【岩上安身のツイ録】米国軍産複合体は「北朝鮮特需」にわきかえり喜色満面。米国議会は核のために1兆2000億ドルの戦時予算。これで「東アジアで戦争など起こらない」と思っている人がいたらどうかしている 2017.11.8

記事公開日:2017.11.9 テキスト
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(岩上安身)

 いくらミサイル防衛システムを爆買いしても、宇宙空間を飛翔するミサイルを撃ち落とすことはできない。届かないんだもの。届かないものは、竹槍と同じ。何本が何千本、何万本になってもまるで無駄。トランプはこんな押し売りのために戦争を引き起こすな。

 戦争の予感は、陰惨で恐怖に満ちたもののはずだ。ところが、米国の軍産複合体は「北朝鮮特需」にわきかえり、喜色満面である。議会は政府案を600億ドルも上回る大盤振る舞いの予算を可決した。完全に戦時予算である。これで東アジアで戦争など起こらない、と思っている人がいたらどうかしている。

 「Defense News」という専門媒体がある。その2017年11月1日付の号に、「米国は核兵器に今後30年間に1兆2000億ドル支出する」というタイトルのニュースが掲げられている。この内容が凄い。気が遠くなる。米国は核による世界支配に取り憑かれているとしか思えない。

 記事の著者はアーロン・メータ。内容をかいつまんで紹介すると、米議会の予算局が11月1日水曜日に米国の核兵器の近代化のためのトータルコストを発表した。

 その最新の報告書によると、2017年時点のドル換算で、30年後の2046年までに核兵器の維持と近代化のために、米国は1兆2000億ドルを必要とする。1ドル=114円で計算すると、なんと136兆8000億円にもなる。その3分の2が既存核兵器の運用と維持コスト。

 内訳は、既存核兵器の維持と運用のコストが8000億ドルで、核兵器の近代化のコストが4000億ドル。主要な支出先を見ていくと、まず、戦術核兵器(短距離)と、航空機など、その核兵器の運搬手段の運用・維持・近代化コストが250億ドル。

 第2に、核兵器のアクティビティを支える実験・生産施設複合体および核兵器の安全で確実な運用を可能にする命令・管理・通信・早期警戒システムに、4450億ドル。

 第3に、戦略核兵器とその運搬システム。具体的には戦略核兵器(長距離)と、それを搭載する長距離爆撃機、ミサイル、原子力潜水艦、および原潜の動力の原子炉等の運用・維持・近代化に7720億ドル。今、北朝鮮が持つのは許せないと言いつつ自分は保有している大陸間弾道弾も含まれる。

 この防衛ニュース、という媒体、自らのプロフィールによると、創刊は1986年で、米国の防衛政策の意思決定者向けの独立のニュース媒体。「世界中の支局とレポーターは、正確で信頼性の高いタイムリーな防衛レポートの基準を提供している」とのこと。

 読者層は、というと、「週刊ニュースは、世界の指導者層、意思決定者が閲覧している」という。恐れ入る。いずれにせよ、こんな天文学的な金額の予算が核兵器の維持と更新のためにあと30年間投じられ、おそらくは我が属国日本は直接、間接に、このコストの負担を求められることだろう。

 このレポートの紹介をしたのは、米国の議会が空前の戦時予算を組んだというニュースに関連して急ぎ紹介しておく必要があると考えたためで、本当は米国による北朝鮮への武力行使、すなわち米朝戦争の再開の可能性と影響についてのあるシンクタンクの報告をお伝えしようとしていたのだった。

 ちょっとくたびれた。明日、重要なインタビューもあり、その準備もしなくてはならないので、今夜はここまで。狂気に満ちた世界でも、毎晩、「安らか」に眠りにつかないと身がもたない、というのは、矛盾に満ちているけれども。

※2017年11月8日付けのツイートを並べて加筆し、掲載しています。

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