日刊IWJガイド・非会員版「中国でも初めて確認!世界中に急速に感染拡大するオミクロン株、英国で初めての死者! WHOは『リスクは極めて高い』と発表!」2021.12.15号~No.3380号


┏━━【目次】━━━━━━━━
■はじめに~中国でも初めて確認! 世界中に急速に感染拡大するオミクロン株! 英国では初めての死者! WHOはブレークスルー感染や高い感染率、「深刻な結果」につながっている初期の兆候が見られるとし、「リスクは極めて高い」と発表! ワクチン完全接種者も、過去に新型コロナに感染し、治癒して後退をもつ人も、安全ではない!?

■岩上安身より、皆さまへ緊急のお願いです!! 12月13日までのご寄付・カンパは月間目標額の15%にとどまっています!! 11月末までの累積の赤字は約628万円に! どうか緊急のご支援をよろしくお願いします!!

■IWJ会員様より、日刊IWJガイドへのメッセージをいただきました。ここに感謝を込めてご紹介させていただきます。

■【中継番組表】

■ファイザー社が「ワクチン3回接種はオミクロン株に有効な防御効果期待」と発表! 一方で「今後、定期接種が必要になる可能性が高い」とも!! IWJはファイザーCEOブーラ氏のインタビューを改変したフェイクニュースをファクトチェック! ワクチン接種への信頼を語った動画が、場面の切り取りで反ワクチンプロパガンダに!!

■中国市場での新車販売台数は4年ぶり2600万台規模、米国市場の1.7倍に! HONDA新型「アコード」は1ヶ月で3万5000台予約、日本での販売台数のなんと15年分! ホンダは中国市場を念頭に将来的に全面的にEV化すると発表! しかし、トヨタはじめ日本のメーカーは水素など燃料の多様化などに執着、EVシフトにあくまでも慎重!「車の販売は持続可能社会を実現するための手段に過ぎない」というテスラ、イーロン・マスク氏が加速するEV化に日本メーカーはおきざりにされていくのではないか!?(その2)

■「ジュンク堂書店さん、人種差別を扇動する『ヘイト本』を目立つ所に置かないでください!」というキャンペーンに「いわゆる『ヘイト本』を積極的に販売することはいたしません」と回答した丸善ジュンク堂書店にIWJは質問を送付! 丸善ジュンク堂書店からは実質ゼロ回答!

■<IWJ取材報告 1>IWJ記者の質問に「内政干渉にあたらない」と13日国会答弁を繰り返し! 台湾のシンポで「台湾有事は日本有事」と勇ましく煽った安倍元総理の発言は「正当な関心の表明」と言えるのか?~12.14 林芳正 外務大臣 定例会見

■<IWJ取材報告 2>政府の打ち出すケア労働者の賃上げは月9000円、看護師はコロナ対応した人限定、期間限定で月4000円!!「使命感や責任感だけではもう耐えられない!」~12.13ケア労働者の大幅賃上げを求める現場労働者による記者会見

■<本日のタイムリー再配信>本日午後8時から、今年9月14日収録「『戦場で勝って戦争に負けた』9.11以来の米国の対テロ戦争! その『見果てぬ夢』の続き・対中戦争における日米同盟の危険性! ~9.14岩上安身によるインタビュー 第1052回 ゲスト 元内閣官房長官補・国際地政学研究所理事長柳澤協二氏」を公共性に鑑みフルオープンで再配信します! 明日16日は岩上安身による柳澤協二氏インタビューを生配信!!
┗━━━━━━━━━━━━━

■はじめに~中国でも初めて確認! 世界中に急速に感染拡大するオミクロン株! 英国では初めての死者! WHOはブレークスルー感染や高い感染率、「深刻な結果」につながっている初期の兆候が見られるとし、「リスクは極めて高い」と発表! ワクチン完全接種者も、過去に新型コロナに感染し、治癒して後退をもつ人も、安全ではない!?

 おはようございます。IWJ編集部です。

 新型コロナウイルスのオミクロン株の感染者が、中国国内ではじめて確認されました。

 14日付けウォール・ストリート・ジャーナルは、天津市の発表として、「海外から同市に到着した旅行者1人の感染が先週9日に分かったと発表した」と報じました。感染者は隔離され、病院で治療を受けていますが、詳細は明らかにされていないとのことです。

※オミクロン株感染、中国本土で初めて確認(ウォール・ストリート・ジャーナル、2021年12月14日)
https://jp.wsj.com/articles/china-reports-first-omicron-covid-19-case-in-the-mainland-11639427960

 一方、英国では13日、オミクロン株による初めての死者が確認されました。オミクロン株による死者の公式な確認は、世界で初と見られています。

 14日付けBBCは、13日にオミクロン株による死者を発表したボリス・ジョンソン首相が「オミクロン株に感染しても軽症で済むという考えは横に置くべきだと訴えた」と報じています。

 また、このBBCの記事は、サジド・ジャヴィド保健相が「オミクロン株はロンドンにおける感染の44%以上を占めるほどに増えている。2日後には大半を占めるようになると見込まれている」と述べたとも報じています。

※イギリス、オミクロン変異株による初の死者を確認(BBC、2021年12月14日)
https://www.bbc.com/japanese/59647085

 オミクロン株が最初に報告された南アフリカでは、オミクロン株によるものとみられる感染が拡大。12月13日付け読売新聞は「シリル・ラマポーザ大統領が新型コロナウイルス検査の結果、陽性と判定されたと発表した」と報じました。ラマポーザ大統領が感染したのがオミクロン株かどうかはわかっていませんが、南アフリカでは12月に入って新型コロナ感染者が急増し、12日には過去最多を記録、その多くがオミクロン株と見られているとのことです。

 また、この読売の記事は「ワクチン接種後に感染する『ブレイクスルー感染』が相次ぎ、在留邦人の感染も増えている」と報じています。

※南アで在留邦人の感染増加、大統領も陽性…多くがオミクロン株か(読売新聞オンライン、2021年12月13日)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20211213-OYT1T50138/

 13日付けロイターは「WHO(世界保健機構)は、感染力が一段と強い可能性のあるオミクロン株を巡りかなりの不透明性があるとし、南アフリカで再感染が増大している初期データを踏まえ、ワクチンを接種した人や過去に新型コロナに感染した人がオミクロン株の感染を防ぐための十分な抗体を獲得せず、高い感染率や『深刻な結果』につながっている初期の兆候が見られると強調。『多くの理由を踏まえ、懸念される新変異株のオミクロンに関連する全体的なリスクは引き続き極めて高い』とした」と報じています。

※オミクロンに「極めて高い」リスク、WHO警鐘 免疫回避も(ロイター、2021年12月13日)
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-omicron-idJPKBN2IS1HO

 ワクチン2回接種した人も、過去に新型コロナに感染し、治癒して抗体をもつ人にも、オミクロン株には感染する可能性があります。十分な警戒が必要です。

■岩上安身より、皆さまへ緊急のお願いです!! 12月13日までのご寄付・カンパは月間目標額の15%にとどまっています!! 11月末までの累積の赤字は約628万円に! どうか緊急のご支援をよろしくお願いします!!

