日刊IWJガイド・非会員版「IWJ代表の岩上安身は自らの報酬100%カットを決断! 今期末まで無報酬で頑張り抜きます! IWJの今期不足額はすでに約1141万円! IWJが真実の報道を続けられるように、どうか皆さまのご支援をよろしくお願いいたします!」2021.03.12号~No.3102号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
■はじめに~~IWJ代表の岩上安身は自らの報酬100%カットを決断! 今期末まで無報酬で頑張り抜きます! IWJの今期不足額はすでに約1141万円! IWJが真実の報道を続けられるように、どうか皆さまのご支援をよろしくお願いいたします!
■【中継番組表】
■<本日のタイムリー再配信>本日午後8時から3.11の翌々日2011年3月13日収録「『炉心融解し露出したらホットスポットもできるし東京も安全ではない』! 『原子力資料情報室』による緊急記者会見で後藤政志氏が警告!」を再配信します。
■3月5日の総理会見で岩上安身が質問し、菅総理が回答をされなかった内容について、岩上がメールでその部分の回答を求めたところ、総理官邸から回答がきましたのでご報告いたします!! 紳士的な話し合いで、官邸の記者会見に関する運用が一部変わりました! 民主主義にとって、国民の知る権利の拡大にとって小さな、しかし大きな一歩です!
■3.11、あの日から10年。原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟「原発ゼロ・自然エネルギー100世界会議~福島原発事故から10年~」オープニングの模様を報告します!
■10年目の3.11、2つの原発差し止め判決を下した元福井地裁裁判長の樋口英明氏と河合弘之弁護士がこれからの原発裁判についてトークセッション! 「みんなが理解できるわかりやすい議論じゃないと、最高裁で勝ち切ることはできない!」
■「『原子力ムラ』と言われてきたが、私は彼らを『原子力マフィア』と呼ぶ。可能なら、彼らを全員、刑務所に入れたい」~小出裕章氏講演「原子力マフィアの犯罪」
■<新記事紹介>【特別寄稿】あの『桜を見る会』は3月14日の下関市長選のための買収だった!『桜を見る会』招待は2017年の下関市長選の論功行賞であっただけでなく、3月14日の下関市長選で前田市長再選が狙い!
■<お知らせ>2021年3月31日をもって「ニコニコチャンネル」内「岩上安身のIWJチャンネル」を終了いたします。これまでお世話になりました。ありがとうございました。
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■はじめに~IWJ代表の岩上安身は自らの報酬100%カットを決断! 今期末まで無報酬で頑張り抜きます! IWJの今期不足額はすでに約1141万円! IWJが真実の報道を続けられるように、どうか皆さまのご支援をよろしくお願いいたします!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 連日この日刊IWJガイドでもご支援をお願いしているように、現在IWJは、コロナ禍とそれに伴う不況により、会員数の減少と、ご寄付・カンパの減少により、設立以来最大の窮地に立たされています。

 昨年からのコロナ禍による不況で誰もが経済的に苦しい中、ここまでIWJにご支援をお寄せくださった皆さまには、岩上安身とスタッフ一同、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

 IWJは今期、事業規模を縮小し、皆さまからのご寄付・カンパが、毎月、450万円あれば収支のバランスが取れるように、必要最低限の予算を組んでいます。

 しかしながら第11期折り返しの後半最初の月となる2月においては、ご寄付・カンパは221件286万3200円にとどまり、目標額450万円の64%の達成率にとどまっています。今期後半も、血の流れるような赤字たれ流し状況が続き、止血できていません。

 IWJから岩上安身への報酬は、前期、前々期は50%をカットしており、今期は期首から70%までカットしてきました。しかし、これでは不十分であると岩上安身自身が責任者として判断し、さらに、一段とカットすることを決意。3月10日のインタビュー中継の終わりに、岩上安身自身が突然、今期末まで、自らへの報酬をゼロ円にすることを発表しました。期の途中でも、役員会を開いて、正式決定すれば、役員報酬は変更できます。

 スタッフのほとんどは事前に聞かされていなかったので驚き、「英断だと思いました」という感想を口にする者や、「一瞬お通夜のような気持ちになりました」と正直にショックを語りつつ「今まで同じことを漫然とやっていてはだめなんだな、頑張ろうと思いました」と語る者もいました。「IWJが消えたらまずい!という思いを、自分の報酬100%カットするという決断から感じて、自分も頑張ろうと思いました」という者も。

 「正直、不安でこの先どうなるんだろうと思いましたが、僕は岩上さんの健康が心配なんで一緒に運動をして少しでも元気になってもらいたいと思います」とか、「岩上さんは100%報酬カットするほど、IWJを続けたいんだなあと、その思いがよくわかりました」という若手もいれば、涙ぐみながら「IWJは絶対になくしてはならないものだと思います…。覚悟が定まりました」という初老の男性スタッフもいました。

 岩上安身に入る報酬は極端に減らしながらも、岩上安身個人の貯金から借り入れを続けてここまでIWJを支えてきましたが、すでにお伝えしている通り、限界です。

 3月は、岩上安身が会社にお金を貸すことはもうできません。貸す余裕がもうありません!今月3月から、その月の収支があうように、収入が下がっても支出を削り落とすことを決めました。やるしかありません!岩上安身の報酬の全額カットの決断は、IWJを「絶対に生きのびさせる」ための決意の表れです!

