIWJが報じてきた福島原発事故関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%a6%8f%e5%b3%b6%e5%8e%9f%e7%99%ba%e4%ba%8b%e6%95%85

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◆中継番組表◆

**2023.3.22 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】9:30~「野村哲郎 農林水産大臣記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 野村哲郎農林水産大臣による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた農林水産省関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e8%be%b2%e6%9e%97%e6%b0%b4%e7%94%a3%e7%9c%81
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【IWJ・エリアCh2・福島】13:30~「第47回『県民健康調査』検討委員会」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach2

 「福島県県民健康調査課」主催の「県民健康調査」検討委員会を中継します。これまでIWJが報じてきた県民健康調査関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%9c%8c%e6%b0%91%e5%81%a5%e5%ba%b7%e8%aa%bf%e6%9f%bb

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■中国の習近平主席のロシア訪問を前に、習氏が『ロシア新聞』に、ロシアのプーチン大統領が『人民日報』に寄稿! 習氏は対話と協議によるウクライナ紛争の解決を訴え、二国間貿易の拡大を強調! プーチン大統領は「ウクライナ危機は西側の挑発」と主張、バランスの取れた中国の外交姿勢に感謝を表明!

 中国の習近平主席が20日から22日にかけてロシアを訪問するのに先立ち、中国の『人民日報』にロシアのプーチン大統領の寄稿が掲載され、習近平氏の寄稿がロシアの『ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)』に掲載され」ました。

※Vladimir Putin’s Article for People’s Daily Newspaper, Russia and China: A Future-Bound Partnership(President of Russia、2023年3月19日)
http://en.kremlin.ru/events/president/news/70743

※Упорно двигаться вперед, к новым перспективам дружбы, сотрудничества и совместного развития Китая и России(Rossiyskaya Gazeta、2023年3月20日)
https://rg.ru/2023/03/20/uporno-dvigatsia-vpered-k-novym-perspektivam-druzhby-sotrudnichestva-i-sovmestnogo-razvitiia-kitaia-i-rossii.html

 20日付け『朝日新聞』は、習近平氏が『ロシースカヤ・ガゼータ』への寄稿で、今年2月24日に中国政府が公表したウクライナ紛争の和平案について「『各国の合理的懸念をとり入れ、ウクライナ危機に関する国際社会の最大公約数を体現したものだ』と訴えた」、「『各国が対等、理性的に対話や協議を堅持するなら、必ず危機の解決の合理的な方法を見つけることができる』とし、当事者双方に対話を求めていく立場を強調した」と、その内容を報じています。

※中ロ首脳、会談控え互いに寄稿 習氏「平和の旅」プーチン氏「感謝」(朝日新聞デジタル、2023年3月20日)
https://www.asahi.com/articles/ASR3N3QW0R3NUHBI00V.html

※中国がウクライナ紛争1周年で和平案を提示!「すべての国は、その規模、強さ、弱さ、豊かさにかかわらず平等であり、すべての当事者は、国際関係の基本的規範を守り、国際的な公正と正義を守るために協力しなければならない」! 非常にまっとうな停戦案だけに逆にウクライナと米国は反発必至か!?(日刊IWJガイド、2023年2月25日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51926#idx-8

 また、この『朝日新聞』の記事は、プーチン大統領による『人民日報』への寄稿について、「プーチン氏は『中国の友人と同様に、我々は国連憲章の厳格な順守と国際法の順守に賛成している』と主張」「『ウクライナの危機は西側が挑発し、熱心にあおったものだ』とも主張。『国際社会の支配と一極の世界秩序の維持だけでなく、北大西洋条約機構(NATO)が活動をグローバル化し、アジア太平洋地域に浸透しようとしている』として、米欧が中国の脅威にもなると訴えた」などと、その内容を紹介しています。

 また、20日付け『読売新聞』は、習近平氏が寄稿で「『各国の合理的な安全保障上の懸念も尊重しなければならない』と強調し、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大は『安全保障上の脅威』と主張するロシアに寄り添う姿勢も見せた」と報じています。

 前述の『朝日新聞』の記事も、この『読売新聞』の記事も、プーチン大統領が寄稿の中で、「中国のウクライナ問題に対するバランスの取れた態度に感謝する」と述べていると報じています。

※きょうロシア訪問の中国・習近平氏「客観公正に和平交渉を促す」…露政府紙に寄稿(読売新聞、2023年3月20日)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230320-OYT1T50086/