 いつもIWJへのご支援、ありがとうございます。

 12月も折り返しが近づいてまいりました。12月13日までのご寄付・カンパは、62件、64万8800円です。ご寄付をくださった皆さま、本当にありがとうございます。

 IWJでは、第12期の年間の予算の見通しを立て、ご寄付・カンパの目標額を月額420万円(年間5040万円)とさせていただきました。

 しかしながら、12月13日までのご寄付・カンパの金額は、月間の目標額の15%にとどまっています。

 12月に入り、IWJの今期第12期も5ヶ月目に入りました。

 今期第12期は8月から始まり、11月で4ヶ月目を終えました。しかしながら、8月は月間目標額を87万900円下回り、9月は185万2600円下回り、10月は153万290円下回り、11月は202万5900円下回りました。

 4ヶ月間の累計の不足分は627万9690円となってしまいました。

 このペースで進んでいくと、IWJは壊滅的な打撃を受けてしまい、今期の途中で活動を極端に縮小するか、停止せざるをえなくなるかもしれません!

 すでにお伝えしている通り、私、岩上安身は、キャッシュフローが足りなかったIWJに対して1093万円を貸し込んでいます。私は富裕層でもなんでもなく、40年間働いてきて乏しい貯えがわずかにあるだけのもともとは一介のフリーランス、自営業者に過ぎません。

 個人が1000万円を超えるお金を会社に貸す、というのは大変なことです。第12期のスタートにあたって、前期の第11期の途中から無報酬で働いてもおりましたが、8月から始まった第12期も、1年間にもわたって、無報酬で働き続けています。

 これ以上は、私、岩上安身個人の力だけではいかんともしがたい苦しい状況です。私1人の力や、無報酬のため細る一方の私の貯えでは、627万9690円もの不足分を穴埋めすることはできません!

 どうか会員の皆さまのお力で、IWJをお支えください!

 IWJの会員数は現在3429人です。そのうちサポート会員は1196人です。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1200円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが1人3500円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます。

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 コロナ禍は、日本のすべてを直撃しています! IWJも例外ではありません!

 同じように皆さまもそれぞれ、コロナ禍で厳しい状況に直面されていることと拝察いたします。こうした状況で皆さまに、会員登録のお願いとご寄付・カンパを繰り返しお願いすることは、心苦しいことではあります。

 しかし、特定のスポンサーをもたないことで、何者にも縛られず、忖度せずに、真実をお伝えしてゆくのが、独立メディアであるIWJの存在意義です!

 非会員の方はまず、一般会員になっていただき、さらに一般会員の皆さまには、サポート会員になっていただけるよう、ぜひご検討いただきたいと存じます!

 その会費と、ご寄付・カンパによって支えられてはじめて、IWJは、市民の皆さまのために役立つ、真の独立市民メディアとしてその活動を継続し、その使命を果たすことが可能となります。

 マスメディアが報じない事実と真実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることができるようにすることが、今、絶対に必要なことであり、それが我々IWJの使命であると自負しています。

 決して負けられないこの戦いに、私は、IWJのスタッフを率いて全力で立ち向かいたいと腹をくくっています! 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたくIWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。よろしくおねがいします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

■IWJ会員様より、日刊IWJガイドへのメッセージをいただきました。ここに感謝を込めてご紹介させていただきます。

 IWJ会員の「埼玉の無辜の民派2号」様から、12月13日付け日刊IWJガイドの記事について、ご感想と嬉しい応援のメッセージを頂戴いたしました。ここに、感謝を込めてご紹介させていただきます。

※はじめに~NHK『日曜討論』で共産・田村智子氏が政府のコロナ対応、経済対策の不備を次々に指摘! 発熱外来への支援打ち切りに「何のための時間稼ぎ(水際対策)か!?」18歳以下への現金・クーポン支給論議には「『コロナでお困りの方への給付金』はどこへ行った!? 岸田総理は選挙公約に違反するつもりなのか!?」一方「維新バスター」れいわ・大石晃子氏は大阪府のコロナ失政を次々に明らかに!(日刊IWJガイド、2021年12月13日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49920#idx-1

 メッセージひとつひとつに、岩上安身がご返信を書かせていただきます! ぜひ嬉しい励ましのメッセージ、あるいは、ご質問やご提案などにもお答えしますので、お寄せください! ただし、会員の方で、ご寄付者様からのメッセージのみとさせていただきます!

=======

 今日のトップ記事は、とても良かったです。NHKの日曜討論は最近は見ていないので、田村議員、大石議員の指摘を知りませんでした。大手メディアは、「共闘失敗」、オミクロン軽症説と維新ネタばかり。それに対して、IWJの党派的偏見のない報道姿勢に感心しました。先日の理研のトクダネ報道もいいですね。「道理ある主張」はちゃんと報道する態度は立派です。「理」のある事が、IWJが先鞭をつけSNS、ラジオ、新聞、TVと広まって欲しいです。

 田村、大石議員の更なる健闘を祈って後ほどカンパさせてください。

埼玉の無辜の民派2号 様

=======

埼玉の無辜の民派2号 様

 ありがとうございます。

 共産党の田村智子議員は、IWJにしばしばご登場いただき、おなじみの方ですが、れいわの大石晃子議員は、国会議員として初当選です。にもかかわらず、すでに堂々たる存在感を示しています。

