共謀罪についての理解を深めるため、不定期で始まった「共謀罪を考える超党派の議員と市民の勉強会」。平岡秀夫弁護士と海渡雄一弁護士を招いた第1回、孫崎享氏を招いた第2回に続き、2017年3月1日に第3回目となる勉強会が開催された。
この日は立命館大学教授で刑法学者の浅田和茂氏と海渡雄一弁護士が講演を行った他、治安維持法違反で多くのメディア関係者らが逮捕された「横浜事件」(1942年)に関するビデオ上映が行われた。
(取材・文:IWJ編集部、記事構成:平山茂樹)
【緊急特集】 共謀罪(テロ等準備罪)法案シリーズ
※4/21テキストを追加しました。
共謀罪についての理解を深めるため、不定期で始まった「共謀罪を考える超党派の議員と市民の勉強会」。平岡秀夫弁護士と海渡雄一弁護士を招いた第1回、孫崎享氏を招いた第2回に続き、2017年3月1日に第3回目となる勉強会が開催された。
この日は立命館大学教授で刑法学者の浅田和茂氏と海渡雄一弁護士が講演を行った他、治安維持法違反で多くのメディア関係者らが逮捕された「横浜事件」(1942年)に関するビデオ上映が行われた。
記事目次
■ハイライト
今国会で審議されている「共謀罪」法案(組織犯罪処罰法改正案)で浅田氏が注目するのが、「未遂」どころか「共謀」段階での処罰範囲が大幅に拡大されてしまうという点だ。
日本の刑法は原則的に「既遂」を処罰の対象としており、「窃盗」「器物損壊」といった犯罪の「未遂」は処罰の対象としていない。しかし、今回の法案で「共謀罪」の適用範囲として政府が掲げた277の犯罪には、これまで「未遂」段階では処罰されなかったものも多く含まれている。つまり、「未遂で終わったのでそれ自体は罪にならないのに、共謀したということだけで罪が成立してしまう」のである。
「共謀の段階で処罰するというのは、刑法的介入を早めるということ。それが今回の法案により277の罪に適用されることになる。(従来の処罰対象の)前段階、前々段階から処罰するというのは、私から言わせれば暴挙以外の何ものでもない」
浅田氏はこのように述べ、刑法学の専門家として犯罪対象を大幅に拡大する「共謀罪」法案に強い危機感を示した。
市民の内面にまで干渉しかねないという点から、共謀罪はしばしば「平成の治安維持法」などと呼ばれる。1925年に普通選挙法という「アメ」に対する「ムチ」として制定された治安維持法は、太平洋戦争勃発直前の1941年5月に改正され、「国体の変革」「私有財産制の否定」に関する「準備行為」を罰則化。これにより、「横浜事件」をはじめとして官憲が「思想犯」を次々と検挙することになった。
しかし、この日の集会で講演した海渡雄一弁護士によると、現在の安倍政権が成立を目指す「共謀罪」法案は、治安維持法以上に危険な性格を持っているという。
(…会員ページにつづく)
治安維持法は「伝家の宝刀」ではない!「治安維持法」市民弾圧の歴史と共謀罪 ―― 第3回共謀罪を考える超党派の議員と市民の勉強会 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/365761 … @iwakamiyasumi
犯罪を犯さなくても、犯罪の話をしたら逮捕されてしまう。それが「共謀罪」だ。
https://twitter.com/55kurosuke/status/844467404084297729