IWJから長谷川幸洋論説副主幹に宛てた質問状を公開!「ニュース女子」で東京新聞が放送一ヶ月後に謝罪記事を出すも長谷川氏本人は雲隠れ!? IWJが深田実論説主幹に直撃!(第10弾) 2017.2.3

記事公開日:2017.2.3 テキスト
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(取材協力:ぎぎまき 文:岩上安身)

 1月2日のTOKYO MX「ニュース女子」が、虚偽の情報やヘイト発言を報じてから一ヶ月経った。この間、IWJは、同番組内で流された悪質な虚偽報道を検証し続けてきた。

 非難されるべきは、番組を制作したDHCシアター、スポンサーとなったDHC、放映したTOKYO MX、武器輸入商社双日エアロスペースの社員でありながら、「ジャーナリスト」を自称して、事実とはいえない情報をレポートした井上和彦氏だけではない。報道情報番組におけるMC(司会)の責任は重大である。

 同番組の司会を務めたのは、東京・中日新聞論説副主幹の肩書をもつ長谷川幸洋氏。長谷川氏はなぜ、虚偽の情報を流し、ヘイト感情を煽る番組の司会をつとめたのか。わきあがる批判に対して、なぜジャーナリストとして事実に基づいた説明や対応をしないのか。

 また、東京・中日両新聞に対しても疑問が残る。この「ニュース女子」のあまりにもひどい番組内容を批判する記事を掲載しながら、自社の論説副主幹が、その肩書きのまま番組の司会を務めることには全く触れていない。同社内で長谷川氏に対して何らかの注意や処分が行われたという発表もない。

 他社(TOKYO MX)については批判するが、自社の人間がかかわる部分はスルーするというのは、報道機関として不公平であり、フェアであるとは到底いえない。また、東京・中日新聞両社は長谷川氏が番組に関わっていた時点で、当事者なのだから、過ちがあれば速やかに訂正や謝罪を発表し、長谷川氏への処分を行なうべきではなかったか。

 ところがいつまでたっても等閑視を続けているので、一体東京・中日新聞はどう考えているのかと、1月17日、東京新聞の「問い合わせ窓口」と「こちら特報部」宛に長谷川氏を論説副主幹に据えている責任を問いただす内容のファックスを送ったが、返事がない。

 そこで、1月30日、今度は同社の論説室を通して、長谷川氏個人に「質問状」を送付したが、回答は長谷川氏からも東京・中日新聞からも返ってこない。長谷川氏には、2月2日までに回答がない場合、「公開質問状」に切り替える旨を伝えておいた。

 すると2日付けの朝刊で、東京新聞が社の見解を発表した。

 一面に、「『ニュース女子』問題 深く反省」という見出しで書かれた謝罪記事は深田実氏という論説主幹の名で出され、1月2日放送分の「ニュース女子」の内容は、これまでの東京新聞の報道姿勢や主張とは異なると明言している。また、事実に基づかない論評は到底同意できないと批判した上で、長谷川副主幹が出演していた事実については「重く受け止め、対処します」と述べた。

 中面では「読者部長」も登場し、番組司会を長谷川氏が務めていたことに対し、読者部に電話やファックス、メールや手紙が250件を超えていたことを明かした。そして、新聞は事実に基づいて、本当のことを伝えるのが使命だとし、今後も、沖縄で何が起きているのか、本当のことを伝える努力を続けていく、と締めくくっている。東京新聞は2日の紙面から、「『沖縄ヘイト』言説を問う」という識者によるインタビュー連載をスタートするなど、長谷川副主幹が招いた世間からの批判に、番組放送から1ヶ月経ってからやっと対応する姿勢をのぞかせた。

 しかし、長谷川幸洋氏本人はいったいどこへ消えたのだろうか。これだけ社会問題化してもなお、沈黙を続けている。東京新聞の謝罪表明を隠れ蓑に、長谷川自身の説明責任が見過ごされていいのか。そんなはずはない。IWJは、論説室に直接連絡を取ったが、長谷川氏は「不在」とのこと。かわって長谷川氏の上司にもあたり、今回の謝罪記事を執筆した深田実論説主幹本人に直接、話を聞いた。

 「沖縄の新聞からも了解してもらっている」と深田実論説主幹~「対処」の中味がわからないのに「了解」を求める!?

