■■■ 日刊IWJガイド 2015.1.24日号 ~No.864号~ ■■■
(2015.1.24 8時00分)
おはようございます。IWJで主としてテキスト関係の編集を担当している平山と申します。日刊ガイドを書かせていただくのは、約1ヶ月ぶりとなります。改めて、よろしくお願いいたします。
イスラム国による後藤健二さん、湯川遥菜さん2名の殺害予告事件は、昨日の午後の段階で、イスラム国が予告した期限である72時間を経過しました。
現時点で、イスラム国が2人の日本人を殺害したという情報は、この挨拶文を書いている23日午後10時半時点では、入ってきていません。日本政府は引き続き、ヨルダンの首都アンマンに設置された現地対策本部を中心に、人質解放に向けて全力を傾ける、としています。
1月20日(火)午後に、イスラム国により殺害予告動画が公開されて以降、IWJはこの事件に関する情報を集中して報じ続けてきました。
1月21日(水)には、元防衛官僚で、元内閣官房副長官補である柳澤協二氏に、翌22日(木)には、元在シリア大使で、新刊『イスラム国の正体』を発表したばかりの国枝昌樹氏に、岩上さんがインタビューを行いました。
柳澤氏が、「人質解放のために安倍総理が辞任する必要がある」と提案したのに対し、国枝氏は、「今は政治的立場の違いを脇に置いて政府の交渉をバックアップするべきだ」と述べるなど、同じ元官僚でも、防衛官僚と外務官僚との間で、意見が割れる結果となりました。
※2015/01/21 2人の邦人の命を救うため、イスラム国を挑発した張本人、安倍首相が「辞任」することを提案~岩上安身による元内閣官房副長官補・柳澤協二氏緊急インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226466
※2015/01/22 「今は、政府の交渉を全面的にバックアップすべき時」 イスラム国邦人殺害予告事件について、岩上安身が元在シリア大使・国枝昌樹氏に聞く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226684
岩上さんは他にも、中東情勢の専門家である、放送大学教授の高橋和夫氏に緊急インタビュー。高橋氏は、今回の事件を「単なる偶然ではない」と述べ、特定秘密保護法の施行や集団的自衛権行使容認など、軍事国家化につき進む安倍政権の外交・安全保障政策、とりわけ今回の中東歴訪に見られるようなイスラエルとの接近をあからさまに示し、イスラム国と戦う姿勢を鮮明にした場合、イスラム国によるテロ事件に日本が巻き込まれることには必然性がある、と語りました。
※2015/01/21 「安倍政権の外交についていくなら、覚悟が必要だ」――邦人人質事件は「やがてきた道」か!? 放送大学教授・高橋和夫氏が岩上安身のインタビューでイスラム国の真の狙いに迫る
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226662
今回のイスラム国による邦人殺害予告事件をめぐっては、本日も、岩上さんによるインタビューが2本、予定されています。
12時30分からは、『戦争の読み方~グローバル・テロと帝国の時代に』などの著作があり、中東情勢を中心とした安全保障問題に詳しい、桜美林大学教授の加藤朗氏に、さらに16時からは、昨年末の「饗宴V」にもご登壇いただいた、東京大学名誉教授の板垣雄三氏に、岩上さんがインタビューを行います。
板垣氏は既にIWJではお馴染みですが、加藤氏は岩上さんとは初顔あわせとなります。
加藤氏は、防衛省の防衛研究所でテロやゲリラ戦などの非正規戦について15年間、専門的に研究し、ハーバード大学客員研究員などを経て、桜美林大学に。2012年7月には内戦下のシリアにも単独で入国。秘密警察に拘束、勾留されるという経験をもつ、安全保障論のプロフェッショナルです。
イスラム国の目的とは一体何なのか、そして、人質救出のために日本政府が取るべき対応とはいかなるものなのか。そしてこの事件の背景はいかなるものなのか。岩上さんが2人の専門家に徹底的に迫りますので、どうぞ、ご注目ください。
板垣氏に関しては、つい先日、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」最新号として、昨年8月に行われたインタビューをテキスト化し、詳細な注釈を付した「世界の『いま』は欧米中心主義の断末魔~つながりあう尖閣・マレーシア・ガザ・ウクライナ~東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー 第一部」を発行しました。
…(後半へ続く)
◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表を送ります。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もありますのでご了承ください。
