築地市場移転問題総合シンポジウム〜この4年間の推移 畑明郞氏ほか 2011.2.13

記事公開日:2011.2.13取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根)

 2011年2月13日(日)13時より、東京・築地市場厚生会館にて、「築地市場移転問題総合シンポジウム」が開催された。第1部は、研究者から見た市場移転問題。第2部は、都民から見た市場移転問題で、各パネラーにより講演が行われた。

■ハイライト

  • 第一部 基調報告
    豊洲移転問題-この4年間の推移 畑明郞氏(前日本環境学会会長、大阪市立大)市街地土壌汚染と環境リスク 佐藤克春氏(一橋大)、「科学的データ」とはどういうものか 坂巻幸雄氏(元・地質調査所)
  • 第二部 都民から見た市場移転問題
    市場当事者、消費者、議会、市民運動団体、ジャーナリストの意見交換
  • 日時 2011年2月13日(日)
  • 場所 築地市場厚生会館(東京都中央区)

 まず、畑氏が登壇、「豊洲移転問題-この4年間の推移」について講演した。冒頭、築地の歴史的変遷を述べた。「江戸時代、築地は神田駿河台の土を使って埋め立てた。寛政の改革を行った松平定信公の浴恩園になり海軍兵学校に変わった。関東大震災で被災した日本橋にあった魚市場が移転され、現在に至った。豊洲は浚渫土砂の軟弱な土で埋め立て、東京ガス工場が建てられた。都市ガス製造のため、石炭保管地や精製工場では脱硫の触媒のためヒ素などを使う施設があった」と話した。

 平成15年、東京ガスが土壌調査をしたときの汚染分布図を示した。そして東京ガスの調査方法の問題点、土壌汚染処理方法と対策の欠陥などを説明した。専門家会議の調査・対策案の問題点については、深部調査が不十分、ベンゼン・シアンなど揮発計算方法の問題、廃棄土量が100万立方メートル、盛土量も同等になって処理と確保が困難。液状化の危険性。約1000億円かけても完全浄化は困難。石原都知事の利権疑惑などを語った。

 次に佐藤氏が「市街地土壌汚染と環境リスク」について講演した。内容は、「東京都は説明責任を果たしているか? リスクとは? リスクコミュニケーションとは? なにが必要か? などを順に解説した。東京都の処理方法の技術的問題点を挙げる。深度方向の調査不足、不透水層以下の汚染の有無などを説明した。

(…会員ページにつづく)

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