【献本御礼】証言から追う、憲法研究へ向かわせた戦場体験 水島朝穂著『戦争とたたかう――憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』(岩波書店)

記事公開日:2014.12.4 献本御礼(ブックレビュー)
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 早稲田大学教授で憲法学がご専門の水島朝穂氏より、『戦争とたたかう~憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』をご恵贈いただきました。

 久田栄正氏(1915―1989)は、太平洋戦争に兵士として従軍し、フィリピンのルソン島で凄惨な戦場を経験します。終戦後、内地への帰還途中で日本国憲法に出会い、深く感激して憲法学研究者の道に進みました。本書は、久田氏の最後の赴任校である札幌学院大学の同僚となった水島朝穂氏が、戦中の膨大な資料を参照しつつ聞き取りを行った記録です。

水島朝穂著『戦争とたたかう――憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』
(岩波書店、2013.6)

 久田氏は水島氏に「軍隊は人間性を否定し、人間改造を迫る装置だった」と述べています。飢えと病で兵士たちが次々に倒れていく過酷な現場を、久田氏はどのようにして生き延びたのでしょうか。そして、戦場での体験を、戦後どのようにして受けとめ、どのような思いを抱きながら、憲法学の研究を進めたのでしょうか。

 2013年7月21日に行われた参議院選挙では、自民・公明の与党が135議席を獲得して圧勝しました。野党でも、憲法改正を主張する日本維新の会とみんなの党がそれぞれ議席数を伸ばすなど、いよいよ改憲が現実味を帯びてきました。

 さらに安倍総理は、憲法改正の前段階として、内閣法制局長官の首をすげ替えることで、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認を目指していると言われます。日本が仮に集団的自衛権の行使に踏み切ることになれば、例えば化学兵器が使用されたシリアのような場所に、米軍とともに自衛隊を送り込むということにもなりかねません。

 憲法改正や集団的自衛権行使容認に突き進む安倍政権の動向について、そして、シリアへの軍事介入の動きを見せる米国について、岩上安身が著者の水島朝穂氏にインタビューしています。本書とあわせ、ぜひご覧ください。(2013/09/22発行【IWJウィークリー17号】より転載)

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