10月4日、衆議院第一議員会館で「NHK全国退職者有志」による「緊急院内集会 籾井会長NO!取り戻せNHKを視聴者の手に!」が開催された。2015年2月までNHK経営委員委員長代行を務めていた上村達男氏が基調報告を行ったあと、メディア関係者や研究者らがリレートークを行った。
2013年12月の就任以来、様々な問題発言を繰り返してきた籾井勝人会長だが、来年1月に任期切れをむかえ、続投か、退任かが注目されている。今年6月にはNHK会長を選任する経営委員長に、JR九州相談役の石原進氏が就任した。
石原氏といえば、今年7月まで日本会議福岡の名誉顧問であり、また原発の必要性を訴える財界人らで構成された「原子力国民会議」の共同代表でもあった人物だ。3年前の会長指名で籾井氏を推薦したのも、他でもない、石原氏である。NHKの次期会長を、石原氏のもとで適切かつ公正に判断できるのか、非常に疑問だと言わざるを得ない。
集会では、上原公子元国立市長らが、退職者有志の提言する「公募や推薦制の導入」に賛同の意を表わした。これが実現すれば、現在のように経営委員のみが各自で推薦する候補を出すのではなく、受信料を支払う視聴者が、NHK会長候補を推薦することができ、その選考にあたっては明確な基準が求められることになる。
また砂川浩慶立教教授は「安倍政権は、あそこまで分かりやすい籾井さんで失敗したと思っている」との見方を示し、「今からポスト籾井をきちんと考えておかなければならない」と訴えた。現在NHKの次期会長候補として各メディアに取り沙汰されている増田寛也元総務相については、「自民党筋から出ている名前で増田博也さんの名前が出ているが、都知事候補として自民党から推薦を受けた人が、NHK会長になっていいんですか?」と疑問を投げかけ、「すでに政治的中立性がないことは明らかだ」と批判した。