■■■ 日刊IWJガイド 2015.4.19日号~No.949号~ ■■■
(2015.4.19 8時00分)
おはようございます! IWJの動画チーフを務めております、古田“磐梯山”晃司と申します!
昨日の東京は一日中、春の光に包まれておりました。うららかな春の日和というよりも、気温も上がってきてもはや初夏の趣さえ感じられます。
桜が散ったと思ったら、はや新緑の季節。まもなくゴールデンウィークが近づいてきます。我々IWJのような年中無休の報道メディアで働く者には、「長期休暇」は夢の夢。現に今、この『日刊IWJガイド』を執筆するにも、安全保障の問題や原発再稼働、辺野古新基地建設、TPP問題、そして官邸によるメディアへの露骨な圧力など、考えなければならないことが山ほどあります。
ありとあらゆる問題が噴出しており、伝えなければならないことだらけです。春の陽気にのんびりとはしていられません。
■高浜原発再稼働禁止の立役者に岩上安身が突撃インタビュー
本日、16時からは、IWJのUstチャンネルを「1」にセットしてください! 岩上さんが滋賀県まで足を伸ばし、福井原発訴訟弁護団長の井戸謙一弁護士に単独インタビューいたします!
井戸弁護士は、現在は退官されて弁護士となりましたが、元々は裁判官として、大阪、京都、山口、金沢の地方裁判所、そして大阪高等裁判所で判事を勤めてこられました。裁判長として、住民基本台帳ネットワークシステム差止等請求事件や、志賀原子力発電所2号原子炉運転差止請求事件といった著名事件の判決に関わっています。
志賀原発の裁判では、井戸弁護士は「炉心溶融事故の可能性もある」「多重防護が有効に機能するとは考えられない」と指摘し、被告の北陸電力に対し、「原子炉を運転してはならない」と異例の判決を言い渡しました。これは「国策に背く判決」とも言われました。
判決後に同僚から「ほされるぞ」と冗談めかして言われたそうですが、井戸弁護士は「司法は、市民の最後の砦であるべき」との信念のもと、現在、福井原発訴訟弁護団( http://www.nonukesshiga.jp/message/ido )の団長として、若狭湾の原発再稼働を許さないようにするため、司法の場で闘っておられます!
先日、高浜原発3・4号機について再稼働してはならないとの仮処分の決定が下されたことはみなさんご存知のことと思います。IWJでもこのニュースを追い続けていますが、本日の井戸弁護士のインタビューはまさにその集大成になる予感がします!
僕は、福島は会津の生まれで、今も実家が磐梯山の麓にあります。会津には猪苗代湖があるように、滋賀には琵琶湖があります。
琵琶湖は日本で最大の面積と貯水量を持ち、近畿一円に飲み水を提供し、「近畿の水瓶」とも呼ばれています。琵琶湖の水は、とても貴重な水源なのです。
ところが、琵琶湖は、高浜原発などが並ぶ「原発銀座」と距離的にとても近く、福島第一原発事故クラスの原発事故が起これば、近畿一帯の水が汚染され、周辺住民の皆さんの生活は重大な危機に陥るでしょう。まさに「人格権」が侵される危険と隣合わせです。
他のどの原発立地地域も、福島のようなことにはなってもらいたくありません! 今日のインタビューは、全員が必見の大インタビューになること間違いなし! ご注目ください!!
※【速報】福井地裁 高浜再稼働を認めず「新規制基準は緩やかに過ぎ。適合しても安全性は確保されていない」と断言! 山本太郎議員は「安全神話の第二幕を開けさせなかった」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242582
※【続報】高浜原発の再稼働認められず 住民側弁護士は規制委に規制基準の作り直しと審査停止を要求へ 菅官房長官、再稼働「粛々と進める」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242599
※【続報2】関電は制裁金を払って再稼働する可能性も!? 高浜原発差止仮処分弁護団・只野靖弁護士に聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242647
※「新規制基準自体にノーをつきつけた」 高浜原発再稼働禁止の仮処分、何が画期的だったのか~弁護団共同代表の河合弘之弁護士に岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242735
■止まらない政権与党のメディア介入!
