「復興庁において、子ども被災者支援法に関する会議は一度も開かれていない」―。非営利メディアであるOurPlanetTV代表の白石草氏が、復興庁への取材で明らかにした。
2012年6月27日に「子ども被災者支援法」が施行されてから、ほぼ1年が経過した。しかしその間、復興庁で議論は行われておらず、同法を根拠とした具体的な方針、施策などは全く決められていない。
冒頭、国際環境NGOのFoE Japanに所属する渡辺氏は、「子ども被災者支援法」の概要を説明した。同法第3条には、「国は、(中略)被災者生活支援等施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する」と、国の社会的責任が明記されている。他にも、人々の居住・避難・帰還を選択する権利の尊重や、同法第12条では、「放射線による健康への影響に関する調査、医療の提供」など、健康への影響を未然に防ぐ策を講じることが明記されている。
しかし、同法の適用範囲である「支援対象地域」は依然として決まっておらず、同法に根ざした被災者支援は、宙に浮いたままだ。
今年3月15日、復興庁から「被災者支援パッケージ」なるものが発表された。白石氏は、「復興庁は、このパッケージを『子ども被災者支援法よりも幅広い施策』として認識している」と語り、「中身をみると、いかにも素晴らしいことに取り組んでいるようにみえるが、そうではない。生活習慣病対策だったり、高校無償化、高校の授業料減免など、無関係な項目が多く盛り込まれている」と、およそ「被災者支援」の体をなしていないことを批判した。