2011年11月7日、ダライ・ラマ14世が自由報道協会主催の記者会見に出席した。ダライ・ラマ14世はチベット仏教の最高指導者で、1989年には、世界平和やチベット宗教・文化の普及に対する貢献が高く評価され、ノーベル平和賞を受賞。また、カナダ名誉市民、パリ名誉市民などの称号を受けている。
会見で法王はメディアに対し、『誠実でバイアスのかからない目で報道していただくことが大切です』と語った。
2011年11月7日、ダライ・ラマ14世が自由報道協会主催の記者会見に出席した。ダライ・ラマ14世はチベット仏教の最高指導者で、1989年には、世界平和やチベット宗教・文化の普及に対する貢献が高く評価され、ノーベル平和賞を受賞。また、カナダ名誉市民、パリ名誉市民などの称号を受けている。
会見で法王はメディアに対し、『誠実でバイアスのかからない目で報道していただくことが大切です』と語った。
■ハイライト
【以下、全文書き起こし】
法王「おはようございます、遅くなって申し訳ございません。今日はこのような多くのメディアの皆さんにお目にかかれましたこと非常にうれしく思っております」
唐橋「では、冒頭ダライ・ラマ法王よりお話をしていただきます。よろしくお願い致します」
【ダライ・ラマ法王 講和】
まず最初に今回の訪日の目的についてお話申し上げたいと思います。
今回は高野山における法話も行い、また、もう一つの大きな目的として、地震津波に遭われました被災地を訪問させていただき、被災者の皆様の悲しみを共有したいと思いました。そしてそこで皆様と私の考えを共有させていただき、今度は前を向いて歩きましょうというお話についてもさせていただきました。今こそ家を建て直し、そして町を復興していこうではないか。そういう決意をするときではないかというお話をしました。
こうやってメディアの皆様にお目にかかるときには常に、私は次の二つの点についてお話をしております。特に私が大切だと思っていることなんですが。
まず一つが『ヒューマンバリュー、人間の価値』ということです。我々はこのところ様々な問題に直面をしております。これは私たちが自分で作り出したものでもあると言えるわけです。そういった意味で『こういった人的な問題をできるだけ軽減するにはどうしたらいいか』ということです。そのためには、Self discipline、つまり自己規律。そして責任を持つということ。そして他を思いやるという気持ちです。
先ほど私はヒューマンバリュー、人間の価値というお話を致しました。これは私たちが謙遜の心を持ち、そして慈悲の心を持ち、愛情を持つということが大切だと思います。そしてまた、他人のために尽くすという、そういう意思の力というものも大切だと思っております。これは単に宗教的なものから起こるのではなく、宗教がないところでも人間の本質として、人間の質として元々あるものであるというふうに思います。
(…会員ページにつづく)