 20日付け『ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版』は、プーチン大統領が『人民日報』への寄稿について、「中ロの『新時代が始まる寸前』だと述べた」、「『ロシアと中国の関係は、その歴史の中で最も高いレベルに達し、さらに強さを増している』とし、『その質において冷戦時代の軍事・政治同盟を凌駕している。常に命令する者も従う者もなければ、制限もタブーもない』と述べた」と報じています。

※プーチン氏が西側諸国を非難、中ロの発展阻害で(ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版、2023年3月20日)
https://jp.wsj.com/articles/vladimir-putin-accuses-west-of-trying-to-contain-russia-china-ahead-of-xi-jinping-visit-5b5fea86

 この『ウォール・ストリート・ジャーナル日本語版』は、「プーチン氏と習氏は、中ロの世界的な野心を米国が封じ込めようとしているとの認識で長年一致しており、それが中ロ関係をますます強固なものにしている」とした上で、「中国は、西側諸国の制裁下にあるロシアに経済的な命綱を提供し、石油やガスを買い上げ、マイクロチップなど軍事利用が可能な先端技術を供給している」と報じて、経済的・政治的に不安定なロシアと、世界に影響力を強める中国の結びつきを「世界的な野心」と悪意をあらわにして記しています。

 ロシアの『スプートニク日本語版』は、20日付け記事で、習近平氏の論文について、「協力関係による努力が実り、2022年におけるロシアと中国の貿易高は過去最高の1900億ドル(約25兆500億円)に達し、10年前の水準から116%増加したと述べている」「習氏はまた、投資と貿易経済協力の量と質の向上を同時に推し進め、二国間貿易の規模を拡大し、一帯一路構想やユーラシア経済連合に関わる協力関係を継続する必要があると論文で述べている」と、経済面での協力関係に重点を置いて報じています。

※ロシアと中国の貿易高は過去最高の1900億ドルに達した=習国家主席(スプートニク日本語版、2023年3月20日)
https://sputniknews.jp/20230320/15348279.html

■エヴァン・ライフ氏の驚愕の記事「ナチスのプロパガンディストのネットワークがウクライナ戦争の土台を築いた方法」その3/ウクライナ西部のガリシア人だけが、古代バイキングの血を引く真のウクライナ人であるという倒錯した妄想に取りつかれている! このイデオロギーはガリシアのファシストにとって、何千人ものウクライナ人を殺すことを簡単に正当化できる!

 1978年から「アメリカ帝国主義にホイッスルを吹け」を合言葉に、調査報道を行っているニューヨーク州の非営利団体、CovertAction Institute, Incのメディア、CovertAction Magazineが、2月3日、注目すべき記事を発表しました。

 タイトルは、「ナチスのプロパガンディストのネットワークがウクライナ戦争の土台を築いた方法」というものです。

※How a Network of Nazi Propagandists Helped Lay the Groundwork for the War in Ukraine(CovertAction Magazine、2023年2月3日)
https://covertactionmagazine-com.translate.goog/2023/02/03/how-a-network-of-nazi-propagandists-helped-lay-the-groundwork-for-the-war-in-ukraine/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=wapp

 この記事は、ウクライナのナチ化が特異でも孤立した現象でもなく、米国NATOが旧ソ連との戦争に利用するための大きな全体的ネットワークの一部であったことを、具体的な事例をもとに、歴史的に説明しています。

 非常に示唆に富む、重要な記事です。

 今も、ウクライナのナチ化を、ロシアのプロパガンダとしてしか扱わない西側大手メディアや言論人・知識人は、いったい、このナチ化の西側ネットワーク全体を暴露したこの記事にどう反論するのでしょうか?

 早くも2019年に出ていたランド研究所によるロシア弱体化の青写真や、2023年2月8日に発表されたシーモア・ハーシュ氏による、ロシア、ドイツ、フランス、オランダが共同出資するノルドストリームを爆破した米国ノルウェー共同秘密作戦の暴露記事などを考えると、この歴史的な調査記事はますます重要な意味を持つと思われます。

 この記事の筆者は、エヴァン・ライフ氏で、米サウスダコタ州西部の鉱山町出身。労働組合のオルガナイザーの父を持ち、地域社会が脱工業化に対して闘う現実を見て育ち、左翼政治に関心を持ったといいます。

