「(森友学園問題は)安倍内閣の強権的な権力政治の一つの現れだろう」
自由党の小沢一郎代表は2月28日の定例会見で、学校法人「森友学園」へ国有地がただ同然で払い下げられた問題について「誰が考えても理解できない問題で徹底的に真相を解明しなければならない。党としても全力で調査する」とIWJの質問に答えた。
同学園へ9億円以上もする国有地が、結果200万円という法外的な価格で払い下げられた問題は、今や「森友学園」だけにとどまらず、第二の「森友学園」疑惑へと広がりを見せている。安倍総理が「腹心の友」と呼ぶ、学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長が運営する岡山理科大に、なんと37億円にもおよぶ土地が無償譲渡される疑惑も浮上している。
森友学園をめぐる数々の疑惑は安倍政権の「強権的な権力政治」に拠るところだと指摘する小沢代表は、日頃から「安倍内閣の暴走を止めるために政権交代が必要」と主張してきた。長く自民党に身を置いてきたベテラン議員として、安倍自民党は「歴代自民党とは全く異質のもの」とも言い切り、「反国民的」「反民主的」だと非難した。
小沢代表は森友学園が運営する「塚本幼稚園」での安倍昭恵総理夫人のスピーチの内容も問題視した。「普通の公立学校の教育を受けると、せっかくここ(塚本幼稚園)で芯ができたものが(公立の)学校に入った途端に揺らいでしまう」とする、まるで公立学校教育の否定とも取れる発言について「行政府の長の妻として非常におかしな言動だ」と批判した。
以下、IWJの質問に対する小沢一郎自由党代表の回答を掲載する。
▲小沢一郎自由党代表
- 日時 2017年2月28日(火) 16:30~
- 場所 参議院議員会館「希望の会(自由・社民)会派事務室」(東京都千代田区)
小沢一郎代表「(森友学園問題は)私どもとしても由々しい問題だと思います。安倍内閣の強権的な権力政治の一つの現れだろうと思いますね。
これが問題になってからテレビで総理夫人の挨拶などを見聞きする機会がありましたが、国民の財産である国有地の払い下げを、ただ同然で特定の人に払い下げをすることは本当に誰が考えても理解できない問題で、これは徹底的に真相を解明しなければならない。
総理は『もし自分や自分の妻が関係していたとすれば、総理も議員もやめる』と国会で話されたそうだけども、奥さんがあれだけ強烈な挨拶をし、名誉校長ということ自体で直接、権力の行使に関与したかどうかは別として、少なくとも、それだけで大きな影響があったことは否めない事実です。
自分が直接、財務省や国交省に指示をしたりしなくても、当事者に大きな影響を与えたと思っています。これからさらにどういう事実があるのか、党としても全力で調査をしたいと思います。
国民の財産を自分たちの特別の仲間の一人に、ただであげるということですから、こんな馬鹿なことが許されるはずがない。
幼稚園の園児教育の内容等も我々にとっては不見識で、理解不能な内容ですけれども、安倍総理の奥さんがものすごく絶賛するような挨拶をしているんですね。
教育は私学ですから中身は自由ですけれども、憲法の『公共の福祉』に反しないものである限りは自由ですけれども、『皇国史観』にたった教育をしようが何しようが、直接、法律に触れるものでない限りいいが、そういう考え方の教育をしていることを非常に褒め称え、素晴らしいと総理夫人が言ったということは政治的な意味において、非常に大きな問題だと思います。
同時に、公立学校ではこういうことをさっぱりやらないのでダメだみたいな話もしている。行政の長の奥さんの発言、総理も同じような考え方を持っているということであるとすれば、非常におかしな言動だと思っています。
安倍政権は小泉政権もそうですけど、自民党政権ではない。なぜならば、その本質とバックボーンとなる哲学を失ってしまったと思います。言葉で言えば強権的な権力の行使。経済活動で言えば、自由競争を最優先。そして、先人が営々として築いてきた社会保障を始めとするセーフティネットを規制撤廃という名のもとにどんどん取り崩していっている。私は歴史に逆行し、民主主義を否定する考え方だと思います。
旧来の自民党はやはり富の国民に対する配分を政治の一つの前提として、哲学として持っていた。そこが全く違う。強いやつが勝つから仕方ないという考え方ですし、自分の国家観に合わないものは権力を行使してでも排除するという感覚ですから、非常に反国民的な反民主的な政権だと思っています。かつての自民党政権とは全く異質のものになってしまったと思います」