【再アップ!】「現在報道されているような内容ではまだ説明が足りない」――「原子力資料情報室」による緊急記者会見 2011.3.13

記事公開日:2011.3.13取材地: テキスト動画
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 2011年3月13日、日本外国特派員協会において、原子力資料情報室(CNIC)が会見を行った。発言者は、伴英幸氏(原子力資料情報室・共同代表)、後藤政志氏(東芝・元原子炉格納容器設計者)、上澤千尋氏(原子力資料情報室・原子力安全問題担当)

※動画のご視聴は会員限定となります。

  • 日時 2011年3月13日(日)
  • 場所 日本外国特派員協会(東京都千代田区)

以下、サポーター有志による注釈とサマリーを掲載しています。

司会者による英語での紹介

伴英幸氏(原子力資料室の共同代表)による自己紹介から説明が始まる
「今問題になっている福島の二つのサイトには10基の原子力発電所がある」
「そのうち7基が原子炉炉心溶融、そういう事故に向かって進みつつある」
「原子力発電所の耐震性、あるいは津波への備えというものは不十分であるということはこれまでも批判的な視点からずいぶん指摘されていたが、残念ながら十分な対応がされてこなかった」

伴氏「メルトダウンというのを避けるべく、政府と電力会社が対応しているのを固唾を飲んで見守っているというしかない」
「的確な情報を掴み、発信していくことをしていきたいと考えている」
より詳細な内容は二人が説明する。

後藤氏「柏崎においては色んな所での様々なトラブル、故障があった」
「しかしながら原子炉本体、格納容器の主要部分は大きな損傷は免れたと思われる」
「柏崎苅羽の事故の後、プラントは非常に設計に余裕があったから大丈夫だったのだという評価をされている」
「しかし、実際大きなダメージを受けなかったのは偶然である」
「なぜなら地震による力はそれだけではなく、他の条件の組み合わせによって決まる」
柏崎苅羽の事故は偶然によるものだという後藤氏。

福島原発の話に移る。
マグニチュード9強による地震の揺れと津波を受けたと説明のあと、図による説明を始める。
原子炉の図面を指しながら説明。
まず冷却装置を指しながらこれが再循環ポンプという説明。
放出された蒸気がタービンを経て再び炉内に再び戻ってくると。
事故の時に冷やすのがECCS(Emergency Core Cooling System)(*)と外側を覆うのが鉄製の格納容器に関係した話をする。

非常用炉心冷却装置(*)(ひじょうようろしんれいきゃくそうち、ECCS、Emergency Core Cooling System、緊急炉心冷却装置)は、水を冷却材として用いる原子炉の “炉心” 炉心で冷却水の喪失が起こった場合に動作する工学的安全施設である。炉心に冷却水を注入することで核燃料を長期に渡って冷却し、燃料棒の損壊を防止する。ECCSの作動は原子炉の停止を意味する。リンク→【ウィキペディア

格納容器の鉄の厚さは大体30ミリ。直径30メートル近く。
格納容器のタイプは大きく分けて二つある。
・マークⅠ型とマークⅡ型

福島で問題になっている1~3号機の容器はマークⅠ型。
「格納容器は放射能を閉じ込める機能を持っている」
事故が起こった場合、格納容器内の配管が破断したり原子炉から蒸気が出たときにサプレッションプール内の水に蒸気が吹き込まれて凝縮する。

形が違っても格納容器としての共通点
・閉じ込めていること
・プールがあること

事故が起きたのは冷却系。
地震があって、制御棒は下から上にあげて核反応は止まった。
しかし崩壊熱(*)がある。

*崩壊熱とは核反応が止まっても燃料は冷やし続けないと溶け落ちる(メルトダウン)by 後藤氏
●崩壊熱
核分裂で生じた核分裂生成物など、原子核が不安定な核種は、ベータ線やアルファ線などの放射線を出して別の原子核に変わっていく。この現象を放射性崩壊という。そのときに放出されるベータ線やアルファ線などのエネルギーの大部分は、その物質中で熱に変わる。この放射性崩壊に伴って発生する熱を崩壊熱という。
使用済燃料高レベル放射性廃棄物のガラス固化体は崩壊熱を多く放出し、温度が高くなるため、水や空気で冷却されている。

