「今、高江を救えるのは米大統領である、オバマ氏なのではないでしょうか」――沖縄県北部訓練場でのヘリパッド建設に関するオバマ大統領への緊急公開書簡の提出についての記者会見 2016.12.7

記事公開日:2016.12.12取材地: テキスト動画
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(取材・文:阿部洋地)

 2016年12月7日(水)日本外国特派員協会にて、沖縄県北部訓練場でのヘリパッド建設に関するバラク・オバマ大統領へ緊急公開書簡を提出した元内灘町議会議員の水口裕子氏と、FoE Japan理事の満田夏花氏、蝶類研究家の宮城秋乃氏の3者で記者会見が行われた。

■ハイライト

 オバマ氏に緊急公開書簡を提出した水口氏は、「基地はいらないという民意を示し続けている沖縄に対し、安倍政権はあまりにも冷酷です」と現状の受け止めを述べ、「沖縄に基地を集中させている本土の責任を受け止めて、沖縄は決して孤立していないし、孤立させはしない。その思いでいる方たちの思いのこもった公開書簡を本日(2016年12月7日)の午前中に投函してきました」と報告した。

▲記者会見の様子(右から)水口裕子氏、宮城秋乃氏、満田夏花氏

▲記者会見の様子(右から)水口裕子氏、宮城秋乃氏、満田夏花氏

 IWJは沖縄件東村高江の北部訓練場ヘリパッド問題について、現地より精力的に取材している。下記の記事も合わせてご覧いただきたい。

 2016年11月8日(火)にアメリカ大統領選が行なわれ、共和党のドナルド・トランプ氏が新大統領になったばかりだが、新大統領のドナルド・トランプ氏ではなく、なぜバラク・オバマ現大統領に公開書簡を送ったのかとの記者からの問いに対し、水口氏は「彼(オバマ氏)はやはり平和を求めていると思います」と述べ、その理由として12月はじめにノースダコタでパイプラインの工事が先住民族の抗議を受けルート変更されたこと(※)を挙げた。

※ノースダコタ州など4州にまたがる全長約1900キロの送油施設「ダコタ・アクセス・パイプライン」の工事のこと。ノースダコタ州の先住民族のスタンディングロック・スー族の居留区の近くを送油管が通るため、送油管が破裂したり原油が漏れ出したりした場合、環境が汚染され、先住民の生活を脅かすとして抗議活動が続いている。2016年12月4日、オバマ政権はオアへ湖周辺の土地利用権を認めない判断を下したため、スタンディングロック・スー族の居留区付近を通過する建設ルートの実現が困難になった。
ノースダコタの送油管、先住民の抗議受けルート変更へ 米(CNN、2016年12月5日)
「歴史的勝利だ」ダコタ・アクセス・パイプライン建設中止、何が画期的だったのか(ハフィントンポスト、2016年12月10日)

 水口氏はさらに、「ノースダコタの事件のことを、私たちは沖縄の高江と呼んでいました。みずがめであること、住民たちの聖地であること、生き物たちの聖地であること。(沖縄の高江と)全く同じようなシチュエーションでありました。彼(オバマ氏)がキャリアの最後にパイプラインの工事をストップさせた。最後の仕事として、高江にも彼の思いを活かしていただきたいと、そして活かしていただけるものと信じて、オバマ大統領に書簡を送りました」と答えた。

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