【献本御礼】森炎著『死刑肯定論』(ちくま新書)

記事公開日:2015.2.9 献本御礼(ブックレビュー)

『市民の観点で死刑制度をとらえる場合、国民に死をもたらす「死刑権力」という見方が欠かせない。今までの死刑存廃議論には、この点がそっくり落ちていた』

 ”死刑肯定論”このタイトルが意味するところは、死刑について今まで行われてきた議論に潜む矛盾を解消しようという試みです。まず著者は本書の1/3のページ数を割いて、今までの死刑存置論-廃止論の根拠をことごとく否定していきます。意外な展開ですが、現在の定義では、教育としての刑、犯罪予防のための刑、それらが少なくとも終身刑ではいけない理由がない、と説明。またフーコーやバタイユ、マルクスなど多くの歴史的な思索を検討し、死刑がどう位置付けられてきたかを丁寧に検証していきます。


【献本御礼】日露開戦の裏にあった真の目的とは 金文子著『日露戦争と大韓帝国-日露開戦の「定説」をくつがえす』(高文研)

記事公開日:2015.2.9 献本御礼(ブックレビュー)

 株式会社高文研の、真鍋かおる様から『日露戦争と大韓帝国』をご恵贈いただきました。


【献本御礼】日本はもう一度敗戦直後に戻ったつもりで国を新しく作り直さなければならない 矢部宏治著『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社インターナショナル)

記事公開日:2015.2.9 献本御礼(ブックレビュー)

 株式会社集英社インターナショナルの、小林恵理子様から『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』をご恵贈いただきました。


【献本御礼】最愛の母との日々をつづった自叙伝 町亞聖著『十年介護』(小学館文庫)

記事公開日:2015.1.6 献本御礼(ブックレビュー)

 TOKYO・MX「ニッポン・ダンディ」に出演中の岩上安身の共演者である、フリーアナウンサーの町亞聖さんご本人から、著書『十年介護』をご恵贈いただきました。

 町さんは高校3年生の時から、くも膜下出血で倒れたお母様の介護を続けてこられました。本書では、介護を続けながら、学業と仕事に奮闘してこられた町さんの半生が綴られています。(2013/06/26発行【IWJウィークリー第8号】より転載)


【献本御礼】『イラン・パペ、パレスチナを語る〜「民族浄化」から「橋渡しのナラティブへ」』(つげ書房新社)

記事公開日:2015.1.6 献本御礼(ブックレビュー)

 昨年行われた、イスラエルによるガザ地区への攻撃が記憶に新しい、パレスチナ情勢。本書は、第2次大戦後、現在に至るまで激しい対立が続くイスラエルとパレスチナとの間に、歴史学の観点から「共生」の橋を架けることを試みます。


【献本御礼】13人の論客が分析する日米関係の実相 孫崎享・木村朗編『終わらない<占領>~対米自立と日米安保見直しを提言する!』(法律文化社)

記事公開日:2015.1.6 献本御礼(ブックレビュー)

 鹿児島大学教授の木村朗様から『終わらない<占領>~対米自立と日米安保見直しを提言する!』をご恵贈いただきました。

 14章の小論からなる本書は、戦後史の実相、政権交代と普天間基地問題の返還、米軍再編と在日米軍基地から見える本質、東アジア領土問題の真相など、多岐にわたるテーマを深く追求した一冊です。


【献本御礼】原発立地県の地元紙は原発をどのように報道してきたのか 本間龍著『原発広告と地方紙』(亜紀書房)

記事公開日:2015.1.6 献本御礼(ブックレビュー)

 亜紀書房様から『原発広告と地方紙』をご恵贈いただきました。

 本作は、大手広告代理店での勤務経験もある著者本間龍氏が、3.11以降メディアの姿勢に疑問を抱き、全国紙と雑誌メディアの原発広告の歴史を綴った『原発広告』の続編にあたります。この続編では、原発立地県の地方新聞に掲載された原発広告や社説・記事を原発建設当時から2010年まで最大約40年間を遡って収集しています。その膨大な資料をもとに、著者は地方紙ごとに異なる原発に対するスタンスを紹介しています。掲載資料は広告・記事が多かった福島、北海道、青森、新潟、福井が中心となっています。


【献本御礼】郷土史家が丹念に掘り起こす閉ざされた史実 水谷英志著『薩摩義士という軛 宝暦治水顕彰運動の虚実』(ブイツーソリューション)