**2015.1.24 Sat.**
【Ch1】12:30~「岩上安身による桜美林大学教授・加藤朗氏(専門:安全保障論)インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※桜美林大学教授で、安全保障論が専門の加藤朗氏へ、岩上安身がインタビュー。イスラム国による日本人人質事件などについて、おうかがいします
【IWJ_OKAYAMA1】13:30~「岡山弁護士会 シリーズ憲法講演会No.3 『投票価値の平等は、 憲法の要請!』 ―講師 伊藤真弁護士」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-okayama1
※「岡山弁護士会 シリーズ憲法講演会」の第三弾。講師は、弁護士であり、「伊藤塾塾長」の伊藤真弁護士
~関連記事はこちら~
・2014/07/05 「7・1閣議決定は違憲 法的な効力はない」 ~岩上安身による伊藤真弁護士インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/150811
・2014/12/06 【愛知】「たかが内閣の、たかが閣議決定。私たちは平和を次の世代に伝えるために闘っていく」 山中光茂松阪市長、伊藤真弁護士 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/211622
【IWJ_KYOTO1】13:40~「広海ロクローと市政を考える会 キック・オフ集会」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※「ロクローと市政を考える会」が主催の「キックオフ集会」。広海ロクロー氏は、三条猪熊で、「ノンベクキッチンホテヴィラ」を営業中
【IWJ_OSAKA1】14:00~「言論弾圧を許さない!歴史修正主義、そしてファシズムへの道と闘う大阪集会=植村隆さん(元朝日新聞記者)を迎えて=」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1
※一部のメディアやインターネット上で、「韓国の従軍慰安婦について、捏造記事を書いた」と名指しで非難されている元朝日新聞記者の植村隆氏が登壇予定
~関連記事はこちら~
・2015/01/10 「捏造記者」という捏造 「不当なバッシングには屈しない 」~ 岩上安身による元朝日新聞記者・植村隆氏インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/224004
・2015/01/09 歴史修正主義を後ろ盾に吹き荒れた、元朝日新聞記者への従軍慰安婦記事『捏造』バッシング「ジャーナリズムは見殺しにした」――植村隆氏の反撃、名誉毀損提訴後の報告集会 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/223413
【IWJ_EHIME1】14:00~「アーサー・ビナード 渡部伸二と語る―この国の未来と地方政治―」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-ehime1
※「渡部伸二を推薦する会」が主催。アーサー・ビナード氏と渡部伸二氏が「日本の未来と地方政治」について語る
【IWJ_AOMORI1】15:00~「『核のゴミ問題』 学習会 ―講師 山田清彦氏(核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団事務局長)」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-aomori1
※核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団事務局長・核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局員の山田清彦氏が講師として登壇。テーマは「核燃サイクルの輪から出る核のゴミ問題」
【Ch1】16:00~「岩上安身による板垣雄三・東京大学名誉教授インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
※東京大学名誉教授の板垣雄三氏へ、岩上安身がインタビュー。イスラム国による日本人人質事件などについて、おうかがいします
~関連記事はこちら~
・2014/08/01 世界の「いま」は欧米中心主義の断末魔/繋がりあう尖閣・マレーシア・ガザ・ウクライナ ~岩上安身による東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー http://iwj.co.jp/wj/open/archives/159297
・「はめられた」安倍総理の決定的な政治的ミス! ~イスラエル国旗と日章旗が並ぶ前で、「イスラム国との戦い」を事実上宣言 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226436
