在英日本大使館に英市民団体が反原発の要請書提出
(ロンドン在住ライター 名取 由恵)
在英日本大使館に英市民団体が反原発の要請書提出
2013年1月25日、日本政府に反原発を訴える要請書がロンドンの日本大使館に提出された。
この要請書は、在英邦人有志によるグループ「Japanese Against Nuclear UK (JAN UK)」と英反原発グループ「Kick Nuclear (KN)」、英反核グループ「CND (Campaign for Nuclear Disarmament)」などの連名によるもの。
25日、気温1℃という厳しい寒さのなか、ロンドン中心部メイフェアにある日本大使館前に日本人、英国人など30人弱が集まった。
在英日本大使館に英市民団体が反原発の要請書提出
午後12時、メンバーが順番にマイクを握って日本語の要請書を読み上げ、続いて英語の要請書が読み上げられる。
英語版の冒頭を読むのは、現在「CND」の書記長を務めるケイト・ハドソン博士。「CND」といえば1957年設立という長い歴史を誇る欧州最大規模の組織だが、多忙な彼女が日本の反原発運動のために駆けつけたという。
要請書の後は全員でシュプレヒコール。
「No more Fukushima. No more nuclear. Save our children. Save our planet!」といったコールと共に日本語で「再稼動反対」のコールもあがる。
「SAIKADO HANTAI」が日本人以外の反原発活動メンバーにも浸透しているのは驚きだ。その後、「JAN UK」の共同代表のひとりである小林茂夫氏が、大使館内で二等書記官に要請書を手渡した。
日本人メンバーによる「ふるさと」の合唱、英語の反原発ソングの合唱をもって、1時間近くに及ぶ行動は終了。
「KN」のメンバーであるマーティン・ロウさんに日本人へのメッセージを尋ねると、「どうか原発を止めてください。みんなのために。原発事故が起こった場合、当事国だけでなく、世界中の人々に影響を及ぼします。放射能は地球規模の問題であり、地球規模の解決が必要なのです」と訴えていた。
林景一・在英日本国大使と安倍首相宛てに書かれた要請書は、原子力政策の転換、放射性物質の放出と拡散の防止、住民の生命・健康を守る政策の施行、市民活動と言論の自由の保障など多岐にわたる内容だ。
要請書の全文は「JAN UK」のウェブサイトに近日公開される。「JAN UK」と「KN」は、日本各地で行われている反原発行動に連帯し、毎週金曜午前11時から日本大使館前、午後1時から同じくメイフェアにある東京電力ロンドン事務所前にて抗議行動を行っている。
また、福島事故から2周年を迎える今年3月には、「JAN UK」「KN」「CND」の共催により、9日(土)にロンドン中心部でのデモ、11日(月)夕方に追悼イベント、夜からは国会議事堂内で国会議員や専門家を招待しての集会が企画されている。
すごい、ロンドンでもがんばってますね。日本では悲しいことに、被害から目をそらすことばかりが画策されて、多くの国民が騙され続けています。被害が具体化してから慌てても遅いのに!