【衆院選2017・緊急事態条項】認識が180度転換!? 「自民党の緊急事態条項はひどい」〜山尾志桜里氏が岩上安身のインタビューで警鐘「国家に権力を集中すべき立法事実はない。ルールなき制約は侵害になる」 2017.10.17

記事公開日:2017.10.17 テキスト動画
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(IWJ編集部)

 愛知7区から無所属で出馬している、元民進党衆院議員の山尾志桜里候補。衆院選の中盤情勢によれば、対抗馬の自民党候補を追い上げる接戦を展開しているとみられている。

 山尾候補は元検事として法に精通し、今年4月中旬から始まった国会での共謀罪法審議では当時の金田勝年前法務大臣を厳しく追及。法の穴を次々と浮かび上がらせ、エースとして活躍した。

 山尾氏は自民党改憲草案に盛り込まれた緊急事態条項の危険性を認識している数少ない政治家の一人でもある。小選挙区で負ければ比例区復活の道はない無所属候補だ。選挙戦終盤で巻き返しを図り、ふたたび国会に戻ってくることができるのか、要注目だ。

 実は6年前の2011年の段階で、山尾氏は「非常事態には総理に権限を集中させることも必要ではないか」と、緊急事態法の必要性に言及していた。しかし、2017年4月の岩上安身のインタビューでは、その認識は180度転換を見せる。なぜか。岩上が山尾氏本人にその真意を聞いた。

この6年、国家に権力を集中しなければならないような立法事実は見つかっていない

岩上安身(以下、岩上)「山尾さんにお会いすることが叶ったら、どうしても一つだけお聞きしたいなと思っていたことがあるんですよ」

山尾志桜里議員(以下、山尾)「はい」

岩上「というのは、共謀罪と混ぜると危険なのは、秘密保護法もそうだと思いますけど、なんと言っても、改憲、憲法。そのなかでも、政府に非常に大きな権力を集中させてしまう緊急事態条項ではないかと。

 僕らは、かねてより心配していて、岡田代表時代にインタビューしたことがあるんですけど、その時、山尾さんのお話をして、山尾さんが憲法審査会で2011年12月1日に『この非常事態においては、総理に権限集中するということも必要な場合があるのではないか』と。こう発言された。

 民主党では、山尾さんのような法律の専門家、エースがこういうふうに発言しているんですけど、どう考えているんですか?と言ったら、岡田さんがすごく怒って、『そんなこと言わないでください』と言われました。しかし、山尾さんは言っていた、と。いったいどっちよ、ということがありまして」

山尾議員「ええ。私も見てましてから。中継を」

岩上「そうなんですか!? 山尾さんにいつかお会いする機会があったら、山尾さんほどの方が、緊急事態条項の危険性について、自民党と同じ考えなんだろうかと。細野さんと変わらないの?ええ?みたいなくらいに思っておりまして、ちょっとお聞きしたいんですよ。ここはどうなんですか?」

山尾議員「ええ。これ、2011年の12月の話で。6年の時を経て、実際に、いわゆるこの災害という事態において、本当に国家に権力を集中しないと困ったというような事態があったかというと、この6年間、首長さんたちがいろんな会議で、さまざまな発信をされているなかで、ゼロではないですけども、ほとんどの首長さんが、やっぱり国家に権限を集中するよりは、私たち自治体にむしろ権限を下ろしてほしいと。判断をさせる権限を増やしてほしいと。

 国家に権力を集中しなきゃいけないような立法事実がこの6年いろいろ検証していくなかで、見つかってきているかというと、私はそうは思いません」

▲岩上安身のインタビューに応じる山尾志桜里氏(2017年4月10日)

非常事態に一定の人権の制約が必要なら、権力に対する事前の歯止めになるルールが必要

山尾議員「一方で、安倍政権に変わって、非常事態が起きたときに、規範を無視してやりたいことをやっていく。いわゆるちょっと想定できないような政権に、今、向き合っている」

岩上「ほとんど超法規的なことを平気でやってきますからね」

山尾議員「まさに。例えば、やっぱり非常事態に一定の人権の制約が必要だとしたならば、その制約をする際に、権力にしっかり事前に歯止めをかけておくような、ルールを作っておく側面が大事なんじゃないかということも、この後に続けて申し上げているので、私がいま、1番言いたいのは、そちらのことですね。

 制約と侵害というのを分けているんだけど、やっぱりそのルールなき制約は侵害になってしまうので、そこのところを私たち、どういうふうに考えていくかということは、これからも必要だと思います」

岩上「ああ、よかった。ちょっとほっとした」

山尾議員「直接話ができて、よかったです」

緊急事態条項が必要とされた災害にはすでに法整備ができている

岩上「永井幸寿先生が緊急事態条項にすごくお詳しいんですけど、一番始めに引っ張りだしたのは僕なんですよ」

山尾議員「ああ、そうでしたか」

岩上「永井さんは災害というものでは、もう十二分に法整備ができていると。すごく詳しくて、災害問題を30年やってるんですよね。

 憲法審査会に呼ばれて、議員の方々にお話を聞いてもらう機会があって、よかったなあと思ってるんですけれども」

山尾議員「はい。非常にみんな聞き入ってましたよ。

 永井先生のお話は私ももちろん、その場でお聞きをしました。だから、憲法改正ということで、もし本当に必要だとするならば、やっぱり安倍政権で、内閣と立法府。そして内閣と司法権、このトライアングルがものすごく歪んでいますよね。

 法制局長官の人事を変えたりだとか、あるいはここ数回の解散権のあり方も含めて。やっぱりああいう内閣への非常に不適切な権力の集中を統治機構として、どう、まともな三角形に戻していくか。私、今考えなきゃいけないのは、そこじゃないかなと思ってます」

岩上「ですね。まったく逆の方向ですよね」

発令されたら終わりがない緊急事態条項

岩上「もし、緊急事態条項をやってしまったらば、出口が書いてないんですよね」

山尾議員「自民党の緊急事態条項はひどいから」

岩上「しかし、実際には、現実には衆参で三分の二議席をとっていますから、あの自民党案が持ち出されると考えるべきじゃないですか?」

山尾議員「自民党は今、評判が悪いから、一生懸命隠してますけれども。自分たちが出した草案ですからね。撤回してるわけじゃないのでね」

岩上「それをやられたら、もう本当に最後かなというふうに思うので。ああ、よかった。今、すごく発言力のある山尾先生が、特にこの問題に関して、この後のほうが大事よ、ということを言っていただけたので、ほっとした気持ちでいます」

山尾「直接、お話しできて、私もつかえが取れました」

岩上「つかえてたんですね。すいませんでした」

本記事は過去のインタビューより抜粋いたしました。インタビューの全編動画は、こちらからご視聴ください⇒「コミュニケーションの根底が覆る」――共謀罪で空前の「監視・密告・盗聴社会」が到来!? それでも安倍政権が急ぐのはナゼ!? 岩上安身が民進党・山尾志桜里衆議院議員に単独インタビュー 2017.4.10

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