【TPP】「1月中に日米間の段取りを」甘利担当相、ダボス会議でフロマン米通商代表と協議の意向 2014.1.7

記事公開日:2014.1.7取材地: テキスト動画
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(IWJ・佐々木隼也)

特集 TPP問題

 目指していた2013年末の「大枠合意」が実現せず、いまだに参加各国の利害の溝が埋まっていないTPP交渉について、甘利明TPP担当大臣は、2月に予定されている閣僚会合に向け「1月中に日米間で段取りをつける必要がある」との考えを示した。

 2014年1月7日、内閣府本庁舎で開かれた閣議後会見で甘利大臣は、「TPP閣僚会合は2月と漏れ伝わっている。そのためには1月中に日米間の段取りはつけておかないと、全体はまとまらない。これに向けて最大の努力をしていく」と語った。また、1月22日からスイスで開かれる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席し、フロマン米通商代表と会談を行う意向を示した。

 米国は春以降、11月の中間選挙を控え身動きが取れなくなる。交渉が難航することによる「空中分解」を避けたい米国にとっては、最大のヤマ場を迎える。早期決着を目指す米国が一定の譲歩を見せ、その引き換えに日本側へ強硬に大幅な譲歩を求めてくる可能性もあり、1月~2月の協議は日本にとっても最大のヤマ場になるとみられている。

■全編動画

  • 日時 2014年1月7日(火)
  • 場所 内閣府本庁舎(東京都千代田区)

特区諮問会議が始動 「現場のニーズを最優先に」

 地域を限定して医療・教育・農業など様々な分野で規制緩和を行う「国家戦略特区」について、7日に諮問会議の初会合が開かれた。安倍総理は会合で、3月には全国で3~5カ所の地域を指定する意向を示した。

 甘利大臣は会見で規制改革項目について、「関係省庁とのネゴシエーションはすでに済んでいる。その他に、現場から上がってくる規制改革項目もある。こうした現場からのニーズに関しては原則採択が良い」としたうえで、「採択できない場合は、関係官庁はできない理由をきちんと、説得力をもって説明する必要がある」と述べ、現場のニーズを最優先する姿勢を示した。

 国家戦略特区では、「義務教育を含めた公立学校の民営化」や「混合診療の拡大」、「病院経営への株式会社参入」など、教育や医療制度の公共政策の分野に、企業の利益優先の規制改革が多く盛り込まれており、批判の声があがっている。

 諮問会議は安倍総理を議長とし、菅義偉官房長官や甘利大臣、新藤義孝特区担当相らのほか、竹中平蔵氏ら5人の民間議員で構成されるが、「規制改革への抵抗を抑える」との狙いから、厚生労働相、農林水産相などの関係大臣が外されていることも問題視されている。

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