 まずは、長谷川氏が、IWJの質問上に全く回答しないままでいる点について質問した。長谷川氏がIWJの質問状に回答を寄せるかどうかは、長谷川氏本人に任せるしかないのか。深田氏にそう問うと「まぁ、そうですね」と、煮え切らない回答が返ってきた。論説主幹である深田氏は、副主幹である長谷川氏の上司であろう。監督責任のある立場にいるのではないだろうか。

 続けて、長谷川氏本人がいまだ何の説明もしていない状況について、社としてどう考えているのかと質問すると、深田氏は「何とも言いようがない。僕が言えることは、今日の新聞で僕の名前で書いたこと。そう理解してもらうしかない」という。

 深田氏は謝罪記事の中で、長谷川氏に対して「対処する」と書いた。それは、どういう意味なのかと聞くと、同氏は「これからどうするかは現在進行形」と答えるに留め、その内容を明らかにしなかった。終始、2日の朝刊で書いた内容で「了解してほしい」と繰り返すのみ。「対処」の中身が不明なのに、「了解してほしい」と言われても、何をどう了解したらいいのか、わからない。

 「沖縄の新聞からも電話がきているが、今、話した内容で了解してもらっている。そういうことでお願いします」とも言われた。まるで、沖縄の新聞とは「手打ち」したので、そちらも矛を収めてくれ、と言われているような気がした。

 記者クラブメディアの「業界内」の会話はこういうものなのだろうか。あいにく我々は「業界内」の人間ではなく、中身の不明な話に「了解」することはできない。

 長谷川氏がこの一ヶ月の間、不問に付されてきたのは、中日新聞代表取締役会長の白井文吾氏に抜擢され、贔屓にされているためではないか、という情報を取材の過程で耳にしたことがある。その点の真偽について、確認のため質問すると、深田氏は「知らない」とだけ言い、いきなり「もういいですよ」と、電話を会話の途中で切った。

 論説主幹の深田氏も難しい立場に置かれて、苛立ちがつのっていたのかもしれない、とも思う。しかし、大新聞の論説主幹が取材の電話を「ガチャ切り」とは、やはり大人気ないのではないか。

 問われているのは、「業界内の了解」ではないはずだ。一般市民、一般の読者・視聴者の目線に立って納得のゆく説明がなされているかどうかである。長谷川氏本人がこのまま何の発言もしないまま逃げ切ったとしたら、一般市民としては到底、納得がいかない。

 長谷川氏は「ジャーナリスト」を名乗り、「東京・中日新聞論説副主幹」という肩書きを掲げてテレビ番組の司会として登場して、「日当」という言葉を断定的に用い、米軍基地に反対する市民が金で買収されて反対運動を展開しているような印象操作をしたのである。東京新聞を大手メディアの中で唯一残った、良心的なリベラルの砦と信じてきた読者は、どれだけ裏切られた気持ちになったことか。

 長谷川氏本人の説明責任がこのまま見逃されていいわけがない。IWJは引き続き、長谷川氏本人からの誠意ある回答を求めたい。本日2月3日付けで、長谷川氏宛に送った質問状を、「公開質問状」としてここに掲載する。

(1)1月2日放送の「ニュース女子」では様々な虚偽が飛び交った。例えば、井上和彦氏のVTRに登場した「地元男性」は、「機動隊が暴力を振るわれているので、その救急車が止められて現場に急行できない事態がしばらく、ずっと続いていた」と証言しているが、高江周辺を管轄する国頭地区行政事務組合消防本部はIWJの取材に対し、「そうした事実はない」として、番組内の証言は事実ではないと否定している。

 明らかな虚偽報道が垂れ流されたわけだが、長谷川氏は番組のMCという重責にありながら、番組中、批判も疑問も呈することもしていないのはなぜなのか。なぜ、ジャーナリストとして、番組内で流される情報に対して、自身で責任をもって調べ、確認を取ろうとしなかったのか。ジャーナリストとして、あるいはニュース番組のMCとして失格だと考えないのか。

 また、放映後、虚偽報道への批判が行われているのに、一ヶ月近くも経つ1月30日現在に至ってもなぜ、謝罪も訂正もしないのはなぜか、自らの責任について、見解をうかがいたい。

(2)1月2日放送の「ニュース女子」は、米軍普天間飛行場付近に落ちていた茶封筒を取り上げ、基地反対派の市民が金銭で雇われているかのように印象づけたが、茶封筒は誰が落としたかも不明で、基地反対派のものと結びつけるには、あまりにも根拠が乏しいものである。しかし当日番組のVTRでは、茶封筒の存在を紹介しつつ、「反対派は日当をもらってる!?」というテロップが出ていた。

