(再掲)「財政再建には増税ではなく、天下り先などに貯まっている資産を吐き出すべき」~岩上安身によるインタビュー 第183回 ゲスト 高橋洋一氏 2012.1.18

記事公開日:2012.1.18取材地: テキスト動画独自
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特集 天下の愚策消費税増税
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 2012年1月18日(水)、元財務官僚であり経済学者、嘉悦大学、株式会社政策工房代表取締役会長を務めている高橋洋一氏に、岩上安身が話をうかがった。

 『株式会社政策工房』とは、政治家が言ってきたことを法案として書きなおすという会社であり、「こんなことやっても官僚に恨まれるだけ」であるため、財務省を辞め、「フリーの官僚」になり、ビジネスとして始めたという。

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■ハイライト

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 上げ潮派である高橋氏は、「国の借金は1000兆円と言われるが、国民の資産はまだまだある」と主張。「財政再建には増税ではなく、天下り先などに貯まっている資産を吐き出すべき」と自説を展開した。

 また、「財務省主計局は税率を上げることで利権を得る」と、財務省が増税を推進する理由を指摘。さらに軽減税率を上げることで新聞協会が潤う仕組みなどを解説し、増税に群がる利権構造を厳しく批判した。

 その他、小泉政権下で竹中平蔵のブレーンとなった経緯や、今後予想される民主党と自民党の大連立、自身のTPP推進論など、話は多岐に及び、5時間半の超ロングインタビューとなった。

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 お聞きした様々な話の中で、高橋氏は、財政再建について、「財政再建を本当にしようと思ったら、増税するのではなく持ってる資産を吐き出すべき。橋本行革のときは、役所はアジア危機だったと言い訳した。アジア危機はアジアの話であって日本に直接影響があったとは思えない。財務省は単に『増税が好き』。財政至上主義」とし、「2000年代に成長率が最低だった国は日本。増税できなくなるからお金を刷らない。

 財務省は増税ありき。財政至上主義者しかいなくなってしまった。財務官僚は近視眼的になっているとしか言いようがない。公務員改革をする必要がある。為替レートが安くなり、日本の名目GDPはずっと横ばい。世界中にそんな国は無く、中国にも抜かされた。財務省と日銀の間違いが続いており、マクロ経済に関しては官僚の知的水準が低すぎる」と痛烈に批判した。

 また、民主党に絡め、「民主党が政権を取った後、予算を作らなければならないので、財務省の言いなりにならざるを得なかった。藤井裕久、与謝野馨は財務省の完全なコピー。政権与党である民主党に頑張ってもらうしかない。しかし、執行部と反執行部(小沢派)という構図の中で、小沢一郎に有罪判決が出たらアウト。執行部はそれを見越して、増税しても選挙に勝てると見ている」との見方を示した。

 さらに、高橋氏は、官僚時代の自身の経験から、記者クラブの特権性について、「海外の基準から見たら理解不可能。クラブ内では、各社に対立関係がない。ある記者を『ポチ』と呼んでバカにしてきた。『ポチ度』は忠誠度で図る。官僚の言うとおりに記事を書かせる。むしろ『ポチ』以外を探すほうが大変なくらい」と自嘲気味に語る。

 高橋洋一氏インタビューは、竹中平蔵氏の下にした頃の経験やTPP交渉参加すべきという意見、イラン・ホルムズ海峡封鎖をめぐる国際情勢や、エネルギー問題、原発問題など、多岐に渡った。

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「(再掲)「財政再建には増税ではなく、天下り先などに貯まっている資産を吐き出すべき」~岩上安身によるインタビュー 第183回 ゲスト 高橋洋一氏」への1件のフィードバック

  1. 杉山 昭夫 より:

    なぜ、新自由主義(ブラック資本主義)の高橋洋一氏にインタビューしたのだろう。さっぱりわからない。
    単に彼が消費税増税に反対しているからなのか?
    新自由主義者はどこの国でも増税に反対である。彼らの思想は「自助努力」、「自己責任」であり、宇沢弘文に代表されるような共生の思想の対極にある。
    共生の思想は、個人個人が公平にカネ(税金)を出し合って社会全体を支えるという考え方だ。消費税そのものの性格には大きな問題はある(金持ちに有利)が、個々人のカネ(税金)で社会保障など公的な分野を充実させようという考え方そのものは正しいだろう。
    高橋氏はアベノミックスを支持しており、今うまくいってないのは消費税増税したからであって、アベノミックス自体は正しいと述べており、アベノミクスそのものが間違いだとは考えていない(だが、内需がないのに金融緩和しても投資は増えないし、企業活動も活発にならないから、アベノミクス自体が効果のない政策なのだが)。だから高橋氏はTPPで規制緩和すれば内需が増えると言っているのだが、TPPがどんな協定なのかまったく気づいていない。
    さらに彼らは社会保障について全く語らない。制度が崩壊しつつあるなか、これに触れると増税についても考慮しなければならないならないと分かっているからだろう。だからこそ民主党政権は「税と社会保障改革の一体化」を打ち出したのだ。「税金は上げない、社会保障も改革が必要」などという虫のよい話はない。彼らが消費税増税に反対なのは、社会保障など所得(富)の再分配を無視しているからだ(「小さな政府」)。もちろん彼らは格差社会を容認している。経済成長すればトリクルダウン(おこぼれ)が生じると考えているからだろうが、そのようなことは決して起こらない。

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