自見金融大臣会見  2010.7.20

記事公開日:2010.7.20取材地: テキスト動画
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自見大臣会見文字起こし(岩上質問⇒自見回答分)

【岩上】
フリーランスの岩上と申します。
参議院選挙の結果が出てしばらく経ちますが、改めて、どうしてこのような結果が出たか、ということの分析が最近で始めております。
与党民主党の敗北の主たる要因としては、やはり消費税増税を掲げたことではなかったか、という分析がまとまってくるようになりました。
皮肉なことですけれども、消費税増税に反対であると正面から掲げた国民新党もまた、必ずしも議席を獲得することもできず、得票数も伸びませんでした。
このあたり、どのように、この消費税を巡る選挙戦というものが、国民新党に対しては、どのような風として吹いてきたのか、というあたり、増税反対を掲げながらも敗北してしまった、その要因・分析についてお伺いしたい。

【自見大臣】
私は閣僚でございますから、国民新党の立場でもございますから、国民新党の副代表ということもございますから、確信を得た質問でございますが、ご存知のように、選挙の前に、何回も言いますように、民主党代表と、亀井静香国民新党代表と、昨年の9月9日に結んだ三党合意を尊重して引き継ぐ、という文書がございました。
あの中にもご存知のように、9月9日の三党合意の前にですね、実は去年の8月30日に衆議院の総選挙があったんでございますが、選挙の6日前にですね、当面の衆議院総選挙に当たっての三党の合意する6項目をつくりました。
これは民主党と社民党と国民新党、これはは実は私は政調会長でしてね、実務をやらしていただいて、大変苦労してまとめた公約でございます。
「三党共通の公約」ということでございます。私はこれを「スーパーマニフェスト」と申し上げているのでございますが、その中にも一番最初に、消費税は、もし政権交代が起きればね、憲法上の期間といいますか、政権をとった場合でも当然憲法上の期間がございますからね。
簡単にいえば、次の衆議院選挙まで、という話だと思いますが、消費税は上げない、ということをきちっと三党で合意して、機関決定した訳でございます。
また、6月に、鳩山総理が、菅総理にかわっても、そのことを尊重し、引き継ぐ、ということになった訳でございますから。
選挙戦、亀井静香党首が、消費税引き上げ反対と、反対というか、上げないと言われたことは、決して両党間の信義に照らしておかしいことを言ったとは思っていませんよ。
また、政治家として、私もテレビで何度も申しあげましたが、12年前に橋本龍太郎内閣の閣僚でございましてね、その時に消費税を3%から5%に上げたんですよ。
それから、医療費の自己負担を上げましてね、よく覚えていますが1997年でございますが、国民の負担を11兆増やしたんです。
そうしたら、少し景気が上向きになったきたのですが、ダーンときましてね。
皆さんご存知の通り、北海道拓殖銀行がですね、戦前はあれ、国立銀行だったと思いますが、北海道拓殖銀行も破たんする、それからずっと伝統的な山一證券がですね、崩壊する、ドーンともう、景気が下落しまして。
まぁ、その前、三洋証券も崩壊するという話もありました。私は、そういったことを経験しておりますから、やはり今の情勢、デフレギャップがある中、私はテレビでも国民新党を代表して出演させていただきましたので、そういうことを申し上げました。
経済的な感じにしてもね、消費税を上げるべきではない。
それから、歳入が必ず足らないというと、すぐ消費税、消費税とこうなるのですが、歳入が足らない(という話をする)前に、すぐに消費税でなくて、かなりですね、まぁご存知のように、いわゆる霞が関の埋蔵金というやつですね。言葉が少し一般・ポピュラーになりましたから。
私は12年前に、実は郵政省の「埋蔵金」という言葉はありませんでしたが、郵貯特別会計ですね、260兆、郵貯資金が当時国営でしたから、ありましてね、低金利政策でございましてね、非常に郵便貯金の支払いの時に金利が下がりましたからね、積立金が増えたんですよ。
実は3兆5千億から4兆5千億増えましてね、いわゆる、今でいう特別会計の積立金が増えたんですよ。
1兆円、低金利政策の結果、郵貯特別会計のお金が1兆円増えましてね、実は当時、12年前、皆さんご存知かと思いますけれど、国鉄の長期債務というのがね、27兆円、28兆円でしたか、これも2、3年、政府の大きなテーマで、国鉄が民営分割化したのですが、清算事業団に28兆円、国鉄の長期債務がありましてね、これをどうするかというのは2、3年大変大きな政治的テーマでしたよ。
それで、私は、国鉄の長期債務、これは当然戦前から国の事業でしたし、当時は郵政3事業、国の仕事でしたから、私はもう、当時、事務方は皆反対したのですけれどね、私は、きちっと、これは国の債務であるから、国が同じ事業をしていたのだから、ということで私、実は1兆円、国鉄の長期債務で、私の本当に決断力ですね、出させていただいたのですよ。
そのかわり、まぁ郵便貯金が非常に厳しい、もし健全性が危ない時は、1兆円をですね、2千億ずつ5年間返すという法律つくりましてね。
非常に厳しい時は、返していただくということも起こりうる、用意する、という法律をつくりましてね。
結局、国鉄の長期債務28兆円、私が(聞き取れない)というつもりはありませんが、1兆円、郵貯特別会計から拠出してですね、たしかその時、大蔵省もたばこ消費税1本につき1円で、当時はたばこ消費税1本上げれば、2800億円だったと思うのですよ。
まぁ、でもこれで国鉄の長期債務返しているのですよ。
これはまぁ、会計としては国債整理金に入っていますけれどね、そういう思いがございますから、やっぱりこういう厳しい時に、歳入欠陥がある、歳入がなければすく消費税、ではなくて、やはり2年3年前は霞が関の埋蔵金、そんなものはございません、と大蔵省が言えば、たしか自由民主党政調会長代理がそれを受けて、新聞に載っていましたけれど、「霞が関の埋蔵金なんてありません」と、こう政権与党の政調会長代理が言っていたと思いますよ。
しかし、あれから、景気がリーマンショックの時悪くなりまして、たしか自由民主党最後の政権も景気対策でも10数兆、霞が関の埋蔵金持ってきましたし、今の予算、というか鳩山さんのつくった予算も10兆ちょっと、ですね、いわゆる霞が関の埋蔵金とは厳格な定義がある訳ではありませんが、特別会計から、外為特会、あるいは財政投融資特別会計から、10兆持ってきて、予算を組んでいますね。
ですから、「ない」と言っていたものが20兆出てきたのですよ。極端な話ね、3年前。
そういった意味で、やっぱり工夫をね、工夫をきちっとやっぱり全て国民のお金ですし、何もお役人さんの占有物じゃございません、当たり前ですけれども、国民のお金でございます。
使途は、使い道は、それは選挙で選ばれた国会議員が決める、というのは当たり前ですけれども、民主主義の大原則ですよね。
税金をいかに使うか、いかに徴収するかということで、ご存知のようにイギリスでは議会というものができたのですから、そういった意味で、基本的な問題ですから、やはりそんな問題。
それから国民新党の立場から言わせていただければ、非課税、無税非課税国債というのがございます。
これは大体、(日本には)1400兆くらい個人の金融資産があるといわれておりますが、フランスで実は、アルジェリアの内乱の後、フランス政府が発行したことがあるのですよ。
これは利子は付かないのです。しかし相続税を払う時にね、一定額、相続税を減免してやる、という制度でございましてね。
そんなことを国民新党は、前の衆議院選挙の時も公約として出しましたが、やはり、そんな一工夫二工夫をね、何かもう、歳入が足らない、たしかに今、(聞き取れない)な状態です。
国債も多いし、歳入欠陥もありますし、国債も44兆円出している状態ですか、それはよく分かりますけれど、まぁ、そんなすぐにね、消費税という論議には、いかがなものかな、ということを私は(聞き取れない)からも、国民新党の立場でございますけれど、たしかNHKテレビに出させていただいたので、そのことを申し上げました。
まぁ、これは国民新党の副代表としての発言でございますけれどね。
まぁ、結局、菅さんも、菅総理もですね、最後には、いずれにしても、すぐ消費税を上げるんじゃないんだ、次の衆議院の総選挙の前に、案を示して、たしか消費税を上げるということに、そう言われたと。
まぁ、選挙ですからバタバタしていますけれどね、ゆっくりテレビ見る暇、新聞読む暇はなかったですが、そう言われたということでございますから。
何も我々が、信義違反をしているということはございません、というふうに思っております。