 誰のゴミともわからない茶封筒を、なぜ「基地反対派」の日当の証拠であるかのように紹介したのかを、封筒を拾ったというボギーてどこん氏本人に聞いたところ、「基地反対派の人たちが反対活動している現場周辺で見つけたというだけで、それを日当だと決めつけてはいない。茶封筒は一次的な資料として提起し、それを見た方々が推測したり検証したりすればいい」との回答であった。

 数あるゴミの中から、誰のものかも用途もはっきりわからない封筒だけをピックアップして「基地反対派のものであろう」と、何ら証拠も示さず、基地反対派のものであるかのように報じるのは、悪質な印象操作であり、平和運動に取り組む市民らの名誉を毀損するものと考えられるが、なぜ、長谷川氏は前記の(1)と同様、事前に自身で証言の確実性について独自に調べ、確認しようとしなかったのか。

 また、スタジオで茶封筒についてプレゼンが行われた時に、何ら異論も疑問も挟むこともなく、逆に「日当」という言葉を留保なく用いて、この悪質な印象操作に加担したのか。また番組進行に大きな責任をもつMCとして、他のコメンテーターらの発言を制止することもなかったのか。ジャーナリストとしても、MCとしてもきわめて無責任であり、不見識であると思われるが、見解を示されたい。

 また、この点においてもいまだに謝罪も訂正も行われていないが、長谷川氏自身が茶封筒を基地反対派のものであり、日当が支払われていると認識しているというのであれば、その根拠は何か、示していただきたい。

(3)長谷川氏は1月2日の放送で、「聞きたいのはお金ですよ。5万円日当出すなんて、そんなことかつてだってなかった。これは誰が出してるの?」と大袈裟に問題視した。しかし、高江取材を報告した井上和彦氏でさえ「5万円の日当が出ている」などとは発言していない。長谷川氏の発言を信じた視聴者の中には、「基地反対派には1日5万円のお金が支払われている」と、うのみにする者がいても不思議はない。こうした発言について、謝罪・訂正すべきかと思うが、いかがか。

 他方で、放送に多くの非難が集まったせいか、翌週1月9日の放送では、「百歩譲ってですよ、本当に5万円出ていて(高江に)送っていたって、別にだからどうなの」と180度姿勢を転換させている。この矛盾はどういうことか、説明していただきたい。

(4)また、9日の放送で、のりこえねっとが支払った5万円の交通費相当について、長谷川氏は「出所ははっきりしない」と述べているが、のりこえねっとは広く特派員用にカンパを募っており、これは隠してもいない。調べればすぐにわかることだが、リサーチはしたのか。もしくはのりこえねっとに取材したのか。明らかにしていただきたい。

 また、寄付で運営されていることが「出所ははっきりしない」という表現の理由であるというならば、あらゆる寄付・カンパは「出所不明な金」ということになる。これはのりこえネットに限らず、寄付金によって運営されている団体すべてに対する侮辱であり、中傷である。どういう意図でこのような発言をされたのか、明らかにされたい。

 もしリサーチも取材もせず、「出所ははっきりしない」などと述べているのであれば、ジャーナリスト失格であり、悪質な印象操作を行っているとしか受け取れないが、この点に関する長谷川氏の認識をうかがいたい。

(5)長谷川氏は9日報道の「ニュース女子」で、2日放送回について、「大炎上しているんです」「5万円くれる(と報じた)のはデマだ、と」と述べ、2日放送の内容が「デマだと非難されている」との認識を示している。しかし、のりこえねっとが市民特派員に対し、5万円の交通費相当をカンパで支払っていることはのりこえねっと自身が明らかにしている周知の事実であり、「5万円くれる(と報じた)のはデマだ」などとのりこえねっと側が批判する言説も見受けられない。

 「ニュース女子」が批判を受けているのは、「2万」と書かれた茶封筒が日当の根拠かのように取り上げたこと、基地反対派が救急車を停めた事実などないこと(事実無根であることは地元消防が認めている)、まるでのりこえねっとの辛淑玉氏が運動の「黒幕」であるかのように報じたことなど、様々な虚偽が含まれていたことであって、のりこえねっとが5万円の交通費相当を支払っていたと報じたこと自体が批判されているわけではない。

 長谷川氏は批判をかわすために論点をすり替え、問題を矮小化しているように見受けられるが、なぜ、批判と真摯に向きおうとしないのか、お答えいただきたい。

(6)9日放送の「ニュース女子」において、長谷川氏は、のりこえねっとが高江特派員に「1000字のレポート」の提出を義務づけていることを取り上げたうえで、のりこえねっとの5万円の交通費相当について、「原稿料、破格に高い。私の『現代ビジネス』のコラムでもそんなにもらえない」と述べている。