IWJでもすっかりお馴染み、「報道ステーション」降板問題で渦中の人である古賀茂明氏が、先日、日本外国特派員協会で会見を行いました。
※日本が直面する独裁政治への第3フェーズ「問題を深堀する能力の喪失」--「報道ステーション」で遮られた話の中身とは?~元経産官僚・古賀茂明氏が会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242742
この中でも、言及されていましたが、政府与党である自民党は今月17日、NHKとテレビ朝日の幹部を呼び出したようです。それぞれ理由は、NHKは「クローズアップ現代」のやらせ問題、テレ朝は「報道ステーション」での古賀発言に関してです。
そもそも、政権党が報道内容について、直接説明させるというのは異常事態です。メディアの報道姿勢に直接、露骨な介入を行う自民党の傲慢な姿勢は、昨年の衆院選で在京各局に「公平中立、公正の確保」を求める文書を送った時点ですでに表面化していました。
また、昨年、安倍首相がTBSの番組に出演した際、「アベノミクス」に関する街頭インタビューの選び方について、「局側が意図的な編集をしたのではないか」というような趣旨の発言もしています。
こうしたメディアに対する高圧的な態度が、報道の自由を抑圧するための「圧力」であることは火を見るよりも明らかです。
古賀氏は会見で、自民党は放送法3条「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」という事項に抵触しているのではないか、と主張されましたが、その指摘はごもっともだと思います。これが圧力でなければ何が圧力というのでしょう。
これに対し、自民党は、古賀氏の発言は、同じく放送法4条の「事実を曲げない」という条項に抵触しているのではとして、NHKと日本民間放送連盟でつくる「放送倫理・番組向上機構」(BPO)について、政府が関与する仕組みの創設を含めて組織のあり方を検討する方針を固めた、と報道されています。これでは、報道機関が、直接、政府・与党の管理下に置かれてしまいます。言論の自由など、成り立ちようがありません。
秘密保護法や、マイナンバー法も制定された今、これでは大手マスコミの経営陣のみならず、組織に属する個々人までもが萎縮してしまう可能性があります。政権与党がここまで傲然と報道の自由、言論の自由を侵すことを、許していいのでしょうか??
僕は、本来は映像製作が専門ですが、IWJのような独立メディアが今後もきちんとした報道・発言ができるよう、自分の持てる力で貢献すべく、日々、腕を磨いています。
IWJは岩上さん以下、いかなる圧力にも屈しませんが、そのためにも皆さんのご協力がなければなりません! みなさんも是非、IWJの会員になって、または、カンパなどで活動をお支え下さい! IWJは皆さんに必要とされるメディアであり続けたいと思います! IWJも皆さんを頼らせてください!
【会員登録はコチラ】
→ https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php
【カンパをよろしくお願いします】
→ http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html
4月30日(木)の14時30分から、岩上さんによる、古賀氏への次のインタビューが決定しております。前回のインタビューで聞ききれなかった、官僚の天下り問題や、古賀氏ご自身が立ち上げた団体「フォーラム4」についておうかがいする予定ですので、こちらもお楽しみに!
■回帰する大日本帝国憲法~自民党憲法草案を徹底検証・鼎談シリーズ再配信
メディア統制に余念のない自民党ですが、この自民党が、党として2012年4月27日に発表した「日本国憲法改正草案」。みなさんはもうご確認されたでしょうか?
岩上さんが、この改憲草案は米国の軍事属国化に直接結びついていると指摘し、梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士にこの憲法草案の中身を訊いてゆく「憲法鼎談シリーズ」、今こそ、皆さんに改めてご覧いただきたいと思います。
この鼎談では、逐条で日本国憲法と対照しつつ自民党の改憲案を読み進めていきます。三人の逐条憲法鼎談の番組は、約半年間にわたり、計12回、25時間(!)にもおよびました。
統一地方選を経て、自民党は政権与党としての存在感をますます強め、国会情勢は「1強他弱」状態。こうした風向きをみていると、この「憲法改正草案」の実現も、すぐ目前にまできているようにすら感じられます。
自民党の改憲草案を検証すべきことはもちろんですが、現行の日本国憲法の内容に関しても改めて触れることで、また新たな発見もありました。「押し付け」などと言われてはいますが、当時、世界の最先端をいった素晴らしい憲法であることもわかってきました。
現在、「安保国会」の真っ只中で、まさに瀬戸際ですが、明日20日(月)からこの「憲法鼎談シリーズ」を連続再配信いたします! 今回はなんと、非会員にもオープンで公開いたします! お時間の許す限り、是非、ご覧下さい!
