「差別・排外主義者に言われて戸籍を公開することは絶対あってはいけない」民進・蓮舫代表が断言!他方「『台湾籍ない』という部分示す用意ある」と主張!会見では記者質問「抹消」未遂騒動も 2017.7.13

記事公開日:2017.7.14取材地: テキスト動画
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( 取材:城石裕幸 取材・記事:原佑介 記事構成:岩上安身)

 「差別主義者・排外主義者に言われて戸籍を公開するようなことは絶対にあってはいけない」――。

 民進党・蓮舫代表が力を込めて「戸籍謄本の全面開示」を否定した。2017年7月13日、蓮舫氏の定例会見が国会内で開かれた。「戸籍謄本公開」の報道があって以降、その決断に対して多くの批判の声もあがり、蓮舫氏の真意には注目が集まっていた。

▲記者会見する民進党・蓮舫代表

 いまだに部落差別や在日外国人差別が根強く残る日本では、戸籍の開示はきわめてデリケートに扱われなくてはならない。親族のルーツが外国にあるという理由で蓮舫氏に戸籍公開を求めるというのは、非常識であるばかりか、民族差別にもとづく深刻な人権侵害でしかない。一部の民進党議員も含め、戸籍の公開を迫っている者たちは、なぜこんな社会常識がわからないのか。その欠如した人権感覚には強い危機感を覚えざるをえない。

 蓮舫氏は会見で、「戸籍謄本そのもの(を公開する)とは言っていない」と断りつつ、「戸籍ではなく、『台湾籍を有していない』という部分を示す用意はある」と語った。

■ハイライト

  • 日時 2017年7月13日(木) 15:00~
  • 場所 衆議院内(東京都千代田区)

「二重国籍問題」など存在しない!虚構の疑惑を創作し、煽ったメディア・知識人の大罪!

 そもそも、議員になるため選挙に立候補した時点で選挙管理委員会に戸籍を提出しなければならず、蓮舫氏が被選挙権を有していないならば、その時点で不適格となるはずである。また、日本国籍を持つ多重国籍者が選挙に立候補することには公職選挙法上の直接的な規制はなく、国会議員はもちろん、国務大臣や内閣総理大臣になることにも、法律上の直接の規制はない。

 蓮舫氏の「二重国籍問題」なるものは、つくり上げられた「疑惑」に過ぎず、蓮舫氏側には最初から何ひとつ問題など発生していない。問題があるとすれば、「二重国籍問題」なるものを問題視した知識人や扇動された人々の側であり、とりわけ、面白おかしく煽ったメディアの罪は深い。

 また、7月13日の記者会見で菅義偉官房長官が、蓮舫氏の「戸籍謄本公開」に対し、「自身のことは自身がきちんと説明すべきだ」などと便乗したことも問題である。加計学園問題などをめぐる説明責任から逃げ回っている政府の高官の発言とは思えない。筋違いも甚だしい。政策決定プロセスを政治的に歪めたのではないか、という疑惑に対する説明責任と、個人の戸籍の公開を迫るという問題とを、「説明責任」という言葉で同一の次元で語るなど、あってはならないことだ。

差別主義者・排外主義者に屈することは「絶対にあってはいけない、前例にしてもいけない」と強調!

 「戸籍謄本公開」の報道をめぐり、ネット上では、「こうした言いがかりに応じてしまえば、何かあるたびに戸籍謄本を公開するという悪しき前例を作り、今後の社会に大きな悪影響を及ぼす」と懸念する意見が相次いだ。きわめて真っ当な人権意識であろう。

 社会に負の影響を及ぼす可能性について、「非難」されてきた当事者である蓮舫氏はどう考えているのか。そもそも、「戸籍謄本公開」報道はどこまでが事実なのか。会見で蓮舫氏は、「戸籍謄本そのもの(を公開する)とは言っていない」と断り、自身の見解を述べた。