 しかし、のりこえねっとのチラシには高江特派員について、「高江にたどり着いて、TwitterやFacebookなどのSNS、もしくはツイキャスでの中継をお願いします」とも書かれている。のりこえねっとのチラシはスタジオ内の画面にも映し出されており、「1000字のレポート」に対してのみ5万円が支払われているわけではないことは誰の目にも明らかである。

 また、交通費を含め取材経費すべて込みにした支払いであって、長谷川氏の言うような「原稿料」のみではなく、「破格に高い」とは、視聴者に対するミスリーディングではないか。

 「私の『現代ビジネス』のコラムでもそんなにもらえない」というのが事実であれば、自身の『現代ビジネス』の原稿料を明らかにし、それが現地取材を義務づけたもので、その経費も含んだものであることを明らかにすべきである。現地取材を必要としない、机上で書く「コラム」の原稿料と比較したのであれば、不適当であり、修正し、謝罪すべきではないか。

 こうした細部の事実を徹底的に無視し、虚偽の情報をもとにのりこえねっとや沖縄の平和運動を嘲笑する「ニュース女子」は、報道番組としてあまりに不誠実であり、公共の電波を使って放送するにはあまりにも不適切であると考えられるが、長谷川氏の見解をうかがいたい。

 長谷川氏は東京・中日新聞論説副主幹の肩書きをもち、その肩書きによって社会的信用性を得ており、番組にもその肩書きで登場されている。これは長谷川氏一人の問題ではなく、東京・中日新聞全体への信用性にかかわる。

 東京・中日新聞は、長谷川氏の発言や司会ぶりについて、(一部の外部寄稿をのぞいて)等閑視し続けているが、これは長谷川氏の言動を、東京・中日新聞の顔ともいうべき論説副主幹にふさわしい言動であると認めてのことか。それとも会社は不都合とは思いつつ、見て見ぬふりをしているのか。同社内に、長谷川氏への批判は存在しないのか。明らかにされたい。

(7)長谷川氏は1月9日の「ニュース女子」で、2日放送の「ニュース女子」が多くの批判を集めていることについて、「いずれにせよ、こういうふうに報道すると、こういうふうに波風(立てて)騒いで恫喝もされるんだということがよくわかった」と、居直りともとれる発言をされた。

 虚偽放送への正当な批判に対し、誠意ある姿勢で謝罪・訂正を行なうのではなく、「恫喝」という言葉を使って、まるで自分のほうこそ被害者であるかのように装うのは、ジャーナリストとしてあるまじき姿勢かと思うが、その点をどう考えるか。

(8)「ニュース女子」を制作している「DHCシアター」が2017年1月20日、釈明の声明を公表した。その中でDHCシアターは、「基地反対派の言い分を聞く必要はない」と断言した。これは、取材放棄、事実確認放棄という、まさしくジャーナリズムとしては自殺に等しい態度であり、「ニュース」と冠した報道情報番組として、到底許される姿勢ではない。ジャーナリストであり、東京・中日新聞論説副主幹として、長谷川氏は「DHCシアター」の声明に同意し、受け入れたのか。明らかにされたい。

(9)日本民間放送連盟の放送基準によると、「ニュースの中で意見を取り扱う時は、その出所を明らかにする」「社会・公共の問題で意見が対立しているものについては、できるだけ多くの角度から論じなければならない」と規定されている。しかし、これまで指摘してきたように、今回、長谷川氏が司会を務めた「ニュース女子」はこの規定を明らかに逸脱している。また上記(8)のように、その「必要はない」とまで言い切っている。この居直りが許される根拠を示してもらいたい。

(10)長谷川氏は今回のニュース女子でも、フリージャーナリストとして自己の主体的責任において言論活動を行っているわけではなく、上記(6)(8)でも示したように「東京・中日新聞論説副主幹」という肩書きを名乗った上で、番組のMCをつとめている。こうした肩書を名乗った上で、虚偽報道の片棒をかつぐことが許されているのは、なぜなのか。我々が取材したところによると、長谷川氏は中日新聞会長の白井文吾氏に重用され、白井氏が後ろだてとなっており、社内でも長谷川氏を批判できない空気が醸成されているという。それは事実なのか。明らかにされたい。

 以上は、1月30日付で東京新聞論説室に送った質問状の内容全文である。(6)のように、東京新聞が長谷川氏について「等閑視してきた」という記述があるが、2月2日付の謝罪記事が出る前の質問状であることをお断りしておく。また、途中にさしはさんだ脚注や関連記事は、質問状には入っていないこともつけ加えておく。

 長谷川氏本人から、これらの質問に対し、誠意ある回答が示されるのを望みたい。

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