 IWJは、岩上安身以下、スタッフ一同、IWJを必要としてくださる皆さまの期待に応えて生きのびられるように、死に物狂いで頑張りたいと思っています。

 そのためにもIWJを支えてくださる市民の皆様のご支援、ご協力が、どうしても必要です!ぜひ、ご支援、応援をよろしくお願いします!

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◆中継番組表◆

**2021.3.12 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch6】9:10頃~「丸川珠代 東京オリンピック・パラリンピック大臣 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch6

 丸川珠代 東京オリンピック・パラリンピック大臣 定例会見を中継します。これまでIWJが報じてきた丸川珠代氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/marukawa-tamayo
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【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動~『311を忘れないスタンディング』」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee
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【タイムリー再配信 885・IWJ_YouTube Live】20:00~「『炉心融解し露出したらホットスポットもできるし東京も安全ではない』! 『原子力資料情報室』による緊急記者会見で後藤政志氏が警告!」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2011年3月13日に収録した、「原子力資料情報室」による記者会見を再配信します。これまでIWJが報じてきた福島原発事故関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%a6%8f%e5%b3%b6%e5%8e%9f%e7%99%ba%e4%ba%8b%e6%95%85

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/8360

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◆中継番組表◆

**2021.3.13 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 886・IWJ_YouTube Live】20:00~「『川内原発は地震の巣』――元GE技術者が指摘する日本の原発の致命的な欠陥 ~岩上安身によるインタビュー 第118回 ゲスト 福島第一原発設計者・菊地洋一氏インタビュー」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 2011年4月21日に収録した、岩上安身による菊地洋一氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた原子力発電所関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80

[記事URL]  https://iwj.co.jp/wj/open/archives/675

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■<本日のタイムリー再配信>本日午後8時から、3.11の翌々日2011年3月13日収録「『炉心融解し露出したらホットスポットもできるし東京も安全ではない』! 『原子力資料情報室』による緊急記者会見で後藤政志氏が警告!」を再配信します。

 東日本大震災で運転停止した福島第一原発が、大津波によって全電源喪失し、冷却不能になり、翌日12日に1号機の建屋が水素爆発しました。

 IWJはこの翌日、13日に東京・新宿の原子力資料情報室で行われた記者会見を中継しました。3号機と4号機の建屋が水素爆発を起こした14日、15日よりも前のことです。

 記者会見で発言したのは、原子力資料情報室・原子力安全問題担当の上澤千尋氏、元原子炉格納容器設計者の後藤政志氏、海渡雄一弁護士、原子力資料情報室・共同代表の伴英幸氏でした。

 冒頭、原子力資料情報室上澤氏より福島第一原子力発電所の事故の経緯と内容概略の説明があり、次に、後藤氏が、分刻みの事故経過報告を時間軸でひとつひとつ検証していきました。

 「全体の状況を把握できていない。だから給水車を準備した。2号機に電源車で配電。水位が復旧した。東京や大宮から電源車が到着した、とある。

 これは、場内には非常用にディーゼル発電機がある、それも壊れたから電動車の出動となった。つまり緊急事態、最悪の状態を表している。非常用復水器を使って冷やしている」

 続けて後藤氏は「水素の爆発は原子炉では基本的爆発だ。スリーマイル島の経験から格納機のなかは、水素が出ても窒素を封入して燃えないようにしている。

 ただし、今回ベントをした。格納容器に中の窒素も含んだ大気を出している。ゆえに水素爆発の危険性が増えてくる」と、説明しました。

 これに対して記者から「枝野(幸男・官房)長官は『万が一、爆発しても圧力容器と格納容器には問題は生じない状態だ。そのような衝撃に耐えられる構造だ』と言ったが正しいのか」と質問を受けると、後藤氏は「まったく考えられない。爆発の程度によるが、決して大丈夫とは言えない。しかし爆発があったから怖い、とは断定できない。炉心が冷やせて格納容器に損傷しなければまだ大丈夫だ。が、圧力容器内で水素爆発があったら大変危険だ」と答えました。

 続けて海渡氏が、MOX燃料を使用する3号機について、「1号機と3号機とくらべると、セシウムとヨウ素放出は変わらないが、もしもっと高温になって微粒子が飛び出すと線量は倍になる。避難地域範囲も倍に広がる」と述べました。