 大石議員は、元大阪府の職員だった方で、私が削除済みリツイートについて元大阪府知事の橋下徹氏から、100万円の損害賠償を求められて提訴されたときの裁判で、当時まだ現役の大阪府職員でありながら、私(被告)の側の証人として出廷し、法定で、橋下氏のもとの大阪府政の内情を露わにする証言をされました。非常に勇気のある方です。何を言っても言い返す維新の足立議員も、今回はまったく言い返すことはできませんでした。今後、また、注目すべき言動をされると思うので、優れた議員の発言を今後も追っていきたいと思います。

 マスコミで十分に伝えられないけれども、貴重な見識、見解を持っている国会議員の方はたくさんいらっしゃいます。騒々しいだけのマスコミの中ではかき消されてしまうようなそうした方々の声もどんどんお届けしていきたいと思います。

岩上安身


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

◆中継番組表◆

**2021.12.15 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】13:00~「『12.18最賃シンポジウム』開催に関する記者会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「全労連・全国一般労働組合東京地方本部一般合同労働組合」、「労研」ほか共催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた労働問題関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%8a%b4%e5%83%8d%e5%95%8f%e9%a1%8c
———————-

【タイムリー再配信 1039・IWJ_YouTube Live】20:00~「『戦場で勝って戦争に負けた』9.11以来の米国の対テロ戦争! その『見果てぬ夢』の続き・対中戦争における日米同盟の危険性! ~9.14岩上安身によるインタビュー 第1052回 ゲスト 元内閣官房長官補・国際地政学研究所理事長柳澤協二氏」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 9月14日に収録した、岩上安身による元内閣官房副長官補・柳澤協二氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた日米同盟関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%97%a5%e7%b1%b3%e5%90%8c%e7%9b%9f

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/496218

========

◆中継番組表◆

**2021.12.16 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】13:00~「岩上安身による氏インタビュー」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 岩上安身による柳澤協二氏インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた柳澤協二氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%9F%B3%E6%BE%A4%E5%8D%94%E4%BA%8C

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■ファイザー社が「ワクチン3回接種はオミクロン株に有効な防御効果期待」と発表! 一方で「今後、定期接種が必要になる可能性が高い」とも!! IWJはファイザーCEOブーラ氏のインタビューを改変したフェイクニュースをファクトチェック! ワクチン接種への信頼を語った動画が、場面の切り取りで反ワクチンプロパガンダに!!

 オミクロン株をめぐっては、ワクチンの3回目接種による防御効果に期待が高まっています。

 12月9日付けBBCは、「米ファイザーと独ビオンテックは8日、共同開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、ブースター(追加免疫)接種をすることでオミクロン変異株に対する有効な防御効果が期待できると発表した」と報じました。

 ファイザーのワクチンは、オミクロン株に対しては中和する能力が従来株に比べて大きく低下するものの、3回目接種では抗体が25倍増加し、他の変異株に対する2回接種と同程度の効果が得られたとしています。

 また、ファイザーとビオンテックはオミクロン株を標的としたワクチンを開発中で、「規制当局の承認が得られれば100日以内に提供可能だ」とのことです。

※米ファイザー、追加接種でオミクロン株への効果「期待できる」(BBC、2021年12月9日)
https://www.bbc.com/japanese/59589315

 その一方で、12月3日付けBBCの記事は、ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)がBBCのインタビューに対して、ワクチン接種が「今後何年にもわたって毎年必要になる可能性が高い」と語ったと報じています。

 記事によるとブーラ氏は「『非常に高レベルの防御』を維持するには、ワクチンの定期接種が必要になると思う」と述べたとのことです。

※新型ウイルスのワクチン接種、「毎年、何年間も必要に」 米ファイザーCEO(BBC、2021年12月3日)
https://www.bbc.com/japanese/59488360

 ところで、SNSなどでは、ワクチンをめぐるフェイクニュースが後を絶ちません。先日岩上安身がインスタグラム上で目にしたものは、ファイザーのブーラCEOが米CNBCテレビのインタビューに答えている動画から切り出した写真に、日本語の字幕をのせて「私はワクチンを打ちません」と言っているように改変したものでした。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

――――――

 インスタグラムで拡散されているのは6枚の写真で、次のように字幕が付けられています。

1.キャスター「あなたは接種はまだですね。いつされますか?」

2.以下、ブーラ氏「早めに、はは、できる時にー」

3.「えっとそのー、したくない」

4.「私は59才でー健康ですし」

5.「前線で働いていませんし」

6.「だから私みたいな人はワクチン推奨してません」

 すべての写真の上部には「ファイザーCEO。あわてて『59才で健康なので打ちません』」と、動画タイトルのようなものが付けられています。

 IWJ編集部がファクトチェックを行ったところ、この元になった動画は、CNBCテレビが2020年12月14日付けでYouTubeにアップしている「Pfizer CEO Albert Bourla on vaccine hesitancy: ‘Trust science’(ファイザーCEOアルバート・ブーラ氏、ワクチンへの躊躇について『科学を信じよう』)」というインタビューであることが判明しました。

※Pfizer CEO Albert Bourla on vaccine hesitancy: ‘Trust science’(CNBC Television、2020年12月14日)
https://youtu.be/P6O6FqYYImk

 さらに、この動画を英語字幕が表示される設定にして、その字幕を書き出し、翻訳したところ、以下のようになりました。

——————————

・キャスター
 well and a question for you. i’ve heard you have not yet had. your shot when do you plan to get it

 さて、あなたに質問ですが、あなたはまだ接種を受けていないと聞きましたが、いつ頃受ける予定ですか?

・ブーラ氏
 sooner i can i will.
 the only sensitivity here make it is that i don’t want to have an example that i’m cutting in the line.

 すぐにでも、そうします。
 ただ気にしているのは割り込みの実例を作りたくないということです。

 that i am 59 years old in good health i’m not working in the front line so my type is not recommended to get vaccination now so that’s one consideration.

 私は59歳で健康ですし、最前線で働いているわけではないので、私のようなタイプはワクチンの接種を受けることを今はお勧めしません。それがワクチン未接種の一つの理由です。

 on the other hand our company runs a lot of polls to see what will take people to believe it. one of the highest ranking even higher than if joh biden takes it even higher than if the other presidents take it. it is if the ceo of the company takes.