※回帰する大日本帝国憲法~自民党憲法草案を徹底検証・鼎談シリーズ再配信 配信スケジュール
→ http://iwj.co.jp/wj/open/%E5%89%8D%E5%A4%9C
また、「毎日動画をみている余裕がない!」という方は、この鼎談シリーズが書籍化されていますので、ぜひ、ご購読下さい! IWJの物販のページからもご購入いただけますので、ぜひお買い求め下さい!
※『前夜 ~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』
→ https://iwj.co.jp/ec/products/list.php?category_id=11
(後半へ続く…)
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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
**2015.4.19 Sun.**
【Ch4】14:00~「報道や表現を自粛しない人たちのオフ会(東京)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※「翼賛体制の構築に抗する 言論人、報道人、表現者の声明」の連名者が意見発表・意見交換・交流する「報道や表現を自粛しない人たちのオフ会」が開催される。
香山リカ氏(精神科医、評論家)、古賀茂明氏(古賀茂明政策ラボ代表)、各紙・各局に所属するジャーナリストらが参加予定。
~関連記事はこちら~
・2015/02/25 報道の正しい機能が失われていくことで独裁や戦争に繋がっていく可能性を危惧――「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」を発表した古賀茂明氏、今井一氏らが会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/235576
【IWJ_OSAKA1】14:00~「愛と平和の女子パレ VOL.2」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※今年行われた東京の「女の平和」(女たちの国会ヒューマンチェーン)に、関西でも連帯したいとの考えから、「戦争反対」という思いの一般の学生・社会人女子6人によって企画された「愛と平和の女子パレ」の第二弾。
~関連記事はこちら~
・2015/02/15 【大阪】戦争 反対! 愛と平和の女子パレ(動画)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/233009
【IWJ_OSAKA2】14:30~「福島・福井~ふたつのふるさと」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka2
※福島県飯舘村・長谷川健一さんを囲んで行なわれるトークイベントを中継。ゲストは中島哲演氏(小浜市明通寺住職)。
~関連記事はこちら~
・2013/01/20 【茨城】飯館村の酪農家 長谷川健一さん講演会 原発に「ふるさと」を奪われて
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/54235
【Ch1】16:00~「岩上安身による福井原発訴訟弁護団長 井戸謙一弁護士インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※かつて裁判長として志賀原発2号機の運転差し止めを命じた経験を持ち、今回の高浜原発再稼働差し止め仮処分申請の弁護団メンバーにも加わっていた井戸謙一弁護士に、安倍政権が進める原発再稼働に対して司法が果たすべき役割について、お聞きします。
~関連記事はこちら~
・2015/04/15 「新規制基準自体にノーをつきつけた」 高浜原発再稼働禁止の仮処分、何が画期的だったのか~弁護団共同代表の河合弘之弁護士に岩上安身が聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242735
【再配信・Ch5】19:00~「勉強会『高浜原発再稼働問題をどう考えるか ~確実な原子力防災と民主主義尊重の必要性~』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/237878
※2015年3月9日(月)に行われた、「原子力市民委員会」と「原発ゼロの会」協力の勉強会の模様を再配信します。
吉岡斉氏、大島堅一氏、満田夏花氏、筒井哲郎氏らが登壇しました。
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(…前半からの続き)
■本日、午前10時、テレビ朝日「美女たちの日曜日」にてIWJの貸出映像が!
IWJでは、他メディアの求めに応じて、撮影素材の貸し出しも行っています。本日、午前10時より放送されるテレビ朝日「美女たちの日曜日」で、IWJの貸出映像が使用されます! 「美女」とは、いったい誰のことかと思いきや、、、
東京大学東洋文化研究所教授で、IWJではお馴染みの安富歩さんが「美女たちの日曜日」にゲスト出演される際に、IWJの映像が使われます!
使われる映像はこちら!
※2014/07/25 【文化】暴力は微分化により「不可視化されている」
~毛利嘉孝研究室主催「暴力の音楽と音楽の暴力」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156844
安冨先生、最近メディアへの露出が大変多いですよね! 最初に岩上さんがインタビューした時が今ではなつかしい!