 この説明について記者から「炉心融解した場合、避難以外で、被害を減らす方法はないのか?」と質問が出ました。

 それに対して後藤氏は「方法はない。風まかせ、雨で拡散が縮小されるしかない。水エアロゾルで格納容器内の放射能を落とす、ことは考えられる。しかし希ガスには効果がない」と答えました。

 記者から「最終的に完全に停止は可能か?それと東京への影響は?」と聞かれると、後藤氏は「冷却水をちゃんと注入できていれば大丈夫だが、何か1つのトラブルが最悪の状態を引き起こす可能性は常につきまとっている。東京への影響は、炉心融解し露出したらホットスポットもできるし東京も安全ではない」と答えました。

 続いて「国や東電はいつになったら冷温停止状態になるかを発表しないが、その時期は予想できるのか?」との質問がありました。これについて「東電、政府から情報がまったく出てこない。ゆえにわからないので答えられない」などと逼迫した質疑応答が続きました。

 詳しくはぜひ、本日の再配信をご視聴ください。

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【タイムリー再配信 885・IWJ_YouTube Live】20:00~
「『炉心融解し露出したらホットスポットもできるし東京も安全ではない』! 『原子力資料情報室』による緊急記者会見で後藤政志氏が警告!」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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■3月5日の総理会見で岩上安身が質問し、菅総理が回答をされなかった内容について、岩上がメールでその部分の回答を求めたところ、総理官邸から回答がきましたのでご報告いたします!! 紳士的な話し合いで、官邸の記者会見に関する運用が一部変わりました! 民主主義にとって、国民の知る権利の拡大にとって小さな、しかし大きな一歩です!

 
 3月5日の総理会見で岩上安身が質問し、回答されなかった内容について、総理官邸から回答がきました。3月6日号の日刊ガイドでお知らせした通りご報告します。紳士的な話し合いで、官邸の記者会見に関する運用が一部変わりました!民主主義にとって、国民の知る権利の拡大にとって小さな、しかし大きな一歩です!

 そのメールの内容および、岩上の返信をここで出す前に、経緯を順を追って振り返っていきたいと思います。

 先週の3月5日(金)に総理大臣記者会見が行われ、岩上安身は、会見申し込み抽選に当たり出席し、会見に臨みました。東北新社接待問題で、内閣広報官を辞職された山田真貴子氏に代わって新たに広報官となった小野日子外務副報道官の司会のもと、会見は進んでいきましたが、岩上は、手をあげ続けるも指されず、フリーランスも江川紹子さんから始まり、次々、全員あてて、「最後にあと2人だけ」と小野福報道官が告げ(これは、岩上安身だけは指名しない、というパターンかな)と思われた、本当に最後の最後で、岩上安身が指名され、後記のような質問、そして回答となりました。このやりとりは官邸ホームページからご紹介します。

(内閣広報官)
 それでは、最後はフリーランスからお取りします。岩上さん。

(記者)
 IWJの代表の岩上安身と申します。よろしくお願いいたします。

 総理は先ほどリバウンドは絶対に起こしてはならないとおっしゃいました。誠にそのとおりだと思います。その決め手はワクチンであるというふうにおっしゃいました。これは聞いていてちょっと疑問に思うところがあります。ワクチンだけが全ての決め手になる。何かワクチン万能論のような感じが世の中にあふれかえっているわけですけれども、しかし、実際にはワクチンには発症や重症化の予防効果はあっても、感染そのものの予防効果はないということが明らかになっております。

 これは、2月4日の田村厚労大臣が私どもIWJの記者の質問に答えて、感染予防が十分なエビデンスはないとはっきり明言されておりまして、この頃、ファイザーのワクチンがイスラエル等で感染予防効果があったというロイター等の報道はありますけれども、査読前の論文です。これを確認しました、厚労省にです。

 厚労省の担当課は、この件について、国としての姿勢として、感染予防効果はないという姿勢を、これらの報道で改めるつもりはないというふうにはっきりとおっしゃっています。

 感染予防効果がないということは、実は、発症しない人を増やすということであって、感染しても発症しない、本人が気付かない、無症状者を増やすに等しいことであって、かえって無症状者による市中感染を増やす可能性があります。ということは、これは同時に、無症状者に対する無差別のPCR検査を大量に行っていく必要がある。片方でワクチン、片方でPCR検査の社会的検査を無差別に拡充するということをやると。そこで陽性者を洗い出していくということをやっていって、初めて成り立つものではないかなというふうに思います。

 東大が3月頃から気が緩んだらどうなるかという研究報告を出しました。NHKが取り上げていましたけれども、この中では、7月頃には気が緩んだら1日当たり1200人ぐらいになると。ピークを迎えてしまうと。この気の緩みという中には、お酒を飲んで気が緩むという意味ではなくて、ワクチンを打ったからもう大丈夫だ。もう感染しないのだ。マスクを外してもいいのだという気の緩みの可能性も考え得ると思います。したがって、政府がアナウンスする際にはこれらのことを国民に分かるようにアナウンスした上で、私、昨年の12月25日に会見で総理。

(内閣広報官)
 すみません、御質問をよろしくお願いいたします。

(記者)
 まとめます。PCR検査の拡充について質問させていただいたのですけれども、全量検査は必要ないと当時、総理はおっしゃったのですね。その御認識は変わらないでしょうか?