 他方で、私たちの会社では、人々がワクチン接種を信頼するようになるにはどうしたらいいかということを調べるために多くの調査を行っています。その中でも、もっとも順位の高いものの一つは、ジョー・バイデンが受けるよりも、他の大統領が受けるよりも、高い順位になっています。それはファイザーのCEOが接種することです。

 so with that in mind i’m trying to find a way that um i will get the vaccinated despite if it is not my time just to demonstrate the confidence of the company but we have made the decision that if we have to do that we will not do it with our executives. so none of the executives of board members will cut the line. they will take it as their age and the occupation type is the time for them to take.

 ですから、会社の信頼性を示すために、自分の順番でなくても予防接種を受ける方法を考えています。しかしCEOは接種しなければならないとしても、役員には接種しないという決断をしました。ですから役員はだれも接種の順番に割り込むことはありません。役員は年齢や職種から見て順番になれば接種します。

——————————

 このように、ブーラ氏は、ワクチン接種の信頼性を得るためには、CEOである自分が早く接種することが必要であり、自分は接種優先度の高い高齢者ではないが、早く接種するための方法を考えている、と言っているのです。

 インスタグラムで拡散されている写真が悪質なのは、英語字幕を表示させ、ぱっと見には本当にブーラ氏が動揺しながら「私はワクチンを打たない」「推奨しない」と言っているかのように見える点です。

 まったくの偽物を1から作り上げるのではなく、現実にあるものを部分的に切り取ることで、まったく正反対の主張をしているように作り替えているのです。これは、国会中継動画を切り取って野党議員を貶める内容に作り替えて拡散した「Dappi」と似たような手法です。Dappiは、立憲民主党の小西議員らから名誉毀損で提訴されているのはご承知の通りです。

※大手メディアがDappi問題を無視! 偏向報道の下で行われた衆院選で改憲勢力が3分の2超の議席を確保! 岩上安身によるインタビュー第1059回 ゲスト 立憲民主党・小西洋之参議院議員
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/499109

 11月10日には、ブーラ氏の妻がファイザー製ワクチン接種後に合併症で死亡したというフェイクニュースが拡散され、その直前にはブーラ氏が詐欺罪で逮捕されたというフェイクニュースも流されています。

 11月16日付けニューズウイーク日本版は、このフェイクニュースを流した「Conservative Beaver」というウェブサイトの記事には「(ブーラ氏の妻)ミリアムは新型コロナワクチンに懐疑的であり、当初はワクチン接種を拒否していたとも書かれていた」と報じています。

 このニューズウイーク日本版の記事によると、「Conservative Beaverは噂レベルの情報やフェイクニュースを拡散することでアクセスを稼ごうとする姿勢で悪名高い」とのことです。

※ファイザーCEOの妻が「ワクチン合併症で死亡」という偽ニュース騒動(ニューズウイーク日本版、2021年11月16日)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/11/ceo-43.php

 フェイクニュースには十分ご注意ください。何も確認せずに、シェアすると、ご自身も名誉毀損の加害者となってしまう可能性があります。

■中国市場での新車販売台数は4年ぶり2600万台規模、米国市場の1.7倍に! HONDA新型「アコード」は1ヶ月で3万5000台予約、日本での販売台数のなんと15年分! ホンダは中国市場を念頭に将来的に全面的にEV化すると発表! しかし、トヨタはじめ日本のメーカーは水素など燃料の多様化などに執着、EVシフトにあくまでも慎重!「車の販売は持続可能社会を実現するための手段に過ぎない」というテスラ、イーロン・マスク氏が加速するEV化に日本メーカーはおきざりにされていくのではないか!?(その2)

※(日刊IWJガイド、2021年12月14日 その1)の続き
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49929#idx-6

 昨日の日刊IWJガイドに掲載した前編の終わりに「明日発行の日刊IWJガイドへ続きます」と書きました。本編はその続編です。

 しかし実は、F1へのセンチメンタルな決別とは裏腹に、ホンダはEVの世界へと着実にシフトしていこうとしているのです。いずれ、2014年から始まっているフォーミュラEに、ホンダが参戦する日が来るかもしれません。FEには、メルセデス、BMWなどが参戦し、スポンサーも、数々、ついています。日本ではこんなモータースポーツのトピックさえ、まったくと言っていいほど、マスコミは取り上げません。EVシフトを渋っているトヨタなどの自動車メーカーに「忖度」してのことでしょう。

 世界の潮流はEVにあります。

 ガソリン車やハイブリッド車を、将来、販売禁止にすると表明している国は、ノルウェー(2025年に販売禁止)、スウェーデン・オランダ・ドイツ・アイルランド・スロベニア・イスラエル(2030年)、英国(2030年から2035年)、カナダ・香港(2035年)、オーストラリア・アゼルバイジャン・ベルギー・カンボジア(2035年から2040年)、フランス・スペイン(2040年)など、少なくとも35カ国にのぼります。

 中国でも、旧来からのガソリン車から、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、新エネルギー車(NEV)にする方針を決めており、それ以外は2035年以降販売禁止となります。2021年7月14日、EUも2035年までにエンジン車の新車販売を禁止する方針を表明しています。

 つまり、ハイブリッド車も含めてガソリン車にグズグズとこだわり続けていると、EVシフトが遅れ、欧州市場からも、世界最大の市場である中国市場からも締め出されてしますのです。

 F1に別れを告げ、もてるリソースをすべてEV車の開発に傾ける決断をしたホンダは、英断だったというべきではないでしょうか。

 2021年11月の欧州諸国では、ノルウェーがEV(73.8%)、PHEV(17.4%)で合計91.2%と、すでに現時点でも9割を電気自動車が占めています。ついでスウェーデンがEV(26.0%)、PHEV(28.3%)で合計54.3%。いずれも月間の販売台数は2万台前後ですが、月間20万台前後を売り上げるドイツでも、EV(20.3%)、PHEV(14.1%)で合計34.4%となっています。世界的な半導体不足の影響で、供給に遅れが出ていますが、欧州で急速にEVシフトが起こっている実態がよくわかります。

