2011年2月9日(水)15時より、法務省法務大臣室、取調べの全面可視化を実現する議員連盟の11名が、江田法務大臣宛に申入書を提出した。会長は川内博史議員、事務局長は辻恵議員。
(IWJテキストスタッフ・関根)
2011年2月9日(水)15時より、法務省法務大臣室、取調べの全面可視化を実現する議員連盟の11名が、江田法務大臣宛に申入書を提出した。会長は川内博史議員、事務局長は辻恵議員。
■ハイライト
以下、申入書全文を掲載する(パブリックドメインとして掲載。取調べの全面可視化を実現する議員連盟ホームページ 出典先:http://my-dream.air-nifty.com/kashikagiren/ ※現在、閉鎖)
2011年2月9日
法務大臣 江田 五月 殿
国家公安委員長 中野 寛成 殿
民主党 取調べの全面可視化を実現する議員連盟
会 長 川内 博史
事務局長 辻 惠
申 入 書
当議連の提案に基づく緊急可視化法案(仮称)を基にして、民主党法務部門会議と法務三役との間で可視化の範囲等を巡って現在詰めの協議中でありますが、法務大臣・国家公安委員長におかれては、緊急可視化法案の早期成立に向けてご尽力頂きたく、ここに申し入れます。
記
1. 近時のマスコミ報道によれば、現在東京地裁で係属中の石川知裕代議士の事件に関して、東京地検特捜部の任意の取調べにおいて、担当検事が不利益供述を誘導する取調べを行っていたとのことである。この不当な取調べが明らかになったのは、石川代議士が取調べ状況の一部始終を自ら持ち込んだ録音機器で録音したためである。その際、担当検事が「録音してないか」と石川代議士に何度も確認していることからすれば、この種の不公正、不適切な取調べは常態化していることが容易に窺える。再発防止のために取調べの全過程可視化が急務である。
2. また、1月20日付の朝日新聞朝刊によれば、昨年11月に大阪地検堺支部検事が公訴を取り下げた知的障害者を被告人とする事件においても、起訴前の取調べで担当検事が詳細な犯行状況を調書化するため、誘導的な取調べを行っていた。この不当な取調べが明らかになったのは、偶々当該事件が裁判員対象事件であり、取調べの録画対象となっていたためである。知的障害者に対する取調べにおいては、その説明能力の低さや迎合性の高さに乗じてこの種の取調べが横行し、本来厚く保護されるべき知的障害者の人権が軽視されてきた可能性がある。再発防止のために取調べの全過程可視化が急務である。
3. 新党大地では、取調べの全過程可視化を求める署名活動を行ったところ、今日までに全国から7万名を超える署名が集まった。昨年来、検察不祥事が相次いだことや検察に限らず密室での取調べの驚くべき実態が明らかになったことで、捜査機関への信頼は急速に低下し、取調べの全過程可視化を求める国民の声が日増しに高まっている。刑事事件の捜査には国民の協力が不可欠であり、そのためには、取調べの全過程可視化を速やかに実施し、国民の捜査機関への信頼を回復する必要がある。
4. 上記の次第であるから、法務大臣におかれては、速やかに緊急可視化法案の成立に尽力されるとともに、その後の可視化の拡大の方向性について具体的に明らかにして頂きたく、ここに申し入れるものである。
以上