 また、五輪を開催するに当たって関係者、選手団には厳重な検査を行う。しかし、観客に対して行うという話はないのですね、まだ。これは無観客でやるのかどうかという問題もありますけれども、観客を入れて行うのだったらば、そこへの全員検査というものを行うべきではないか。民間のスポーツイベントなどでは、直前の入場検査で全量検査を行っているところもあります。そうしたことも含めてお答え願えないか。お考えをお示しいただきたいと思います。

(菅総理)
 私自身もワクチンは発症、重症の効果がある、このことの理解を示しています。発症と重症化にはワクチンは効果がある、こういう中であります。ですから、一日も早く国民の皆さんにワクチン接種をしたい。それと同時に、検査の充実、これも必要だと思います。

 先ほど私、最初の一連の挨拶の中で高齢者施設に対して集中的に今月中に3万か所やるということを申し上げました。さらに、繁華街でモニタリング検査を実施する。こういうこともこれから大都市でやっていきたい、このように思っています。

(内閣広報官)
 ありがとうございました。
 尾身先生、お願いします。

(尾身会長)
 今、2つの点、ワクチンを打てば感染が完全に防げるかという話は、今、総理もおっしゃったとおり、私は、今回のワクチンはかなり有望なワクチンだと思います。私などが当初予想していたよりも比較的安全だし、いわゆる有効ですよね。今、おっしゃる重症化あるいは発症化予防。これが非常に重要で、しかし、それだからといって、実は仮に、よく分かりませんけれども、普通の常識を使えば、日本の候補者になる人々の恐らく90%が接種することはないでしょうね,国民の7割が仮に打ったとしますよね。子供さんとかは別に。そうなっても、実は、私は、時々のクラスターはそれからも起きると思います。なぜならば、ワクチンの感染力防止ということと同時に、30%は打っていないわけですよね。
 
 そういうことで、メッセージとしては、是非ワクチンに関するリスクコミュニケーションというのは極めて重要で、副作用の問題等々もあるし、それと同時に、今のワクチンを打ったから、これからどんどん打っていく、増えますけれども、ワクチンを打ったからといって、基本的な手洗いだとかマスクとか、そういうことをやらなくていいということはならないので。当分の間、これは神のみぞ、本当のことは正確には分かりませんけれども、私などの判断は、仮に今年の暮れぐらいまでに日本の希望者の6割、7割が打ったとしても、感染は時々は続く。ゼロにはならないと思います。

 そういうことで、ワクチンを打ったからといって全てが無防備というわけにはいかない。最低の基本的な感染対策は続ける必要があるということは、是非国のリーダーあるいは自治体のリーダーには、副作用の云々(うんぬん)の問題をしっかりと伝えると同時に、伝えていただければと思います。

 それから、検査の方は、これは私どもが以前から申し上げているように、検査というものの、何度も言っているのであれですけれども、こういう席ですので、無症状者の人が大事だということがありますよね。無症状者の中で、今、非常に求められているのは、無症状者の中でも、いわゆる検査前確率と我々は言っていますけれども、検査をすると、恐らくある程度高い陽性率を想像されるようなところには、集中的に、頻回にやることがこれは感染対策上、極めて有効だということが分かっています。

 その意味で、今、高齢者施設とか、あるいは今、岐阜とか栃木で行われていますけれども、ある自治体の御判断で、こういうところが今までも感染リスクが高かった、そういうところに集中的な、重点的な検査をやるというのは、これは感染の全体のレベルを下げるために有効なので、そういうふうにして、国民全員というのはワクチンとの、これは国民全員にやるのは、理想的にはやったらいいと思います。1回やってもほとんど意味がありません。これを定期的にやるというのは、実際にはそれは理想ではありますけれども、それはなかなか現実的には無理なので、今、一番大事なのは、有症状は当たり前ですよね、無症状の中で特にリスクの高いところに集中的に、重点的に、しかも繰り返しやるということが感染拡大防止にも役立つということだと思います。

※官邸ホームページ(2021年3月5日)
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0305kaiken.html

 前述の質問と回答をご一読いただけるとおわかりの通り、岩上の質問に対し、菅総理、尾身分科会会長のお二人とも「ワクチンには感染予防効果がある」などという反論は一切していません。「発症予防、重症化予防の効果がある」とだけ述べるにとどまり、感染予防があると開き直って言いつのったりはしていないので、事実上、岩上の指摘をお認めになったものと思われます。

 ただ、五輪と検査の問題について質問した部分については、一切スルーだったので、会見後岩上は小野外務副報道官にもとに行き、「ご回答がなかった部分のみ、再質問のメールを送らせてもらっていいですか?」と問いかけました。