 また、国際エネルギー機関(IEA)が2017年に公表したデータによると、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3国の発電手法は次のようになります。ノルウェーで、再生可能エネルギーが約97%、火力発電で約2%、その他で1%。スウェーデンは、再生可能エネルギーで約56%、原子力発電が40%、火力発電で約1.5%、その他で約8.5%。フィンランドは、再生可能エネルギーが45%、原子力発電が約35%、火力発電が約28%となっており、いずれの各国で、再生可能エネルギーの割合が大きくクリーンな電力発電を行っていることが分かります。

※【エネルギー】世界各国の発電供給量割合[2019年版](火力・水力・原子力・再生可能エネルギー)(Sustainable Japan、2019年)
https://sustainablejapan.jp/2020/04/03/world-electricity-production/14138

※各国のガソリン車禁止・ディーゼル車販売禁止の状況(EVsmartブログ、2021年11月25日)
https://blog.evsmart.net/ev-news/global-petrol-gas-car-ban/

※ヨーロッパで電気自動車の売上とシェアが拡大中【最新情報/2021年10月・11月期】(EVsmartブログ、2021年12月10日)
https://blog.evsmart.net/ev-news/electric-vehicle-sales-in-europe/

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

――――――

■「ジュンク堂書店さん、人種差別を扇動する『ヘイト本』を目立つ所に置かないでください!」というキャンペーンに「いわゆる『ヘイト本』を積極的に販売することはいたしません」と回答した丸善ジュンク堂書店にIWJは質問を送付! 丸善ジュンク堂書店からは実質ゼロ回答!

 12月10日のこの日刊IWJガイドでお伝えした、「全国の書店から差別をなくす会」によって、オンライン署名サイト「change.org」で始められた「ジュンク堂書店さん、人種差別を扇動する『ヘイト本』を目立つ所に置かないでください!」というキャンペーンの続報です。

 「全国の書店から差別をなくす会」は、11月5日、集まった署名とともに公開質問状を丸善ジュンク堂書店本社宛に発送したところ、丸善ジュンク堂書店・中川清貴代表取締役社長から回答があったとして、12月8日付けで公表しています。

 しかしその回答は、公開質問状に対してまったく答えになっていませんでした。

※「ジュンク堂書店さん、人種差別を扇動する『ヘイト本』を目立つ所に置かないでください!」というネット署名の公開質問状に丸善ジュンク堂書店の中川清貴社長から回答! 「丸善ジュンク堂書店はあらゆる差別を認めず、あらゆる差別行為に対し、これを否定いたします」というものの、ヘイト本陳列販売への認識や対応についての質問には一切回答なし!「いわゆる『ヘイト本』を積極的に販売することはいたしません」とは言うが、建前だけで改善はなし!?(日刊IWJガイド、2021年12月10日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/49913#idx-5

 そこで、IWJが丸善ジュンク堂書店本社に書面での取材で質問したところ、昨日13日、「記載されている内容がすべて」「記載された内容以上のコメントをする予定はございません」と、事実上の回答拒否の返信がありました。

 丸善ジュンク堂書店は「いわゆる『ヘイト本』を積極的に販売することはいたしません」と表明した以上、今後、平置き販売などはしないのか、注目したいと思います。

<IWJの質問>
 インターネット署名サイト「chang.org」での「ジュンク堂書店さん、人種差別を扇動する『ヘイト本』を目立つ所に置かないでください!」というキャンペーンの主催者「全国の書店から差別をなくす会」から、御社宛に署名とともに送られた公開質問状への、御社の中川社長名でのご回答について、おうかがいします。

 公開質問状では具体的に

1.「差別に関する企業ポリシーやガイドラインはございますか」

2.「取り扱っている書籍の中に、特定の属性を持つ人々への偏見や憎悪を煽る内容のものがあることを認識していらっしゃいますか」

3.「特定の属性を持つ人々への偏見や憎悪を煽る書籍を陳列・販売することの社会的影響について、どのように考えていらっしゃいますか」

4. 「特定の属性を持つ人々への偏見や憎悪を煽る書籍の陳列・販売に関する、社内での規定はございますか」

5.「特定の属性を持つ人々への偏見や憎悪を煽る書籍の扱いについて、今後どのように対応していかれますか」

とありますが、御社からのご回答には「丸善ジュンク堂書店はあらゆる差別を認めず、あらゆる差別行為に対し、これを否定いたします」とあるものの、2.~5.への言及がありません。

 また、「いわゆる『ヘイト本』を積極的に販売することはいたしません」とのご回答ですが、これは「目立つ場所に置かないでください」という署名の要望を受けた変更ということでしょうか? それとも目立つ場所に置いてあることは「積極的な販売」に該当しないというご認識でしょうか?

 中川社長のご回答が回答になっていないと感じましたので、あらためてご見解をおうかがいしたく存じます。

<丸善ジュンク堂書店からの回答>

 〇〇様(「全国の書店から差別をなくす会」主催者)より弊社に対して直接お送りいただいた公開質問状に対する弊社の回答は、ご記載されている内容がすべてでございます。この件に関しまして、記載された内容以上のコメントをする予定はございません。

 お寄せいただいたご質問に対する返答につきましては、恐縮ではございますが、貴社のご要望にはお応え致しかねます。

 ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 以上の回答で、回答になっているとお考えになる人はどの程度いるのでしょうか。特に読書人・読書家の方々は、この現況を深刻に受け止めていただきたいと思います。

 IWJ代表の岩上安身は、読書家であり蔵書家でもあります。もともと実家が豊島区・池袋であり、池袋のジュンク堂でこれまでもかなり本を買ってきました。これまでの人生で、おそらく数百冊分、ジュンク堂で本をかってきたと思われます。しかし、残念なことですが、こうした状況ではジュンク堂で本を買うことはできません。非常に残念でまた悲しいことですが。ヘイト本を売る書店から本は買わない、というささやかな消費者としての選択と抵抗を始めたいと述べていることを申し上げておきます。

■<IWJ取材報告 1>IWJ記者の質問に「内政干渉にあたらない」と13日国会答弁を繰り返し! 台湾のシンポで「台湾有事は日本有事」と勇ましく煽った安倍元総理の発言は「正当な関心の表明」と言えるのか?~12.14 林芳正 外務大臣 定例会見

