2012年の衆院選で6党が乱立したことにより、自民党候補が圧倒した神奈川5区。今回の選挙では、政策の違いなどにより次世代の党と共産党は独自候補を擁立したが、民主党と維新の党は候補を一本化。維新の党から元参議院議員の水戸将史候補が出馬した。
12月7日、神奈川県横浜市泉区の立場駅にて水戸候補が演説を行い、冒頭、「党利党略」の解散総選挙を批判。演説では、既得権のない政党の強みとして、規制改革に切り込んでいきたいと話し、電力の自由化については、「9社独占」体制にメスを入れていく決意を見せた。
(取材:IWJボランティアスタッフ・河田了、記事:IWJ・ぎぎまき)
特集 総選挙2014
※12月10日テキスト追加しました!
2012年の衆院選で6党が乱立したことにより、自民党候補が圧倒した神奈川5区。今回の選挙では、政策の違いなどにより次世代の党と共産党は独自候補を擁立したが、民主党と維新の党は候補を一本化。維新の党から元参議院議員の水戸将史候補が出馬した。
12月7日、神奈川県横浜市泉区の立場駅にて水戸候補が演説を行い、冒頭、「党利党略」の解散総選挙を批判。演説では、既得権のない政党の強みとして、規制改革に切り込んでいきたいと話し、電力の自由化については、「9社独占」体制にメスを入れていく決意を見せた。
■全編動画
※以下、発言要旨を掲載します
水戸将史候補(以下、水戸・敬称略)「何のための総選挙なのかと問われれば、みなさん、異口同音に、これはまさに『安倍さんのためだけでしょ』と言います。私もそう思います。この選挙にかかるお金は、税金700億円近い血税。理由の分からない選挙において、その使い道を、誰も止める手立てがない。為政者の暴走と言うほかない。
2年前の総選挙で圧勝した政権与党が、この2年間、ごり押しで政策合意を成してきた。その中において、歪みが散見される。私たちはその一つ一つを整理していきたいと思っている。
2年前の総選挙をやる前、民主党政権の末期、消費税は今年(2014年)4月から8%にしようと、来年の10月末からは10%にしようと、3党の合意に基づいて決めた。当然、国民に負担を求める前には、国会議員自らが身を削る覚悟とその努力をして、定数削減にも一段と踏み込んでいこうと。まず、これをやってから国民の理解を得る。そうしてから、消費増税へと道を開いていこうと話をしたわけです。
この2年間の経過を顧みて、確かに消費税は上がった。しかし、上げる前にやるべきことがあると言ったにも関わらず、身を削る覚悟と決意はどうなったのか。自民、公明、民主は定数削減に関して、それなりの提案をした。しかし、政党で折り合いがつかなければ、これはできないということを知っていて、他の政党も合意ができないような案を持ち寄って、これを反故にしてきた。茶番劇ですよ。
このような、怠慢さ、自分たちの身を削ることに対して、突っ込んだ議論もない。平行線のまま約束は反故になり、今ではほとんど触れずじまいですよ。こういうことが、政治に対する大いなる不信になっている」
水戸「この4月から、消費税増税が示されてしまった。そして今に至るまでの8ヶ月間、個人消費の伸び率はマイナスを記録。円安も、輸出が伸びればいいが、全く伸びておらず、今はデメリットの方が大きい。輸出立国である日本だが、新興国勢力がどんどんと伸びてくる昨今、日本の製品が思うように伸びていない。
これは、アベノミクスの大きな誤算の一つだった。輸入単価の上昇は、我々の家計を直撃する状況を呈してしまっている。実質賃金の上昇率、つまり、自分の手元に残る余裕のお金、その率も毎月減っている。15ヶ月間、連続して減っている実態を安倍さんはどう見ているのか。
アベノミクスに関して、野党という立場を超えて、ほのかな期待を持って見ていた。最初の数ヶ月間はうまくいっていた。世界的な評価もあった。アベノミクスは、3本の矢が同じ方向を持って力を合わせればうまく機能するが、去年(2013年)の今頃から、バラバラと違う方向をむき出した。
すべてを否定するわけではないが、安倍さんは(アベノミクス効果の)都合の良い部分だけ言っている。有効求人倍率、求人をする会社の方が倍率としては多くなった。これは一つの成果と言えるかもしれない。しかし、その実態はどうなのか。正規の社員は25万人減り、パートやアルバイトが230万人も増えたんです。これが実態。
確かに、失業力が下がることには寄与したが、企業にとって使いやすいスタイルが広がっていったに過ぎない。いつでも首にすることができる労働者の数が増えただけ。これで、アベノミクスが本当に機能していると言えるのか」
水戸「だからこそリセットをして、組み立て直していく必要があるのではないか。シビアに、ある程度悲観的に見ながら、軌道修正をし、リセットをし、新しい一歩を歩むべき。
アベノミクスの第3の矢がいけない。『成長戦略』とは、電力の改革であり、農業改革であり、都市開発における規制改革である。私たちはそれを提言している。電力改革とは何か。今は一社独占体制ですよ。3.11までは何の疑問も持たれないまま、私たちも何の疑いもなく、電気料金を払っていた。安いのか高いのかも分からないまま。妥当な金額はいくらなのか? それも分からない。
私たちは、電力の自由化を電力会社にうながしていくことが必要だと、ずっと訴えてきた。そこで、どうしても大きな壁となるのは、9つの電力会社。電気料金の設定は、やはり、『発電部門』と『送配電部門』を分離させて、電気を生産する側に関しては市場化すればいい。電力をどんどん作る、いろんな会社が増える、オープンマーケットを作り出す。そこでの売り買いができるように、需給のバランスを通じて価格を設定できるメカニズムを作っていけばいいんです。
そういうことを通じて、価格の適正について判断できるような環境を作ってまいりましょう。残念ながら、今の自公政権は、電力事業者と持ちつ持たれつの関係。メスを入れようとしても、どうしても矛先が鈍ってしまう。だからこそ我々がそれをやる。
医療改革しかり。農業改革しかり。あのような医師会があり、農協共同組合がある。今までずっと、その時々の政権与党と持ちつ持たれつの関係が続いてきた。あたかも自分たちがやって当たり前のような既得権がはびこってしまっている。それに切り込むことができるのは与党ではない。我々自身がやっていく、覚悟と決意を持ってこの選挙戦にも臨んでいる」