 新任の小野外務副報道官は、おろおろされており即答できなかったので、「では会社へ戻ってから、質問のメールをお送りしますので、それを御覧になった上で、ご検討ください」と言ってその場を辞した岩上は、社に戻りメールを書き上げ、内閣官邸報道室へ電話をしました。

 電話口に出たT氏という報道室の担当官は、「当たらなかった方への質問のみ受けつける運用になっています」と述べ、これに対し岩上は「では、その運用を変えていただきたい、というご提言をさせてもらいます。本日のような会見で、質問に対して、総理が部分的に答えていなかったような場合、インターネット中継で、質問と回答のすべてが今は見られますので、『今のは答えたくなかった質問か?』などと、邪推も生じやすくなります。国民の前に開かれている記者会見ですから、お答えしきれなかった部分を、見ている国民に誤解を与えないためにも、確認の再質問をさせていただきお答え忘れた、し損ねた回答をしていただけるようにする。これを民間の一出入り業者の分際ではありますけど、お上に提案申し上げたい。ぜひご検討ください」

 それに対し、「運用を変えると言ってもなかなか難しい・・・・」と渋るT氏に対して、官邸や省庁と記者クラブがつくってきた、記者クラブ以外のメディアやフリージャーナリストらを大臣会見に入れない、という慣行を10年前に僕らは何人かで粘り強く交渉して、少しずつ変えていき、こうして官邸で総理に質問できるようになりました。話し合いをする、運用を変えるご提案をさせていただいて、内部で検討していただく、ということを、ずっと続けてきて、少しずつ少しずつ変わってきていただいております。

 今度のことも、質問に対して、回答がない、その理由は何?と疑問を抱く国民のために、メールで「さら問い」をさせてください、という趣旨です。

 国民のために、総理のお考えを誤解が生じないように、きちんと聞き出してお伝えする、ということが眼目ですので、どうかご検討を願いたいと思います」と岩上はT氏に重ねて述べて、下記のメールを3月5日深夜の11時46分にお送りしました。

 「官邸広報室
 T様

 先ほどは、長々とお電話で失礼いたしました。

 本日の総理会見において質問し、回答を得られなかった内容をお送りさせていただきます。

 これからの運用の課題として、回答をスルーされた場合、重ねてメールで問うことができる、という運用に変更していただけるよう、皆様でご検討いただきたいと存じます。      
 
 よろしくお願いします。

 IWJ代表の岩上安身です。本日、質問の機会をいただきましたが、菅総理も、尾身分科会長も、お答えいただけなかった部分がありました。検査と五輪の関係についてです。この、お答えがなかった分だけ、重ねてメールさせていただきます。

 外国人選手、関係者、プレスに関しては、その行動を規制するプレイブックが作成され、PCR検査も複数回検査すること、などとされていますが、会場・現場の案内や誘導、通訳、警備などを担当するスタッフと、観客に関しては、プレイブックにはまだありません。五輪組織委や東京都などに確認しましたが、スタッフと観客全員へのPCR検査についてもいまだに予定されていないそうです。

 スタッフと観客全員にも検査すべきではないでしょうか。検査せずに観客を入れての五輪は開催すべきではないと思われますし、五輪をどうしても開催したいが、どうしてもPCR検査を大量に実施するのはやりたくないというならば、無観客の開催しかないと思います。

 実際、民間のスポーツイベントで入場時に短時間に結果の出るPCR検査を行った成功事例もあります。

 五輪を無観客でやるのか、あるいは観客を入れて行うというならば、観客全員にPCR検査を行うか、方針を早々に示すべきだと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。

岩上安身拝」

 という内容で、送信し、3分後の午後11時49分に官邸報道室から、

 「岩上様

 お世話になります。

 メール拝受いたしました。

 来週、改めてご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。

 官邸報道室 T拝」

と返事がありました。週が変わり、今週の8日、月曜日の午後5時43分に官邸報道室から以下の様に返信がありました。

「岩上様

 お世話になります。

 いただいたメールについて、確認させていただきました。

 会見場での質問に対して回答がなされなかった部分があるとの御連絡について、そのように判断できましたので、当該部分について、書面で回答いたします。

 ただし、会見場でのご質問のフォローという性質上、実際に発言された内容へのご回答となりますので、御質問は以下でよろしいでしょうか。

 『五輪を開催するに当たって関係者、選手団には厳重な検査を行う。しかし、観客に対して行うという話はないのですね、まだ。これは無観客でやるのかどうかという問題もありますけれども、観客を入れて行うのだったらば、そこへの全員検査というものを行うべきではないか。民間のスポーツイベントなどでは、直前の入場検査で全量検査を行っているところもあります。そうしたことも含めてお答え願えないか。お考えをお示しいただきたいと思います』。

 いずれにせよ、これまで同様、会見においては、なるべく多くの方に質問いただく観点から、質問は1人1問で簡潔に御発言いただき、自席からの追加質問はお控えいただきたいと存じます。