【Ch5】16:00~「ジェーン・ケルシー教授 記念講演/「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」設立総会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※オークランド大学教授のジェーン・ケルシー教授が、 「『TPP交渉におけるアメリカ議会と各国の現状と今後』~TPPはとめられる!~」と題して講演を行なう
【フルオープン再配信・Ch1】19:00~「伝統的ユダヤ教の絶対的平和主義から逸脱した”軍事国家”イスラエル ~岩上安身によるモントリオール大学教授・ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/107981
※2013年10月23日に行われた、「岩上安身によるモントリオール大学教授・ヤコブ・M・ラブキン氏インタビュー」をフルオープン再配信いたします!ラブキン氏は、シオニズムを、宗教上のイデオロギーではなく、19世紀末に非宗教化したユダヤ人によって生み出された政治的イデオロギーであると説明しています
【IWJ_KYOTO1】20:15頃(上映後のトーク部分から中継開始)~「『泥の花ー名護市民・辺野古の記録ー』上映後の辺野古報告トーク ―川口真由美氏」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-kyoto1
※『泥の花ー名護市民・辺野古の記録ー』上映後の辺野古報告トーク部分を中継いたします。以前から辺野古や高江を訪れている、川口真由美氏がお話しする
(前半の続き)…
こちらをご一読いただけると、昨年行われたイスラエルによるガザ侵攻と、ユーロマイダンの騒擾に始まるウクライナ情勢とが、実は連関しあっているということが見えてきます。
ウクライナの首都キエフにずけずけと上がり込み、散々、ウクライナ民族主義者らを煽ってクーデターを引き出した、米国の超タカ派のジョン・マケイン上院議員は、イスラエル歴訪中の安倍総理のもとにあらわれ、日米安保の深化と同時にTPPの早期妥結について安倍総理と話し合ったといいます。ウクライナ、イスラエル、イスラム国、集団的自衛権、TPP、テロとの戦いが、ここで全部重なり合ったわけです。
今、起きているイスラム国による人質殺害予告事件も、その背景を考えたら、板垣氏のような広く複眼的な視野を持たなければ理解できません。
このIWJ特報の編集を担当した者として、中東情勢を中心に、国際政治を立体的に捉える視座を得るのに格好のテキストになったと自負しています。中東情勢に関しては、引き続き、この翌日に行われた「板垣雄三氏インタビュー第2部」や、モントリオール大学教授で『イスラエルとは何か』『トーラーの名において』の著者であるヤコブ・M・ラブキン氏インタビューなどを、今後も発行予定です。
過去のバックナンバーとしても、中東情勢に関するものでは、第157・158号「イスラエル>アメリカ>日本、倒錯した偏愛の同盟 ~『価値観を共有する』 虐殺に加担する日本」、第165~169号「何よりガザ封鎖解除を 尊厳ある生への戦い~京都大学教授・岡真理氏インタビュー」などを発行しています。この機会に是非、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」をご購読ください!
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岩上さんによるインタビューシリーズは、明日以降もまだまだ続きます。明日、25日(日)には、神戸に移動して、ジャーナリストの志葉玲氏にインタビュー。さらに、翌26日(月)には、中東情勢に詳しいアラブ文学研究者の京都大学教授・岡真理氏に、2回目となるインタビュー。東京に戻って、28日(水)には、昨年、『資本主義の終焉と歴史の危機』がベストセラーとなった、エコノミストの水野和夫氏にインタビューを行います。どうぞ、ご期待ください。
IWJでは、今回の事件に関連して、岩上さんによるインタビューだけでなく、外国特派員協会で行われている記者会見を、連日、中継し続けています。
1月22日には、イスラム国とパイプを持つと言われるイスラム法学者の中田考氏、ジャーナリストの常岡浩介氏の会見を、そして昨日は、拘束されている後藤健二さんの母・石堂順子さんの記者会見を中継しました。
※2015/01/22 「72時間は、時間が短すぎる。私自身、イスラム国に行く用意もある」――イスラム法学者・中田考氏、世界のメディアを前にアラビア語でイスラム国へメッセージを発信
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226687
※2015/01/22 「イスラム国へ行く準備はできている。対案の提案はいくつもできる」 イスラム国を知るジャーナリスト・常岡浩介氏が具体的解決策を提示
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226691
