2013/01/18 【大阪】がれきの広域処理に関する違法な公金の支出に関しての住民監査請求書提出及び記者会見

記事公開日:2013.1.18
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 2013年1月18日(金)11時から、大阪府庁舎および大阪市庁舎で、地方自治法に基づき、「がれきの広域処理に関する違法な公金の支出に関しての住民監査請求書提出」が行われた。その後、15時から、大阪市中央区の淀屋橋カルチャーセンターで記者会見が開かれ、「大阪府と大阪市のがれき受け入れは本当に必要なのか」という趣旨で監査請求がされたことが説明された。

■録画
・1/3(10:49~ 35分間) 冒頭~大阪府へ住民監査請求書提出

・2/3(11:47~ 11分間) 冒頭~大阪市へ住民監査請求書提出

・3/3(14:56~ 1時間4分) 6分40秒~記者会見開始

 これは、放射能汚染を巡る安全性確保の視点から、震災がれきの広域処理に反対するのではなく、輸送費に着目し、経済性を重視する議論である。会見での主な発言者は、阪南大学准教授の下地真樹氏と環境ジャーナリストの青木泰氏で、下地氏は、この原告の共同代表を務める。

 「がれきの処理を、地元で行うか広域で行うかを判断する場合、もし両方とも可能というのであれば、地元で行うのが正しいことは自明だ」。下地氏は記者会見でこう断言した。広域処理だと、地元外へのがれき運搬が必要となり「輸送コスト」が発生するというのが、その理由だ。下地氏は「がれきを広域処理に出すには、地元処理はできないという確認が必要であり、その確認が現時点でどの程度行われているかを注視していく必要がある。宮城県でも岩手県でも、確認は決して十分には行われていない」と強調した。

 この日の会見のプレスリリースでは、宮城県の実情が、次のように記されている。「宮城県は、昨年9月の議会で、処理委託していたJV(=複数の会社が共同で1つの事業を手掛けること)との委託契約の変更を行い、木くずを100万トンも減らし、がれきの処理委託量を300万トン以上削減し、半減以下にしました。地元で処理するがれきが無くなっているにもかかわらず、宮城県は北九州市に新たに2万3千トンの委託を行いました。被災自治体の話だけで必要性を判断していては、税金を無駄に使うことになります」。

 下地氏は、被災地の実情が把握されないまま、広域処理を進めるのは、「架空がれきの処理のために委託先のお金を渡すようなもの」と断じた。そして「岩手県が県外でのがれきの処理を望んでいるという事実だけで、受け入れに踏み切るということは、(政策を決める上で)調べるべき事柄を調べていないことを意味する」とした上で、「広域処理をせずに済めば輸送費が浮く。その浮いたお金は被災地のために使える。広域処理にこだわる行政の姿勢こそが、被災地復興の足を引っ張っている」との見方を披露した。

 続いてマイクを握った市民請求人の女性は、「復興予算のうち約半分を輸送費が占める。この構図は、がれき処理がもっと近い場所で実施されれば必ず変わる。復興予算は1円たりとも無駄に使ってはならない」とした。そして、会場の記者団に、「現地には、叫ばれているほどの量のがれきは存在しないという声がある。皆さんの力で、実態が正しく報道されればと願っている」と訴え、広域処理問題に関する世間の関心の高まりを求めた。

 岩手県の野田村の実情に触れたのは、今回の住民監査請求のアドバイサー役である環境ジャーナリストの青木氏だ。「この村は当初、2年間で1万トンのがれき処理が必要といっていたが、よくよく調べてみると1000トンしかなかったことが判明した。よって、昨年のうちに同村の広域処理は終了している。私はこのニュースを知り、岩手県を取材した。県内では、野田村と同様のことがほかでも起きているに違いないと思ったためだ。すると、取材先からは現在調査中との言葉が返ってきた。それならば、広域処理の契約は、調査が終わってから、その結果次第で行われるのが筋ではないか」。

 さらに青木氏は宮城県の実情についても言及。「宮城県は、可燃性廃棄物の広域処理を2013年度以降は行わない。全部めどが立ったのだ。ただ、それは昨年9月にはわかっていたこと。それにもかかわらず、がれきを北九州市に運んだり、東京都に運んだりしており、その矛盾が表面化したのに合わせるように、この1月11日に、北九州市のみならず東京都と茨城県について、総計11万トンで終了したとの発表を行った」と述べた上で、「被災地の要請は、実にいい加減なものである。契約を結ぶ際は、お願いされる側が、お願いされるに値する要請か否かを見極めるのが世間の常識だ」と主張した。

 なお青木氏は、質疑応答のコーナーで記者団に対し、「宮城県が広域処理の要請を2013年度以降は行わないと発表したことは、全国ニュースとして取り上げるだけの価値が十分あったはずだ」と発言。大きく扱うべき事象を大きく扱わない大手メディアの報道姿勢を批判した。【IWJテキストスタッフ・富田/澤邉】

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