日刊IWJガイド・非会員版「トランプ氏がネタニヤフ首相に『大統領就任までにガザ戦争を終わらせたい』と伝えた! この要請には『タイムライン』まで付いていたが!」2024.11.2号~No.4369


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~トランプ前大統領がネタニヤフ首相に「大統領就任までにガザ戦争を終わらせたい」と伝えた! なんとこの要請には終結に向けての「タイムライン」まで付いていた! しかし、バイデン氏と同じく、シオニスト・イスラエル支持者のトランプ氏の計画は、表向き終結宣言をイスラエルに出させたうえで、イスラエル国防軍によるガザでの活動を認めるものだった!?

■11月、IWJの第15期も3分の1が過ぎ、4ヶ月目に! 岩上安身は10月からインタビューを再開! 原口一博議員、塩原俊彦氏への連続インタビューは、会員向けアーカイブで見逃し配信の視聴可能! 11月は山田正彦元農水相、塩原氏への続編インタビューも! 10月の31日間のカンパ実績が確定しました! 120件、314万5240円のご寄付・カンパをいただきました! ありがとうございます! とはいえIWJの財政状況は未達続きでピンチです! 11月からは支出をさらに削り、350万円を目標値とします!「IWJしか報じられない情報」激増中! ぜひご支援をお願いいたします!

■IWJは、市民の皆さまお一人お一人の会費とご寄付・カンパで運営しています。10月のご寄付者様のご芳名を、感謝を込めて順次掲載させていただきます! IWJの経済危機に手を差し伸べてくださった皆さま、誠にありがとうございます!

■【中継番組表】

■米国防総省が「北朝鮮の兵士がロシア西部に到着し始めたという報告があった」と発表! 米国防総省副報道官は、北朝鮮軍派兵の理由は「プーチン大統領が、人々が認識している以上に、苦境に立たされている可能性」だとの見解を示す! しかし、これは明らかに嘘で、実際の戦場で苦境に立っているのは、間違いなくウクライナ軍側!

■戦略国際問題研究所(CSIS)は、北朝鮮はEUとの関係を壊し、北朝鮮の台頭を嫌う中国とロシアとの間にヒビが入ると見て、北朝鮮は「ルビコン川を渡った」と否定的に断じたが、実際には米国によるロシア敵視戦略によって、ロシアと中国が逆に深く結びつき、その他の、米国への従属を嫌うグローバルサウス諸国も台頭してきた結果を見ると、CSISの見通しのように、中国とロシアの間に亀裂が走るというのは、あまりに西側に都合のいい楽観的な見方では!?

■10月末発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、岸田政権がまったく解決しなかった自民党裏金問題について、「岩上安身による神戸学院大学法学部・上脇博之教授インタビュー」と、米大統領選にちなんで、米国の権力の内情、ハリス氏の民主党と、トランプ氏の共和党両方の内実について、徹底分析した「岩上安身による評論家、元日経新聞・朝日新聞記者塩原俊彦氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! IWJのサポート会員になれば、IWJサイトでバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!
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■はじめに~トランプ前大統領がネタニヤフ首相に「大統領就任までにガザ戦争を終わらせたい」と伝えた! なんとこの要請には終結に向けての「タイムライン」まで付いていた! しかし、バイデン氏と同じく、シオニスト・イスラエル支持者のトランプ氏の計画は、表向き終結宣言をイスラエルに出させたうえで、イスラエル国防軍によるガザでの活動を認めるものだった!?

 おはようございます。IWJ編集部です。

 30日付『タイムズ・オブ・イスラエル』が、「トランプ前大統領、ネタニヤフ首相に『大統領就任までにガザ戦争を終わらせたい』と伝えた」と報じました。

※Trump told Netanyahu he wants Gaza war over by time he enters office ― sources(タイムズ・オブ・イスラエル、2024年10月30日)
https://www.timesofisrael.com/trump-told-netanyahu-he-wants-gaza-war-over-by-time-he-enters-office-sources/

 同日付『タイムズ・オブ・イスラエル』は、「共和党候補はイスラエルに戦争の早期終結を繰り返し求めているが、元トランプ補佐官とイスラエル政府高官が、この要請にはタイムラインが添付されていることを初めて明らかにした」とも報じられており、トランプ氏の早期終結の要請は、具体的なタイムラインまで示されていることが明らかになりました。

 同日付『タイムズ・オブ・イスラエル』は、この点をこう報じています。

 「ドナルド・トランプ前大統領は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、選挙に勝てば、イスラエルが大統領に返り咲くまでにガザでの戦争を終結させたいと語ったと、この問題に詳しい2人の情報筋が、今週『タイムズ・オブ・イスラエル』紙に明らかにした。

 このメッセージは、共和党の大統領候補が7月にフロリダのマール・ア・ラーゴ・リゾートでイスラエルの首相をもてなしたときに初めて伝えられたと、トランプ政権の元高官とイスラエル政府関係者は語っている。

 トランプ大統領は、ネタニヤフ首相に、イスラエルに早く戦争に勝ってほしいと伝えたことを公には認めているが、『タイムズ・オブ・イスラエル』に語った情報筋は、その要請にタイムラインが添付されていたことを初めて明らかにした」。

 一見、トランプ氏の要請は、良識的なように見えますが、トランプ氏は、筋金入りのシオニスト政権支持者であり、この要請には裏があることが、同日付『タイムズ・オブ・イスラエル』の報道から見えてきます。

 トランプ氏のもくろみは、公式にイスラエルに戦争終結を宣言させた上で、ガザでのイスラエル国防軍の「残存」活動を支持するという内容のようなのです。

 同日付『タイムズ・オブ・イスラエル』は、元米政府高官の話をこう伝えています。

 「元米政府高官は、トランプ大統領はネタニヤフ首相に具体的なアピールをしなかったと強調し、エルサレムが正式に戦争を終結させる限り、ガザでのイスラエル国防軍の『残存』活動を支持する可能性は十分にあると述べた。

