日本原燃六ヶ所再処理事業所の許可にともない、7月29日、原子力規制委員会の更田豊志委員長は定例会見で記者らの質問に答えた。
高レベル廃液の漏洩や天井レンガ片の落下など、深刻な問題が相次いでいる六ヶ所再処理事業所は、以前からその必要性を問われ続けてきた。
この再処理事業所の許可にともない、工場の技術的能力について聞かれると、更田委員長は事業遂行に必要な能力と安全を確保する能力を見極める必要があると述べた。原子力規制委員会としては安全を保つことが「関心事」であり、ガラス固化については、高レベル廃液を滞積させないよう尽力すると答えた。
一方で、この2つの能力は重複する部分があり、「どこまでが事業に関わる能力で、どこまでが安全に関わる能力かは一概には言えない」と苦悩しながらも、事業推進のみにとらわれず、安全確保に専念したいと話した。
しかし、続いて、相次いで問題が起きていた六ヶ所再処理事業所が許可されるに至った審査基準について問われると、「条文やガイドの記述に照らして判断しているが、(中略)文書化し難い審査チームの受け止めみたいなものはるだろう」と答え、長期に渡った審査期間の中で改善を肌で感じてきたと話した。
同時に、「感触をもとに許認可するわけではない」と否定したが、「結論は示したけども、どのようにそこに至ったかは示しきれていない」と認めた。