 「日本では戸籍は個人のプライバシーに属するものだ。これまでも述べてきたが、積極的に差別主義者・排外主義者に(公開せよと)言われて公開するようなことは絶対にあってはいけない、前例にしてもいけないと思っている」

 ただし、と蓮舫氏は続ける。

 「一私人、一公人ではなく、野党第一党の党首として、特に安倍総理に対し、強く説明責任を求めている立場から、極めてレアケースだが、戸籍謄本そのものではなく、『私がすでに台湾籍を有していない』とわかる部分をお伝えする準備はある」

 民進党は党の綱領で「共生」「多様性」を強調しているが、一部でも戸籍を公開することは、党の看板を偽ることにはならないか。記者からはそう指摘された蓮舫氏は、「多様性を否定するものでもなく、私は多様性の象徴だと思っている。『共生社会をつくる』という民進党の理念に一点の曇りもない。ただ、私の二転三転した説明に疑念が残っているのであれば、明確にしたい」と語った。

 詳しくは、都議選を総括するブロック会議、党の執行役員会、常任幹事会での説明を経て7月18日に詳しく記者会見するとして、この日は「戸籍謄本」に関する質問はここまでで打ち切られた。

「残業代ゼロ法案」めぐり蓮舫代表に連合・神津会長から電話で謝罪!IWJの質問に回答

 政府は民進党の支持母体である連合の要請を受け、専門職で高年収の人を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」を盛り込んだ労働基準法改正案(残業代ゼロ法案)の修正に応じる方針を固めた。

 連合側は健康確保措置を手厚くするよう政府に要請するとの方針だが、連合の修正要求に政府が応じれば、これまで法案に反対してきた民進党も、賛成に転じるのか。IWJが蓮舫氏の見解を質した。

 「労働者の労働環境をどれだけよくしていくかは民進党の党是でもある。これまで連合と政策協議をしながら、特に裁量労働制や『高度プロフェッショナル制度』のあり方については極めて慎重であるべきだというのが民進党の立ち位置だった。そして連合も同じ立ち位置だと思っていた」

 そのうえで蓮舫氏は、「ただ今回、報道がオーバーランしたこともあって、今朝、(連合の)神津(里季生)会長から私に直接電話があった」と述べ、神津会長から、「コミュニケーション不足だったことを陳謝したい」と謝罪があったことを明かした。

蓮舫代表の定例会見後、安倍総理と神津会長が官邸で会談!「残業代ゼロ法案」修正案で合意!?

 奇しくもこの日の蓮舫氏の定例会見後、安倍総理と連合の神津里季生会長が総理官邸で会談。「残業代ゼロ法案」による長時間労働助長の防止策として、神津会長は労働者に「年間104日以上の休日確保」を義務化することなどの修正を求めた。

▲連合・神津里季生会長(2016年11月10日)

 しかし、この提案はあくまで「週休2日を確保せよ」と求めているに過ぎず、仮に土日に休めば、その他の祝日は休めない。長時間労働の抑制効果は期待できず、歯止めなどとは到底認められない。しかし、連合は、残業代ゼロ法案を事実上、「容認」したことになる。

 政府は近日中に、経団連の榊原定征会長も加えた修正協議を本格化させる見通しで、秋の臨時国会での成立を目指す考えだ。

 長時間労働問題については、日本共産党・吉良よし子議員、労働問題に取り組む笹山尚人弁護士に岩上安身が詳しく話をうかがっている。この機会にぜひご覧いただきたい。

 蓮舫代表は会見で、「連合の中でも闊達な議論があると思う。そのうえで、連合がどういう判断をするか、民進党は口を出す立場ではない」としつつ、「民進党は公党として、その労働法制の中身が納得できるかどうかしっかり判断する」と訴えた。

会見ではフリー記者・宮崎信行氏の質問を議事録から抹消するとの騒動も! 支持率回復の鍵は「戸籍公開」ではなく民進党の体質改善ではないか!?