2012/03/27 岩上安身による安冨歩氏インタビュー
→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/6440
2012/04/19 岩上安身による安冨歩氏インタビュー
→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/11828
2012/06/14 安冨歩先生インタビュー三度!
→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/19659
最初はマイケル・ジャクソンのモノマネをする東大教授なんて存在していたのか!…と驚きを禁じえませんでした。そんな安富先生が今では女装で地上波のバラエティーのスターに…
しかし、安冨先生は全然変わっていません!見た目は少し変わっておりますが、切れ味するどいその論旨は健在で、日本の「立場主義」についてのお話はいつ聞いても感銘を受けます! 「立場」がなくては生きていけない、と思い込んでいる日本人に安冨先生は警鐘を鳴らし続けています。
ちなみに、これまでのIWJでの映像貸出の実績です。
【今までのIWJ映像貸出の実績】
2015/02/09 テレビ朝日【テレビタックル】
2015/03/01 日本テレビ【行列のできる法律相談所】
2015/04/05 日本テレビ【スクール革命!】
通常、IWJでは、動画やDVDを個人で視聴するのではなく、不特定多数の方が集まる場での無断の使用はお断りさせていただいています。一部報道資料としては有料にて対応させていただいています。
ですが、小規模の上映会などを開いてみんなで見たい、見せたい、見た上で話し合う集会を開きたいというご要望も多くあります。パソコンに慣れていない方が、知らなかった情報に初めて接する、という機会を提供するのも大事なことであり、IWJとして力を入れていきたいとのことです。
そこで、10人前後の小規模でも(それ以上の規模でももちろん歓迎です)、IWJのDVDや動画コンテンツ、これまでに行ったトークカフェなどの映像を使っていただき、各地で上映会・勉強会などを開催していただけるよう、改めて呼びかけていくことにしました。
いくつかのお願いごとにご協力をいただく形にはなりますが、上映会・勉強会の企画を募集いたします。
このような、報道資料としての使用や、上映会・勉強会での使用などなど、
こちらまでお気軽にご相談ください!→< office@iwj.co.jp >
■環境化学物質が子どもの発達異常、行動異常に影響をおよぼす!?
昨日行われた、岩上安身による西尾正道・北海道がんセンター名誉院長/黒田洋一郎・医学博士(環境脳神経科学情報センター代表、首都大学客員教授)との鼎談はご覧になりましたでしょうか?
以下、岩上さんの鼎談前日のツイートより引用です。
【岩上安身のツイ録】本日18時30分より、西尾正道氏、黒田洋一郎氏にインタビュー! ネオニコチノイド系農薬による汚染問題に迫る
→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242982
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昨年、『発達神経の原因と発症メカニズム~脳神経科学からみた予防、治療・教育の可能性』という大著を上梓された黒田洋一郎氏は、農薬などの環境化学物質の影響により、子供の発達異常、行動異常などが近年、急増している可能性を指摘されている。
ショッキングなのは、我々は、ポストハーベストの危険性が疑われる輸入ものの農産物より、国産の農産物を安全と思い込んでいるが、日本は韓国と並んで、世界で最も大量の農薬を散布している国であるという事実。
単位面積あたりの国別農薬使用量は、韓国が1位、日本が僅差で2位。両国がダントツ。日本は米国の7倍、フランスの3倍も農薬を使用している。そして左のグラフ。PDD(広汎性発達障害)AD(自閉性障害)の発症率も韓日がワンツートップ。
現在でも、農薬による汚染が深刻なのに、そうした問題意識が広く共有されず、さらに加えてTPPによって農業が苛烈な国際的な競争にさらされれば、さらなる規制緩和で、遺伝子組み換え作物とセットになった除草剤、新種の農薬によって、単位あたりの収量の拡大が目指されるだろう。
安全性の問題は今でさえ、おざなりなのに、生産性の向上の美名のもと、ますます環境の汚染や破壊とともに、国民の健康が脅かされることになりかねない。企業利益を最優先する新自由主義的経済政策からは、こうした被害の予防や救済は導き出されない。カネ儲け一点張りの世界にストップを。
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この黒田先生のお話、衝撃的でした。
単位面積あたりの農薬使用量は、圧倒的に日本と韓国が高く、両国は同時に自閉症・広汎性発達障害の有病率が世界1位、2位を争っており、ぴったり相関している、という話は多くの人にとって初耳なのではないでしょうか?