 今後ともよろしくお願いいたします。

  官邸報道室 T拝」

という、回答がなされなかった部分があることを認めたので、「当該部分を書面で回答します」との内容でした。同日8日の午後11時42分に、その質問で構わない旨、以下の様に返事をしました。

「官邸広報室
 T様

 お世話になります。メール拝受いたしました。ありがとうございます。

 『五輪を開催するに当たって関係者、選手団には厳重な検査を行う。しかし、観客に対して行うという話はないのですね、まだ。これは無観客でやるのかどうかという問題もありますけれども、観客を入れて行うのだったらば、そこへの全員検査というものを行うべきではないか。民間のスポーツイベントなどでは、直前の入場検査で全量検査を行っているところもあります。そうしたことも含めてお答え願えないか。お考えをお示しいただきたいと思います』。

 こちらの質問で結構です。

 よろしくお願いします。

 岩上安身拝」

 と回答し、3月9日の早朝に官邸報道室から以下の様に返事がありました。

「岩上様

 ご返信ありがとうございます。

 それでは回答を準備いたします。準備出来次第お送りいたしますので、よろしくお願いいたします。

  官邸報道室 T拝」

 と回答があり、一昨日の10日(水)の、16時48分に「回答」が官邸広報室からメールされました。
  
 「岩上様

 お世話になります。

 5日の総理会見でいただきましたご質問について、添付のとおり回答をお送りします。

 よろしくお願いいたします。

 官邸報道室 T拝

(質問)
 五輪を開催するに当たって関係者、選手団には厳重な検査を行う。しかし、観客に対して行うという話はないのですね、まだ。これは無観客でやるのかどうかという問題もありますけれども、観客を入れて行うのだったらば、そこへの全員検査というものを行うべきではないか。民間のスポーツイベントなどでは、直前の入場検査で全量検査を行っているところもあります。そうしたことも含めてお答え願えないか。お考えをお示しいただきたいと思います。【岩上氏(フリーランス)】

(回答)
 先日開催された「五者協議」(IOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)、組織委員会、東京都及び国)において、東京大会における海外からの観客については、国内外における感染状況や防疫措置、専門家による科学的知見等を勘案して、3月中に判断することで合意されたと承知しています。
 
 また、観客の感染症対策については、安全・安心な大会の実現に向けて、国内外の感染状況や様々なスポーツ大会における感染対策の取組等も踏まえながら、主催者であるIOC、IPC、東京都、組織委員会と緊密に連携し、検討を進めてまいります。

 以上となります。

※岩上安身が内閣記者会の裏打合せメール入手!! 菅総理が内閣記者会番記者と原宿のパンケーキ店で朝食会!! 欠席3社のみ!! 出席NHK筆頭16社! 批判殺到で2回目流れる!? 政権まともに糾弾せず仲良くパンケーキほおばるマスコミの異常!! 2020.10.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/482285

※首都圏1都3県の緊急事態宣言を21日まで2週間延長! 岩上安身は菅総理会見でワクチンに感染予防効果がないことを指摘し、ワクチン頼みの対策を批判! 菅総理も、尾身会長も感染予防効果がないことを渋々認める!(日刊IWJガイド、2021年3月6日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48418#idx-3

■3.11、あの日から10年。原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟「原発ゼロ・自然エネルギー100世界会議~福島原発事故から10年~」オープニングの模様を報告します!

 東日本大震災から10年の節目を迎えた3月11日、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の「原発ゼロ・自然エネルギー100世界会議~福島原発事故から10年~」がオンラインで開催されました。IWJは、このオープニングを含め3つのセッションを取材しましたので、シリーズでレポートをお届けします。

 原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(以下、「原自連」)は、2017年に発足した、原発ゼロと自然エネルギーの推進を目指す団体です。

 会長に城南信用金庫相談役の吉原毅氏、顧問に元内閣総理大臣・小泉純一郎氏、細川護熙氏、副会長に元自由民主党幹事長で原子力委員会委員長の中川秀直氏ら、幹事長・事務局長には脱原発弁護団全国連絡会共同代表の河合弘之氏が名前を連ねます。 政治的な立場を超えて、原発ゼロを目指す人たちの団体だということがわかります。

 「原発ゼロ・自然エネルギー100世界会議~福島原発事故から10年~」には、70以上のセッションがあり、100名以上の登壇者が参加しました。

※明日は前夜祭「原発ゼロ・自然エネルギー100~福島原発事故から10年~」(原自連公式サイト、2021年3月9日)
http://genjiren.com

 オープニングセッションは、原自連会長吉原毅(よしはら つよし)氏の挨拶から始まりました。
 
吉原会長「本日は、福島の事故から10年ということで、ピースボートをはじめ多くの方々、志ある多くの企業の方々のお力添えでこのような会議を開催することができました。ありがとうございます。