 ネタニヤフ首相は、以前から、イスラエルは戦争後も当面の間、ガザの安全管理を徹底すると強調しており、他のイスラエル政府高官も、ハマスが再編成を試みているのを察知した場合、国防軍がガザ内の緩衝地帯を維持しつつ、ガザ全域に定期的に再侵入すると話している」。

※If Trump wins, Israeli officials fear clash over inability to quickly end Gaza war(タイムズ・オブ・イスラエル、2024年10月21日)
https://www.timesofisrael.com/if-trump-wins-israeli-officials-fear-clash-over-inability-to-quickly-end-gaza-war/

 ところが、この「理解ある」トランプ氏の要請すら、イスラエルは受け入れない可能性が高いのです。

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■11月、IWJの第15期も3分の1が過ぎ、4ヶ月目に! 岩上安身は10月からインタビューを再開! 原口一博議員、塩原俊彦氏への連続インタビューは、会員向けアーカイブで見逃し配信の視聴可能! 11月は山田正彦元農水相、塩原氏への続編インタビューも! 10月の31日間のカンパ実績が確定しました! 120件、314万5240円のご寄付・カンパをいただきました! ありがとうございます! とはいえIWJの財政状況は未達続きでピンチです! 11月からは支出をさらに削り、350万円を目標値とします!「IWJしか報じられない情報」激増中! ぜひご支援をお願いいたします!

 10月の1日から31日までの31日間のご寄付・カンパ額が、確定しました! 10月は、120件、314万5240円のご寄付・カンパをいただきました。これは月間目標額の90%にあたります。目標達成まで10%に迫りました。ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございます! しかし、8月の39%、9月の58%に続いて、10月も目標額には到達しませんでした。IWJの財政状況はピンチが続いています。

 第15期が、赤字とならないようにするために、無料でご視聴の方は、有料会員登録と、ご寄付・カンパによる、財政難のIWJへのご支援をよろしくお願い申し上げます!

 8月は2度入院し、9月は在宅で仕事をしつつ静養して、インタビューなどはセーブしてきましたが、おかげさまで、私、岩上安身の体調も、少し上向いてまいりました。ワクチン・コロナ後遺症の問題には、ジャーナリストとして、そして私自身も一人の患者として、調査・取材・発信をしていきたいと思います。

 10月からは、積極的にインタビューを再開し始めています。

 第1弾として、3日に、新刊『プランデミック戦争~作られたパンデミック』を上梓した原口一博衆議院議員にインタビューしました。コロナワクチンの問題については、「検閲」がひどいYouTubeでは、確実にバンされてしまうであろう「タブー」に切り込んでいます! そのため、YouTubeでは全編流すことができません! 別のプラットフォームを用いた会員向けアーカイブには、全編動画を公開していますので、皆さま、ぜひ会員登録をして御覧ください!

※「『パンデミック合意』の中身は遺伝子製剤を使った儲け話の分け前。世界の保健とか、健康とか、ましてや命の話ではない! WHOは反社! 邪悪そのもの!! しかも日本はその主犯! WHOの親善大使・武見敬三氏が厚労大臣になって、バリバリ進めた!!」作られたパンデミックである「プランデミック戦争」から日本人の命を守るには!?~岩上安身によるインタビュー 第1167回ゲスト 立憲民主党・原口一博衆議院議員 2024.10.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/524918

 なお、この日刊IWJガイドの冒頭で報じたように、原口議員は、MeijiSeikaファルマから提訴されました! 重大な言論弾圧です! このインタビューは、本来、会員向けでありますが、事の重大さに鑑み、フルオープンいたします。ぜひ、多くの方々に、シェアしてください!

 10月21日は、6月17日に最新刊『帝国主義アメリカの野望~リベラルデモクラシーの仮面を剥ぐ』(社会評論社)を上梓した、ウクライナ問題に詳しい評論家で、元日経新聞・朝日新聞記者の塩原俊彦氏への岩上安身による連続インタビュー3回目を初配信しました!

 会員向けアーカイブには、全編動画を公開していますので、皆さま、ぜひ会員登録をして御覧ください! ウクライナ紛争の本質から最新の戦況までを鋭く分析する塩原氏のお話は必見です!

※ウクライナ戦争と米国の帝国主義!「自衛戦争」から「代理戦争」への変質! 神に祝福されたかのようにふるまうヘゲモニー国家・アメリカの「超大国神話」と「悪」を真正面から暴く!~岩上安身によるインタビュー第1168回ゲスト 評論家、元日経新聞・朝日新聞記者 塩原俊彦氏(第3回)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/525099

 10月24日に初配信した第4回は、下記から御覧いただけます。

※米国の外交政策は、大統領選を最優先に決められている! 神に祝福されたかのようにふるまうヘゲモニー国家・アメリカの「超大国神話」と「悪」を真正面から暴く!~岩上安身によるインタビュー第1169回ゲスト 評論家、元日経新聞・朝日新聞記者 塩原俊彦氏(第4回)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/525180

 また、11月に入って早々には、元農林水産大臣で弁護士の山田正彦氏に、日本の食と米と種子の危機について、お話をうかがいます!

 全編視聴は、会員のみとなりますので、こちらもぜひ、会員登録してご視聴ください!

 また、インタビューを、お見逃しになった方も、会員であれば2ヶ月間全編視聴が可能です!

 サポート会員ですと、過去のすべてのコンテンツについて、いつでも、いくつでも御覧になれます。

 皆さま、よろしくお願いします!

※会員登録のご案内
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 10月末現在、IWJ会員の総数は2160人、このうちサポート会員の方は822人でした。ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、会員番号は変わりませんので、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です!