 氏は歴史を好み、反ファシストであることを公言しています。

 IWJは、このエヴァン・ライフ氏と連絡を取り、直接、ライフ氏からこの記事の翻訳の許諾をいただきました。

 IWJは、この示唆に富む記事を複数回に分けて全訳してお伝えします。

 今回は、その第3回です。

 その1およびその2は以下から御覧になれます。

※戦後の米国は「ナチス再生工場」だった! フランツ・ハルダードイツ軍参謀総長とアドルフ・ホイジンガードイツ軍作戦課長が、ナチス幹部でありながら免責され、戦後、対ソ戦のために米国に利用され、ナチス思想をドイツ国民やドイツ軍から切り離して、再活用した! ハルダーは700人の元ドイツ国防軍将校のチームを監督し、意図的に歴史を書き換えた! エヴァン・ライフ氏の驚愕の記事「ナチスのプロパガンディストのネットワークがウクライナ戦争の土台を築いた方法」その1(日刊IWJガイド、2023年3月1日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51942#idx-4

※エヴァン・ライフ氏の驚愕の記事「ナチスのプロパガンディストのネットワークがウクライナ戦争の土台を築いた方法」その2/ソ連崩壊後、1991年から2001年にかけて、ロシアだけで飢餓、医療不足、薬物中毒、困窮による超過死亡が最低でも500万人にのぼった! 東欧のロシア社会危機の中にある間に、旧ワルシャワ条約国に、西側資金を投入したプライベート・スクールが誕生! このスタッフは、カナダ、オーストラリア、米国から来たファシスト教授たちだった! ファシストたちは自分たちの好みにあわせて歴史を書き換え、イデオロギー戦争で全世代の新しい兵士たちを訓練できるようになった!
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51977#idx-5

 以下から(その3)の本文の翻訳となります。

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 血塗られた収穫

 「人間の本性にある、ある種の癖によって、どんなに言葉にできないような悪事でも、数分後には平凡なものになるらしい。ただし、それが、個人的な脅威にならないほど遠くで起こるという条件付きだ」アイリス・チャン(※)

(※)アイリス・チャン(1968-2004)は中国系米国人ジャーナリスト。アイリス・チャンスの著作『南京のレイプ:第二次大戦の忘れられたホロコースト(1997年)The Rape of Nanking: The Forgotten Holocaust of World War II』は、南京大虐殺60周年に刊行されベストセラーになっている。2007年にこの本にもとづいたドキュメンタリーが公開された。

 2014年のマイダンのクーデターに関して、私たちが受け入れている物語は単純である。抗議者たちは、批判され、非合法でもあったヴィクトル・ヤヌコヴィッチ率いる地域政党のくびきから解放され、それによってロシアの支配から解放されるために、ほぼすべての支持を得て立ち上がったのだと言われている。

 その後、移行はきれいに整然と行われ、ウクライナ東部の問題はロシアの侵入によってのみ発生し、真のウクライナ人は皆、新政権を支持するようになったという。マイダン体制は今日に至るまで、ウクライナの紛争は内戦ではなく、8年間続いている外国の侵略であると激しく主張している。

 耳を澄ませば、マイダンの公認シナリオの中にフランツ・ハルダー(※)やアドルフ・ホイジンガー(※)の声が聞こえてきそうだが、私はこれが偶然だとは思わない。当時と同様、NATOのプロパガンダによって作られた幻想が、真実からこれ以上遠くなることはないだろう。マイダンは決して普遍的な支持を得ていたわけではなく、この国を屈服させるプロセスは長く、血なまぐさいものだった。

(※)フランツ・ハルダー(Franz Halder)は、ドイツ軍参謀総長。

(※)アドルフ・ホイジンガー(Adolf Heusinger)は、ドイツ軍作戦課長。

※戦後の米国は「ナチス再生工場」だった! フランツ・ハルダードイツ軍参謀総長とアドルフ・ホイジンガードイツ軍作戦課長が、ナチス幹部でありながら免責され、戦後、対ソ戦のために米国に利用され、ナチス思想をドイツ国民やドイツ軍から切り離して、再活用した! ハルダーは700人の元ドイツ国防軍将校のチームを監督し、意図的に歴史を書き換えた! エヴァン・ライフ氏の驚愕の記事「ナチスのプロパガンディストのネットワークがウクライナ戦争の土台を築いた方法」その1(日刊IWJガイド、2023年3月1日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51942#idx-4

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■<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その43)>第三部 権力のはらわた「第八章 塗りかえられたレーニンの肖像 ―一九九一年九月、九三年二月―」(part2)