「この事故は端的に、原子力プラントの外から供給される電気・電源が喪失したことにある」
「全電源の喪失ということは全部の電気をした為に冷却が出来なくなった」
「原子力プラントはこうした事故を想定してECCSというシステムを付けている」
「外から電源が入らなかった場合に、その代わりに非常用のディーゼルを複数台用意している」
「非常用にジェネレーターは2台ないし4台ある」
「福島第一原発の一号機は2台の非常用ディーゼルの立ち上げに失敗した」
「従って水が循環しないので冷却出来ないために段々と水位が落ちてきた」
「燃料が水面から露出して燃料が溶け始まる
「原子炉内の圧力と温度が上がっているから蒸気が出ることで格納容器内の圧力と温度も上がってくる」
「格納容器の圧力は設計の1.5倍以上の上昇し始めている」
「格納容器が破損する危険性が出てくる」
「同時にサプレッションプールの水温100℃を超えてきた」
「サプレッションプール内の水で冷やすことも難しくなってきている」
「炉心が出てきて溶け始めてきた中で何とか水を注入するように努力をしている」
「通常のシステムではない外からの繋ぎこみをしたりして何とか冷却機能を維持するように努力してきた」
「機能として必要なことは水・ポンプ・電気」
「電源は全体の電源が落ちているので全プラント電源喪失」
「非常用ディーゼルが一号機では2台止まっている。他は一部が動いていたがかなり止まっていて起動が出来なかった」
「一号機のように2台とも止まった場合は外から電源車で電源を持ってくることで確保した」
「その容量の小さい不安定な電源で維持している」
「その状態で格納容器の圧力が上がっていて冷却も不十分」
「それで仕方なく格納容器が壊れることを防止するために格納容器のベント、格納容器から放射能を含んだ蒸気を出した」

そしてここで後藤氏が研究してきた結果を発表すると。
「格納容器の強度は大体設計の2倍くらいまでは多分もつであろう」
「ただし、厳密には2倍からうまくいけば5倍くらいまでもつかもしれない」
「理由はプラントの形式によって弱いところがあったりする(1号機や2号機でそれぞれ違う)ので同じ値とは限らない」
「この事故の状態ではすでに格納容器の設計の条件を超えている」
「冷却機能も完全ではないので、このままいけば格納容器が爆発するということを恐れていた」
「それで格納容器からベント(蒸気を放出)した」
「放射能を閉じ込めるという格納容器の目的に反しているがやむを得ずベントしたということ」
「そうした不安定な中で冷却をしているが水が足りない」

「海水を入れることはもう使えないということを覚悟してやったことだと思う」
「それでも確実じゃない。それは冷却がうまくいくかどうか。現在余震もまだ続いている」
「格納容器の機能を維持することが絶対必要」
「万が一、炉心溶融がさらに進んだ場合、格納容器はほぼ間違いなく壊れるだろう」
「それは圧力が1.5倍とか2倍になり温度も上がっている。もちろんそのあと少し下がっているが、再び炉心が溶けてくるとまたそういう状態になる」
「格納容器の中も海水で満たすことも現在進行中」
「原子炉の中に海水を入れて同時に格納容器の中にも水をどんどん入れる」
「一つ目は圧力容器、もう一つは格納容器。格納容器はサプレッションプールだけじゃなくてその上まで全部満たすようにするということ」
「今、1号機はすでに原子炉の中に水を入れて格納容器の中にも入れている途中」
「他のプラントも次々とこのようになる可能性がある」
「現在、非常に今すぐ壊れるという状態ではないが、もし炉心の冷却に失敗すると最悪のシナリオになる可能性がある」
「もうひとつ、格納容器の外側に原子炉建屋がある」
「昨夜、建屋上部で水素爆発が起こり建物の上部は吹き飛んでいる」
「格納容器、原子炉は何とか損所爆発に耐えられた模様」
「燃料が溶けて水素が出る。その水素が爆発すること」
「格納容器の中は窒素を封入している」
「窒素を封入しているため容器内で水素が出ても簡単に火は点かない」
「しかし、今回は格納容器をベントしている」
「ベントによって窒素ガスが外に出ている可能性がある」
「実際の発表によると格納容器の中には窒素があるから大丈夫だという説明をしているがそれは間違い」
「中の窒素が外に出されると窒素封入になっていないので、それに酸素が加わると燃える」
「つまり通常の状態ではないということ」
「ただ、このまま冷却がうまくいくということと格納容器が壊れないという状態になれば事故は終息できると思う」
「繰り返し言うが、決して安定した状態ではない」
「よってプラントの周辺の人が退避している。そして現在も進行形である」
「現在報道されているような内容ではまだ説明が足りないと思う」
「正確にその状態をみんなに知らせ、被害を最小限にする手だてを講ずる対策が必要」

(…会員ページにつづく)

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