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です(各金融機関ごとに口座名が非統一ですが、どれも、各銀行の仕様に従ったもので、間違いではありません)。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします!

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうぞ、皆さま、欧州と同じく、米国に操られたまま、無謀な戦争へと向かう日本の対米従属権力に対し、リスクを負い、一切忖度しないで真実をお伝えしてゆく独立メディアIWJの存在意義と必要性について、多くの人に口コミでも、SNSを通じてでも、広めてください!

 よろしくお願いします!

 岩上安身拝

■IWJは、市民の皆さまお一人お一人の会費とご寄付・カンパで運営しています。10月のご寄付者様のご芳名を、感謝を込めて順次掲載させていただきます! IWJの経済危機に手を差し伸べてくださった皆さま、誠にありがとうございます!

 10月は31日間で、120件、314万5240円のご寄付・カンパをいただきました。ご寄付をくださった皆さま、本当にありがとうございます。

 ここに感謝のしるしとして、掲載の許可をいただいた方41名様につきましては、順に、お名前を掲載させていただきます。また、弊社ホームページにも掲載させていただくと同時に、X(旧ツイッター)、フェイスブック等のSNSにて告知させていただきます。

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K.M. 様
D.S. 様
崎山 比早子 様
A.K. 様
K.K. 様
K.M. 様
マツモト ヤスアキ 様
T.M. 様
T.K. 様
藤本ひさ子 様
藤林弘資 様
金 盛起 様
石川寛子 様
徳永彰宏 様
松本益美 様
塩川 晃平 様
石崎 俊行 様
田中美佳 様
徳山匡 様
高木康夫 様

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 皆さま、コロナ禍の厳しい経済情勢の折、また、ウクライナ戦争の影響が及び始めている情勢下、誠にありがとうございました。

 いただいたご寄付は、大切に、また最大限有効に活用させていただきます。

 今後とも、ご支援をよろしくお願い申し上げます。


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◆中継番組表◆

**2024.11.2 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2024.11.3 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh2・福島】13:00~「真実に目を向ける:福島が問いかける未来への選択を、いわき市から考える」第2回 放射線防護の民主化フォーラム(1日目)
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach2

 「第2回 放射線防護の民主化フォーラム(1日目)」を中継します。これまでIWJが報じてきた原発関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/nuclearpowerstation

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

【第658号-660号】岩上安身のIWJ特報! 自民党は39人処分するだけで幕引きをはかる!?「裏金問題はまだ始まったばかり」! 自民党議員らと岸田総理と後援会を次々と刑事告発! 岩上安身による神戸学院大学法学部・上脇博之教授インタビュー
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/525395

◆しばらくフルオープン! 動画をご視聴になり、記事をお読みになった方々は、ぜひ、この機会に会員登録をお願いします!◆

※会員の再開、新規会員登録はこちらからお願いします。
(会員登録済みの方)https://iwj.co.jp/ec/mypage/login.php
(新規会員登録の方)https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

自民党は39人処分するだけで幕引きをはかる!?「裏金問題はまだ始まったばかり」! 自民党議員らと岸田総理と後援会を次々と刑事告発!~岩上安身によるインタビュー 第1153回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.5
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522485

「1994年の政治制度改悪が裏金作りを生み『米国の利益のための戦争をする国作り』に直結した!」~岩上安身によるインタビュー 第1154回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授 2024.4.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522670

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■米国防総省が「北朝鮮の兵士がロシア西部に到着し始めたという報告があった」と発表! 米国防総省副報道官は、北朝鮮軍派兵の理由は「プーチン大統領が、人々が認識している以上に、苦境に立たされている可能性」だとの見解を示す! しかし、これは明らかに嘘で、実際の戦場で苦境に立っているのは、間違いなくウクライナ軍側!

 北朝鮮の兵士がロシア国内で訓練を受けている、という韓国の国家情報院の情報をめぐり、米国防総省が10月28日、「北朝鮮の兵士がロシア西部に到着し始めたという報告があった。ウクライナ国境に近いロシアのクルスク州で、ウクライナ軍に対する戦闘作戦を支援したりする意図があるのではないかと懸念している」と発表しました。

 米国政府は、その4日前の10月24日に、北朝鮮兵3000人が、ロシアの極東地域で訓練を受けている、との見方は示していましたが、ロシア西部への移動や、ウクライナ紛争への参戦については「まだわからない」としていました。

※KCIAの後継組織である韓国国家情報院が、「北朝鮮が最精鋭特殊作戦部隊4個旅団の計1万2千人余りの兵力をウクライナ戦争に派兵する」と発表! 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は緊急安保会議を開き、北朝鮮軍の派兵が事実であることを公式化! 国連安保理では日米韓など11ヶ国が、ロシア抜きで北朝鮮制裁を監視する「多国間制裁監視チーム」を発足させる! ウクライナ紛争によるロシア弱体化が米国の思惑通りに進まない中、朝鮮半島で南北対立が激化の一途! 朝鮮半島有事が勃発すれば、「韓米日」対「朝ロ」の対立で、日本も火の海に!! 同時に中国をも敵に回して、日本は生き残れるのか!?
(日刊IWJガイド、2024年10月23日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20241023#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54037#idx-4

※【米国が「北朝鮮兵3000人が極東ロシアの軍事施設で訓練を受けている」と公式に発表! ただし「ウクライナ紛争に参戦するかは不明」とも】ロシアのプーチン大統領は、北朝鮮兵のロシア派兵を否定も肯定もせず、批准中の「包括的戦略パートナーシップ条約」を「見守っている」と発言! 日本のテレビ局は24日夜のニュースで、ウクライナが作った北朝鮮兵に投降を呼びかける「温かい食事と清潔な部屋」動画を横並びで一斉に詳報! 飢餓の国からきた飢えた兵士たちが逃走、投降するだろうという見下し!? しかしそのウクライナは逃走が多すぎて罪に問われないことに!!(『AFPBB』、2024年10月24日)
(日刊IWJガイド、2024年10月26日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20241026#idx-8
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54053#idx-8

