【公共性に鑑みフルオープン!】日本最大の活断層「中央構造線」が動いた!? 「南海トラフ地震」まで残り時間は30年?関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員・青木正美氏が第49回ロックの会で緊急警告! 2016.4.15

記事公開日:2016.4.15 テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

 突然の大地震が九州を襲った。

 2016年4月14日夜、熊本県益城町では最大で震度7が観測され、今も激しい余震が続いている。熊本県によると、5日午前2時現在で県内約350カ所に計約2万3千人が避難。家屋倒壊や火災も各地で発生し、怪我人も相次いだ。県内5カ所の主要病院だけで負傷者計約390人を受け入れているという。

 いったい、この地震の正体は何なのか。IWJ代表・岩上安身は15日未明、関西学院大学災害復興制度研究所客員研究員で、4月9日に行われた「ロックの会〜IWJ Night」でも巨大地震に警鐘を鳴らした青木正美氏(医師)に見解をたずねた。

 以下、青木正美氏のコメント。

 「今回の熊本の地震は、内陸部の活断層の浅い部分が動いた模様です。日本列島の西部は大陸のユーラシアプレートの下に海のプレートであるフィリピン海プレートが潜り込んでゆく構造になっています。

 2つのプレートによる歪みが限界に達した時、陸のプレートが跳ね上がってプレート境界で起こるのが南海トラフ地震です。南海トラフ地震は約100年に一回の頻度で起こりますが、プレート境界で地震が起こる前には、圧迫された陸のプレート内で地割れのように断層が動き地震が起こります。

 この陸のプレート内で起こる地震が浅い場所で何度も繰り返し起こった場所を「活断層」と呼びます。ですので南海トラフ地震の前には沢山の活断層性の地震が起こります。

 日本列島を横断するように活断層が中部地方から四国・九州を貫いていますが、この活断層は『中央構造線』と呼ばれ、日本で最も大きい活断層と言われています。

 今回の熊本の地震は、この『中央構造線』の一部である布田川断層と日奈久断層が動いたのではないかと思われています。今回、地震の深さが10kmと浅かったためマグニチュード6.5であっても大きな揺れとなりました。この断層は過去にも何度も動いている場所ですので、今後もしばらくは余震が続くのではないかと思われます。

 一方でこの内陸地震は地震のメカニズムの観点から見れば、南海トラフ地震の存在を抜きには語れません。いつプレート境界型地震が起こるのか時期は定かではありませんが、今後も南海トラフ地震の発生に備えを万全にしておくべきと思われます。

 また、伊方原発が中央構造線上にあります。ここも動く可能性があります。南海トラフ地震発生のリスクを鑑みて、伊方原発の再稼動はするべきではないと思います。

 また震源地の近くの阿蘇山などの活火山では、陸のプレートに掛かっていた圧のバランスが変化するために、マグマの上昇の可能性があるため、十分注意を要します。

 伊方原発は南海トラフ地震では震度6ぐらいの地震に見舞われると予想されます。津波も来ますが、南海トラフ地震の前に、大きな地震が来るのではないかと思われます。今回の熊本地震と同じメカニズムの活断層型地震です。

 ロックの会では、南海トラフ地震によって直撃される代表的な原発として、伊方と浜岡の名前をあげましたが、浜岡の真下は、東海地震の震源域になります。この地震は、南海トラフ地震の一部なのです。浜岡原発の直下には、プレート境界があるのです。

 伊方、浜岡、川内、玄海とも、再稼働の有無だけが問題なのではない。停止していても使用済み燃料があります。そのプールは原子炉建屋よりもはるかに脆弱な構造であり、再稼働を停めただけで満足してはならず、これから必ず起こる南海トラフ大地震に備えるには、乾式保存が必要。

 ちなみにロックの会では南海トラフは100年以内と言いましたが、前回の南海&東南海地震が1944年と1946年でした。3枚揃わずに、しかも一年飛びで起こりました。でそれから70年経っていますので、約100年間隔でくるとしたら、残り時間は30年になります」

