【IWJブログ・TPP特別寄稿vol.4】「不正義で、屈辱的で、非民主的で、非人道的」TPPは、倫理なき強欲集団の人道に対する犯罪行為です~須田稔 立命館大学名誉教授 2013.7.12

記事公開日:2013.7.12 テキスト
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特集 TPP問題

 IWJは、2010年に菅政権がTPPを突然持ち出した当初から、TPPにはらむ問題を追及し続けています。「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」に賛同されている大学教員の方々は、800名を超えます。しかし、「大学教員の会」の2度にわたる記者会見を、IWJが中継した以外は、日本農業新聞が報じたのみで、同会の活動および賛同者の主張について、他のメディアではほとんど取り上げられていないのが現状です。IWJは、こうした知識人の方々の声を、少しでも多くの人に伝えたいと考え、寄稿をお寄せいただけるようお願いしております。

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◆◇TPPは、倫理なき強欲集団の人道に対する犯罪行為です◆◇
~須田稔 立命館大学名誉教授
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 1980年代のレーガン・サッチャー主導の新自由主義の主役は多国籍大企業と少数の先進国政府でした。強者至上主義とでも言える経済活動を展開して肥大化を進め、他方で、その犠牲は途上国の人民に始まり先進国の人民まで及ぶに至りました。

 そして、このような理不尽を跳梁跋扈させるために、国連機関や国際法はじめ、国内ではマスメディア・市民の監視の目を曇らせ、果ては機能不全に追い込み、「構造改革」とか「規制緩和」という詐欺的宣伝で多くの人民を丸め込んだのでした。

 TPPは、30年余に及ぶ、この多国籍企業による世界市場の制覇を完全に仕上げるための策略に違いない。巨大な多国籍企業が、この地球社会に君臨する専制独裁者になるのです。

 「すべての人が個人として尊重され、生命・自由・幸福の追求という基本的人権」、「恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」など、日本国憲法が保障する権利は、すべて無視されますね。つまり、憲法違反ないし憲法条文不履行の日本の政治は、TPP加盟によってさらに極度に劣悪になり、国民は主権者の地位を消滅させられ、国権も多国籍企業に奪い取られるでしょう。 

 TPP交渉の過程は秘密にされるという点だけでも、これが不正義で、屈辱的で、非民主的で、非人道的であることは言うを俟たないのです。米軍諜報部が全人類の個人情報をネットで把握しようと策動しているという情報もあります。資本主義がここまで頽廃して、人間崩壊・環境破壊をものともせず利潤追求の我慾に狂奔するのを座視できないのです。「亡国・棄民の策謀」と縮めて非難しましたが、怒りと嘆きは言葉に尽くせません。

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