【米大統領選詳報】ミシガン州で驚異の逆転勝利をおさめたサンダース氏! ヒラリー氏を上回る潤沢な資金源は一般市民の少額献金!? トランプ氏の躍進を憂慮したハイテク企業のCEOと多くの議員達が極秘会合!

記事公開日:2016.3.11地域: テキスト
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(記事構成:佐々木隼也、文責:岩上安身)

 米大統領選の民主党候補者指名争いが、もつれにもつれ、結果のみえないデッドヒートの様相を呈してきた。

 スーパーチューズデーの結果を受けて、民主党は“大本命”ヒラリー・クリントン候補の優勢がはっきりした、と、一部には云われていたが、ここへきて、サンダース候補が猛然と巻き返している。

 また共和党はトランプ候補が相変わらず優勢だが、その状況を深刻に憂慮する動きが共和党とその支援者達の間でも出てきた。

 米大統領選挙の民主、共和党の候補者指名争いが2016年3月8日、民主党はミシガン州とミシシッピー州で、共和党はミシガン、ミシシッピー、ハワイ、アイダホの4州で行われた。ミシガン州の民主党指名争いでは、事前のあらゆる世論調査で、ヒラリー氏の支持率がサンダース氏を、最大20ポイントと、大きく上回っていたにも関わらず、サンダース氏が逆転勝利をおさめるという脅威の番狂わせも起こった。

結局、重要なことは「どこからカネが出ているのか」ということ~サンダース氏の力の源泉は市民一人ひとりの「小額献金」

 かつては自動車などの工業生産で知られ、現在そうした産業の低迷に苦しむこのミシガン州において、一貫してTPP反対の立場を鮮明にしてきたサンダース氏の政治姿勢が勝利につながったのではないかと見られている。

 日本政府は、TPP条約を、今国会でなんとしても批准を、と急いでいるが、肝心の米国でTPPの中身が知れ渡るにつれ、強い草の根の反対運動が広がり、それがサンダース候補を後押ししているとみられる。米大統領選に関心を抱く人は、ぜひとも、中身が明らかになりつつあるTPPの驚くべき正体にも関心を寄せていただきたい。

 サンダース氏の選挙活動の強さの源は、何百万人もの市民の少額献金を中心とした、潤沢な選挙資金であると報じられている。この点は、ヒラリー・クリントン候補と対照的である。ヒラリー氏は、主に大企業からの巨額献金でまかなっているが、なんとサンダース氏の草の根の市民からの選挙資金の方が、クリントン氏を大きく上回っているのだ、という(2016年2月分献金額。サンダース陣営:4270万ドル、ヒラリー陣営:3000万ドル。ワシントン・タイムズ紙3月2日付)。サンダース氏が、大資本偏重の政治を変えるべく、強気の姿勢で選挙に臨んでいるのは、こうした薄く、広い、草の根の市民の支援があるからだろう。サンダース氏が、11州と1準州で予備選挙・当大会が争われた「スーパーチューズデー」で大敗し、ヒラリー氏に水をあけられた後でも、20ドルから40ドル程度の少額献金の流れはとどまる事を知らないと報じられている。

 こうした少額献金は、献金者の経済状況を悪化させることはない。そのため、サンダース陣営はそうした資金を直ちに使い、直ちに集めることができるという。そして今回のミシガン州での劇的な逆転勝利を受けて、サンダース氏への少額献金運動はさらに拡大すると見られている(MSNBC Rachel Maddow Show 2016年3月8日付)

 3月9日付のCNNは「(ヒラリー氏は、)サンダース氏が攻撃するウォール街とのつながりについてうまく反論できていないことを示唆している。また、サンダース氏の掲げる経済政策がこれから投票の行われるオハイオ州やイリノイ州、ウィスコンシン州といったラストベルト(米国中西部・北東部を中心とする、かつては重工業、特に鉄で栄えたが、今は沈滞した工業地帯)地域でも支持を得られる可能性が出てきた」と報じている(3月9日付CNN日本語版)。サンダース氏の猛烈な追い上げによって、“大本命”ヒラリーがサンダースを大きく引き離し、安全圏に逃げ込んだという見方は怪しくなっている。民主党の候補者争いは長期化する見込みが出てきた。

巧みなメディア・ネット戦略を駆使し「黒人層」の取り込みに成功したヒラリー氏

 もちろん、ヒラリー氏も負けてはいない。実は、ヒラリー氏がここまで優勢を誇っているのには、大資本(その中にはモンサントを含む)のバックアップだけでなく、「黒人層の厚い支持」がある。ミシシッピー州では、その黒人層の支えにより、投票総数の83パーセントを獲得するという圧勝を示した。

 それほど「黒人受け」の良いヒラリー氏だが、その「秘訣」の一つは、大統領選に必須となってきている黒人票獲得のためのメディア戦略が徹底していることがあげられる。ヒラリー氏はサンダース氏よりも人種差別問題や白人人種の特権、黒人に対する機会の少なさの問題をより多く、そして力強く訴えてきた。

 2012年の共和党候補ミット・ロムニー氏に対するオバマ大統領の再選勝利は大量の黒人票の獲得なしには成し得なかった。黒人票は極めて重要である(AFP 2016年3月8日付)。ヒラリー氏は、2012年のオバマ大統領の再選選挙戦略を実施した戦略家、ツール、リソースを、前例のないほどに利用する権限が与えられている(CNBC 2015年10月14日付)。サンダース氏の地元のバーモント州では黒人の人口は1パーセントのみだが、ヒラリー氏は12年間アーカンソー州で知事を務めたビル氏のファーストレディとして、保健と教育問題に取り組んだ。そしてビル氏は大統領として差別是正政策を支持していた。

 そしてかつて公民権運動にも参加して逮捕されたサンダース氏であるが、彼の焦点は大きく経済格差問題に向けられている(AFP 2016年3月8日付)

 「黒人の味方」、というイメージを、夫・ビル・クリントンのイメージの残像も用いながら、巧みに有権者の脳裏にすり込んでいるのである。

 ワシントン・ポスト紙とユニビジオンの共催で3月9日に開催された大統領選討論会でも、討論が終わった後、窮状を訴えるグァテマラからの移民の女性を、中継を続けるカメラの前でヒラリー氏がすかさず耳を傾け、話し合いに応じる姿が流れた(Election Central)

トランプ氏躍進に暗雲!米ハイテク企業と共和党議員が「躍進阻止」の秘密会合を開催!

 一方の共和党は、首位を独走する不動産王のドナルド・トランプ候補が、ミシガン、ミシシッピー、ハワイの3州で勝利を収め、クルーズ候補はアイダホ州での勝利にとどまった。扇動的で侮辱的な言動を繰り返すトランプ氏の爆走が止まる様子はみえない。

 そんな中、ジョージア州のシー島で先週末、トランプ氏の躍進を阻止するための秘密の会合が行われたと、3月7日付のハフィントン・ポスト英語版が報じた(HUFFPOST POLITICS 2016年3月7日付)

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