 青木氏がロックの会で語った「南海トラフ地震」の脅威は、以下の動画からご覧いただきたい。公共性に鑑み、特別フルオープンで公開する。

■青木クリニック院長・青木正美氏発言

青木クリニック・青木正美氏発言全文

青木正美氏「本業はペインクリニックの医者なんですが、阪神淡路大震災に今から21年前に遭遇して、そこで医療支援に神戸に入りました。そこで見たものが今の私の原点になっています。今から起こるであろう、一番危惧している地震のひとつが『南海トラフ地震』で、これについて今日はちょっとご説明をしたいと思います。

 今日の表題は『南海トラフ地震、この国難を乗り越えられるのか』とつけました。

 日本列島というのは4つのプレートの端境に立っていると言われています。311の東日本大震災は、この右の上の方ですね。北米プレートという陸のプレートに太平洋プレートという海のプレートが潜り込んでいって、これが限界に達して戻った時に地震が起こるという、プレート境界地震によって起こったものです。

 同じようにプレート境界地震で非常に大きいものが南海トラフ地震、これは西のほうで起きてまいります。ユーラシアプレートという大変大きい陸のプレートがあります。これにフィリピン海プレートというプレートが潜り込んで、これがまた限界に達すると、跳ね返ってくる。跳ね返ってくる時に起こる地震を『南海トラフ地震』と言っています。

 南海トラフ地震の震源領域というのは、大きく分けて3つあります。これは西日本の地図です。一番右の方の黄色く染まった当たりが、伊豆半島です。左が四国ですね。

 この伊豆半島の付け根のあたりから、東海地震。それからちょうどこの真ん中が東南海地震。そして、四国のところが南海地震。東海、東南海、南海という3つの震源領域があります。

 同じようなプレート境界型地震なんですけれども、5年前に、東日本大震災がありました。この東日本大震災の時に起こった被害と、これから起ころうとしている南海トラフ地震の被害の想定を比べたものがあります。

 東日本大震災の場合、マグニチュード9。マグニチュードというのは地震の大きさなんですが、地下で地震の地面が割れていきます。この割れる面積のことをマグニチュードといいます」

岩上「マグニチュードはほぼ同じということですね。東日本大震災と南海トラフ地震は」

青木「マグニチュードは同じです。浸水の面積が561平方キロメートル。ここに住んでいた方が、62万人いました。そして、死者、行方不明者が1万8千800人で、建物が壊れたのが13万棟だったんです。これに対して南海トラフ地震の方は、マグニチュードはだいたい同じくらいですが、津波によって浸水する面積が大体1.8倍。倍ぐらいになります」

岩上「津波もやっぱり起こるんですね?」

青木「すごく大きい津波が起こります。それから、浸水域内の人口が163万人…これは東日本大震災の約2.6倍になります。そして、次の数字が衝撃的なんですけど、地震というのは時間と季節によっていろいろとパラメータが変わってきますが、死者、行方不明者が最大数で約33万人が亡くなるのではないかと言われています。死者の数が東日本大震災の17倍になる、ということですね。そして、建物の倒壊数が239万棟です。これは東日本大震災の建物の倒壊数の18倍になります。

 経済的被害は、だいたい10倍というふうに見積もられていますけど、やはり亡くなる方と、全壊するお家の数だけ考えても、20倍。もしかすると日本の中枢部がやられていきますから、30倍ということになってくるかもしれません。

 これが、東海、東南海、南海のちょうどこの西日本の震源領域を出したものですが、ここに浜岡原発というのが、一番右の方にドットでありますね。

 それから、こっちの四国の端、愛媛県の細長い佐多岬半島というところの付け根に、四国電力の伊方原発という原発が2つ、南海トラフ地震で被害が膨大に起こるところにあります。

 特に浜岡原発というのは、東海地震の震源域の真上に立っています。実は3.11の東日本大震災で、福島第一原発が壊滅的にやられたわけですけれども、この福島第一原発というのは震源地から100キロの沖合にありました。

