2017年10月22日の衆院選投開票日以降も、希望の党には話題が尽きない。
結局、235人立てた候補者のうち、50人しか当選させられず、希望の党は前評判とは裏腹に大惨敗に終わった。10月25日に初の両院議員懇談会が開催されたが、当然のことながら、この場では小池百合子代表の結果責任を問う声があがったという。小池代表は、「都政に邁進したい」と、人事を含めて党運営は国会議員に任せる考えを示した。責任追及の上手な身のかわし方である。
希望の党といえば、安保法制を容認し、憲法改正を支持すると書かれた「踏み絵」を民進前職に踏ませて「転向」を強いたり、「リベラル議員を大虐殺する気ですか」というフリージャーナリストの横田一氏の質問に、「ええ、排除いたします」と言いきった小池氏の言葉がテレビで繰り返し放送されて、一気にイメージダウンを招いた。
改憲・安保法制賛成なら、与党と何も変わらない。希望へ流れ込んできたのは民進右派であり、結局は自民党の「補完勢力」とみなされたことが敗戦につながったと考える分析するも多かったようだ。そのためであろう、選挙前には自公政権との大連立もありうるなどと与党寄りの姿勢を示していたのに、この日の懇談会では、「安倍政権と対峙する」という方針が繰り返し確認されたという。ぜひIWJの取材記事をご覧いただきたい。
25日は懇談会だったが、27日には、正式な両院議員総会が開催された。小池代表を補佐し、国会議員を率いる共同代表は設けず、11月中に選挙を実施して共同代表を決める方針を明らかにした。また、11月1日に召集される特別国会の首相指名選挙について、午後2時半頃には、「元民進党の古川元久氏に投票する方向で調整に入った」と速報が駆けめぐった。古川氏は知名度はないが、「閣僚経験や当選回数を考慮した」と報道されていた。民進党政権の野田内閣で、国家戦略担当大臣を務めた。
岩上安身は報道を受け、以下のようにツイートしている。
「これは、希望との党の埋没度、加速するぞ。古川WHO?って人、少なくないもの。小池氏を下回るのはもちろん、長島、細野らにも知名度ではるかに下回り、玉木雄一郎よりも下回ると思う。そもそも、何を基準で古川氏を首班として選ぶのか、それもわからない。下手なことすると、バカにされますよ」
- 岩上安身ツイート(2017年10月27日)
これは、希望との党の埋没度、加速するぞ。古川WHO?って人、少なくないもの。小池氏を下回るのはもちろん、長島、細野らにも知名度ではるかに下回り、玉木雄一郎よりも下回ると思う。そもそも、何を基準で古川氏を首班として選ぶのか、それもわからない。下手なことすると、バカにされますよ。 https://t.co/YNiluppZFo
— 岩上安身 (@iwakamiyasumi) 2017年10月27日
それが18時頃には一転、「首相指名選挙は渡辺周氏に投票すると決定した」と報道された。当選8回、小選挙区当選者という実績が評価されたそうだ。また、民進党前幹事長の大島敦氏が幹事長と政調会長を兼務、国会対策委員長には笠浩史氏を起用すると発表された。
岩上安身は報道を受け、以下のようにツイートしている。
「渡辺周さんになったことで、希望が日本会議第二政党支部、みたいな点ははっきりしましたね。民進党内でリベラル風に見られていたの嫌だったろうなぁ」
- 岩上安身ツイート(2017年10月27日)
たった今、更新しました。病院から戻ってきてバタンキューしており、目が覚めて世の中に復帰した瞬間、ちょっと遅いニュースに反応。ご寛恕を。渡辺周さんになったことで、希望が日本会議第二政党支部、みたいな点ははっきりしましたね。民進党内でリベラル風に見られていたの嫌だったろうなぁ。 https://t.co/uCrJf5LHXP
— 岩上安身 (@iwakamiyasumi) 2017年10月27日
渡辺周氏は、日本会議国会議員懇談会の副会長、民主党時代は、「慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会」の会長を務めたという歴史修正主義者にして極右思想の持ち主である。首相指名に二転三転しながら、最後には日本会議の幹部メンバーが首相指名になるという、一気に希望の党の化けの皮が剥がれ、理想像に近づいた形だ。
一方で、結党メンバーで役職に就いたのは笠浩史氏くらいで、後はすっかり陰をひそめている。若狭勝氏は落選し、長島昭久氏の名前もない。細野豪志氏は、10月22日の開票センターに登壇したものの、配布資料で「代表補佐」となっていた肩書が、配布後に「チャーターメンバー」に変更となったことがアナウンスされた。プレスルームのホワイトボードには、「※肩書はありません」とわざわざ注意書きが添えてあった。すでに細野氏はこの時から肩書を剥奪されていた。
以下、10月22日の、開票センターの様子をレポートする。