 14日外務省で夕方行われた林芳正外務大臣の定例会見で、IWJ記者は前日13日の衆院予算委員会での自民党・高市早苗政調会長による台湾有事に関する林大臣の答弁について、以下のように質問しました。

 「林外務大臣は、13日の衆院予算委で、自民党の高市早苗政調会長の『日本の閣僚を含む政治家が、台湾有事、中台有事を想定した発言をすることや、日本政府が中台有事への備えを進めることは、中国の内政に対する干渉だとお考えですか?』との質問に、『日本のみならず、国際社会にとっても重要な問題について、正当な関心を表明すること自体が、いわゆる内政干渉に当たるとは考えていない』とお答えになりました。

 ですが、高市氏の質問は、安倍元総理の『台湾有事は日本有事』という発言を前提としたものであり、中台関係の一方の当事者である台湾で開かれたシンポジウムでのものです。

 この場合の『有事』とは実質的には戦争、つまり、中国と台湾・米軍、そして、日本の自衛隊が対峙する戦争です。戦域は台湾海峡だけでなく日本全土の米軍基地や自衛隊基地も狙われる総力戦に発展しかねない重大事です。

 『台湾有事は日本有事』という発言は、台湾と中国が戦争状態に陥れば、日本も参戦する、と聞こえます。林大臣がそれを肯定したとことは、中国や世界に『日本は参戦するぞ』というメッセージを与えてしまうことになるのではないでしょうか?

 このような発言により、日中の外交関係が最悪の状態に陥ることがあれば、だれが、どのように責任をおとりになるのか。ご見解をお聞きかせ下さい。

 また、これは補足的な質問ですが、11日に、イギリス・リバプールのビートルズ・ストーリー博物館で開催されたG7外相会合の夕食会で、林大臣はジョン・レノンの『イマジン』を演奏されました。

 この曲は、戦争を否定し、その原因となる国境もない世界を想像する反戦ソングであると思いますが、米中対立、日米対立が深まっている現状、この曲の意義をどのようにお考えでしょうか?

 以上、よろしくお願いします」。

 この質問に、林外務大臣は次のように回答しました。

 「まずは、台湾海峡の平和と安定についてでございますが、日本の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要であり、また、台湾を巡る問題が対話により、平和的に解決されることを期待する、というのが日本政府の一貫した立場でございます。

 この台湾海峡の平和と安定が重要であるという認識は国際社会においても高まっております。政府と致しましては、昨日の国会でも答弁したとおりでございますが、こうした、日本のみならず、国際社会にとっても重要な問題について、正当な関心を表明すること自体が、いわゆる内政干渉にあたるとは考えておらないところでございます。

 また、G7の夕食会に先立つビートルズ博物館での件についてでございますが、これは、実は、ジョン・レノンの部屋というのがございまして、ジョン・レノンが生前にかけておりました、こういう、丸い眼鏡の実物が展示をしてあるところで、イマジンを弾かれた白いピアノというのがあるのですが、これのレプリカが置いてあって、そこでファミリーフォト、まあ、メンバーの記念撮影をしようということになりまして、どなたかピアノに座らないかと、これは弾いてもいいですよと、こういうことを博物館の方から言って頂きましたので、私、大変にあの、ビートルズはファンでございますので、勇気を出して、一節を弾かして頂いたということでございます。

 イマジンの歌詞については、仰ったような内容も入っているわけでございまして、私も非常に好きな曲の一つでございます」。

 林外務大臣は、「安倍総理の発言は、一方の当事者である台湾でのシンポジウムでのものである」というIWJ記者の指摘にもかかわらず、「正当な関心を表明すること自体が内政干渉にはあたるとは考えない」と答えています。

 対立をかかえる二つの地域の片方で「台湾有事は日本有事、日米同盟の有事だ」と勇ましく煽ることが、はたして「正当な関心を表明すること」だと言えるのでしょうか?

 そして、自民党による戦争煽動を、政府の外交トップとして「追認」したから、ジョン・レノンのイマジンを各国首脳の前で弾いてみせる、という自分に、自己矛盾や分裂、自己嫌悪をまったく感じないでいられるのでしょうか?

 この会見の動画は、本日中にIWJサイトにアップ予定です。

■<IWJ取材報告 2>政府の打ち出すケア労働者の賃上げは月9000円、看護師はコロナ対応した人限定、期間限定で月4000円!!「使命感や責任感だけではもう耐えられない!」~12.13ケア労働者の大幅賃上げを求める現場労働者による記者会見

 12月13日午後2時より、東京都千代田区の全国教育文化会館エデュカス東京にて、国民春闘共闘委員会、全国労働組合総連合(以後、全労連)の主催により、「ケア労働者の大幅賃上げを求める現場労働者による記者会見 医療・介護・福祉・保育・幼稚園・学童・保健所で働くすべての労働者の『月4万円以上、時間給250円以上の賃上げを』」が開催されました。

 冒頭、全労連の黒澤幸一事務局長は、12月1日に、厚生労働省に対して要請した「ケア労働者の大幅賃上げと職員配置基準の引き上げを求める要請書」を示しながら、次のように訴えました。

 「政府は、看護師、保健師、介護士、そして、障害福祉や保育士などのいわゆる公定価格で規定されるケア労働者の賃金の引き上げについて、今、国会でも審議を行っているということであります。

 ケア労働者の賃金引き上げを積極的に行うということについては、私たちも政府に対して求めて来たことでもあります。しかし、示された額や範囲は大変低く、そして、限定的なものであります。保育士や幼稚園教諭、そして介護福祉職員を対象に収入を3パーセント程度、月額にすると9000円程度の引き上げというふうに打ち出されています。

 あるいは、看護師にいたっては、収入の1パーセント程度、月額にすると4000円程度の引き上げということで、しかも、コロナ対応をした方を、期間限定でというようなことだと思っています。

 これではあまりにも低額であり、限定的だというふうに言わなければいけませんし、私たちが求めているような生活の改善が実感できる水準ではないというふうに思います。また、この額が定期昇給の原資に利用されれば、ほぼ引き上げにはつながりません」。

 黒澤事務局長はまた、ケア労働者の現状について、次のように語りました。

 「ケア労働者の皆さんは、いわゆるエッセンシャルワーカーということで、この間、コロナ禍であっても大変な激務を行いながら、この社会の維持、そして、とりわけ、命や生活を守るために働いて来ました。

