いわきの初期被曝を追求するママの会~シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばくを観る会 2013.2.19

記事公開日:2013.2.19取材地: テキスト
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(阿部光平)

 2013年2月19日(火)福島県いわき市のラ・エトワールで、『いわきの初期被曝を追求するママの会~シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばくを観る会』が行われた。会ではNHKで放送された番組を鑑賞した後で、福島県で子育てをする母親達が、様々な意見や情報を交換した。保護者が除染について学校に問い合わせた際の対応が語られると、学校側の非協力的な姿勢に、参加した他の保護者からは驚きの声が漏れた。参加者らは国や市の初期被ばくに関する対応を、今後も追及していく意思を確認し合った。

※事情により動画はございません。ご了承ください。

  • 日時 2013年2月19日(火)
  • 場所 ラ・エトワール(福島県いわき市)
  • 詳細

 NHKで2013年の1月に放送された『シリーズ東日本大震災 空白の初期被ばく~消えたヨウ素131を追う~』は、事故直後に大量放出された放射性物質『ヨウ素131』が引き起こす人体への影響や、初期被ばくの実態に迫った番組だ。

 ヨウ素131は、チェルノブイリ事故後に大勢の子どもに発症した甲状腺ガンの原因となったとされる放射性物質。半減期8日と短時間で消滅するという特徴を持っているため、消えてしまう前に正確な被ばく調査を行うことが、今後のガン発症のために重要となる。ところが、今回の原発事故では調査が行われなかった。

 会場には、この番組を見てはじめてヨウ素131による初期被ばくの実態を知った参加者もいた。参加者のひとりは「いわき市の記録では、市は独自の判断に基づいて市民の皆さまの安全、安心を確保する対処をしたと書かれている。しかし、テレビでは独自の判断ができなかったと話している。どうしてこんな矛盾が起きるのか?」と憤りを露わにした。

 また、他の参加者は「12日に安定ヨウ素剤を配って欲しいという要請を出したにも関わらず、市長は要請を拒否。結局は6日後の18日に配られた。そのためにどれだけ多くの子どもが被曝したか。買い物するために1時間も2時間も外に並んだ子どももいた」と、市民の声に対して市が迅速な対応を行わなかった点を批判した。

 学校における除染の対応について直接問い合わせたという、3人の子どもを持つ母親は「何度問い合わせても学校側の対応は、『除染は市で順番に行うことになっている』の一点張り。学校側としての対応について回答は得られない」と悔しさを滲ませた。同校からは「給食が心配なら食べさせなくてもいいですよ。放射能が心配ならマスクをしてきてください。それでもまだ不安ならば、放射線学習に参加してください」という対応だったという。

 実際に母親が放射線学習に参加してみると、京都大学から招かれた講師は「みんなはポテトチップス好き?ポテトチップスにも自然放射能がたくさん含まれているよ」、「年間100ミリシーベルトを浴びている国の人もあるけど、みんな元気だよ」という内容が平然と語られ、彼女は愕然としたという。

 また、意見交換では「子ども達は、母親が学校に問い合わせをすることによって、自分が目立ってしまうことを嫌がる」、「子どもの健康には気をつけようと思ってはいるが、日々の生活が忙しくて疎かになってしまうこともある」など、母親らではの意見が多数語られた。

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