 ところが浜岡原発の場合には、震源地の真上に立っています。

 これもう非常に恐ろしいことなんです。南海トラフ地震が起きると、どういうことが起こるかというと、静岡県とか高知県で震度7、大阪府で震度6強になります。死者は最大33万人、経済被害規模が220兆円…日本のGDPの約42%。3.11の10倍以上になります。

 避難者生活者数…要するに自分のお家がなくなっちゃって、一週間後に避難所で生活するかたが500万人にものぼります。断水は3440万人。停電が2710万人。石油コンビナートとかも890施設がやられます。

 もし昼間に起こりますと、エレベーターの閉じ込めだけで、2万3千人が閉じ込められます。食糧不足が3日間で3200万食。とんでもない数字になってきます。

 同時に、お水も非常に不足します。対応が困難な入院患者さんが15万人。避難所で5歳未満の乳幼児が19万7千人。最も一番被害が大きいところが、名古屋圏と阪神間の帰宅困難者が、380万人です。孤立する集落が2300集落。鉄道被害が1万9千箇所ですね。港湾、港が5千箇所やられてしまいます。

岩上「この鉄道被害も日本の中枢を通る、東海道、山陽道、これらが壊滅するわけですから、日本の交通、物流がめちゃめちゃになってしまう可能性があるわけですよね」

青木「南海トラフ地震というのは、今後少なくとも30年以内には起こると言われています。そして、私が一番恐いと思っているのが、少高齢化が直撃されることです。また、日本はたくさんの借金があるんですけれども、これで本当に復興費用が賄えるだろか。この上で原発被害など、到底無理だと私は思っています。

 もし発災すれば、福島原発の作業、福島原発は後収束まで100年くらい、もっとかかるかもしれませんが、ここも手薄になってしまいます。そして、なによりもしっかりと肝に銘じていただきたいのは、近代国家としての日本が瞬時に消滅するということです。消失します。

 つまり、近代国家とは何かというと、今日もみなさんが鉄道なり、車なり使っていただいて、この会場にいらっしゃって、こういうイベントに参加して、それから、インターネットを通じてこの画像を観ていらっしゃる。こういうことの暮らしが、すべて近代国家だからできるんですけど、こういうことができなくなります。

 もちろん、停電もすごいことになりますし、何よりも国力が一気に落ちますので、こういう暮らしができなくなってくると思います。ですから、この南海トラフ地震というのは、本当の、本当の国難です。

 南海トラフ地震は今後30年の間におそらく発震するだろうと言われている。ですから、私はオリンピックとか、改憲とか、戦争とかやっている場合じゃないんですね。これとどういうふうに向き合っていくのかいうのが、私の中でとてつもなく大きい。なんと言いますが、今後どうやって乗り越えていくのか、皆さんがたにも考えていただきたい、と思って今日は発表しています。

 中央防災会議というところが、南海トラフの地震が起こったらどうなるのかということで、ワーキンググループをつくっておりまして、いろいろな想定をしています。これは新聞でも伝えていまして、これは朝日新聞のデジタル版からとってきたんですけれども、朝日新聞はいろいろな工夫をこらして、この地震の大きさがわかるように工夫をこらしていますので、朝日新聞、南海トラフ地震と入れていいただくと、とても興味深いサイトに飛んでいきます。

岩上「問題は原発ですよね」

青木「原発ですね。それでなくとも、今聞いていただいたように、南海トラフ地震というのは非常に広域な災害です。静岡県、愛知県、大阪府、四国全般、それから九州の方まで津波被害、それから九州の方まで津波被害、それから地震動の被害がきます。その中で、もしも原発がやられたら、普通の生活に戻るまででも大変。ものすごい広域な被害になるのに、このうえ原発の被害までは、私たちは負っていけません。

 浜岡原発は、ちょうどこの東海地震の震源域のど真ん中にあります。ここで、東海地震が起こると、浜岡原発が1メートルくらい『ボンッ』と隆起すると言われています。今見て頂いているのはマグニチュード7以上の地震の世界中の分布が、赤いドットで書いてあります。