 『使命感』や『責任感』だけではもう耐えられないというのが、現場の声として上がってきている」。

 この政府への要請事項は、「医療・介護・福祉・保育・幼稚園・学童・保健所で働くすべての労働者の『月4万円以上、時間給250円以上の賃上げを』」というものですが、それぞれの業種、それぞれの職場に特有の問題や課題があり、Zoomで参加した関係職場で働く当事者から説明が行われました。

 その後、質疑応答の時間となり、IWJ記者は「学童保育」について質問しました。

IWJ記者「会場で配られた資料ではなく、全労連さんのHPのニュース(※)を見ての質問なのですが、学童保育について、そのニュースの中に、『学童保育は、児童福祉法上の位置づけも、児童福祉施設として認められず、事業とされている、施設の最低基準も定められずに放置されている』という説明があります。

※ケア労働者の大幅賃上げアクションスタート 医療・介護・福祉・保育・学童・保健所で働く全ての労働者の“月4万円以上、時間給250円以上の賃上げを”(全労連)
http://www.zenroren.gr.jp/jp/news/2021/news211203_01.html

 この放置の具体的な理由というのは、政府の方から提示されているのか、ということと、あと山田さん(山田正人さん:学童保育指導員・群馬県内学童保育勤務)が日常の業務の中で、抱えている問題があれば、そのことについて教えていただければと思います」。

角田(すみだ)季代子氏(建交労・中央執行委員長)「制度上の問題のご質問だったと思います。お答え致します。

 前回の(会見)の資料にも載せたんですけども、児童福祉法(※)上の位置づけが、学童保育の場合は『放課後健全育成事業』ということで、6条に位置づいてます。

※児童福祉法(e-gov)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000164

 保育所は、7条ということで、『児童福祉施設』として位置づいてます。『児童福祉施設』に位置づくと、随分緩和されて、ちょっとぼろぼろにはなているかなあ、と私は思いますが、それでも最低基準が定められて、これに違反することはダメだということで、その立て付けにあわせて、いろんなお金の問題もついて来るわけですね。

 6条になりますと、『事業』ですので、基本的に、最低基準を持ち合わせていません。政府が、平成27年3月に、『放課後児童クラブ運営指針』というものを出しまして、ようやく目安を出したということです。

 当初ですね、それでも、学童部の指導員の複数配置と研修を終えた有資格者の配置が基本的に、あっという間に『参酌基準』ということになって、すべてが実際の参考ですよ、というレベルですので、6条と7条の位置づけ方によって、立て付けが違うがために、補助金の仕組みだとか、だから、公定価格にならないんですね、学童保育の場合。

 そういうことで、年収でいくと、我々の組合の調査でも270万円ぐらい。で、全国的にいけば、多分200万円未満の年収の方が、6割から7割近くいるだろうという実態になっているということです」。

山田正人氏(学童保育指導員・群馬県内学童保育勤務)「抱えてる問題は色々あるのですけども、一つには、やっぱり、指導員が定着しない分ですね、そのことによって、保育の質といいますか、経験の蓄積が出来ないということが、一番大きな問題だと思うんですね。

 子どもと信頼関係を築いていって、子どもを深くとらえたりとか、という経験ですね。それがないということは、やはり、保育の質が非常に落ちる、ということが一つの問題だということです。

 ですので、やはり、賃金が非常に安いということが明確になっているかな、と思います。

 それともう一つはですね、今コロナの中で、『三密』を避けなきゃいけないと言われているのですが、もう『三密』を避けようが、やっぱり狭い部屋で保育をしなければならない現状がですね、で、国の基準がですね、1.65平米あればいいんだよ、というような規定なんですね。それでは『三密』は避けられないと思っています。

 だから、こういう意味で、指導員の待遇問題と施設の問題はちょっと重要かなと思っています」。

 詳しくは、ぜひ全編動画を御覧ください。

※政府の打ち出すケア労働者の賃上げは月9000円、看護師はコロナ対応した人限定、期間限定で月4000円!!「使命感や責任感だけではもう耐えられない!」~12.13ケア労働者の大幅賃上げを求める現場労働者による記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500182

■<本日のタイムリー再配信>本日午後8時から、今年9月14日収録「『戦場で勝って戦争に負けた』9.11以来の米国の対テロ戦争! その『見果てぬ夢』の続き・対中戦争における日米同盟の危険性! ~9.14岩上安身によるインタビュー 第1052回 ゲスト 元内閣官房長官補・国際地政学研究所理事長柳澤協二氏」を公共性に鑑みフルオープンで再配信します! 明日16日は岩上安身による柳澤協二氏インタビューを生配信!!

 岩上安身は明日16日、元内閣官房副長官補・柳澤協二氏に台湾有事や改憲による緊急事態条項についてインタビューを行います。

 そこで本日午後8時から、今年9月14日に収録した「『戦場で勝って戦争に負けた』9.11以来の米国の対テロ戦争! その『見果てぬ夢』の続き・対中戦争における日米同盟の危険性! ~9.14岩上安身によるインタビュー 第1052回 ゲスト 元内閣官房長官補・国際地政学研究所理事長柳澤協二氏」を、公共性に鑑み、どなたでも御覧いただけるフルオープンで再配信します。

 明日16日の岩上安身によるインタビューは、この9月のインタビューの続編となります。

 柳澤氏は今年8月に、9.11テロから米軍のアフガニスタン侵攻、撤退までの「対テロ戦争」について、寺島実郎氏との対談、伊勢崎賢治氏、加藤朗氏ら20人の執筆をまとめた『9.11から20年 人類は教訓を手に入れたのか』(2021年8月、かもがわ出版)を上梓されました。

 柳澤氏は、8月31日の米軍撤退前にタリバンが首都カブールに無血入城したことを受けて「アメリカがアフガンから撤退すれば、またアフガン全土がタリバンの支配下になるだろうと本の前書きに書いたんだけど、まさかこんなに早くいくとは思っていなかった。それだけアフガン政府が、補助金でやってた利権集団程度だったということ」と述べ、「(米国によるアフガンの国づくりは)金にあかせた国づくりのもろさですね」と語りました。

