【第79-80号】岩上安身のIWJ特報! 「信教の自由」と「表現の自由」が保障されなくなる ~自民党憲法改正草案逐条ゼミナール・第2弾(前編・後編) 2013.3.22

記事公開日:2013.3.22 テキスト
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(文責・岩上安身/テキストスタッフ・長尾、大西雅明)

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 「まずは96条の改正に取り組む」。安倍晋三総理が憲法96条の改正について、そう言明したのは、1月30日の衆院本会議だった。

 現行憲法の第96条では、憲法改正のための発議には衆・参議院それぞれにおいて、総議員の3分の2以上の賛成が必要だと定めているが、安倍総理は、この規定を総議員の過半数に変えようというのである。言うまでもなく、改憲を行いやすくするためである。

 安倍総理の言明から約1カ月半。3月に入ってから、自民党だけではなく、野党をも含めた改憲派の動きが活発化している。

 自民党の菅義偉官房長官は、3月11日の記者会見で、「政府としては96条の改正に全力を挙げて取り組みたい」と述べ、本会議での安倍総理と同じ発言を繰り返した。また、民主党、日本維新の会、みんなの党の3政党がつくる超党派議連「憲法96条研究会」が3月15日に初会合を開き、96条改正に向けて議論を行った。また、これとは別の自民党を中心とした超党派議連「憲法96条改正を目指す議員連盟」も3月中に総会を行う予定だ。

 現在の参議院議席数は、自民、維新、みんなの3党を足しても103議席で、公明党を合わせても122議席。憲法改正に必要な全議席の3分の2以上である162議席にはまだ届かない。そこで安倍内閣は、改憲手続きに関する96条の改正論議を先行させ、具体的な内容に踏み込んだ改憲論議は7月に行われる参院選後に先送りする腹づもりだろうと見られていた。

 ところが、ここにきて雲行きが変わってきている。改憲に向けての議論の足取りが早まってきているのである。

 3月14日、衆院憲法審査会は今年初となる会合を開き、憲法第1章(天皇)と第2章(戦争の放棄)について議論を行った。自民党、日本維新の会、みんなの党が、天皇を元首と位置づけることを憲法に明記すべきだと主張する一方、民主党は改正は必要ないとの立場を表明、公明党、共産党、生活の党なども改正には否定的な意見を示した。

 戦争の放棄に関しては、自民、維新、みんなの3党は集団的自衛権行使を含めた9条改正を求めたが、公明党は反対、民主党と生活の党は賛否を明確にしなかった。安倍総理は、9日に出演したBS朝日の番組でも、“将来的に憲法9条を改正し、国連の判断で軍事的な措置などで侵略行為を除去する「集団安全保障」に参加することに意欲を示した。(毎日新聞 3月10日)”

 手続きの改正だけでなく、改憲の中身の議論が進み始めているのである。

 私は、自民党憲法改正草案について、澤藤統一郎弁護士と梓澤和幸弁護士とともにこれまで計3回の逐条ゼミナールを行い、第1回目の模様をメルマガ第73号・第74号で紹介した。今号では、1月25日に行った第2回目の逐条ゼミナールの模様を紹介する。

 この日のゼミでは、主に第20条「信教の自由」と第21条「表現の自由」という非常に重要な条文について解説を行った。自民党案では、集会、結社及び表現の自由を定めた21条を完全に否定する21条の第2項が新設されている。

 梓澤先生は、治安維持法を引き合いに出して自民党案の危険性を指摘し、澤藤先生も「実現すれば、そういう世の中(=明治時代)に戻りかねないと考えています」と警鐘を鳴らした。

 また、3月12日に行った第3回目の逐条ゼミナールの動画を、IWJのHPにアップしている(憲法96条の改正は、憲法総改正の第1歩 ~自民党憲法改正案についての鼎談 第3弾 2013.3.12)。

 ここでは、冒頭で紹介した第96条について詳しく解説をしているので、このメルマガと合わせて是非ご覧いただきたい。

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記事目次

  • 第20条 信教の自由 自民党案は明らかに後退している
  • 自民党案では、人権を制限する言葉が追加されている
  • 靖国神社は、国民に対する精神支配装置
  • 憲法は、国民が国家の間違いを正すことを保障するもの
  • 日本は満州事変の愚を繰り返すつもりか
  • 日本国憲法は、勝ち取った民権か、与えられた民権か
  • 表現の自由を根本から否定する自民党改憲案
  • 自民党改憲案は治安維持法を思い起こさせる
  • 弾圧が始まったとき、あなたはいつ声を上げるのか
  • 憲法は、良い項目なら何でも入れていいわけではない
  • 「第28条 勤労者の団結権」も後退する
  • 経済活動の自由を緩めて、新自由主義の流れを加速

(…サポート会員ページにつづく)

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