【岩上】
すみません、質問の趣旨としては、今回の参議院選挙で、国民新党が示した消費税増税反対という公約が、国民の間に必ずしも行き渡らなかった、理解が行き届かなかった、その結果として厳しい結果が出てしまったのではないかな、と思うのですけれども。
これを、どうして、このように、国民新党の、今おっしゃった主張が通らなかったのか、このあたりの分析について、お伺いしたかったのですけれども。

【自見大臣】
すみません、ちょっとくどくど申しましてね。
私も大きい政党におったり、小さい政党におったりしますけれども、小さい政党というのは、なかなか国民に発信しましてもね、本当になかなか発信し得ない、というもどかしさがあるのですよ。
私も国民新党に来て4年目でございますが、そういうところと、やっぱりよくそのことを理解できなかった、これはわが党の実力不足でございますが、そういったところをですね、真摯に厳正に受け止めております。

【岩上】
フリーランスの岩上です。
先ほどの佐々木さんの質問にちょっと関連しまして、補足的にお聞きしたいのですけれども、今大臣は、その当時の金融行政について、不案内なので改めてきちんと調査して、調べて、それからご回答される、というふうにおっしゃいました。
この時に、やはり非常に重要なカギを握るのは木村さんを金融庁顧問に抜擢した当時の竹中さんの責任ではないか、竹中さんのリーダーシップにいろいろ問題点があったのではないか、というポイントであろうかと思います。
その点について、お調べいただくと同時に、現時点で、当時の竹中金融大臣のリーダーシップの在り方といいますか、金融行政の在り方というものは適切だったかどうか、現時点でのお考えをお話しいただけないでしょうか。

【自見大臣】
そこらへんも視野に入れて、次回ですね、きちっと答えさせていただきたいと思います。

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