2013年2月22日(金)10時45分から、東京都千代田区の経済産業省で、茂木敏充経済産業大臣の定例会見が開かれた。茂木大臣は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉参加について、23日未明に行われる日米首脳会談の場で、「安倍総理が、聖域なき関税撤廃を前提とするかどうかの確認をする」との認識を改めて示し、帰国後は「そんなに時間をかけずに(交渉に参加するかどうかの)判断をする」と述べた。
(IWJ・阿部)
2013年2月22日(金)10時45分から、東京都千代田区の経済産業省で、茂木敏充経済産業大臣の定例会見が開かれた。茂木大臣は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の交渉参加について、23日未明に行われる日米首脳会談の場で、「安倍総理が、聖域なき関税撤廃を前提とするかどうかの確認をする」との認識を改めて示し、帰国後は「そんなに時間をかけずに(交渉に参加するかどうかの)判断をする」と述べた。
■全編動画
日本時間の23日未明に、オバマ米大統領と安倍晋三首相による、日米首脳会談が行われる。会談では、先日、核実験を行った北朝鮮への対応や、停滞する普天間基地移設問題などについての議論が行われる予定だが、本会見では、TPP交渉参加に関する質問が集中した。
茂木大臣は、TPPが、首脳会談の大きなテーマのひとつであるとした上で、「なかなか事務レベルでは乗り越えることのできなかった問題について、意見交換が行われる。総理が、『聖域なき』関税撤廃が前提となるかどうかをハッキリと確認される」と会談の見通しを述べた。
次に、自民党が掲げる「TPPの聖域なき関税撤廃」の具体的な定義について、解釈を求められた茂木大臣は、「聖域がどの部分かについては、まだ決められる段階ではない。TPPに関しては、すべての品目をテーブルに乗せて判断する」と、関税撤廃について具体的な範囲は決まっていないと説明した。
さらに、自民党の公約について、「交渉参加に反対、とは書いていない。聖域なき関税撤廃を『前提とする限り』、交渉参加には反対という意思だ」と述べ、TPP交渉参加には「前提」があるかどうかが、大きな判断基準であることを強調した。そして、安倍首相の帰国後は、これまでの事前協議や会談の結果を踏まえ、「そんなに時間をかけずに判断する」と述べた。
また、原発の停止により経営が悪化している日本原電について、「4月に借入金1040億円の返済期限を迎えるため、電力各社が債務保証を検討しているが、(それ以上の)新たな支援策を打ち出す段階ではないと思う」と述べた。さらに、関連して「日本原電が、資金繰りのために所有しているウランを売却した」という一部の報道への、政府としての見解を尋ねられると、「把握していない。各企業の個々の取引については、法律に則ってそれぞれの経営判断で行なわれていることで、報告を求めるつもりはない」と答えた。