記事公開日:2015.1.6 献本御礼(ブックレビュー)

 郷土史家(歴史社会学)である著者の水谷英志(みずたに・ひでし)氏より、新著『薩摩義士という軛 宝暦治水顕彰運動の虚実』をご恵贈いただきました。

 「宝暦治水(ほうれきちすい)」とは、1754(宝暦四)年から1755(宝暦五)年にかけ木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)流域で行われた治水工事であり、江戸幕府の命で工事を担当した薩摩藩は、四十万両にわたる多額の経費と、千人近い藩関係者を派遣し、80人を超える犠牲者を出したとされています。


【献本御礼】実践者が説く、仕事中心思考からの脱却術 日野瑛太郎著『脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法』 (技術評論社)

記事公開日:2015.1.6 献本御礼(ブックレビュー)

 著者の日野瑛太郎様から『脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法』をご恵贈いただきました。

 第1章『日本の職場は理不尽なことばかり』、第2章『社畜にならないための考え方』のあたりは日本に蔓延する、長時間労働を美徳とする考え方や有給取得をめぐる問題に関して非常に真っ当な指摘が続きます。


【献本御礼】複眼的に考察する安保政策 柳澤協二・半田滋・屋良朝博共著『改憲と国防 混迷する安全保障のゆくえ』(旬報社)

記事公開日:2015.1.6 献本御礼(ブックレビュー)

 IWJではお馴染み、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏が共著者に名を連ねる新刊『改憲と国防~混迷する安全保障のゆくえ』を、ご恵贈いただきました。

 憲法改正、集団的自衛権の行使容認、国防軍の創設を推進する安倍政権の外交・安全保障政策について、柳澤氏、東京新聞編集委員の半田滋氏、元沖縄タイムスの記者で現在はフリージャーナリストの屋良朝博氏による鼎談を収録。


【献本御礼】直木賞作家がたどる知られざる東北の歴史 高橋克彦著『東北・蝦夷の魂』(現代書館)

記事公開日:2015.1.6 献本御礼(ブックレビュー)

 『緋い記憶』で第106回直木賞を受賞した作家の高橋克彦氏の新著『東北・蝦夷の魂』を、ご恵贈いただきました。

 阿弖流為、安倍貞任、藤原泰衡、九戸政実、奥羽越列藩同盟など、中央政権に蹂躙され続けてきた東北、蝦夷の歴史を、岩手県釜石市出身の著者が綴っています。


【献本御礼】改革派元官僚が明かす、「あきらめない」秘訣 古賀茂明著『信念をつらぬく』(幻冬舎新書)

記事公開日:2015.1.6 献本御礼(ブックレビュー)

 元経産官僚の古賀茂明氏の新著『信念をつらぬく』を、ご恵贈いただきました。

 古賀氏は大阪府市統合本部特別顧問を務め、大阪府エネルギー戦略会議では橋下徹大阪市長と関西電力大飯原発再稼動をめぐり、白熱の議論を繰り広げるなど「改革派官僚」として知られています。


【献本御礼】各界著名人たちによるTPPへの提言 日本農業新聞取材班『TPP いのちの瀬戸際~壊国協定のベールをはぐ〜』(創森社)

記事公開日:2014.12.26 献本御礼(ブックレビュー)

 日本農業新聞論説委員長の緒方大造様から『TPP いのちの瀬戸際〜壊国協定のベールを剥ぐ〜』をご恵贈いただきました。

 2012年4月に発売された『まだ知らされていない壊国TPP 〜主権侵害の正体を暴く〜』の続編となる今回の新作は、前作発売から2013年7月までに日本農業新聞に掲載された記事が収録されています。交渉参加国との事前協議、政権交代、安倍晋三総理による交渉参加表明、日米合意、交渉への正式参加など、一連の動きを取材し、TPPの本質に迫り続けた取材班の記録が記されています。


【献本御礼】農業経済学者からの警鐘「TPP、遺伝子組み換え、狂牛病…。安さの追求は命を削ること」鈴木宣弘著『食の戦争~米国の罠に落ちる日本』(文春新書)

記事公開日:2014.12.26 献本御礼(ブックレビュー)

 東京大学大学院教授の鈴木宣弘様から『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』をご恵贈いただきました。