 原自連は、2017年に、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟という形で発足しました。原発をゼロにしたい、それには右も左も関係ないという、日本を愛する方々と企業が結集してできました」

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■10年目の3.11、2つの原発差し止め判決を下した元福井地裁裁判長の樋口英明氏と河合弘之弁護士がこれからの原発裁判についてトークセッション! 「みんなが理解できるわかりやすい議論じゃないと、最高裁で勝ち切ることはできない!」

 東日本大震災の発生から10年を迎えた昨日11日、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)が「原発ゼロ 自然エネルギー100 世界会議〜福島原発事故から10年〜」と題したオンラインイベントを開催しました。

※「原発ゼロ 自然エネルギー100 世界会議〜福島原発事故から10年〜」
https://20210311.genjiren.com/

 イベントは「全体セッション」「原発ゼロ」「自然エネルギー100」「10年後の福島」「映像」「国内外の取り組み」「バーチャルツアー」の7つのセッションに分けられ、午前10時から夜10時まで、同時進行で、小泉純一郎元総理や元京都大学助教の小出裕章氏、台湾デジタル担当大臣のオードリー・タン氏、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長、フォーラム4代表の古賀茂明氏、元原発設計技術者の後藤政志氏ら、100人を超える多彩なゲストによる講演やシンポジウムがYouTubeを利用して開催されました。

 各セッションはイベント終了後も一部を除いてアーカイブされるとのことですので、上記URLよりYouTubeで視聴できます。

 3月10日に岩上安身によるインタビューにご出演いただいた元福井地裁裁判長の樋口英明氏は、「原発ゼロ」セッションで午後12時10分から行われた「日本の原発訴訟の現状と展望」に、数多くの原発裁判に関わる河合弘之弁護士、大河陽子弁護士とともに登壇し、これまでの原発訴訟を振り返るとともに、これからの裁判についての展望を語り合いました。

※【原発ゼロ/B-2】日本の原発訴訟の現状と展望
https://youtu.be/sKvhvMh6duE

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■「『原子力ムラ』と言われてきたが、私は彼らを『原子力マフィア』と呼ぶ。可能なら、彼らを全員、刑務所に入れたい」~小出裕章氏講演「原子力マフィアの犯罪」

 昨日午後1時45分から、憲政記念館で開催された「原発ゼロ・自然エネルギー100世界会議~福島原発事故から10年~」で、小出裕章氏が「原子力マフィアの犯罪」をテーマに基調講演を行いました。

 1949年、東京に生まれた小出氏は、原子力に夢を抱いて東北大学工学部原子核工学科に進みましたが、原子力の実態を知り、180度方針を転換。原子力廃絶のため研究を続け、発信してきました。京都大学原子炉実験所助手を2015年に定年退職。岩上安身は、福島の原発事故後、小出氏に繰り返しインタビューを行っています。

 小出氏は、「広島の原爆は、ウラン800グラムが燃えた(核分裂した)だけで広島の街が壊滅した」と話を始めました。しかし、100万キロワットの原子力発電所1基が1年の運転で燃やすウランは1トン、広島原爆の1000倍以上を使う必要があります。化石燃料が枯渇する前にウランが枯渇するのはもちろん、原子炉は広島原爆の1000倍以上の死の灰をつくることになるということです。

 小出氏は「機械は必ず壊れる。原子力発電所も機械で、いつか壊れる。壊れる前に止めさせたい」と考え、「自分の人生を180度転換した」と言います。

 ところが原子力発電の推進側は「しっかりお守りをすれば、大きな事故は起きない」と主張。しかし、本当は怖いので、東海村、若狭湾、福島はじめ日本中に原発を建てたが、全て巨大都市を避けました。「こんな不公平なことはやっていけない。なぜ日本人は気づかないのか?」と小出氏は訴えます。そして「日本で運転された57基の原発はすべて自由民主党が政権を取っている時に認可された」と指摘します。

 日本政府の報告では、福島の原発事故で大気中に放出されたセシウムの量は[1.5×10の16乗ベクレル]で、広島原爆[8.9×10の13乗ベクレル]の168発分にあたるうえ、それ以外に海にも今でもどんどん流しており、「あわせて広島原爆の数百発分、場合により数千発分になる」といいます。

 福島の事故で放出された大気中の放射能は、上空の分は偏西風で太平洋に流れましたが、それ以外は北風や東風で福島県浜通りや茨城県の霞ヶ浦、千葉県北部、東京の下町を汚染。その後、南東の風で、日本一美しい村と言われた福島県飯館村等の地域を、1平方あたり300万ベクレルや60万ベクレルなど「猛烈な汚染」が襲い、強制避難になります。

 さらに北風で、山脈に囲まれ、大きな町がならぶ福島県の中通り地方を「放射能の雲がなめるように汚染を広げ」、栃木県や群馬県や埼玉県、東京の奥多摩等各地に広がり、3~6万ベクレルにまで汚染。約1万4000平方キロメートルの大地が、4万ベクレルを超える「放射能管理区域」に指定されなければならない汚染を受けたといいます。

