IWJのカメラが大浦湾海上へ! 国の埋め立て工事が頓挫する可能性?! 沖縄平和市民連絡会・北上田毅氏に聞く――ぎぎまき記者による沖縄取材3日目 2015.3.7

記事公開日:2015.3.10取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・ぎぎまき)

※3月10日テキストを追加しました!

 新基地建設に伴う埋め立てに着工したい沖縄防衛局は、間もなく、海底ボーリング調査を再開しようとしているが、そもそも、辺野古海上での建設作業は順調に進んでいるのだろうか。

 毎週土曜日は、防衛局の作業が休みのケースが多いといい、海上保安庁のゴムボートも見られない。海上行動を続けるカヌー隊「辺野古ブルー」のメンバーらは、3月7日の土曜日、攻防戦のないチャンスを活用し、作業の進捗状況を確認するために、静かな大浦湾へと漕ぎ出した。中には、ボーリング調査のためのスパッド台船によじ上るメンバーの姿も見られた。

 この日、IWJは、メンバーたちの安全や進行をサポートするための並走船の1隻、「ラブ子」に乗船。船長の北上田毅氏(沖縄平和市民連絡会)に、防衛局による海上での作業状況や問題点などの解説をお願いした。

 7年前に京都から移住してきたという北上田氏は、長年、土木の技術屋として働いてきた経験をいかし、県や防衛局に情報公開を求め、工事の設計書などを開示させてきた。

 防衛局が岩礁破砕許可の区域外に、コンクリートブロックを投入した問題を指摘したのも、北上田氏を中心とした市民らの働き。一気に、防衛局の規則違反の可能性が浮上し、翁長雄志県知事は、破砕許可の取り消しを示唆。取り消された場合、防衛局は、ボーリング調査などの海上作業を実施できなくなるという事態に発展している。

▲スパッド台船によじ上る「辺野古ブルー」のメンバー

■ハイライト

  • 日時 2015年3月7日(土) 8:30頃〜
  • 場所 辺野古海上(沖縄県名護市)

陸と海で連携する基地反対抗議行動

 資材等の搬入や作業スペースを確保するため、辺野古漁港を使用したい防衛局だが、使用にあたっては、稲嶺進名護市長からの許可が必要だ。基地建設に反対する市民の付託を得て当選した市長のもと、漁港の使用許可は下りていない。もくろみが外れた防衛局は、キャンプ・シュワブ基地内から資材の搬入を行わざるを得ない状況になっている。

 そこで、陸からの資材搬入の阻止を試みているのが、連日、ゲート前に泊まり込みながら抗議行動を続けている市民たちだ。この海と陸の連携により、防衛局に対するプレッシャーは日に日に増している。この日、カヌー隊がスパット台船に乗り込んだ姿を確認した市民らは、キャンプ・シュワブの第3ゲート前に集結。陸から海へと声援を送り、その声は、海上からもはっきりと聞き取ることができた。

翁長県知事誕生で一歩進んだ情報公開

▲操船しながら防衛局の作業状況について解説する、沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏

IWJ「北上田さんは、関西から沖縄へ移住したとお聞きしました」

北上田毅氏(以下、北上田・敬称略)「退職後、7年前に家族全員で京都から沖縄に移住しました。下の息子が琉球大学を出て、沖縄の女性と結婚しました。私も、沖縄で最後まで暮らす予定です。

 もともと、木の技術屋だったので、高江や辺野古について、情報公開請求を続けて、工事の設計書などを開示させてきました。それを見て、どこでどういう作業があるのかを検討する。今は、船長として、船で海に出て、カヌー隊のサポートをしながら、陸上と海上での防衛局の作業をチェックしています」

IWJ「防衛局による工事の進捗について教えてください」

北上田「昨年(2014年)8月頃は、浅い場所での海底ボーリング調査が行われ、それに対してずっと阻止行動をやってきました。ところが、10月の大きな台風で防衛局が設置していたフロートが流されたり、知事選と衆議院選挙が続いたこともあって、ずっと、作業はストップしていました。

 そして、今年1月15日、浮き桟橋やフロートの張り出しが始まり、海保も出てくるようになりました。1月27日からは、大型の作業台船が来て、ボーリング調査の準備が始まり、今後、12カ所の調査が行われる予定になっています」

IWJ「情報公開請求をしたことで、明るみになった重要な事実はありますか」

北上田「防衛局はややこしいことになると、真っ黒な炭塗りで出してくるので、詳細がなかなか分かりませんが、県と防衛局両方に、情報開示を求めると、不一致することがあります。

 例えば、昨日(3月7日)に新聞で大きく取り上げられた、高江の北部訓練場の県道70号についてですが、この県道を、米軍の専用区域にする動きが去年の夏くらいからあった。(そうなれば、座り込みを続ける市民を強制排除できる法的な環境が整う可能性がある。)

 しかし、この県道は、1990年から日米の共同使用になっていることが分かって、県道の使い方や解除の条件について公開請求をしたら、防衛局は県に対して、『出すな、非公開にしてくれ』と申し入れた。しかし、県はそれでも、公開決定しました。

 開示決定から実際に開示するまで、2週間の間を空けることになっていて、本当は昨日(3月7日)の朝9時に開示されるはずでしたが、3月4日に防衛局が県を相手に裁判を起こしました。開示決定を取り消せ、と。同時に執行停止の申し立てもして、裁判所がそれを認め、開示は止まってしまいました。

 米軍の施設に関する情報であれば、米軍の信頼が損なわれるという理由で拒否をするならまだ分かりますが、誰でも通れる県道の使用をめぐる協定が、なぜ、不開示の情報になるのか。裁判をして、もしも情報が出てきたとしても、大した情報ではない。