 そして、黒いドットはどこかというと、世界中の原発がある位置なんですね。それで、ヨーロッパとかアメリカとか見ていただきたいんですけれど、わざと地震のある部分に原発を作っていません。

 ところが日本列島の真ん中ごちゃごちゃとなって…赤いのと黒いのと混じっているところが日本列島なんですけど、地震がいっぱいあるにもかかわらず、原発があそこに54基あるという状態です」

岩上「地球上の中の最悪のポイントになっているわけですね」

青木「こういう位置に私たちは暮らしているという。で、3.11が起こるまではこういうことは知らなくてもよかったのかもしれませんが、目の前で私たちは3.11を見ましたから、今この状況がいかに異常であるのかというのを、ちゃんとこれから追っていかないといけないと思います。

 浜岡原発は2011年の5月に当時の菅直人総理大臣が止めました。
だから、停まっているから安心っていう話になっていると思うんですけれど、私は停まっていても全然安心だと思っていません。私たちが3.11で一番学んだのは何かというと、原子炉は以外に強い…もちろん穴が開いてメルトダウンしましたけれど、思ったより強いものなんだな、というのがありました。

 その代わり、使用済み燃料プールというのは、全然知らなかったんですけど、滅茶苦茶脆弱だったんですね。特に福島第一原発4号機。4号機は運転していなかったにもかかわらず、4号機の使用済み燃料プールがもう危機で、これがやられちゃうと東日本は壊滅だ、という話にまでなっていました。

 ということは、燃料プールを何とかしっかりしないと、この先日本の危機は続きますよ、ということなんだと思います。そして大きい地震が起こった時に、これはどこかの原発の中なんですけど、こういう配管がいっぱいあって、これが上下左右に動くわけですから、配管の破断がくると思います。

 これが配管ですね。こういうのが切れれば、当然、大きい事故になると思います。浜岡原発というのは、津波がくるところで有名なんですけど、実は地震が起こって5分後に19メートルの津波がきます。で、今回の福島第一原発の事故というのは、『津波で全電源喪失が起こった』ということに落とし込めているので、津波さえなんとかなれば原発を動かせると東京電力は思っているんですね。

 というわけで、浜岡原発は19メートル以上の津波がくるので、21メートルの防潮堤を立てて、これがあるから安心だから動かしましょう、ということになっていますけど、なんだか違いますよね? こんな津波で、こんな防潮堤で津波が防げても、ここが1メートル隆起すれば、先ほどの配管が全部やられてしまうんだと思います。

 日本というのは異常なところにあって、この異常さがわかっていないと、原発がいくら止まっていても、南海トラフ地震がくれば、日本は壊滅的な危機になってしまうと私は思います。

 南海トラフ地震が起こるまでにあとどれくらいあるかわかりません。今日くるか明日くるかわからないんですけど、中部電力の浜岡原発には、使用済み核燃料が6625本溜まっています。それから四国電力の伊方原発の使用済み燃料棒は、1324本溜まっています。うち3号器はプルサーマルですから、かなり爆発性も高いということです。

 今日、私のような素人がここで話すのは大変僭越なんですけど、今のまま、原発は停まっていても、使用済み燃料プールの中に燃料プールが溜まっているというのは非常に危ないんです。

 これはドライキャスクといって、この中に乾式、お水に浸かっていない状態で貯蔵するということ、そしてこういうキャスクをたくさん免震昨日の建物を作って、そこに貯蔵していく、それでとにかく地震は仕方がありません、起こるんですから。この地震が起こった時に少しでも被害を少なくしていく以外にないだろうと思っています。こういうお話しは誰も提案してくださらないので、今日、話しています。

 これは四国電力の伊方原発ですね。これ風光明媚のものすごくいい場所にあります。去年一昨年行ってきましたけど、『ここに別荘があったらいいのに。原発がなければ』というところでした。というわけで、一応、こんなところで」

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です