 「野党共闘」や原発政策をめぐっても、民進党と連合の関係は悪化しつつあるが、民進党は野党第一党として国民の声に応えなければならず、連合の顔色ばかりうかがっていてはならないはずだ。しかし、この日の蓮舫代表の会見では、民進党の体質に疑問を抱かせる騒動が起きた。

 元日経新聞記者のフリージャーナリスト・宮崎信行記者が、残業代ゼロ法案について、「連合会長が修正に応じるということは、法案の成立に応じるということ。(10月に控えた)会長の任期満了前に、後ろから撃つようなことをするのは人としてどうか。(神津会長は)連合発足以来、最低最悪の会長だ」と感想を交えて、法案について質問しようとした。

 そこに「質問だけにしてください」と割って入ったのが、司会の芝博一参議院議員で、芝氏は蓮舫氏の回答後、宮崎記者に対し、「会見ではふさわしくない発言があったので、議事録から抹消するが、いいか」と言い放った。結局、会見終了後に宮崎記者と芝氏が話し合い、議事録削除はしない方向に落着したが、危うく記者への言論封殺に至るところだった。

 宮崎記者は会見後、IWJの取材に応じた。

▲フリージャーナリスト・宮崎信行氏(2016年6月10日、IWJ事務所で)

 「神津会長は7代目の連合会長だが、私は7人中4人に取材してきた。日経新聞時代には連合を担当していたことがある。自分としては7人の中で最低最悪だと思っていると言いたかった。少し言葉は強かったかもしれないが」

 宮崎氏は、「『抹消します』と言われたとき、『最低最悪』という言葉がよくなかったのだということはすぐにわかった」と振り返る。

 「しかし、『抹消する』というのはのめない話なので、会見後に話した。すると、芝氏が矛を収めた。会見が終わった瞬間に、私に対し、『さっきはごめんなさい』と。そして、『この議事録は連合本部や連合幹部のところにいくので、宮崎さんが困るのではないですか』と言われたので、『それでもいいですよ』と答えたら、芝さんが、『では、そのままにします』と」

 まるで宮崎記者を慮っているかのような口ぶりだが、後付けの理由に過ぎないのは明白だ。宮崎記者は、「芝氏は連合を守ろうという深層心理もあったから、ああいう風にとっさに(抹消すると)言ったのだろう」と話した。

 社民党・福島みずほ議員が安保関連法案を「戦争法案」と呼び、自民党は議事録の修正を求めたが、芝氏の今回の対応は、自民党の要求よりも、さらに屈折している。

 「最低最悪」という評価や表現が仮に名誉を毀損するものだとしても、それは連合会長に向けられたものであり、民進党に向けられたものではない。当事者ではない者が、血相を変えて抗議するのはおかしな話であり、宮崎記者の質問の表現に問題があると感じたら、その場で「そうした表現はいかがなものか」等々とたしなめるなり反論するなりして、その応答を世間の評価にゆだねるべきであろう。

 オープンな会見の議事録から、他者である記者の、自分の党への批判ではなく、第3者への批判を「抹消」したところで、何の意味があるのか。支持母体である連合へのおもねりを、あからさまに世間の前で披露してしまって、どうするのか。あまりに稚拙ではないか。

 民進党の支持率の低下は、戸籍謄本の公開要求に部分的に応じることなどで回復するだろうか。自民党の相次ぐオウンゴールを前にしても、民進党の支持率アップにつなげられないのは、たびたび民進党が見せるこうした中途半端な姿勢に、有権者が今ひとつ信頼を寄せきれないと感じるからではないか。

 民進党は、平素は自民党よりもよほどきれいな言葉で政治理念を語る。そこに期待を寄せる有権者も間違いなく存在する(あるいは存在した)。しかしその分だけ、失望させられる場面に出くわすと、落胆の幅も大きくなる。「偽善」は、欲望と悪徳むき出しの汚職政治よりも、時に嫌われたりもする。

 宮崎記者には2016年の参院選時に、全国選挙区の当落予想について岩上安身が詳しく話をうかがったので、あわせてご覧いただきたい。

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