 小泉政権、第一次安倍政権、福田政権、麻生政権で内閣官房副長官補として安全保障政策にたずさわり、自衛隊のイラク派遣にも関わった柳澤氏は、日米同盟を通じて米国の戦争に関わっていく過程について、次のように語りました。

 「日本防衛ではない場合の日米協力を考えなければいけないという流れで出てきたのが、一つは国連協力という形でのPKO法です。カンボジアに92年に初めていくわけですね。

 1999年の周辺事態法は、その前の97年の、朝鮮半島有事を前提にした日米協力ガイドラインの見直しによります。

 その後、9.11になるとアメリカがはっきり対テロ戦争に舵を切る。そして同盟が役割を決めるんじゃなく、役割が同盟を決めるという、有志連合という発想になります。日本もそこは何とかついていかなければならないということで、テロ特措法を制定して、海外における自衛隊の対米協力に踏み込んでいく。

 ところが2015年の安保法制は、そういう次元じゃなくて、安倍さんの集団的自衛権解禁と結びついているんですね。中国脅威論が背景にある。

 それまでは、米軍が戦闘してるのとは一体化しないという、米軍の戦闘行為とは一応別の活動なんだという言い訳をギリギリしていたんだけど、これはそういったことをかなぐり捨てて、アメリカの戦闘行為と一体化していくだけで、分離しようという話とはまったく質的に違うものだった」。

 一方、岩上安身が対テロ戦争で米軍産複合体が莫大な利益を上げてきたことを指摘すると、柳澤氏は「兵器産業、あるいはアイゼンハワーが言った軍産複合体が政策に影響してることは間違いないと思うんだけれど、しかしそんな理由で戦争はできない」と述べ、次のように語りました。

 「国民の命を投げださせるわけですから、それなりの理屈が伴う。

 そもそも戦争というのは、政治目的を達成するための組織化された暴力ですから、感情だけに流されるわけにはいかない。

 政治目的って何なんですかと。その目的は、戦争以外で達成できないんですかと。あるいは、その目的でいいんですか。もうちょっと8掛けの目的にしたら、力ずくでやらなくてもいいんじゃないですかという。

 そこまで測った上で、戦争するならしないと、それは死ぬ人は本当に無駄死になってしまう」。

 その上で柳澤氏は、次のように続けました。

 「結果として無駄な戦争というのは、政治として一番愚かな決断です。

 昔のイラク戦争の時、あるいはアフガン戦争の時の、G.W.ブッシュというリーダーが馬鹿で無能だったのではなくて、それは組織としてのベストアンドブライテストが全部一緒になってそういう判断をしていくわけです。

 これって、結構根が深くて、複雑な、誤りを誤りと気づかずに正当化していくプロセスがあって、当時は誰も愚かな判断とは思わないんですね。

 だけど終わってみて、これってやっぱり愚かな無駄な戦争だったんだろうと。それはひとえに、政治目的を達成してない、その政治目的だったら別のやり方もあったんじゃないのという。アフガンの民主化というのが目的だとすれば『無駄な戦争』だった。しかし、ビン・ラディンをやっつけるという復讐が目的だとすれば、それは2011年で終わってるわけです」。

 そして柳澤氏は「その背景にあったのは、アメリカが軍事力を使って体制を倒して民主主義を植えつければ、みんな歓迎するはずだという驕り。アメリカの戦争をアメリカ自身が正当化するための論理だ」と述べ、「これは一体何のための戦争だったのかところを検証することが、戦争の後始末だ」と訴えました。

 また、インタビューでは、米中両大国の対立のはざまにある日本について、「我々日本としては、今一番大きな政策目標は中国を封じ込めることではなくて、いかにしてアメリカと中国の戦争を回避するかが最大の政策目標であるべき」という、柳澤氏の発言を紹介しました。

 柳澤氏は「中国による香港弾圧は、9.11後の国際世論とシンクロするところがある。香港やウイグルに対する人権弾圧が非常に強権的だということが、今、強調され、かつ、多くの人が興奮している」と指摘しました。

 柳澤氏は、「私だって中国を信用できない」と述べた上で、次のように語りました。

 「信用するかしないかではない。中国の政権の姿勢は、少なくとも習近平の間は私は変わらないと思う。けれど、もう今後一切変わらないと考えるのは、傲慢だと思うんです。

 良い方向にも悪い方向にも変わり得るんだとしたら、良い方向に変わるために、今、我々は何をしてはいけないのか、何をしなければいけないのかということを考えていく。

 そしてそこから出てくる最大の教訓は、少なくとも戦争で片付く話じゃないでしょってことですね。戦争によって、我々が目指す、より良い世界が訪れることはないんだということを、一番単純な教訓として持っていなきゃいけない。

 それは中国相手にも同じことで、私だって中国のあの姿勢は絶対許せないけど、許せないから戦争してたって変わらないですよ。

 少なくとも、日本がそこで、いっときの感情で喧嘩を売るようなことをしたら、絶対後々、後悔すると思うんです」。

 詳しくは、ぜひ本日の再配信を御覧ください。

 仮に、その日の都合で見れなくても、会員になっていただければ、一般会員なら2ヶ月以内、見逃し配信を自由な時間に見れますし、サポート会員ならば、いつまでも、いつでも好きな時にコンテンツを無期限で視聴できます!

※会員のご登録はこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

——————————

【タイムリー再配信 1039・IWJ_YouTube Live】20:00~
「戦場で勝って戦争に負けた」9.11以来の米国の対テロ戦争! その「見果てぬ夢」の続き・対中戦争における日米同盟の危険性! ~9.14岩上安身によるインタビュー 第1052回 ゲスト 元内閣官房長官補・国際地政学研究所理事長柳澤協二氏
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

——————————

※「戦場で勝って戦争に負けた」9.11以来の米国の対テロ戦争! その「見果てぬ夢」の続き・対中戦争における日米同盟の危険性! ~9.14岩上安身によるインタビュー 第1052回 ゲスト 元内閣官房長官補・国際地政学研究所理事長柳澤協二氏 2021.9.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/496218

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20211215

IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、浜本信貴、城石裕幸、富樫航、中村尚貴)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 https://iwj.co.jp/
公式ツイッターアカウント 【 https://twitter.com/iwakami_staff