 米国防総省の10月28日の会見で、サブリナ・シン副報道官は、今週米国で、韓国との2+2会議(第56回米韓外務・防衛閣僚会議)が行われることを明らかにした上で、以下のように発表しました。

 「先週末、『北朝鮮の兵士が、ロシア西部に到着し始めた』という報道がありました。

 我々は、北朝鮮がロシア東部での訓練に、合計約1万人の兵士を派遣しており、今後数週間で、ウクライナ付近のロシア軍を増強するものと考えています。

 これらの兵士の一部は、すでにウクライナに近づいており、我々は、ロシアがこれらの兵士を戦闘に使ったり、ウクライナ国境に近いロシアのクルスク州で、ウクライナ軍に対する戦闘作戦を支援したりする意図があるのではないか、と懸念を強めています。

 (ロイド・オースティン)長官が(※10月23日にローマでの会見で『彼らがロシア側に立って戦争に参加するつもりなら、それは非常に深刻な問題だ』と)言った通り、これは非常に深刻な問題です。

 北朝鮮の兵士が戦場で使われることになれば、事態はさらにエスカレートします。これは、ロシアが戦場で多大な犠牲を被っていることに対する、プーチン大統領の絶望感が増していることを浮き彫りにし、プーチン大統領が、人々が認識している以上に苦境に立たされている可能性を示唆しています」

 シン副報道官のこの声明は、明らかな嘘であると、言わなくてはなりません。戦場において優位に立っているのはロシア軍であり、それを証明する事実は山ほどありまし、IWJでも数々報じてきました。

 米国のプロパガンダであるとしても、紛争からもう2年半が経過しているのにもかかわらず、報道陣を前にして、戦況についてまったくのフィクションを口にする米政府の、現実離れしたファンタジーへの酔いしれ方に、残念な「従属国」の一員として、不安を覚えざるを得ません。

 この人達は、現実認識ができているのだろうか、現実をまともに認識ない国の政府を「リーダー」と仰いで、のこのことくっついていっていいのか、と思います。

 シン副報道官の発表は、以下のように続きます。

 「この動きは、ヨーロッパやインド太平洋地域の安全保障にも、深刻な影響を及ぼすでしょう。

 我々は、この事態を注視しており、このような劇的な動きが及ぼす影響について、ウクライナのパートナーや同盟国とも協議しています。

 米国は、最近のPDA(議会の承認を経ずに、国防総省の保有物資を提供できるPresidential Drawdown Authority、『大統領引き出し権限』のこと)発表で御覧いただいたように、ウクライナを支援し、安全保障支援を強化することに尽力しています」。

 ここでシン副報道官が述べた「先週末、『北朝鮮の兵士が、ロシア西部に到着し始めた』という報道がありました」とは、10月25日付『ニューヨーク・タイムズ』が、「北朝鮮兵がロシア東部に到着した」という、ロシアの独立メディア『アストラ』が、テレグラムに投稿した映像を報じたことを指していると思われます。

※These Videos Appear to Show North Korean Troops in Russia(The New York Times、2024年10月25日)
https://www.nytimes.com/2024/10/25/world/asia/north-korea-russia-ukraine-video.html

 しかし、この『ニューヨーク・タイムズ』の記事は、実は、「『ニューヨーク・タイムズ』は、北朝鮮兵士のロシア西部への配備を、独自に確認していない」とした上で、このテレグラムの『アストラ』の記事を報じています。

 さらにこの『ニューヨーク・タイムズ』の記事には、「ウクライナ政府機関の戦略通信・情報セキュリティセンターが公開した別のビデオでは、数十人の兵士が建物内で長い列を作って立っているのが見える」と記されています。また、ウクライナ当局が提供した、ロシアのセルゲイエフカ(極東ロシアの沿海地方)で撮影したというビデオも掲載されていますが、こちらも「ウクライナは、ビデオが撮影された正確な時間や場所の詳細について、明らかにしていない」と、留保しています。

 つまり、いつ、どこで撮影された、どこの軍隊の兵士か不明なまま、あたかもごく最近、ロシア領内のクルスク近辺で撮影された北朝鮮軍兵士の映像であるかのように匂わせているだけの記事なのです。

 ところが、日本の大手メディアは、この『ニューヨーク・タイムズ』の記事を歪めて伝えます。

 「『ニューヨーク・タイムズ』が、北朝鮮兵がロシア西部に到着したと報じた」と、あたかも裏を取った事実を同紙が報じたかのように断定して、報じています。『ニューヨーク・タイムズ』の原文の記事を確認することがまずない、一般の日本人読者や視聴者は、このような日本の大手メディアの情報操作をうのみにしてしまうでしょう。

※【北朝鮮の兵士】数千人が露西部クルスク州に到着 アメリカNYタイムズ報道(日テレニュース、2024年10月27日)
https://youtu.be/v3s_vmZjs4k

※北朝鮮兵、数千人がロシア西部到着か 米紙も報道(日本経済新聞、2024年10月26日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB263DS0W4A021C2000000/

 前述の、10月26日の『日刊IWJガイド』でもお伝えしましたが、ウクライナ政府は、前線の「飢えた」北朝鮮兵に、「あたたかい食事と清潔な部屋を用意している」として、投降を呼びかけています。

 しかし、これまでIWJが報じてきたように、前線のウクライナ軍の兵士こそ、補給がままならず、物資が届かず、弾薬だけでなく、食料も不足しており、早く投降か脱走しなければ、殲滅されるか、餓死を待つか、という極限状態に置かれています。

