安倍晋三元総理を殺害した山上徹也容疑者は、旧統一教会の関連団体UPFの集会に、安倍元総理が送ったビデオメッセージを見て、「統一教会とつながりがあると思った」と供述したと報じられた。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長は記者会見で、このUPFを「友好団体」と、あたかも別組織のように語ったが、実態は、家庭連合は統一教会の宗教部門、UPFは政治部門であり、表裏一体の組織である。
この時の田中会長の「2009年以降は献金をめぐる金銭トラブルはない」などの主張に対して、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、事実と異なると糾弾した。「(1987年以降の)被害総額は1237億円超」しかも「氷山の一角」で、「金銭トラブルがない」はずの「2017年から2021年の5年間」も「被害総額約54億円」と指摘している。
なおその後7月17日、世界平和統一家庭連合は、田中会長の「2009年以降はトラブルが起こっていない」発言は、「コンプライアンス順守の結果が表れているという趣旨で、トラブルがゼロになったという意味ではない」などと釈明の声明を出した。
- メディア報道に関する声明文(世界平和統一家庭連合ウェブサイト、2022年7月17日)
また、統一教会の霊感商法に有罪判決が下された2009年の「新世」事件後には、統一教会の責任者が、機関誌で「私たちの反省」として、「政治家とのつながりが弱かったから警察の摘発を受けた」「政治家と一生懸命つながっていかなきゃいけない」と述べたという。
その後、第二次安倍政権から若手政治家が統一教会のイベントに大っぴらに出席するようになったのは、安倍政権では統一教会と協力関係がある方が早く出世できるからだと弁護士連絡会は説明している。
こうした関係に危機感を覚えた弁護士連絡会は、被害を広げないため、全国会議員に、統一教会関連行事への参加やメッセージを控えるよう要望書を提出。また、安倍元総理にはUPFへのビデオメッセージに関して抗議文を送ったが、地元事務所から返答はなく、国会事務所は受け取りを拒否した。
2022年7月の参院選でも、安倍元総理の首相秘書官だった井上義行参議院議員が、世界平和統一家庭連合の会合で「井上先生は、もうすでに信徒になりました」と紹介されて決意表明し、熱狂的声援を受けたことを、IWJが報じている。ところが、井上氏は、15日に総務省で行われた当選証書授与式では、「統一教会に入信していない」と入信を否定。政策に賛同を得た「賛同会員」であることは認めたものの、「私からの会費あるいは寄付等もありません」と述べた。
詳しくは記事本文を御覧いただきたい!
(UPFのサイトには「シンクタンク2022希望前進大会」の記録が見当たらないが、安倍元総理の演説動画は、下記のいくつかの個人サイトがYouTubeにアップしている)
- 安倍元総理がFFWPU(旧統一教会)系イベントにて堂々と演説! Shinzo Abe spoke at Rally of Hope Think Tank 2022.(General adult man(Youtube)、2021年9月13日)
- 安倍晋三演説|統一教会(iamk(Youtube)、2021年9月15日)
- UPF(天宙平和連合・統一教会系)の集会にコメントを寄せる安倍晋三元首相【フル】 山上徹也(政治に興味を持とう。【動画更新中】(Youtube)、2022年7月10日)