 岩上安身は、1989年から1994年まで、29歳から35歳まで、足かけ6年かけて、崩壊前夜のソ連から、ソ連崩壊後の「民主ロシア」誕生の裏面まで、現地で取材しました。

 現地取材をまとめた著書『あらかじめ裏切られた革命』(1996年、講談社、講談社ノンフィクション賞受賞作)は、当時のソ連・ロシアの実態を記録した貴重な資料ですが、残念ながら絶版となっており、入手困難な状況となっております。

 ウクライナ紛争の長期化、そして西欧諸国が世界を支配してきた構造、米国による一極支配構造に揺らぎが見え始めた今こそ、改めて1991年のソ連崩壊前後に戻って、歴史を振り返る必要があると思われます。日刊IWJガイドで、『あらかじめ裏切られた革命』の復刻連載を進めていきます。ぜひお読みください。

 下記URLから、初回の復刻連載(その1)をお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その1)>序文「ゴーリキーパークの世界精神」(日刊IWJガイド、2022年11月20日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51557#idx-4

 直近の復刻連載は、下記URLからお読みいただけます。

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その41)>第二部 蒼ざめた異族「第七章 シェワルナゼかく語りき ―一九九二年一月―」(part3)(日刊IWJガイド、2023年3月17日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52013#idx-8

※<岩上安身『あらかじめ裏切られた革命』復刻連載(その42)>第三部 権力のはらわた「第八章 塗りかえられたレーニンの肖像 ―一九九一年九月、九三年二月―」(part1)(日刊IWJガイド、2023年3月20日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52027#idx-8

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(前回の続き、<1>封印されてきた「秘密虐殺指令」後半)

<ロシア共産党(ボリシェヴィキ)中央委員政治局員のためのV・M・モロトフへの手紙

 一九ニニ年三月十九日

 極秘

 写しは絶対にとらないこと。政治局員各自(カリーニンも同様)意見は直接、文書に書きこむこと。 レーニン

 シューヤ(訳者注=イワノヴォ州にある市)で起こった事件は、すでに政治局の審議に附されてはいますが、事件が全国的な闘争計画に沿ったものである以上、断固たる処置をとる必要があると思われます。三月二十日の政治局会議に自ら出席できるかどうかわかりませんので、手紙で自分の考えを述べます。シューヤの事件は、最近ロスト通信が各新聞社宛に掲載を目的とせずに流した、例のペトログラードにおいて、極右が教会財宝没収令に対し抵抗の構えをみせているとするニュースと関連づけてとらえるべきです。

 今度の件と、新聞が書いている宗教界の教会財産没収令に対する態度や我々が知っているチーホン総主教の非合法なアピールを比べると、極右聖職者達がこの時期を狙って我々に戦いを挑むことが、きわめてよく練られた計画であることが判明します。極右聖職者の主要メンバーで構成する秘密会議で、この計画が練られ、決定されたに違いありません。シューヤの事件は、この全体計画の単なる一片にすぎません。

 思うに、我々に対し、勝ち目のない徹底抗戦で向かってくるとは、敵の大きな戦略的誤りです。むしろ我々にとって願ってもない好都合の、しかも唯一のチャンスで、九分九厘、敵を粉砕し、先ゆき数十年にわたって地盤を確保することができます。まさに今、飢えた地方では人を喰い、道路には数千でなければ数百もの屍体がころがっているこの時こそ、教会財産をいかなる抵抗にもひるむことなく、力ずくで、容赦なく没収できる(それ故、しなければならない)のです。今こそ、農民のほとんどは我々に味方するか、そうでないとしても、ソビエトの法令に力ずくの抵抗を試みるひと握りの極右聖職者と反動小市民を支持できる状況にはないでしょう。

 我々はいかなることがあっても、教会財産を断固、早急に没収しなければなりません。それによって数億ルーブル金貨の資金が確保できるのです(修道院や大寺院の莫大な財産を思い出して下さい)。この資金がなくては経済建設をはじめとする、いかなる国家的事業も、またジェノアで自己の見解を貫き通すこともありえません。ルーブル金貨数億(もしくは数十億)の資金を手に入れることは是が非でも必要なのです。

 それが首尾よくできるのは今だけです。状況を見てみると、後からでは成功しません。絶望的な飢餓のときを除いては、農民大衆が、たとえ教会財産没収闘争で当方の完全勝利が自明だとしても、我々に好意的態度を示したり、せめて中立でいてくれるという保証はないのです。

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、六反田千恵、浜本信貴)

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