※はじめに~「自主退役」した元ウクライナ軍兵士が、親ウクライナYouTubeのインタビューで「ありのままのウクライナ軍」を暴露!「ウクライナが勝利することはない。僕らには、殺戮されるだけの将来しか用意されていない」!「4ヶ月で部隊の6割が消滅」、「肌感覚では(ウクライナ側に)100万人に近い戦死者が出ている」「あいつ(ゼレンスキー氏)は嘘の塊だ」!「ウクライナ紛争の目的は『ウクライナの抹殺』!」、「停戦が起きれば、欧米の企業が(ウクライナの豊富な)資源の開拓を進める」「イギリス、アメリカ。俺は完全に確信している。ロシアはイギリスともアメリカとも約束を結んでいる。すべては出来レース」!?
(日刊IWJガイド、2024年10月29日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20241029#idx-1
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54063#idx-1

 上記の米国防総省のシン副報道官は、この『ニューヨーク・タイムズ』の記事を根拠に、ロシアが領内に入った北朝鮮兵が「すでにウクライナに近づいており、ロシアがこれらの兵士を戦闘に使ったり、ウクライナ国境に近いロシアのクルスク州で、ウクライナ軍に対する戦闘作戦を支援したりする意図があるのではないか」と懸念を表明しています。

 しかも、シン副報道官は、米国防総省が考える「深刻な問題」(北朝鮮兵の参戦)の原因について、「ロシアが戦場で多大な犠牲を被っていることに対する、プーチン大統領の絶望感が増していること」や「プーチン大統領が、人々が認識している以上に、苦境に立たされている可能性」だと述べています。これも、IWJがこれまで指摘し続けてきた事実を、大きく歪曲するものです。

 「プーチン大統領が、人々が認識している以上に、苦境に立たされている」というシン副報道官の言葉は、ウクライナの戦場の実態をまったく反映していません。

 ウクライナ軍は、すでに苦戦を強いられていた東部戦線から精鋭部隊を引き抜いてクルスク侵攻に投入し続けているため、兵力が2分割され、両戦線で深刻な兵員不足と兵站に支障をきたしており、脱走兵が続出し、次々と部隊が降伏するか、消滅するほどの惨状にあることは、すでに『日刊IWJガイド』で指摘しています。

※ロシア軍とウクライナ軍の本当の死傷者数は、どうなっているのか? プーチン大統領とロシア国防省は「毎月5万人」の「損失」を出していると主張、2022年のウクライナ紛争勃発以来100万人以上の「損失」があった!? ロシア兵とウクライナ兵の遺体交換では、「ロシア1:ウクライナ5」の比率、これはプーチン大統領が述べた、ロシア側とウクライナ側の「回復不能な損失に関しては、その比率は1対5」という数字と合致! 兵員不足が明白なウクライナに対し、米国議会は支援と引き換えに、徴兵年齢を18歳まで引き下げろとの残酷な要求を突きつける!(日刊IWJガイド、2024年10月29日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20241029#idx-4
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54063#idx-4

 シン副報道官が、この「北朝鮮兵がロシア西部に到着した」という根拠不明の情報を、わざわざ記者会見で確認された事実であるかのように発表したのは、議会を通さず、大統領権限のPDAで決めた、ウクライナへの支援を正当化するためや、今週行われる米韓2+2会議と無関係ではないと思われます。

※【トランプ前大統領が「ウクライナ戦争は負け戦だ」と表明!】その負け戦に米国防総省(民主党バイデン・ハリス政権)は、2週連続で600億円を超えるウクライナへの武器支援を表明!(『ANNニュース』、2024年10月18日)(日刊IWJガイド、2024年10月28日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20241028#idx-7
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/54058#idx-7

 シン副報道官は、この会見で、記者の質問に答えて、「この問題は、欧州とインド太平洋地域の安全保障にも、幅広い影響を及ぼす」として、「2+2会議でも議題になるだろう」と述べています。

 さらにシン副報道官は、「仮に、米国の兵器によって、北朝鮮の兵士が大量に殺戮された場合、米国製兵器の使用に制限を設けるか?」との質問に対して「ノー」と答えています。

 シン副報道官は、「それは、北朝鮮がしなければならない計算だ」と述べ、「我々はウクライナに対して、どんなことがあっても支援し続ける」と付け加えています。言いかえると「ウクライナがどうなっても、ロシアへの攻撃を続ける」ということです。降伏も、停戦も、本来は国家の主権です。しかし、ウクライナは、戦争をやめる主権さえ、米国から認められていないのです!

 シン副報道官は、先週は「ロシア国内で訓練を受けている北朝鮮兵は3000人」と発表していながら、この日の会見では「1万人北朝鮮兵がクルスクに向かっている」と発表した矛盾について、記者から追及されても「今のところ、詳細はわからない」と言い逃れながら、「我々の評価では、彼ら(北朝鮮兵)はおそらくその方向(クルスク方面)に進んでいる」と、何の根拠も示さず答えています。

 北朝鮮の兵士が、ロシアに派遣され、訓練を受けていることが仮に事実であるとしても、北朝鮮兵がロシアのクルスクの最前戦線に投入しなければならないほどロシア軍が逼迫している、というシン副報道官の主張は、疑問の余地があります。

 国境を超えてロシアに侵攻し、クルスクに留まっているウクライナ軍の部隊は、ロシア軍によって後続を絶たれ、孤立しているという情報もあるからです。

 プーチン大統領は、24日クルスク州のウクライナ軍部隊は国境から切り離されており、状況がどれほど深刻であるか認識していないようだと、述べました。

 25日付の『RT』によると、プーチン大統領は記者会見で、最大2000人のウクライナ軍が包囲され、孤立しているとの見方を示しました。しかも、「部隊の安定した指揮統制が失われている」ために、「包囲された人々は自分達が包囲されていることに十分気づいていないようだ」と指摘しています。

