2014年2月5日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。福島第一原発から放出される核種の総量管理について、田中委員長は「コントロールできないので現状無理だ」という見解を示した。
2014年2月5日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。福島第一原発から放出される核種の総量管理について、田中委員長は「コントロールできないので現状無理だ」という見解を示した。
■全編動画
田中委員長は、福島第一原子力発電所から放出される核種の放出量に関わる総量管理について、「現実問題で無理だ」という考えを示した。
タンク堰に溜った水や、地下水バイパスからくみ上げた水を海洋放出する場合の放出基準として、セシウムや全ベータ、トリチウムの濃度が、東電などから発表されている。しかし、汚染の拡散を防止するという観点から、総量の管理は重要だ。
総量管理について質問を受けた田中委員長は、「建前から言ったら、その通り。ただ、管理は難しい」と率直な考えを述べた。「福島第一原発の現状を見ると、総量を管理すること、目標を作ることは無理だ。正常運転している時のようにコントロールされている場合は、放出量も把握できる。しかし、現状はコントロールできないので、どの程度放出するか分からない」。田中委員長は、このように説明した。放出をコントロールできないから、「出てしまったものが人体に影響をおよぼすことがないような管理、魚のモニタリング等をしていくしかない」という。
「福島第一から出たものが、そろそろアメリカ西海岸に届くというような見解もあるが、そういったことに関してどう思うか」と質問を受けた田中委員長は、「そういうことを言ってる人がいるのは知っている。しかし、実際はほとんどNDで、どうしてそういうことを言うのか分からない」と回答した。
海底土などのサンプリング結果から、「ほとんどが沈下している。海水サンプリング結果から、遠くまで届くことはない」と述べた。さらに、「もし本当に西海岸まで到達するような事態になれば、NRCから正式に報告がくるだろう」との見解と述べた。