野党統一候補である鳥越俊太郎候補の街宣が2016年7月29日(金)17時30分より、東京都渋谷区の渋谷駅ハチ公前にて開かれた。応援には民進党、共産党、社民党の各党の議員に加えて、上智大学教授の中野晃一氏、作家の澤地久枝氏、歌手の加藤登紀子氏らが駆け付けた。
最後にマイクを握った鳥越氏は、29日のテレビ番組の討論で、小池百合子氏がかつて「核武装」を掲げていた事実を「ねつ造だ」と都民に堂々と嘘をついたことを批判した。
(文:西原良太)
※7月30日テキストを追加しました!
野党統一候補である鳥越俊太郎候補の街宣が2016年7月29日(金)17時30分より、東京都渋谷区の渋谷駅ハチ公前にて開かれた。応援には民進党、共産党、社民党の各党の議員に加えて、上智大学教授の中野晃一氏、作家の澤地久枝氏、歌手の加藤登紀子氏らが駆け付けた。
最後にマイクを握った鳥越氏は、29日のテレビ番組の討論で、小池百合子氏がかつて「核武装」を掲げていた事実を「ねつ造だ」と都民に堂々と嘘をついたことを批判した。
記事目次
■ハイライト
最初に応援演説したのはアナウンサー出身で、今月10日の参院選長野選挙区で初当選した民進党の杉尾秀哉参議院議員。杉尾氏は鳥越氏とのツーショットのポスター(二連ポスター)を用いて参院選を戦うほどの、旧知の仲である。
杉尾氏は鳥越氏について、「今の日本の状況、そしてこの東京都の状況、そしてこれからの日本の国、これからの社会のすがたに。ものすごく強い危機感をもっていらっしゃる」と述べた後、鳥越氏の76歳という年齢についての不安に対し、次のように述べた。
「確かに絶対的な年齢はある程度はいっていますけど、鳥越さんは元気です。本当にあの人は好奇心の塊です。本当に強い、強い、強い使命感をもっていらっしゃる。『俺が出なければ誰がやるんだ』という想いです」
そして杉尾氏は、鳥越氏の立候補の動機について、次のように続けた。
「今の日本の政治、どう考えてもおかしい。あまりにも独善的すぎる。アベ政治がまさにそうです。国民の言うことを全く聞かない。原発も然り。そして、あの安保法制然り。今度は憲法改正をやろうとしている。選挙で隠しておきながら。鳥越さんは正義感が強いから、(こういうことは)許せないんです。なんとかしなきゃいけない。『自分がやらなきゃいけない』と思った」
杉尾氏は安倍政権が進めるアベノミクスにより、社会の格差が進行し、中間層が崩壊しかかっていることを批判。そのうえで、政治がワーキングプアや貧困層などを含む弱者のために機能していないことを強く批判した。
「障がい者の方、高齢者の方、そして介護が必要な方。こういう人たちに政治がちゃんと手を差し伸べていない」
そして、待機児童の問題、奨学金や非正規雇用の問題など、若い世代の多くが抱えている問題を挙げ、「こうした取り残された人たち、弱い立場の人たちを、鳥越さんは何としても自分の手で救いたいと思っている。その一念で立候補を決断した」と語った。
続いて演説したのは共産党の吉良よし子参議院議員。吉良氏は開口一番、次のように訴えた
「何としても鳥越俊太郎さんを都知事に押し上げて、みんなに都政を取り戻そうではありませんか!」
「みんなに都政を取り戻す」とは、どういうことなのか。東京都の予算は13兆円、スウェーデンの国家予算に匹敵する。吉良氏は、それほどの予算があるにもかかわらず、待機児童が2万数千人、特養ホームに入れない高齢者が4.3万人、若者は貧困と格差で進学を断念せざるを得ず、働いても非正規雇用かブラック企業で長時間労働は当たり前、それに見合う給料がもらえない若者が増え続けていること批判し、次のように続けた。
「オリンピックを口実にした道路開発に2,200億円もかける余裕があるのなら、そのお金を、若者のために、高齢者のために、保育に介護に、都民のために、使うべきなのではないでしょうか」
そのうえで吉良氏は、増田氏が岩手県知事時代に公共事業と言う名のバラマキにより借金を倍増させたことや、小池氏の主張する「待機児童対策」が、狭い保育園に詰め込む危険な政策であることを指摘した。
「『保育と言うなら、質を向上させるため、保育士さんの処遇改善が必要だ。学生たちに、給付性の奨学金つくります』と、はっきり言っている鳥越さん。何よりも、公共事業なんかよりも、人のいのちに、人のために、予算を使えと、最初から言い続けている鳥越俊太郎さんだ」
次にマイクを握った民進党の辻本清美衆議院議員は、ジャーナリストである鳥越氏に、都知事になったら税金の使い道やオリンピックの予算について「情報を公開してほしい」と語った。そして、病気を経験した鳥越氏だからこそできることがあると、次のように訴えた。
「弱い立場の一番しんどい思いをしている人たちに、介護や医療や子育てという、しんどい時のための、いのちを守る予算に税金を組み替えてほしい。ほかの候補者にはできません」
「誰でも病気になるでしょう。誰でも弱い立場になるでしょう。しかしその病気と闘い、病気を克服した人は、責任のある立場につけないのが日本ですか?違うでしょう。病気と闘い、病気を克服して、そしてがんばろうとしている人を応援・支援していこうとするのが東京であり日本じゃないですか」
(…会員ページにつづく)