※Ukrainian troops in Kursk Region oblivious to being encircled – Putin(RT、2024年10月25日)
https://www.rt.com/russia/606420-putin-kursk-region-encirclement/

 孤立すれば、兵站を絶たれ、弾薬も、食料も尽きて、殲滅されるか、降伏をせざるをえなくなります。

 そんな状態にある孤立したウクライナ軍部隊を相手に、わざわざ北朝鮮軍兵士を投入する必要性が、ロシア軍側にあるでしょうか。

 北朝鮮軍に現実の戦場で、実戦訓練を施す、という以外に、理由が見当たりません。

 また、米国での大騒ぎの仕方にも、わざとらしくていささか疑問があります。米側としては、韓国にさらに武器を売り、間接的にでも参戦させることを期待しているのでしょうか。

 北朝鮮は、すでに核ミサイルを手中にしている核保有国です。その北朝鮮軍の地上部隊が、地上での実戦のレッスンをうけることが、それほど脅威でしょうか?

 ロシアと北朝鮮の間で署名された、事実上の軍事同盟である「包括的戦略パートナーシップ条約」について、10月24日付『スプートニク日本』は、「ロシア下院は24日、北朝鮮との間の「包括的戦略パートナーシップ条約」を批准する法案を可決した。近く上院での承認、プーチン大統領の署名を経て正式な手続きが完了する」と報じました。

※露朝戦略条約は半島のエスカレーションを防ぐため=露外務省(スプートニク日本、2024年10月24日)
https://sputniknews.jp/20241024/19244871.html

 つまり、条約はまだ発効していないが、近いうちに発効される、ということです。

 この『スプートニク日本』の記事は、ロシアのアンドレイ・ルデンコ外務次官が、「この条約は、北東アジアの安定化の役割を果たし、安全保障の不可分性にもとづき、地域におけるパワーバランスを保つことに貢献し、核兵器の使用を含めた朝鮮半島での戦争が再発するリスクを軽減するものだ。さらに、新たなユーラシア安全保障のシステムを構築するための土台となる」と述べたと報じています。

■戦略国際問題研究所(CSIS)は、北朝鮮はEUとの関係を壊し、北朝鮮の台頭を嫌う中国とロシアとの間にヒビが入ると見て、北朝鮮は「ルビコン川を渡った」と否定的に断じたが、実際には米国によるロシア敵視戦略によって、ロシアと中国が逆に深く結びつき、その他の、米国への従属を嫌うグローバルサウス諸国も台頭してきた結果を見ると、CSISの見通しのように、中国とロシアの間に亀裂が走るというのは、あまりに西側に都合のいい楽観的な見方では!?

 「北朝鮮兵がクルスクに向かっている」という情報について、米国の右派のシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)が10月23日付で、「ルビコン川を渡る:北朝鮮がロシアに軍隊を派遣」と題されたレポートを掲載しました。

 CSISの地政学・外交政策学部長兼韓国担当部長であるビクター・チャ氏が、ポッドキャストでインタビューに答える形で配信されたものですが、前文とともにそのやりとりがテキスト化されています。

※Crossing the Rubicon: DPRK Sends Troops to Russia(CSIS、2024年10月23日)
https://www.csis.org/analysis/crossing-rubicon-dprk-sends-troops-russia

 ビクター・チャ氏は、ロイド・オースティン米国防総省長官が、「非常に深刻な問題」であり、「これは、ウラジーミル・プーチン大統領が、多くの人が思っている以上に苦境に立たされている可能性があることの表れだ」と決めつけたことについて言及しています。

 チャ氏は、「ウクライナ戦争のために、北朝鮮軍をロシアに派遣したこと」が「非常に深刻な問題」であるのは、「金正恩がプーチン大統領の不当な戦争を勝利に導くために、『全力で』協力している」からだと説明しています。

 2022年のロシア軍によるウクライナ侵攻以降、「不当な戦争」が始まり、それに北朝鮮が「全力」で協力している、というならば、2014年からウクライナ政府とウクライナ軍とネオナチが、制度的な差別とともに、ロシア語話者に暴力をふるい続けてきたこともまた、「不当な差別・民族浄化・ジェノサイド」と言うべきでしょう。

 その際、米国をはじめ、NATO諸国は「全力」でこの民族浄化を応援し、今も隠蔽し続けています。

 上述のように、ロシアと北朝鮮が、事実上の軍事同盟関係に向かっているのであれば、共同の訓練や情報交換などを進めるのはむしろ当然のことです。

 NATOの方は、まだ加盟国ではないウクライナに対して、武器や資金の支援で数々入れ込んできたのであり、そちらの方が、むしろルールを無視したふるまいと言うべきでしょう。

 米国をはじめ、NATO加盟国や米国の「同盟国」からなる「西側」は、自分達が、加盟国でもないウクライナに莫大な軍事支援を送り、ウクライナ兵を自国に招いて軍事訓練を施し、現地に「指導教官」や、参謀らを送っているというのに、その一方で、ロシアと同盟を結ぶ北朝鮮軍がロシアで訓練を積んだり、ロシア軍に加勢したりすることに、なぜ批判するのでしょうか。

 そもそも、ロシアと北朝鮮がこのように軍事的に深く結びつくことになった要因は、米英を筆頭に西側諸国が、ウクライナに、ユーロマイダン・クーデターによって自らの傀儡政権を樹立し、ウクライナを「捨て駒」にしてロシアを挑発し続け、「ロシアの弱体化」を目指す「代理戦争」を勃発させ、さらに史上類を見ないほどの「対露制裁」によって、ロシアを「東方へ向かう」ように圧力をかけたことにあります。

