福島の子どもたちは事故以降、どのような思いで生活しているのか。朝日新聞出版が昨年、出版した「福島の子どもたちからの手紙 〜ほうしゃのうっていつなくなるの?」には、福島県に住む50人余りの子どもたちの書いた絵や作文が掲載されており、子どもたちの複雑な胸の内が綴られている。その手紙が一部改ざんされている、と気づき、指摘した熊本県の医師・小野俊一氏、通称@onodekita氏に2013年6月3日、岩上安身が話をうかがった。
改ざんされている文章は、「わたしは、何さいまで生きられますか?」と書かれた部分で、改ざん前は、「わたしは、ふつうの子供を産めますか?何さいまで生きられますか?」となっている。
小野氏は、こうした改ざんが行われる背景について、「普通の子どもを産みたいというと、障害者へ対する差別だ、障害者に対する否定じゃないか、となるから」と説明し、「五体満足の子がほしいと親は誰だって願うが、これを言うことはタブーになっている。風疹ならば『ワクチンを打とう』といっても差別とは言われないのに」と指摘する。
さらに、「(改ざん前と比べ、改ざん後では)死に直結しているかのような話になっているが、(子どもを産むと書いた背景には)『結婚するんだよ』という人生のストーリーを考えている。結婚への希望も失っていない」と述べ、子どもの思いとは異なった手紙の内容になっていると疑問を呈した。