「福島第一原子力発電所での大事故は、地震がきっかけによる可能性が否定できない」
2013年8月27日(月)15時から、東京都千代田区・衆議院第二議員会館にて、元国会事故調委員の田中三彦氏と元国会事故調協力調査員の伊東良徳氏、両氏による記者会見が行われた。
両氏は8月27日付で衆議院議長の伊吹文明氏と参議院議長の山崎正昭氏の両氏宛で「国会による東京電力福島第一原子力発電所の事故原因等の調査継続、ならびに、国会による同1号機原子炉建屋4階を中心とする現場調査の実施について」という要請文を送付したことを明らかにした。また、今回の要請文の元となる論考が8月27日に出版された「科学」(岩波書店)9月号に掲載されていることも発表された。
- (内容) 国会による東京電力福島第一原子力発電所の事故原因等の調査継続、ならびに、国会による同1号機原子炉建屋4階を中心とする現場調査の実施について
この中で田中氏は、福島第一原発1号機での水素爆発について「原子炉建屋の3階以下では水素爆発の形跡がないこと、4階の激しい損傷状況から、まず水素爆発は4階の非常用復水器の配管が地震により破損し、その破損箇所から水素が漏洩して自然発火して爆発に至ったのではないか」と述べた。
また伊東氏は、福島第一原発1号機の非常用電源喪失について「東京電力が公表していた非常用電源喪失の時刻とは別に、波高計の実測データ、津波が着岸した時刻や目撃証言等から考えて、1号機敷地への津波到達前に何らかの原因で非常用交流電源が喪失したことは明らか」と述べた。