※2015/01/23 殺害予告の期限が迫る中、人質・後藤健二さんの母親がイスラム国に必死の訴え「皆さんのお力で健二を救ってください」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226916
なかでも後藤さんのお母様の会見は、「健二はイスラム国の敵ではありません。解放して下さい」と訴えるなど、その切実な思いが画面を通して伝わってくる内容でした。安倍総理が、今回の中東歴訪で、各国の首脳と会ってはイスラム国を敵視し、テロとの戦いで屈してはならないと演説したのとは、好対照です。
今回の事件を通して、私としては、集団的自衛権の行使容認やイスラエルとの軍事協力の深化などを通して、イスラム圏の人々との敵対関係を演出し続けてきた安倍政権に対する怒りの感情を持つと同時に、今は、無事に人質を救出できるよう、日本政府を信じたいという、相反した感情が同居しています。本日の2本のインタビューを通して、私自身の考えも整理してみたいと思います。
しかしこの間、IWJが報じているのは、イスラム国の問題だけではありません。昨日は、木村朗・鹿児島大学教授の企画により、政治経済学者の植草一秀氏、元衆議院議員の川内博史氏を交え、「日本の真実を語る」と題した3回目の座談会を開催。イスラム国の問題にとどまらず、米国発のグローバリゼーション、集団的自衛権と辺野古新基地建設、アベノミクスとTPP、メディアと司法の機能不全といった問題について、3時間半にわたり語り尽くしました。こちらの動画アーカイブは、準備が整い次第、IWJのトップページに掲載いたしますので、どうぞ、ご注目ください。
木村氏、植草氏、川内氏との過去の座談会は、以下のページでご覧いただけます。今回の座談会とあわせて、こちらもぜひ、ご覧いただければと思います。
・2014/01/20 「日本の真実を語る」沖縄問題から原発まで ~クロストーク 木村朗×植草一秀×川内博史×岩上安身
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/120550
2014/06/01 「日本の真実を語る~思考停止に陥らないために」 クロストーク:木村朗×植草一秀×川内博史×岩上安身
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/144261
昨日の座談会でも話題のひとつとしてあがりましたが、沖縄県辺野古沿岸部では、新基地建設のための埋め立てに反対する地元住民に対し、海上保安庁による「過剰警備」が指摘されています。
座談会の中で、「今の日本で民主主義が機能しているのは、沖縄だけではないか」という発言もありましたが、そうした沖縄の実情について、海上行動のリーダーである仲宗根和成氏に、ぎぎまき記者がインタビューを行い、記事としてまとめました。こちらもぜひ、ご一読いただければと思います。
2015/01/21 「沖縄だけでは止められない、力を貸して欲しい」――『海猿』の暴力が続く辺野古海上からの報告~新基地建設に反対する海上行動のリーダー、仲宗根和成さん(35)に聞く(ぎぎまき記者)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/226742
イスラム国を中心とする中東情勢から、沖縄の最新情報まで、岩上さんとIWJの記者は、飛び回って取材しています。つながりあったトピックをそれぞれ取材し、事象を立体的に浮かび上がらせるためには、それにともなう活動資金が必要となります。ぜひ、IWJの定額会員にご登録いただき、IWJの活動をお支えください。
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お待たせいたしました! 昨年末、大変な好評をいただいた「饗宴V~ぎりぎりからのターンオーバー 民主主義はいつも遅れて反撃する」のDVDが完成しました! 全5部構成、総勢16名の豪華ゲストによるシンポジウムの模様を完全収録しています!
今回の饗宴Vは、Ustreamの都合により、ペイパービュー(PPV)のサービスが停止されたため、品川の会場までご来場いただけなかった遠方の皆様には、ご覧いただくことができませんでしたが、超特急でDVDを仕上げましたので、ぜひ、お求めになって、ご自宅で饗宴Vをご鑑賞いただければと存じます。
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他にも、グッズやDVD販売の収益も、IWJの活動の支えとなります。岩上安身直筆サイン入りの『百人百話』『前夜』の他、「饗宴」「クロストークカフェ」「Deep Night」などのDVD、Tシャツ、ステッカーなどをご用意しています。こうした書籍、DVD、グッズの売り上げは、IWJの活動費となります。ぜひ、お買い求めいただき、IWJの活動をご支援ください!
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それでは、本日もよろしくお願いいたします。
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