安倍訪米前夜! 米国から歴史認識めぐり釘・釘・釘! 侵略、慰安婦問題の謝罪、自衛隊の米軍下請け化、TPPの行方…訪米の「注目ポイント」は

記事公開日:2015.4.25 テキスト
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(IWJ・原佑介)

 安倍総理が26日から訪米し、28日にはオバマ大統領と首脳会談、翌29日には米上下両院合同会議で演説する。自衛隊の集団的自衛権の行使を含む日米同盟の深化、歴史認識が主眼で、TPPやAIIBなどの協議も行う予定だ。

 首脳会談の前日27日には外務・防衛担当閣僚会合=2プラス2がニューヨークで開かれる。自衛隊と米軍の役割を定めた「日米新ガイドライン」に合意し、首脳会談で両首脳が確認する。のちに国会で安保法制の審議をし、これを追認する。国内論議は後回しになる。

 新ガイドラインには自衛隊の集団的自衛権の行使が含まれ、「地域を超えたグローバルな日米協力」のもと地理的制限は事実上撤廃。宇宙、サイバー空間での協力も掲げ、日本以外の国への武力攻撃に対する「行動」も取るとする。この「新ガイドライン」を安倍総理、オバマ大統領が首脳会談で確認する。

 米NSCのメデイロス・アジア上級部長は、新ガイドラインによって日本の役割が「著しく拡大」し、「米軍部隊に広範な支援を日本が行う仕組み」ができるとその実情を明かした。

※ロイター通信 2015年04月25日 TPP日米協議、安倍首相訪米中の決着公算小さい=ホワイトハウス

 米上下両院合同会議における安倍演説で注目されるのが歴史認識の問題だ。安倍総理は今月22日、ジャカルタで開かれたバンドン会議で演説したが、「植民地支配と侵略」「心からのおわび」には触れず、先の大戦の「反省」さえ自らの言葉では語らなかった。

 米上下両院合同会議を控えた米国側は、この数日間、安倍総理を、度々、牽制してきた。

 アーミテージ元国務副長官は「歴史(問題)を乗り越えることができるかどうか、米国よりはるかに広い(範囲の)聴衆が見守っている」とし、米国人、朝鮮人、中国人、オランダ人、インドネシア人、マレーシア人、シンガポール人など、「戦中に苦しんだ全ての人」に対する「誠実さ」を求めた。

 マイケル・グリーン元国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は、「日本のさらなる努力が必要だという点で米国に超党派の合意があるのは日韓関係」「米国には大きな頭痛の種だ。お願いしますという感じだ」と語った。

※時事通信 2015/04/14-14:49 「世界が聴衆、誠実さ示せ」=安倍首相の米議会演説-アーミテージ氏に聞く
※時事通信 2015/04/23-14:56 日韓関係改善へシグナルを=安倍首相訪米で元NSC上級部長

 ローズ大統領副補佐官やメデイロスNSCアジア上級部長は24日、電話で記者会見し、ローズ氏は「我々は過去の談話と一致する建設的な対応をするよう安倍首相に促している」と明言。村山談話などを継承すべきだとの立場を明らかにした。

 オバマ大統領の側近を務めるローズ氏は「核兵器なき世界」などの有名演説を書いた人物。外交、安保政策に影響力を持つ。メデイロス氏も会見で「歴史問題は最終解決に達するようなやり方で取り組むことが重要だ」と念押し。強い懸念をうかがわせた。

※日経新聞 2015/4/25 11:04 米高官「村山談話継承を」 首相議会演説で 日韓関係改善を期待

 韓国系や中国系の市民団体は23日、米議会内で合同記者会見を開き、慰安婦問題などで安倍総理に対し「議会演説で公式に謝罪するよう要求する」と主張。会見には元慰安婦も同席した。安倍総理訪米時にも、議会周辺などで抗議活動する予定だという。

 日系米国人のマイケル・ホンダ下院議員ら超党派の25人の議員は同日、佐々江賢一郎駐米大使宛ての書簡を公開し、首相の議会演説では戦後50年の「村山談話」と、慰安婦問題に関する「河野談話」を再確認することを要求した。

※読売新聞 2015年04月25日 07時04分 慰安婦問題、首相の米演説で謝罪を…韓国系団体

 またNYタイムズは20日付の社説「安倍晋三と日本の歴史」で、安倍総理は「歴史の歪曲」を試みていると断じ、訪米の成功は「残酷な占領」「多数の女性を性奴隷として働かせた」慰安婦問題などの歴史に誠実に向き合えるかにかかっていると指摘した。

※時事通信 2015/04/20-23:05 安倍首相は歴史に誠実に=訪米前に米紙が社説

 他方、オバマ大統領などはアジア戦略として、中国主導のAIIBに対抗するためTPPを早期妥結したい考えを示している。安倍総理もWSJのインタビューに対し、「日米の合意は近い」と述べ、日米首脳会談で「認識を一致させたい」と語り、妥結に意欲をみせていた。

※WSJ 2015年4月20日 22:23 安倍首相、TPPで日米合意「近い」―WSJインタビュー

 しかし、アトキンソン大統領次席補佐官は24日、TPPについて「まだ作業が残っているため、最終合意の発表はないと予想している」との見解を示した。日米間の協議は「大幅な進展」があったとしながらも、安倍訪米中に最終合意の公算は小さいとした。

 米議会では強い通商交渉の権限を大統領に委任するTPA法案の審議が進んでいる。TPP妥結に欠かせないと言われる法案だが、こちらも成立は困難だと見られている。しかし、余談は許さない。安倍総理の帰国は5月3日で、異例の長期滞在になる。その動向に注目だ。

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