2013年5月12日(日)13時30分より、兵庫県西宮市の西宮市民会館で、入江紀夫医師講演会「子どもたちの未来を守る内部被曝を考える講演会 ~どこでも誰でも放射能健康診断の実施を!」が行われた。
(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)
2013年5月12日(日)13時30分より、兵庫県西宮市の西宮市民会館で、入江紀夫医師講演会「子どもたちの未来を守る内部被曝を考える講演会 ~どこでも誰でも放射能健康診断の実施を!」が行われた。
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入江氏は福島県における甲状腺がんの発生率について「一般的に、子どもの甲状腺がんは、100万人に1人と言われている。福島の場合は、3万人の検査で3人の子どもが甲状腺がん、という診断が確定して手術を受けた。さらに、細胞診で、甲状腺がんの疑いがある子どもが7名出ている。10名の甲状腺がんが出た場合の発生率は、37.48倍になり、偶然に起こる頻度を超えている。原因と予防策を、早急に考えないといけない事態だ」と話した。
医療被曝と発がんのリスクについては、「イギリスで1950年代に行われた、アリス・スチュアート医師の研究で、妊婦への放射線検査により、その子どもに白血病や、その他のがん発症リスクが上昇することが明らかになった。去年、イギリスの医療系雑誌『ランセット』で発表された医療被曝の論文は、子どもでは、CTでの被曝が50ミリシーベルトで白血病が3倍に、60ミリシーベルトで脳腫瘍が3倍になると述べている。これらの知見は、低線量の被曝であっても、危険だということを示している」と話した。
内部被曝については、「さまざまな核種によって、吸収、沈着、濃縮など、体内での動態が違うことを考えなければならない。放射性ヨウ素は安定ヨウ素、放射性セシウムはカリウム、ストロンチウムはカルシウムと同じような動態を示し、部分的に集中して被曝させる。プルトニウムは、吸入で肺に入ると非常に危険な核種である。ホールボディカウンターでの検査は、体内の放射能のうち、ガンマ線を拾うだけなので、尿検査や血液検査などを組み合わせて、総合的に判断することが必要だ」と述べた。
最後に、今後、さまざまな健康被害が出てくる可能性について触れ、「さらに注意深く、子どもたちを見ていく必要がある」と入江氏は語った。