「食べて応援は、やめること」 〜矢ヶ﨑克馬先生(琉球大学名誉教授)とのお話会♪ in 仙台 2013.6.30

記事公開日:2013.6.30取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2013年6月30日(日)10時より、仙台市青葉区の仙台戦災復興記念館で「矢ヶ﨑克馬先生(琉球大学名誉教授)とのお話会♪ in 仙台」が行われた。

 矢ヶ﨑克馬氏は、基本的な放射線の知識からはじまり、チェルノブイリ事故との比較による、汚染の具合、東電や政府の対応の不備などを指摘。また、野菜はよく洗い茹でる、魚はエラと内臓は除去する、など内部被ばくの避け方なども話した。

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※配信状況により、録画が断片的なものとなっております。何卒ご了承ください。

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  • 講演
    矢ヶ﨑克馬氏(琉球大学名誉教授)「日本の放射能汚染と健康被害の封じ込めの現状/チェルノブイリ周辺の健康被害の実態/チェルノブイリの住民保護法と基本的人権」
  • 日時 2013年6月30日(日)10:00~
  • 場所 仙台戦災復興記念館(宮城県仙台市)
  • 主催 矢ヶ﨑克馬先生を囲む実行委員会

 主催者の挨拶と会の説明のあと、京都から来場した、はなつちの会の屋嘉比優子氏がスピーチした。はなつちの会では、沖縄から仙台に野菜など農産物を送って支援していることを報告し、さらに、沖縄の基地問題、オスプレイ配備に反対する沖縄県民と原発事故による被曝者たちの気持ちを重ね合わせて話をした。

 矢ヶ﨑克馬氏の講演に移った。冒頭、自分の来歴と、物性物理学者が内部被曝について研究を始めた理由を語った。「1996〜97年、沖縄の鳥島に、劣化ウラン弾が1580発打ち込まれた。米軍は、それは放射能ではないと公表した」。それがきっかけになり、矢ヶ﨑氏は「2003年には、原爆症認定集団訴訟があり、内部被曝について法廷で証言もした」と話した。

 矢ヶ﨑氏は、放射線の人体への影響から話を進めた。「放射線は、正式には電離放射線と言い、原子の電子を奪い、分子を切断する」。「原発事故で排出した粉塵1マイクロメートル(0.001ミリ)で、放射性原子1兆個ほどの固まりになっている」などと、放射能の一般知識を説明した。次に、放射性物質の放つ、アルファ線、ベータ線、ガンマ線の違いを述べ、それら線種による内部被曝の危険性を、図を使いながら解説した。

 さらに、遺伝子の変成による悪影響、分子切断の多寡による症状の違いを挙げ、「免疫力低下、体調不良、ぶらぶら病などは分子切断による症例だ」と指摘した。ところが、民間団体のIAEAや、国際原子力村のメンバーであるICRP(国際放射線防護委員会)は、科学者たちに、内部被曝や放射能の人体影響の研究をさせない、という。

 矢ヶ﨑氏は、チェルノブイリ原発事故によるベラルーシ市民のセシウム137の蓄積データ(ユーリ・バンダジェフスキー氏作成)を図示し、「子どもは大人よりも多量に、甲状腺をはじめ、あらゆる内臓にセシウム137を蓄積していた。ウクライナ、ベラルーシ、ロシアでは、法定汚染ゾーンとして、年間1ミリシーベルト以上は移住対象地域だ。年間5ミリシーベルトには、移住義務を課している」と指摘した。

 そして、福島第一原発事故の特徴を図示し、「チェルノブイリでは事故のあと定常状態になったが、福島はいまだ毎時1000万ベクレルのセシウムを放出している。外部被曝量は空間線量により、空間線量と土地汚染は直接関係がある。被曝環境はますます深刻になっている。1ミリシーベルト以上の汚染地は、福島はチェルノブイリより広い」と述べた。その上で、汚染下での必須課題として、食糧汚染基準の厳格な実施、放射能測定の制度化と検査結果の明示、汚染地帯からの集団移住、非汚染地帯での食糧大増産を提案した。

 続けて、食の安全対策として、「放射性物質の除去のために、野菜はよく洗う、ゆでる。魚はエラと内臓を取る。水は逆浸透膜浄水器を使用する」などを挙げ、「食べて支援や、風評被害をなくせ、などの運動はやめること」と語った。さらに、「福島県内のモニタリングポストは、数値を2倍にしないと適正な結果にはならない」と述べて、偽装された計測器の写真を見せながら解説した。また、甲状腺ののう胞の異常発症の例、海洋汚染などについても話した。

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