 小出氏が働いた京大原子炉実験所は、普通の人がいる場所で扱えない放射性物質を扱う、特別な施設であり、「放射線管理区域」に限って実験に使用されていました。

 その中では水を飲む、物を食べることも禁止され、手や実験着が汚れていないかを確認しないとドアが開けられないとのことです。そのドアが開く基準が、1平方メートルあたり4万ベクレル以下の放射能汚染と、法律で定められていました。ところが、福島の事故では、広大な大地が、その「放射線管理区域」に指定しなければならない汚染を受けたというのです。

 国は、「とうてい法律を守ることはできない」と考えて、1平方メートルあたり60万ベクレル以上の汚染地から、住民に手荷物だけを持って強制避難させ、犬猫や、酪農家には家族である牛や豚は捨てていけと、避難所や仮設住宅に次々に追われました。家族や地域がバラバラになり、つらさから自殺した方も出たという悲劇を小出氏は語りました。

 そして、その下の汚染状態だが、本来なら「放射線管理区域」にしなければならない地域に、「数百万人が捨てられた」と小出氏は言います。放射線感受性が高い子供も含めて捨てられたということです。

 それは「原子力緊急事態宣言」だから「法令は守らなくていい」ということに、国がしてしまったからであり、10年経った今も宣言は解除できていないのです。

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■<新記事紹介>【特別寄稿】あの『桜を見る会』は3月14日の下関市長選のための買収だった! 『桜を見る会』招待は2017年の下関市長選の論功行賞であっただけでなく、3月14日の下関市長選で前田市長再選が狙い!

 3月14日に投開票を迎える下関市長選を、フリージャーナリストの横田一氏が取材しました。

 「桜を見る会」疑惑の年内決着を狙った昨年末の「クリスマスイブ会見」以降、表舞台で見かけなかった安倍晋三・前首相が3月7日、「下関市長選」の出陣式に現れ、二期目を目指す直系市長・前田晋太郎候補への支持を呼び掛けました。

 下関駅近くの「海峡ゆめ広場」に集まった約900人(主催者発表)に向けた、安倍前首相による応援演説は4分半。元秘書で、前回の市長選で安倍派市議から初当選した前田市長の実績(公約達成率が9割弱など)を称える内容が大半でしたが、首相時代に100回以上の虚偽答弁をした「桜を見る会」や前夜祭についての釈明は全くありませんでした。

 そこで、出陣式を終えて前田候補と共に車に乗り込んだ安倍前首相を、横田氏が直撃、「安倍さん、『桜を見る会』について一言お願いします」「桜を見る会は(地元有権者への)買収ではないですか。一言お願いします。説明責任を果たしたのですか」と声掛け質問をしました。

 しかし安倍前首相は一言も発しないまま、支援者に手を振りながら走り去って行きました。

 下関市長選には自民・公明が推薦する前田氏と、無所属で元市議の田辺よしこ氏の2人です。田辺氏は市議会で「アベ私物化政治」を追及してきた人物です。田辺氏の出陣式にはれいわ新選組の山本太郎代表が応援演説に駆けつけました。

 詳しくはぜひ、以下のURLより記事をご一読ください。

※【特別寄稿】あの『桜を見る会』は3月14日の下関市長選のための買収だった!『桜を見る会』招待は2017年の下関市長選の論功行賞であっただけでなく、3月14日の下関市長選で前田市長再選が狙い! 2021.3.10
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/489690

■<お知らせ>2021年3月31日をもって「ニコニコチャンネル」内「岩上安身のIWJチャンネル」を終了いたします。これまでお世話になりました。ありがとうございました。

 IWJはこのたび、株式会社ドワンゴが運営する「ニコニコチャンネル」内での「岩上安身のIWJチャンネル」を終了することといたしました。

 「岩上安身のIWJチャンネル」は開設以来、多数の皆様よりご利用いただいてまいりましたが、2021年3月31日をもちまして、閉鎖いたします。

 これまでご利用いただきました皆さまには、改めて御礼申し上げますとともに、閉鎖まで短い期間ではございますが、引き続きご愛顧くださいますと幸いでございます。

 なお、チャンネル会員の退会手続きは、閉鎖月にシステム側でおこないますので、お客様による退会手続きは不要です。

 また、2021年2月26日をもちまして、チャンネルへの新規入会を終了とさせていただきました。

 新規入会停止後は、有料コンテンツ(動画、生放送、ブロマガ等)を購入できなくなります。何卒ご了承ください。

 「ニコニコチャンネル」で御覧いただいていた方は、どうぞ、IWJの公式の会員としてご登録いただき、引き続き、ご視聴・ご購読をよろしくお願いいたします。

 会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
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 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20210312

IWJ編集部(岩上安身、城石裕幸、木原匡康、六反田千恵、中村尚貴、塩澤由子)

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 https://iwj.co.jp/