 しかし、国は、米軍と日本政府のトップ同士の間で開かれる、日米合同委員会で決まったことは全て出さないとしているから、たとえ県道のことであっても、出さないのでしょうね」

IWJ「翁長県知事が誕生してから、国と県の関係は、変わってきているのでしょうか」

北上田「そうですね。情報公開の姿勢なんかでも、仲井真前知事の時に請求して、黒塗りにされていたものを、翁長知事になってから、状況が変わったので開示しますと、黒塗りにしていた図面を出してきた例もある。次第に、様子は変わってきています」

立ち入り禁止区域へ侵入する阻止行動は是か否か

▲「ラブ子」に牽引され、フロートを越えるカヌーの隊列

IWJ「今日は防衛局の作業が行われていませんが、北上田さんや、カヌー隊が海上に出る一番の目的は何ですか」

北上田「作業がないということは、現場に出て初めて分かります。もし、ボーリング調査をするスパット台船が動き、固定されたら、海底ボーリング調査が行われます。ボーリング調査はやらせない。台船が動きだしたら何とか阻止したいと。でも、今日はたぶん出ないと思いますが」

IWJ「今、防衛局が立ち入り禁止区域から出るように注意していますが、それについては、どう反論しているのですか」

北上田「(立ち入り禁止区域となっている)『臨時制限水域』の決め方についても、いろいろとおかしな点があって、納得はできませんが、基本的に、沖縄県民の総意が工事の強行について反対をしているわけですから、できるだけ工事現場に近づいて、抗議の声を上げ、異議申し立てをしたいと。今のところは、海保も、刑特法を適用できる状況でもない。反対運動や県民の声が高まっていますから。実質的には、この臨時制限水域の立ち入り禁止については、形骸化しています。

 ただ、これから政府の姿勢が変わっていった場合は、(刑特法の適用も)あり得ると思います」

「一部の過激派が抗議している」という防衛局や海保の主張

▲立ち入り禁止区域からの引き上げを求める沖縄防衛局

IWJ「海上保安庁や防衛省の職員が、東京で行われた政府交渉の場で撮影を不許可にしたことがありました。一部の過激派から、自分たちの身を守るためという主張でした。それについては?」

北上田「民主的な方法で、すべてのことを沖縄県民はやってきた。(オスプレイ配備撤回、普天間基地県内移設の断念を求める)建白書を全市町村長で政府に提出して、県議会でも何度も反対決議をあげて、10万人を越える県民大会もやった。そして、名護の市長選でも2回勝っている。去年(2014年)の名護の市議の補選、知事選、(衆院選)すべて辺野古反対で、県民の民意は、はっきりしている。それにも関わらず、政府の方が翁長さんにも会わない。

 沖縄県民の意志は無視する、という姿勢が露骨。それでも、政府は、『粛々と工事を進める』としているから、非暴力の手段で抗議の意思表示をしている。カヌー隊は、全員出しても20名ほど。しかし、こういうことができるのは、一番に県民が支えているから。キャンプ・シュワブのゲート前と海上で連携してやっている。沖縄では、『一部の過激派が』という話は一切出ていないですよ」

▲キャンプ・シュワブ第3ゲートから作業現場を見おろす市民。海上にいるカヌー隊に声援を送る

▲海上から見える第3ゲート前の様子

北上田氏らが公にした、防衛局の規則違反の可能性

IWJ「今、岩礁破砕の許可をめぐって、県と防衛局が対立していますが、解説をお願いします」 北上田「沖縄県には、水産資源保護のための、『漁業調整規則』というものがあって、漁業権が設定されているところでは、海底に何かを置いたり、海底を改変する行為は岩礁破砕の許可を申請する必要があります。知事が申請内容を審査し、許可を出すわけですが、この海域一帯はその手続きが必要です。

 昨年(2014年)8月28日に、県は防衛局に対し、埋め立ての区域内での岩礁破砕許可を出しました。しかし、防衛局は今年に入って、(埋め立て区域の外に)オイルフェンスやフロートを張り巡らせ、その下に、大きなコンクリートブロックを投入しています。

 許可申請の外側での行為について、私たちはずっと県に話をしていましたが、やっと1月16日に、県が防衛局に対し文書を求め、現地調査にも入りました。

 岩礁破砕の許可の中には、許可条件というものがあって、範囲外での行為や許可条件に反した場合、許可そのものを取り消すという条件があります。つまり、許可の範囲外で、コンクリートブロックの投下が確認されれば、県は、漁業調整規則にのっとって、現状復帰を命じることもできるし、許可そのものを取り消すこともできるのです。翁長知事が毅然とした対応を取れば、防衛局は、昨年12月に仲井真前知事が承認した埋め立て工事に伴う作業を一切できなくなります」

▲休憩中に談笑する「辺野古ブルー」のメンバーたち

稲嶺市長の権限で頓挫した工事計画の数々

IWJ「稲嶺進名護市長の権限で止まっている、工事の内容とは?」

(…サポート会員ページにつづく)

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“IWJのカメラが大浦湾海上へ! 国の埋め立て工事が頓挫する可能性?! 沖縄平和市民連絡会・北上田毅氏に聞く――ぎぎまき記者による沖縄取材3日目” への 1 件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    【沖縄】IWJのカメラが大浦湾海上へ! 国の埋め立て工事が頓挫する可能性?! 沖縄平和市民連絡会・北上田毅氏に聞く――ぎぎまき記者による沖縄取材3日目(3月7日) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/237563 … @iwakamiyasumi IWJや心ある個人の配信に感謝。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/575260448439734272

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