 もちろん、ロシアと北朝鮮の接近は、両国に隣接する日本にとっても懸念材料です。西側諸国とともに、一方的にロシアを敵視し、他方でウクライナの肩を持ち、1兆円超の金をつぎ込んできた日本は、東アジアの最前線において、今や「ロシアと北朝鮮と中国」と軍事的に敵対していることになります。このような事態を目前にして、日本政府がなぜまだ一方的なウクライナ支援とロシア敵視を続けるのか、理解不能です。自国の利益にならず、むしろ存亡の危機を招き寄せているようなものです。

 チャ氏は、北朝鮮の金正恩政権側の動機を3つ、あげています。

1)新型コロナウイルスによるロックダウンの経済的ダメージから抜け出せずにおり、米国との首脳会談(※1)も失敗し、中国とロシアに支援を求めている。

(※1)2019年2月27日、28日の2日間、金正恩氏はドナルド・トランプ米大統領と、ベトナムのハノイで首脳会談を行った。朝鮮半島の非核化が期待されたが、交渉は決裂した。
 ハノイのメディアセンターで現地取材を行ったジャーナリストの浅野健一氏は、IWJに寄稿している。
※【特別寄稿】「合意なし」打ち切りは「会談決裂」だったのか!? ハノイの国際メディアセンターで見た「朝米首脳会談」 2019.3.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/445005

2)ほとんど実戦経験のない北朝鮮軍に、実戦での経験を積ませる貴重な機会である。「戦闘経験の価値は、計り知れないほど貴重」である。

3)金正恩は兵士を派遣する見返りとして、プーチン大統領から高い代償を引き出そうとしている。食糧や燃料、より高度な軍事技術など。

 チャ氏が示した、2)と3)は矛盾する動機になっています。貴重な実戦経験を得つつ、高い代償をロシアに求めるのでは、北朝鮮だけが得をする構図となっています。

 チャ氏は、「ヨーロッパ人を殺害するために軍隊を派遣する、という北朝鮮の決定は、欧州各国の首都では、簡単に忘れられることはない」ため、北朝鮮はEUとの関係を損なうことになるであろう、そうした意味で、北朝鮮は「ルビコン川を渡った」と論じています。

 さらに、「北朝鮮に対する制裁の執行を調整するために、先週、米国、日本、韓国によって設立された、『多国間制裁監視チーム』と呼ばれる新しいグループに、弾みをつける」とし、北朝鮮軍のロシア派遣は、米国のパートナー諸国との緊張関係を深め、米国との緊張を高めることで中国の不興を買うことになるだろうと推測しています。

 しかし、北朝鮮にとって仮に、EUとの関係が損なわれても、北朝鮮は、グローバルサウスの多数の国々と国交をもち、貿易を行なっており、さらにロシアからエネルギー資源や食料などを供給されるのであれば、北朝鮮が、国際的に孤立し、立ちゆかなくなるとはいえません。

 また、CSISのチャ氏は、北朝鮮とロシアが親密になり過ぎることは、中国が警戒するはずだ、と中露が対立していた時代にタイムスリップするような希望的観測を書いていますが、それならば、米国は、中露を同時に追い込み、結局のところ中露が深く結びつくような戦略をとるべきではなかったはずです。

 米国は、トランプ政権時代から中国相手に、貿易戦争を仕掛け、その前のオバマ政権時代、つまりバイデン氏が副大統領だった時代には、ユーロマイダン・クーデターを仕掛け、バイデン政権になってからは、ドンバスへの攻撃を激化させて、軍事介入を躊躇してきたプーチンについに軍事介入を決めさせました。中国に対しても、ロシアに対しても、理不尽で厳しい圧迫を加える政策を同時に行なっていたのです。

 欧州とロシアの経済的な関係を断ちきり、ウクライナをたきつけて、ロシア系住民のジェノサイドを黙認し、ロシアの軍事介入にあわせて、ロシアへの制裁を強化し、スイフトから外して西側世界から切り離すべく、ロシアを徹底的に追い込んだのは米国です。

 しかし、その結果、ロシアは本気で東へと顔を向け、中国との関係の改善・深化につとめ、インドなどグローバルサウス諸国にも石油等を売り続けてきました。

 その延長上で、ロシアは北朝鮮との関係も深めてきたのです。

 現在のロシアは、中国・インドとの関係、グローバルサウスとの関係があってこそ、自国の生存が可能になる、ということを自覚しています。かつてのソ連とは、まったく思考が違います。共産主義のイデオロギー的な主導権争いといった左翼・マルクス主義陣営独特の、リアリズムを欠いた不毛な内ゲバ的要素は、今の中露間にはありません。

 仮に北朝鮮が増長し、中国を不快にさせる可能性があれば、ロシアは仲介に入り、それでも北朝鮮が聞き入れない場合は、中国との関係の方をとるでしょう。中国との関係は、ロシアにとって命綱だからです。

 ロシアにとって中国は、エネルギー資源を大量に購入してくれて、かつ、あらゆる工業製品や消費財・民生品を輸出してくれる貿易相手国です。中国がいれば、民生品づくりに弱いロシアが、欧米日韓などの貿易相手国との関係を失っても、ほぼすべての分野の工業製品・民生品を手に入れることができます。

 伝統的に、ロシアは史上競争力のある魅力的な民生品を作ることが苦手であり、逆に軍事技術を高め、兵器開発を行うことにかけては、卓越しています。中国とのパイプさえあれば、民生品製造のエネルギーや工業力を、ほぼ軍事分野に振りきって、欧米に対抗して外貨も稼げ、民生品で国民の不満をつのらせることもないのです。

 逆に中国から見ても、ロシアとの友好関係は重要です。今回のウクライナ紛争で、欧州が、日本と同様の米国の従属国の集まりでしかないことが明らかになりました。

 この上、ウクライナだけでなく、ロシアまでが弱体化して、欧米諸国の言いなりになるような従属国になってしまえば、中国は、東の海側だけでなく、北と西からの攻撃にも対抗しなくてはならなくなります。ロシアを経済的にアシストし、西と北からの「侵略」の壁となってもらい、背後の守りを固めることもできます。