また、農薬の毒性の多くは遅発性で、何年も経ってから症状が出てくるので、農薬によるものだということが、分かりにくく、因果関係も証明しにくい。これが、農薬の毒性が社会問題化しにくい理由だという黒田氏の発言にもうなずけます。
水俣病を思い起こせば、分かると思いますが、日本は公害の「先進国」でした。その悲劇に何も学んでいないと言わざるをえません、1953年頃から猫、カラスなどの不審死が多発し、メチル水銀の影響による様々な症状は確認されてはいたものの、実際に国が水俣病の認定基準を定めたのは10年以上後のことになります。
東京電力福島第一原発の事故も全く同じですが、企業の隠蔽体質はもちろん、“ムラ社会”特有のコミュニティ内での差別や、それによって被害者自身が症状を隠す、という事態まで起きたと聞いています。
また、水俣病も、放射能拡散による内部被曝の問題も、“食べ物”からの影響が最もおおきい、というのも注目すべき点です。やはり人体の中に入るものには、格段気を配らなければならない、ということだと思います。
とはいえ、本日から、米通商代表部(USTR)のフロマン代表が来日し、TPP(環太平洋経済連携協定)に関する日米閣僚級協議が実施されています。
一昨日、このTPPの問題に関して、山田正彦元農水相にインタビューした際にも言及されましたが、TPPが実現されることで、利潤追求を至上命題とする多国籍企業などによって、生産性・効率性を優先させ安全性をおざなりにした食品が大量に市場に出回る可能性が高くなります。
気をつければいいだけ、と言うわけにもいかないのは、そういった商品は安価なことです。さらなる消費税増税を前に、家計がますます逼迫するのは目に見えている状況で、そう簡単にこの状況が受け入れられるでしょうか?
IWJでは、引き続きこの問題を追求しつつ、食品の安全性に関しての発信を続けます。
※2015/04/17 万歳会長の突然の辞任劇は「TPP反対封じ」工作!? TPA法案提出、安倍総理の米議会演説、加速する動きの裏にある日米両政府の思惑を、山田正彦元農水相が岩上安身のインタビューで曝露!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242893
※2015/02/18 世界中の「ミツバチ大量死」 原因はネオニコチノイド系農薬と米ハーバード大が特定! ~日本は規制なし、農水省は「実態調査中」
→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/233754
※2014/06/26 ミツバチの大量死と日本人の未来 ネオニコチノイド系農薬に科学者たちが警鐘~IUCN/TFSF による「浸透性農薬世界総合評価書(WIA)」研究成果発表会
→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/148695
■わとはぷ~What happened today?
本日4月19日は…2012年、東京電力福島第一原子力発電所の1号機から4号機が、電気事業法に基づき廃止し、日本の原子力発電所が54基から50基に減少した日、です。
「今日は何の日コーナー」にしては最近の出来事でありますが、「え! でも、もう3年も前なの!?」というぐらい時間の経過が速いこの頃です。
僕は、この東京電力福島第一原発事故をきっかけにIWJに関わることになったんですが、事故当時は毎日のように仕事と東電、保安院のはしごでほとんど寝ずの番をしていたのが、今や懐かしくなりつつあります。
東京電力の定例記者会見は、今も「みのっしー」こと箕島記者が中継を続けています。
東電はつい先日も、原子炉格納容器の損傷を調べるための遠隔操作のロボットを投入していました。汚染水の処理などの問題を含めるとまだまだ終わることのない、人員もお金もかかる作業が続きます。
ふと、振り返ると、福島ではいまだに故郷に帰れず、仮設暮らしや、避難先での暮らしを余儀なくされる方々もいらっしゃるのに、東京では、新国立競技場の建築だ、高速道路の開通だと、「見据えるは東京オリンピック!」とばかりに盛んですよね。
もちろん賑やかで楽しいし、未来があるということはいいことだし、普段は僕もずっとそれを意識していれるわけではないのですが、やっぱりたまには「ふと振り返る」ってことが必要なんだと思います。
【IWJ「東京電力」記事一覧】
→ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%9B%BB%E5%8A%9B
常に我が心は、ふるさと福島にあり。
それでは今日も1日、よろしくお願いします!
IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/ 】
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