 「食の安全とは何か」。改めて考えさせられる一冊です。

 第1章『戦略物資としての食料』では、安さを求める消費者の性質や、経済学的視点からみる食の将来性など、「食料」を中心とした我々が抱える問題点を提示。第3章、第4章では、『食の戦争』をテーマに、遺伝子組み換え作物からTPPまで、「世界をとりまく食の政治問題」が論点ごとに紹介されています。


【献本御礼】証言から追う、憲法研究へ向かわせた戦場体験 水島朝穂著『戦争とたたかう――憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』(岩波書店)

記事公開日:2014.12.4 献本御礼(ブックレビュー)

 早稲田大学教授で憲法学がご専門の水島朝穂氏より、『戦争とたたかう~憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』をご恵贈いただきました。

 久田栄正氏(1915―1989)は、太平洋戦争に兵士として従軍し、フィリピンのルソン島で凄惨な戦場を経験します。終戦後、内地への帰還途中で日本国憲法に出会い、深く感激して憲法学研究者の道に進みました。本書は、久田氏の最後の赴任校である札幌学院大学の同僚となった水島朝穂氏が、戦中の膨大な資料を参照しつつ聞き取りを行った記録です。


【献本御礼】『転校生』の原作者がせまる、戦争を支えた文化たち 山中恒著『少国民戦争文化史』(勁草書房)

記事公開日:2014.12.4 献本御礼(ブックレビュー)

 山中恒氏から『少国民戦争文化史』をご恵贈いただきました。

 山中氏は戦争をテーマとする児童文学を数多く執筆されています。本書は、太平洋戦争中に書かれた児童文学作品を通して、その当時の「少国民」がどのような文化環境に置かれていたのかを明らかにしようとしています。


【献本御礼】岩上安身が共著に加わった『選挙を盛り上げろ!』(影書房)のご紹介(「IWJウィークリー」73号より)

記事公開日:2014.12.3 献本御礼(ブックレビュー)

 11月16日投開票日の沖縄県知事選で、翁長雄志氏が現職の仲井真弘多氏を破りました。政府とのコネクションを強調した仲井真氏とは対照的に、共産、社民、沖縄社会大衆、さらには一部の自民党系の地元議員まで巻き込み、保守、革新の区別のない「オール沖縄」で勝利を勝ち取った翁長氏。基地問題に真摯に向き合う県民一人一人の投票行動が、基地移設推進派へと寝返った仲井真氏、ひいては対米従属を強める安倍政権への異議申立てに結びついた結果であると言えるでしょう。


【献本御礼】等身大のブルース・リーに迫る、貴重な証言集 チャン・チャップリン著『ブルース・リーの実像 〜彼らの語ったヒーローの記憶』(オルタナパブリッシング社)

記事公開日:2014.12.3 献本御礼(ブックレビュー)

 岩上さんの空手の後輩にあたる川保天骨さんより、『ブルース・リーの実像 〜彼らの語ったヒーローの記憶』を恵贈いただきました。

 子供の頃から、金曜ロードショーなどで放送されるジャッキー・チェンの映画を、よくリビングで家族と観ていた記憶があります。放送翌日は必ず、それぞれジャッキー・チェンになりきった友だちたちと「アチョ~!」「アタタタ〜!」などと奇声を発して殴りあいました。「酔拳」などは、特に面白がって真似した覚えがあります。


【献本御礼】「立憲主義を守る」観点から説く対談集 阪田雅裕著『「法の番人」内閣法制局の矜持』(大月書店)

記事公開日:2014.12.3 献本御礼(ブックレビュー)

 『「法の番人」内閣法制局の矜持』を、大月書店編集部さまからご恵贈いただきました。

 安倍政権による集団的自衛権を容認する憲法第九条の解釈変更が議論となっています。この動きに対し、本書の著書である阪田雅裕氏は異議をとなえています。


【献本御礼】40年に渡るシリーズ最終巻! 辻真先著『戯作・誕生殺人事件』(東京創元社)

記事公開日:2014.12.3 献本御礼(ブックレビュー)

 IWJの熱心なサポーターでいらっしゃる榊原千鶴様から 『戯作・誕生殺人事件』をご恵贈いただきました。

 いつもこのコーナーで紹介している本はいわゆる「お固い」本ですが、今回はミステリーです。ミステリー本の紹介というのは、いかにネタバレをしないようにご紹介するかがミソでして。正直、難しいものではありますが、トライしてみようと思います。