 また、同時に国境を接するロシアから石油や天然ガスなどのエネルギー資源をパイプラインで直送してもらって、安価で、安定的に供給してもらえば、現在、日本・韓国と同様に、石油業を中東に依存している中国も、中東危機やシーレーンの遮断にも対処できます。

 ロシアと中国は、お互いにお互いを必要とする補完関係にあり、西側からの圧迫がなければ、ここまで深く結びつかなかったかもしれませんが、両国間の「距離」も、乗り越えてしまいました。

■10月末発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、岸田政権がまったく解決しなかった自民党裏金問題について、「岩上安身による神戸学院大学法学部・上脇博之教授インタビュー」と、米大統領選にちなんで、米国の権力の内情、ハリス氏の民主党と、トランプ氏の共和党両方の内実について、徹底分析した「岩上安身による評論家、元日経新聞・朝日新聞記者塩原俊彦氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! IWJのサポート会員になれば、IWJサイトでバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!

 自民党の裏金問題が、事実上最大の争点となった衆院選は、自民・公明の与党が過半数割れの大敗、立憲民主と国民民主が大幅な議席増、という結果に終わりました。

 一方、来月5日には、米大統領選が行われます。民主党のカマラ・ハリス候補(現副大統領)と共和党のドナルド・トランプ候補(前大統領)の支持率は、世論調査を行うメディアごとの差はあるものの、ほぼ互角で拮抗しています。

 IWJでは、メルマガサイト「まぐまぐ」で、毎月『岩上安身のIWJ特報!』を発行しています。

 10月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、9月に引き続き、4月24日に初配信した、「『1994年の政治制度改悪が裏金作りを生み「米国の利益のための戦争をする国作り」に直結した!』~岩上安身によるインタビュー 第1154回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました。

※【フルオープンで再掲載中!】「1994年の政治制度改悪が裏金作りを生み『米国の利益のための戦争をする国作り』に直結した!」~岩上安身によるインタビュー 第1154回ゲスト 神戸学院大学法学部・上脇博之教授
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/522670

 また、上脇博之教授インタビューとは別に、9月2日に初配信した「必見! カマラ・ハリス氏はどのようにして米大統領候補まで政界をのぼりつめていったのか、仰天の真相が明らかに! 神に祝福されたかのようにふるまうヘゲモニー国家・アメリカの『超大国神話』と『悪』を真正面から暴く!(第2回)~岩上安身によるインタビュー第1166回ゲスト 評論家、元日経新聞・朝日新聞記者塩原俊彦氏」もテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました。

※必見! カマラ・ハリス氏はどのようにして米大統領候補まで政界を登りつめていったのか、仰天の真相が明らかに! 神に祝福されたかのようにふるまうヘゲモニー国家・アメリカの「超大国神話」と「悪」を真正面から暴く!(第2回)~岩上安身によるインタビュー第1166回ゲスト 評論家、元日経新聞・朝日新聞記者塩原俊彦氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/524297

 以下は、10月発行の『岩上安身のIWJ特報!』の目次です。IWJ会員ではない方も、ぜひご購読ください。

<岩上安身のIWJ特報! 1994年の政治制度改悪が裏金作りを生み「米国の利益のための戦争をする国作り」に直結した! 岩上安身による神戸学院大学法学部・上脇博之教授インタビュー>

(第661号の目次)
◆選挙が完全な比例代表制なら自民・公明は過半数を取れないが、小選挙区制で投票率が低ければ、後援会や統一教会に頼って「まだ勝てる」と考えている!?
◆金権政治との決別を謳った1994年の政治改革は「政治改悪」だった! 国民中心の政治に変えていくには、今、主権者が立ち上がるべき!

(第662号の目次)
◆極東地域に限られていた日米安保、自衛隊派遣は、すでに世界規模に拡大された。日本がアメリカの「軍事奴隷」になる流れを変えなくてはいけない!
◆民意と真逆の政治をやるために「政治改悪」が行われたことを忘れずに、国民のために改革のやり直しを!

<必見! カマラ・ハリス氏はどのようにして米大統領候補まで政界を登りつめていったのか、仰天の真相が明らかに! 神に祝福されたかのようにふるまうヘゲモニー国家・アメリカの「超大国神話」と「悪」を真正面から暴く! 岩上安身による評論家、元日経新聞・朝日新聞記者 塩原俊彦氏インタビュー(第2回)>

(第663号の目次)
◆日本では流れない、前回大統領選の「盗まれた選挙」の真相! 選挙直前の大スクープ、バイデン親子のウクライナ・スキャンダルを、民主党とマスメディア、FBIは必死に潰しにかかった!
◆元国家情報長官等50人以上の情報関係の大物が「ロシアによる情報操作の疑い」と発表! フェイスブックがニュースへのリンクを張らなかったのは「FBIの警告」と、ザッカーバーグCEOが認める!

(第664号の目次)
◆民主党のオバマを大統領に「育てた」のは、シカゴの「悪の塊」を牛耳るウクライナ&ユダヤロビーの「タニマチ」だった!
◆民主党がトランプ=独裁者キャンペーン! しかし、繰り返し「法の支配」(rule of law)を破るバイデンこそ「独裁者」!!

(第665号の目次)
◆トランプ元大統領銃撃をうながした、バイデン大統領の決定的発言とは!?
◆カマラ・ハリスは「寝て出世した」!! 大物政治家との愛人関係で権力への階段を登った!
◆ハリスの副大統領候補ウォルツは「臆病者」で軍歴詐称! トランプの副大統領候補も「嘘」で攻撃!
◆民主党は戦争大好きで、エスタブリッシュメントのために、国民の犠牲も当たり前! ハリスが大統領になれば、既存リベラル派が権益温存の政策を続ける!

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