新たな「ニセ捜査報告書」発覚。「記憶の混同」で不起訴となった元検事を再び告発へ 〜「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」による記者会見 2013.8.12

記事公開日:2013.8.12取材地: テキスト 動画
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 虚偽捜査報告書は一つではなかった。

 陸山会事件に関して、「健全な法治国家のために声をあげる市民の会(以下、市民の会)」は、新たな虚偽有印公文書作成の疑いが浮上した田代政弘元検事と、上司の木村匡良検事を、8月12日、刑事告発した。

 「新たな虚偽報告書」の存在は、yahoo!ニュース内に掲載された、前田恒彦元検事の記事で発覚した。

 前田元検事とは、郵便不正事件で、証拠となるフロッピーディスクを改ざんした罪で逮捕・起訴され、証拠隠滅罪で懲役1年6ヶ月の判決を受けて服役していた人物。法務大臣からは懲戒免職の処分を下されている。

■ハイライト

 前田氏は、当時、陸山会事件の応援に駆けつけ、東京地検特捜部に合流して捜査にあたっていた。田代氏とはその時に知り合い、親交を深めたという。前田氏は記事で、「ある日、田代元検事から驚くべき告白を聞くこととなった」と前置きし、次のように述べた。

「(1) 田代元検事は、逮捕前に石川(知裕元議員)氏の取調べを行った際、その供述内容や態度、言動などを記載した捜査報告書を作成した
 (2) 作成は、捜査主任である木村検事の指示によるものだった(この告白の際、田代元検事は木村検事のことを「キャップ」と呼んでいた)
 (3) 捜査報告書は、逮捕状の取得に際し、裁判所に提出された証拠の一つだった
 (4) しかし、その内容は、「逮捕の必要性」を強調すべく、実際には石川氏に「自殺のおそれ」をうかがわせる言動などなかったのに、そうした言動があったかのように記載するなど、事実と異なる虚偽のものだった」

 石川氏を逮捕したかった東京地検は、「逮捕の必要性」を強調すべく、実際には存在しない「自殺のおそれ」をでっち上げ、「小沢先生に申し訳なくて生きていけない」などと、ありもしない石川氏発言を記載した「虚偽捜査報告書」を作成し、逮捕状取得のために裁判所へ提出していたというのだ。

 市民の会は告発状提出後、司法記者クラブで記者会見を開いた。代表の八木啓代氏は「前田氏の供述は極めて信用性が高い」と断言する。

 今回の告発のきっかけは、証拠隠滅罪で実刑判決を受け、懲戒免職となった前田氏による内部告発だ。こうした人物の発言の信ぴょう性については、疑問の声があがる可能性はある。しかし、最高検察庁はかつて、郵便不正事件に関して、前田氏の供述に基づき、前田氏の上司ら2名を犯人隠避の罪で逮捕、起訴している。

 この事実は、最高検自身が、前田氏の発言の信ぴょう性を担保していると言える。仮に、前田氏発言の信ぴょう性を否定すれば、犯人隠避に問われた上司2名の逮捕・起訴が疑わしいものになる、と八木氏は語る。

 また、前田氏は記事で、当時の田代氏を次のように振り返っている。

 「田代元検事は、この告白の際、本心では逮捕に反対であり、嫌なことをやらされたといった言い方をしていた。私は、彼が検察組織の中で無理な仕事を押し付けられ、様々な重圧を感じる中、最終的には組織の論理を優先し、闇に堕ちてしまったのだと分かった」

 田代氏はこれまで、「石川氏は、小沢一郎議員の了承を得て、陸山会の政治資金収支報告書に虚偽の記入をした」とする虚偽の捜査報告書を作成した疑いで、市民の会に刑事告発されていた。しかし、最高検は田代氏の虚偽性を認めず、検察審査会の「不起訴不当議決」を経ても、あくまで「記憶の混同」によるミスであると結論付け、不起訴処分を下し、事件に幕引きを図った。

 八木氏は、「(今回の告発は)書いたことを覚えているか・いないかといった話ではない」とし、今回の新たな告発の場合は、田代氏自身が捜査報告書の虚偽を自覚したうえで前田氏に相談した形跡があることから、「記憶の混同」といった説明は通用しないとの見方を示した。

 不祥事が続き、検察に対する国民の信頼は揺らいでいる。前田氏の内部告発をどう受け止め、市民の会の刑事告発とどう向き合うのか、検察の捜査に注視が必要だ。

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新たな「ニセ捜査報告書」発覚。「記憶の混同」で不起訴となった元検事を再び告発へ 〜「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」による記者会見」への1件のフィードバック

  1.  前田恒彦元検事の出身大学は広島大学である。東大や京大では無い以上、検察における出世の道は最初からある程度までとされていると見ていい。これを突破するには余程の手柄を上げるしかないが、それでも絶対にトップには成れない事は最初から決まっている。
     検察の裏金問題隠蔽で小泉内閣と手を結んだ検察庁は、大阪地検特捜部が三井環氏を裏金問題隠蔽の為に逮捕したが、容疑は無理矢理作ったといっていいものであった。この隠蔽で検察は内閣の言いなりに成ったと言ってよく、戦後最大の疑獄事件の入り口の事件と言われた『かんぽの宿問題』の真っ最中に小沢一郎氏の秘書大久保氏を突如として逮捕したのも内閣の強い要求が有ったからだと予想される。それは、直後に官房副長官が自民党には類は及ばないと断言していることからも推測される。
     大久保氏の逮捕は2009年3月3日だが、2日前の同年3月1日の日曜日にテレビの生放送中に亀井静香氏が目の前に居る竹中平蔵氏に向って東京地検に刑事告発する旨を宣言し竹中氏の目が泳いでいたことから、小沢氏関連のでっち上げ事件の直接の原因は、郵政民営化が戦後最大の疑獄事件に発展するのを阻止する為に行われたことは間違いないだろう。何しろ竹中氏は、ハゲタカと17回にも及ぶ協議をしていたのだから。
     学閥によりマトモに仕事をしても出世の見込みが無い検事が、一縷の望みをかけて上からの命令により汚れ仕事をしたというのが事件全体の構図だと思う。

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